最新の観てきた!クチコミ一覧

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S.ストーリーズ

S.ストーリーズ

劇団かもめんたる

座・高円寺1(東京都)

2022/01/19 (水) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

短編集ということもあり、個々は当たり外れがあるものの、全体感としては面白かった。
ただ、実験的な要素もあるだろうことは感じ取れた。
内容的には、笑いライブ3:演劇7の構成比率だろうか。
内容の濃さにしては時間が長い。90分でいいと思う。

夏の砂の上

夏の砂の上

玉田企画

北千住BUoY(東京都)

2022/01/13 (木) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

年初から良い舞台を観れました。
基本的には「陰鬱」な路線ですが、ところどころの笑いと
浅野千鶴の明るさが対比となって、
良い構成だったと思います。

※会場自体に関していうと、
※冬場はコート着たままのほうが良い。
※明らかに寒すぎ。

ガラテアの審判

ガラテアの審判

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/01/20 (木) ~ 2022/01/26 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

見事だった。
感服しました。
フェブラボ作品の中でも一二を争うくらい良い劇でした。

ネタバレBOX

下された判決が懲役15年。
チップ1枚になった被告にどんな使役が課されるのだろう?
アオイの花【1月25日-27日公演中止】

アオイの花【1月25日-27日公演中止】

“STRAYDOG”

テアトルBONBON(東京都)

2022/01/20 (木) ~ 2022/01/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

幸せな日々を突然奪われてしまった家族が、
辛い気持ちを抱えながらも生きてきた証を残そうとする姿に心打たれました。
辛い思いをした時に立ち直ることはできなくても、前に進んでいくことはできると教えてくれた作品です。

絶叫【1月25日-30日公演中止】

絶叫【1月25日-30日公演中止】

“STRAYDOG”

テアトルBONBON(東京都)

2022/01/21 (金) ~ 2022/01/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

暗いテーマを扱いつつも、明るい気持ちにさせられる不思議なエネルギーのある物語でした。
内容はもちろんなのですが、ダンスシーンが素晴らしかったです。

九十九龍城

九十九龍城

ヨーロッパ企画

本多劇場(東京都)

2022/01/07 (金) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

価格5円

本多劇場満員でした。
狭い椅子で、コートと荷物を抱えて観劇。荷物を預ける所は、無かった様な気がする。コロナだからかな?

休憩無しで、二時間の上演。お尻が痛かった。

ネタバレBOX

とにかくヨーロッパ企画が久しぶりに本公演をしてくれるので、嬉しかった。
以前と変わらず、可笑しな設定がいっぱい。
セットは、Windows5000を思い出す。
全体的に流れが似ているかも。

二役、三役、を、石田さん、本多さん、永野さんが、こなしていました。いつもながら、着替えが大変なんだろと思いながら観てましたよ。

ラストのエンドロールでは、NGシーンが出てきて、おまけトークが無い日に行ったけど、ちょっと見えて楽しかった。
奇譚録。バーベキューダンス

奇譚録。バーベキューダンス

劇団「楽」

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2022/01/19 (水) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

確かに表層的には「奇譚録」といった雰囲気であるが、物語にそれほど”圧”を感じることはなかった。伝説の竜殺しと愛しき仲間たち~という内容であるが、竜殺しの意味するところが分かり難い。

妖しげな幻想世界を漂わせているが、時々 物語の間隙をねらって説明を入れるため雰囲気が定まらない。主宰の倉田楽 氏が、赤(い)竜役で登場し、物語の構成を説明する。本でいう章立のようで、物語の場面紹介をしている。全体的にダークさが漂うため、合間に箸休め的というか緩衝場面を挿入したのか?どちらにしてもあまり意味がなかったと思う。

公演の魅力は、奇異なメイク貌、独特な衣装といった外見、その姿でアクションを行い観(魅)せるところ。またキャストは演じていない、つまり登場シーンでない時は、上手か下手側の壁際で立ったり座ったりしながら、その場に居る。同一空間(舞台上)にいることによって、劇中での場所が違っても同じ時間が流れていることを意識させる。

