最新の観てきた!クチコミ一覧

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大大阪舞台博覧会 2022

大大阪舞台博覧会 2022

大阪市立芸術創造館

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2022/01/15 (土) ~ 2022/01/15 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

Bブロック観劇。

15分でも十分内容が濃かった!

■劇団乱れ桜
出張でデリヘル呼んだら…
久しぶりの乱れ桜さん、デリヘル裁判、小気味良い芝居で愉しかった。

■でめきん
深夜、母を待つ小5…
変なお姉さんに妙な元気貰った!
最近よく拝見する劇団さん、愉しかった。

■芝居処 華ヨタ
トカトントン、興味失せる幻聴!
流石、見せ方が上手かった。
これでも気取った苦悩なんだ!

女歌舞伎 さんせう太夫~母恋い地獄めぐり~

女歌舞伎 さんせう太夫~母恋い地獄めぐり~

Project Nyx

ザ・スズナリ(東京都)

2022/02/06 (日) ~ 2022/02/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/02/12 (土) 14:00

「女歌舞伎」と冠したこの作品は、プロジェクト・ニクスのこれまでの集大成と言える。前回の「新雪之丞変化」より数段パワーアップして、音楽、舞台回し、美術と迫力ある舞台に仕上げた。

題材は、有名な安寿と厨子王。冒頭の津軽三味線から震える。この三味線は単なるライブの音楽というだけでなく、奏者の駒田早代が立ち回り、声量豊かな歌声を響かせる。舞台の重要な構成要素となっている。

千秋楽前だけに、出演者全員のせりふが板についていて、迫力と妖艶さが増している。スズナリという器もプロジェクトニクスに合っている。狭い舞台と袖を縦横無尽に使って演じる女優たちからは、何かここがホームゲームだというすごみさえ感じた。誰もが知っている物語だけにやりにくかった面もあっただろうが、ラストシーンでは思わずもらい泣きするような場面もあった。安寿は舞台の早い段階で命を失っているのだが、百鬼ゆめひなの操る人形に乗り移ったかのように最後まで存在感を示す。輪廻転生という壮大な空間は、感動的だった。

今回、主宰の水嶋カンナは、寺山修司の句の朗読など舞台の進行に彩を添える役回りで若手のパワーを引き出している。スズナリは、コロナ禍以前と同じような満席。期待通りの価値ある舞台だった。

コオロギからの手紙

コオロギからの手紙

映像劇団テンアンツ

ABCホール (大阪府)

2022/02/07 (月) ~ 2022/02/14 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白い作品でした。
3時間半程あるのに気付けばあっという間で、もっとずっと観ていたいと思う程でした。
楽しい時間を本当にありがとうございました!

寡黙と饒舌

寡黙と饒舌

ヨルノハテの劇場

シアター711(東京都)

2022/02/08 (火) ~ 2022/02/11 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/02/11 (金) 15:00

予想外なほどの絶妙なコンビネーションでした。実験的でとんがってるステージでしたが、見ている側の頭と心と体がよくほぐれる笑いが絶えない濃い〜2時間。見に行ってよかった。

宮城野(東京公演)

宮城野(東京公演)

劇団あおきりみかん

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2022/02/11 (金) ~ 2022/02/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

この劇団は4年ぶりの観劇となる。
前回は「鏡の星」。情けないことに、記憶は定かでなく、「あおぎりみかん」の響きが、かつての観劇の好印象を残していたため、また観てみようと決めることにした。自分のブログにあたってみたが、やはりおもしろかったという感想が書かれている。内容については何もなかったが。
さて、今回の「宮城野」。ちょうど、私が車谷長吉の「赤目四十八瀧心中未遂」を読んでいたからかもしれないが、この二つがちょうど共鳴するかのようで、しっとりと観賞することができた。
また、矢代静一の戯曲。私が大学生時代に、よく耳にし、そのいくつかは観ていたはずで、その懐かしさも含めて、足を向けるようになったものだ。
生きることの切なさ、重さ。言葉にしてしまうと、なんとも軽々しくなるのだろうか。出演の2人は、それを見事に体現していたと思えた。内容上、仕方なかったが、舞台照明が暗く、できれば俳優の表情も併せて見てみたかった。
とはいえ、行ってよかったと思えた好演。

私自身/これについて

私自身/これについて

地点

アンダースロー(京都府)

2022/02/12 (土) ~ 2022/02/13 (日)公演終了

満足度★★

分かりにくい。万人受けはしないなー。僕も勉強しないといけないけど…。

君が好きだ

君が好きだ

倉山創作活動隊

下北沢 スターダスト(東京都)

2022/02/09 (水) ~ 2022/02/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ストーリー自体は好きなお話し。演出が独特なので好みは分かれるかもしれませんが、役者の力量がそのままでる感じの舞台

恋夜行

恋夜行

コルバタ

シアターブラッツ(東京都)

2022/02/10 (木) ~ 2022/02/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

コルバタ松井組「恋夜行」みた
不自由のなかで一所懸命生きる人たちの物語!
前半とても暖かい感じで中盤~終盤かけて急降下するシリアスさあ
ほろりと涙する素敵な作品でした
役者役どころが適材適所て感じ

脚本、珠紗ちゃんの脚本良さ
こんな物語書ける子なんだと驚いた
素敵な脚本で素敵な舞台でした

女歌舞伎 さんせう太夫~母恋い地獄めぐり~

女歌舞伎 さんせう太夫~母恋い地獄めぐり~

Project Nyx

ザ・スズナリ(東京都)

2022/02/06 (日) ~ 2022/02/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

かなり自分の理想とする『山椒大夫』が観れた。小学生の頃読んだ『あんじゅとずしおう』が今もずっと心の奥深くに棲みついている。“人買い”、“人拐い”の恐怖。横田めぐみさんの事件を知った時、すぐにこの作品を連想した。騙されて攫われて、何十年も後に生き別れの家族と再会する物語。ハッピーエンドとは程遠く、仏教説話のような救いもない(多少あるが)。出演者全員女優の女歌舞伎を称し、アングラ小劇場オールスターズによる宝塚のような絢爛は好きな人にとっては堪らない御馳走であろう。スズナリにはこういう作品こそ良く似合う。

津軽三味線の駒田早代(さよ)さんがメタル・ギタリストのような速弾きを見せ、コンパクトな笏拍子(しゃくびょうし)を装着した河西茉祐(かさいまゆ)さんが説経節を唸る。黒子・飯田美千香さんが操る等身大の人形は美しき真白な地蔵菩薩。物語は開幕早々、拷問の末惨殺される安寿(えびねひさよさん)の生き地獄が眼前に展開。妖しき見世物小屋の歪み病み倒錯した頽廃美。石井輝男の代表作『徳川いれずみ師 責め地獄』を思わせる構成の妙。徹底した残虐非道ヒール役の三郎(諸治蘭〈もろじらん〉さん)は一周回った清々しさすら感じさせる生き様。
物語は過去に戻り、父に会いに陸奥国(むつのくに)〈福島県〉から筑紫国(つくしのくに)〈福岡県〉まで旅に出た一家の仲睦まじい様子が描かれる。母(山崎美貴さん)、安寿、厨子王(染谷千里さん、青年期は宮菜穂子さん)の何気ないひとときはこの話の唯一の安穏。誰もが何処かで何となく聞き知っている『山椒大夫』に流れる、実話を元にした故の血と肉の痛み。森鴎外は大正時代、小説にするに当たって残虐描写を悉く削った。今作は原典の中世説経節をモチーフとしていて表現に容赦が無い。

主催者の水嶋カンナさんは額に梵字の焼き印を入れられた下女役で、この世の苦しみに足掻く名も無き弱者の叫びを象徴する。会場の笑いを鷲掴みで掻っ攫ったのは丹後国分寺の律師役、伊藤弘子さん。彼女の登場から明らかに館内の空気は熱気を帯び、力尽くで後半戦に突入した。熱唱する『紅』がこれまた良い出来。
個人的MVPはさんせう太夫役ののぐち和美さんで、今役こそまさに彼女の嵌り役。彼女だけでも観に行く価値は充分。ベロンベロンに酔っ払えるデカダンスのひととき、まだ間に合う。

ネタバレBOX

「安寿恋しや、ほうやれほ。厨子王恋しや、ほうやれほ。」のメロディが秀逸。平安時代末期、遥か遠くの地にて(新潟県佐渡島)母の口ずさむ唄が人口に膾炙して二人のもと(京都府由良海岸)にまで辿り着く奇跡、確かにこの位メロディが強くなくては成立しない。作曲大貫誉氏、見事。

ロマン・ポランスキーの傑作にナスターシャ・キンスキー主演の『テス』がある。不幸な運命に翻弄され最期は絞首刑に処せられる主人公、テス。只々無力なだけの善良な女性であった。朝靄のかかった美しき野原のエンディング・ロールに被せられる献辞には「亡き妻、シャロンに捧ぐ」。いつかこんな『安寿と厨子王』が観てみたいもの。横田めぐみさんの母である横田早紀江さん(キリスト教プロテスタント系福音派)の物語はまだ続いている。
The leg line

The leg line

仮想定規

中野スタジオあくとれ(東京都)

2022/02/10 (木) ~ 2022/02/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

初日観劇。
大雪警報という、まさしく”嵐吹き荒れる”という舞台設定と同じ悪天候。厳寒にも関わらず女性スタッフは劇場前に立ち観客を案内していた。面白い公演を観てもらいたいとの思い、その心意気が感じられる。