物語は、人間と獣や竜との戦い…生存をかけた戦いを描いているが、舞台上で繰り広げられている事が料理であり、周りで観ているキャストは舞台(料理)を囃し立てるダンサーといったところか。物語の展開はそれほど複雑ではないことから、ほかの色々なことを想像してしまう。
(上演時間2時間 途中休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は、中央に可動する大きな階段があり、所々苔生し雑草や蔦が生えている。そして上手側に武器置き場があるだけのシンプルなもの。大きくスペースを確保しているのは、アクションをダイナミックに見せるため。貌や衣装は凝らしているが、武器(剣など)はダンボールに銀紙を貼りつけた張りぼてで、脅威を感じられず残念。

梗概…竜や獣が存在する架空の世界。狩りを生業とする人達ー狩り人であるハクサとシュンギが主人公。2人は都を目指していたが、その道中、獣に襲われていた男・トマを助ける。トマは伝説の竜殺し、黒の竜殺しと呼ばれる男を探すため、ある村を目指していた。ハクサとシュンギは護衛も兼ねてその村まで同行したが…。

当日パンフから、描きたかった「ファンタジー」を解釈すれば、倉田さんが演じた竜こそが、台詞にも出てくる大剣を表している。つまりファンタジー=竜=大剣と思われるから、物語の中心人物(本人)が何故 案内役を務めるのか?物語に入り込み 中心にいるべき存在だと思う。
また別に黒い竜が存在し、その竜を殺した男を探し求める。竜は複数体おり、物語の云わんとする獣や竜は別のことを意味しているのでは?単に人間と他の生き物の生存をかけた戦いでは浅すぎてしまう。そして竜殺しを探している理由が、あまりに人間的すぎるのが残念。
妖しく壮大なイメージの舞台であるが、雰囲気が先行し物語の面白さが追い付いていないのが残念。
次回公演も楽しみにしております。
素

ゾノノキカク

OFF OFFシアター(東京都)

2022/01/20 (木) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

PANCETTA一宮周平さんの演出・創作過程は、過去にその様子を一般公開していて、一部を拝見したそれはもうかなり独特だったと記憶。
ひとつのお題が持つ可能性をとことん広げて、解体・分析・絞り込んで独自の道筋ができていく感じ。

今回のタイトルでありお題でもある「素」も繭に姿を変え、お蚕さんが産生する繭から連想される胎児、“素”材である絹糸の精製、富岡製糸場で働く女工さんの生き様からその女性の“素”性にも遡って・・・ひとりの女性を描いた繋がりを保ったまま縦横無尽にシーンの姿が変わっていくというなかなかの強者芝居。
とても一筋縄ではいかないシーンの一連を中薗菜々子さんという若い女優さんが、まさに観客の視線一点集中、一人芝居で堂々と演じ切っていくのですから観ているこちらも真剣勝負。
とても50分だったと思えないくらいの燃え尽き感でした。

今回は繭の糸にインスパイアされた流れであったものの、ひょっとすると「運命の赤い糸」であったり「蜘蛛の糸」だったりとPANCETTA的な発想の道筋は無限であり、そこには一宮さんが持つ発想の瞬発力が大いに関わっているのでしょうが、中薗さんにとって何が一番だったのかは想像の余韻が残るところ。
憑依がかった芝居のできる女優さんなので、本作も立派な作品として成立していましたが、未知数の大きな女優さんでもあるので、一宮さんの未知数と掛け合わさって、もしかするともっととんでもなく大化けする世界もあるのではないかと
そんな大きな期待を将来の余白に取っておいても良いのではないかとも思えるのでした。

S.ストーリーズ

S.ストーリーズ

劇団かもめんたる

座・高円寺1(東京都)

2022/01/19 (水) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

■約115分+カーテンコール■
7編から成る短編集。現実には起こりえない奇想モノが目立ち、もちろんそうしたものも面白いが、狂った人や意地悪な人たちが善良な市民を追い込んでいく作品群に岩崎う大の個性、岩崎う大ならではの面白さがより濃く出ていて、個人的には後者寄りの短編でより笑った。

ネタバレBOX

つまらないドッキリを面白いと信じ込んでやろうとしている若手YouTuber2人組「放課後フォーエバー」に、かつてお笑いだか劇団だかをやっていた喫茶店マスターう大と常連客・槇尾のコンビがダメ出しをしまくる一編が可笑し。
彼らのやろうとしている企画のつまらなさが絶妙というか、いかにもありそうなつまらなさで、そのつまらなさの匙加減の的確さはさすがう大。
命を弄ぶ男ふたりに弄ばれる男ふたり

命を弄ぶ男ふたりに弄ばれる男ふたり

ぽこぽこクラブ

シアター2+1(東京都)

2022/01/22 (土) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

本日初日。そして明日は千秋楽と言う、わずか2日の上演です。
死にたがっている男2人の鞘当て的会話が面白かったですが、上演前から舞台に登場してストレッチしたり打ち合わせしたり。それがお芝居なのか素なのか微妙なところが気になりました。

セミへブン

セミへブン

劇団しようよ

小劇場 楽園(東京都)

2022/01/21 (金) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

面白い

セミへブン

セミへブン

劇団しようよ

小劇場 楽園(東京都)

2022/01/21 (金) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/01/22 (土)

価格3,500円

22日17時開演回(98分)を拝見。

人生は泥濘(ぬかるみ)の途。
屑人間にも三分の理どころか、胸の奥底から湧き上がって来る程の情の温かさ…
昔、聴いていた、関西ローカルの深夜ラジオみたいな味わいの舞台。
決して万人ウケする作品じゃないが、心に沁みたのは、自分の年齢のせいかなぁ?
終演後、かけそばでも食べに寄りたくなりましたw

ネタバレBOX

【配役】
男:コサカイ・マコト(問題を起こして懲戒免職された元・高校教師。現在、無職)
…夏目慎也さん(精神的に負荷の高そうな役柄を熱演)
男の妹サトミ(兄の事件のせいで職を失う)…西村花織さん
妹の旦那…大柿友哉さん
レイコ先生(「セミヘブン」の運用者)…南波圭さん
女子生徒カヨ…波多野伶奈さん(この作品を選んだ彼女の感性に敬服)
トム君…前田隆成さん

【追記】
先行の京都公演で、劇中の一部描写につき「性暴力」とのクレームを受けたことを踏まえ
劇団側では、東京公演の開演前に
「そう捉えられ得る表現が劇中内に存在することの告知」
「同表現を確認できるように台本を公開」
の2つの方策を取られた。

でっ、本日、実際に当該シーンを拝見したところ…
◆更衣室での「男」の行動
◆教え子の子宮回帰という異常な願望で現実逃避を図ろうとした「男」の思考
確かに、不意打ちで観られた方の中には、恐怖や強い嫌悪感を抱かれる方もおられるだろうな、と感じさせられた。
劇中の個別具体的描写を事前に知ることが困難だという演劇の実情を鑑み、やはり、必要(何らかの危惧)があれば、適切な事前告知を発するべきなんだろうな、と。
この点で、今回の劇団側の2つの方策の実施は、極めてフェアな対応だったと、改めて評価したい。
アオイの花【1月25日-27日公演中止】

アオイの花【1月25日-27日公演中止】

“STRAYDOG”

テアトルBONBON(東京都)

2022/01/20 (木) ~ 2022/01/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

同時上演している絶叫が良かったので、こちらも観劇して、全然違う話にビックリ。本当に、当たり前なんてどこにもないし誰も保証してくれてないんだなという当たり前を、気付かされる。
キャストの演技は中高生からベテランまでみな秀逸。涙無しには観られないけど、哀しいだけではない前向きになれる話で、本当に観て良かったと思う。(これが共通のテーマかなと思うくらい、どちらも、今観れて良かったと思う作品だったなぁ、、、)

ネタバレBOX

最後の歌、パンフレットに歌詞がのっていた、本当に頭からメロディが離れない。いい歌だった。
FRIEND

FRIEND

CHAiroiPLIN

あうるすぽっと(東京都)

2022/01/19 (水) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

🅰️#青井想 #札内茜梨 #古澤美樹 #藤井咲有里
シングルキャスト
#ジョディ #岩本大紀
#清水ゆり #小野塚茉央 他
(敬称略)
#スズキ拓朗 さんは出演していないのだけれど居る。間違いなく居る。でもそれは拓朗さんではなく岩本さん。その再現性が凄い。
冒頭、オトコの最初のセリフの深さに震えた。それが隣人にも当てはまって……ラストに撃ち抜かれた。冒頭の佇むオトコのシルエットが、まるでヒッチコックで、作品の持つサスペンス性を連想させる。
く…く…クルクル🌀…来る来る……清水ゆりさんの歌までスリリングに聴こえてくる。
前作でハートを射抜かれた小野塚さんが今回も素敵で、無垢なのにエロティックという不思議で最強。
ジョディさんはウガンダ・トラからの渡辺直美を経由して確立された存在。最敬礼が美しかった。
🅰️の目当ては藤井さんと古澤さん。芝居の確かさはお墨付きの藤井さんのダンスが予想以上で拍手。古澤さんのプログラムされたダンスの美しさを堪能した。キレは言うまでもないけれど、あの曲線の美しさは一朝一夕には作れない。アレと戯れて踊ることも含め、今回はセクシー担当で新境地を開いた気がする。もっともっとパフォーマーとしての姿を観たい。

明日が千秋楽。
コレを観逃すと後悔するよ。

本日、承後過ぎの生き方

本日、承後過ぎの生き方

演人の夜

萬劇場(東京都)

2022/01/19 (水) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

現代劇である分、社会制度まわりでどうにも気になっちゃう部分はありましたが、前半に蓄えた「多分こうなるなあ」の貯金を、後半でパーっと散財する感じが心地良かったです。出すって大切。

奇譚録。バーベキューダンス

奇譚録。バーベキューダンス

劇団「楽」

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2022/01/19 (水) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

独特の世界観を楽しめ、観応えのある作品でした。
残酷さや愛、非現実的な部分やリアルさ、様々な要素が盛り込まれていました。
場面転換の際、テンポが悪いと感じる部分もありましたが、面白かったです。
役者さん達の一生懸命さも伝わってくる熱い舞台で、良かったです。

絶叫【1月25日-30日公演中止】

絶叫【1月25日-30日公演中止】

“STRAYDOG”

テアトルBONBON(東京都)

2022/01/21 (金) ~ 2022/01/30 (日)公演終了

実演鑑賞

話に聞いていた通り、めちゃくちゃ歌とダンスがたくさんあって、ストーリーもスピード感があってあっという間に終わってしまった!という感想。照明がめちゃくちゃかっこいい。歌うまいキャストが多い!出演者の方がSNSで言っていた、「こんな時だからこそ観てほしい作品」というのに納得。観ていて、ドキドキワクワクするし、ハッピーな話ではないけど、観終わったあとの満腹感?がすごい!こういう時間こそ、今、必要だなーと思った。原作読んだ人も、ドラマ観た人も、全然違う作品として絶対楽しめる!

『ウエア』『ハワワ』

『ウエア』『ハワワ』

小野彩加 中澤陽 スペースノットブランク

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/01/07 (金) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度

■『ハワワ』鑑賞/約90分■
何なん?????

空鉄砲

空鉄砲

柿喰う客

ザ・スズナリ(東京都)

2022/01/14 (金) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

気が狂っている。作家(中屋敷法仁)の脳内に力ずくでぶち込まれた観客が乗せられるのは妄想と情動のジェットコースター。『ミクロの決死圏』のようにインナースペースの至る所を猛スピードで駆け巡って行く。素舞台で着の身着のまま、三人の役者が語るのは家族と同性愛と虚構。何一つ解決しないミステリー小説と、映画化を口実にしたいつまでも撮影の始まらない極私的リハーサル。完全に気が狂っている令和型寺山修司は満杯の女性客で狂熱。

ネタバレBOX

ベストセラー連発の大御所ミステリー作家が自宅の風呂場で遺体として発見、死因はヒートショックと見られた。若き息子(永島敬三氏)はその父の死を映画化しようと試みる。長年父の愛人であった解体工(玉置玲央氏)は主演に無名の役者(田中穂先氏)を推薦する。役者は作家そっくりに整形を重ねた、解体工の腹違いの弟であった。映画の為の役作りと称して、自宅に役者を住まわせる息子。在りし日の再現を繰り返すうちに三人の脳内が現実と虚構の垣根を越え、死んだ作家=父=愛人=“兄を虜にした男”の仕掛けた大伽藍の性愛絵巻へと。

キーワードは「ケダモノの白い涎」と「弾の出ない由緒ある火縄銃」、「貴方の子供を作りたい」男と「空鉄砲」を持て余す男。元乃木坂の若月佑美さんと新婚ほやほやの玉置玲央氏のエロスが腐女子を惑わす。田中穂先氏が作家の役を演じるのだが、突然憑依するようで怖い。

個人的にはラストの歌(KinKi Kidsの『Kissからはじまるミステリー』)とアフタートークが作品の余韻を掻き消してしまうようで少し勿体無い気も。何か有りがちな風景に観客はほっとしてしまい予定調和の安心を得てしまう。妄想なら妄想でキッパリ叩き付けてさっさと終幕しても、それも一つの立派なファン・サービスだろう。

作家の産まれてくる息子への想いを込めた作品は変態的な内容となり、世間の評価は低かった。それを本屋で立ち読みした中学時代の解体工は、異様に興奮し精通に至る。「ケダモノの白い涎」を垂らしたことをファンレターにて作家に告白。数年後その作品が映画化するとなってオーディションで役を勝ち取る。しかし彼を一目見た作家は業界に圧力を掛けて芸能界を追放させる。理由は「一目惚れ」だった。彼を愛人にして情事に耽る作家。金を一切仲介させないことが二人の歪な関係性を更に特別なものとするプレイへと。作家の息子は母を亡くし、愛人の下に入り浸り帰って来ない父に孤独を募らせる。ある日父から見せられた先祖代々伝わる由緒ある家宝の火縄銃、それを抱いたまま布団に入り興奮、精通に至る。十五の夜、父と解体工を密室に閉じ込めて性行為を見せることを強要。歪んだ性癖は父を媒介にした純愛か。

挿絵画家の石原豪人と彼の絵に性的興奮を植え付けられた「自殺サイト殺人事件」の前上博の関係を想起。
女性向けの同性愛であって、男性的には物足りないのがやや不満。(その気のないこちらもベロンベロンに興奮させて欲しかった)。石原豪人の名言に「女はホモの美少年を見ると濡れるんです。」と云うのがあるが、きっとそれは真理なのだろう。

こういう形態の作品が成り立つのは小劇場演劇の特権。商業演劇、TVや映画になると説明を求められ、理路整然とした納得を要求される。舞台は作家のぶつぶつとした独り言を複数の役者で彩りを添えただけだと観客は理解しているので、受け止める度量が深い。このレベルの語り口を当たり前のように許容する観客の熟練度に拍手。
夏の砂の上

夏の砂の上

玉田企画

北千住BUoY(東京都)

2022/01/13 (木) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

■135分弱■
松田正隆作の長崎弁演劇を玉田真也が演出。
人生の色々が詰まっていて、沁みました…。
ただ、客席がやたら寒い上に上演時間が告知よりも長く、冷気に気を取られて終盤、集中力が切れそうに…。

ネタバレBOX

浜辺は一度も出てこないのに、このタイトルがしっくりくる劇。
劇中人物の服に汗ジミが作ってあったり、演出がじつにきめ細やかでした。

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