公演は昨年12月「闇鍋音楽会vol.2『The leg line』」でも観ているが、その時に比べるとエッジが効いていなく、こじんまりとした印象。全体調和というか統一感を失った気もする。基本的な構成は変わっておらず、場面ごとの面白さは十分ある。しかし、前作は冒頭および前半と後半を繋ぐ場面はタップダンスという躍動感あるもの。本作は冒頭の舞踏、前半と後半の繋ぎにはPuppetの自操・自演といった、どちらかと言えば力技・技巧といった落ち着いて魅せる内容。それ自体は見事なもの。しかし公演全体のテンポ感は、焦り、戸惑い、そして驚きといった右往左往する動的な印象である。前半と後半の繋ぎのタップダンスは躍動感に溢れ公演の連続性を示していた。一方、本作は舞踏等の静的な場面によって断続的になったように思えた。

前作はショーの中に物語が展開しており、そこに個性豊かな人々が活きていた。本作は前半の物語と後半のショーが切り離された、その意味でメリハリを付けたのだろうか。観客の選好の問題か?(←本来の使用ではないが)
なお、初日は「英語字幕つき上演」ではなく、日本人向けの通常版。
(上演時間1時間40分 換気のため途中休憩、観客参加型のゲーム有り)

ネタバレBOX

冒頭、奈落人・持丸伸孝さんの舞踏から始まる。暗がり静寂の中で力強い身体表現。劇場は板を隔てて、その上ーー舞台上は華やかな世界、下の奈落は華やかさの陰で嫉妬や怨嗟が渦巻き、だから時として事故が起きるとも…。表現し難い奈落ーこれから始まるショーとの対比で表現しており、見事だ。

舞台美術は、前作同様 ぶら下がり健康器具の枠(キャスター付)のようなものが5台。鏡でありハンガーにもなる。"前作が好評を得た"とあることから、敢えて比較してみた。今回はあまり可動させず、ショーでは幕機能に特化させている。前作では前後・左右さらに回転させていた。そこに色彩美や躍動といった視覚的な楽しみもあった。

梗概…突然の悪天候、そんな中で公演を行うために準備する楽屋が舞台。果たしてこんな荒天候の中、観客が来るのか。そもそも出演者も色々な事情で全員が集まっていない。もう直ぐ幕が上がるが…。
物語は、予想もしていない事態に戸惑いながらも、何とか公演を行おうとする個性豊かな人々で成り立っている。例えばウーバーイーツの橋本大介(星郁也サン)は、前作では上演前から街中を配達している姿を見せ、悪天候で劇場に辿り着いたという細かい設定。また妹の代役になる米田茜(末廣円サン)は、もっと出演を拒んでいたと思う。
音響を担った茶沢(栗木健サン)は、健康器具でダンボールに打突する箇所が一か所だったが、前作ではもう少し角度を変えるなど(音)変化があった…等 省略したのか分からないが、場面ごとの面白さをコンパクトにし過ぎた印象だ。

冒頭の舞踏や前半・後半の繋ぎで魅せるパフォーマンス・女優(オクトウミユ サン)の表現力を活かすのであれば、前半の物語、後半のショーへ上手く橋渡し出来る意味付けを考える必要があろう。それによって表舞台の華やかなドラマ+ショー、一方、その陰で蠢く「劇場の魔物」という別の世界観を表出できるのではないか。そこにコメディーミュージカルという楽しく面白さだけではなく、別の味わいがある公演に仕上がるのではないか。
辛口で言えば、前作のタップダンスの代替的な観せ方ではなく、新たに劇場に潜むー光の当たらないモノ、そう怪人を想像できるものを期待したい。
次回公演も楽しみにしております。
The leg line

The leg line

仮想定規

中野スタジオあくとれ(東京都)

2022/02/10 (木) ~ 2022/02/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

最初のダンスの凄さからはじまりコメディあり歌あり、換気時間には・・・と色んな物を見せてもらえて大満足でした。
特に青木砂織さんのかっこいいベテラン歌手素敵でした。

MURDER for Two マーダー・フォー・トゥー

MURDER for Two マーダー・フォー・トゥー

テレビ朝日/シーエイティプロデュース

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2022/01/08 (土) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

二人芝居の片方が警察(探偵)役、もう一人が容疑者を何人も演じ分ける。ただ容疑者は、おしゃべり女主人や、洒落者の男はよくわかったが、あとは誰が誰なのか、私にはわかりにくかった。ピアノをかわるがわる二人で弾くのは流石だし、見ていてもすごく楽しめた。

レストラン「ドイツ亭」

レストラン「ドイツ亭」

劇団民藝

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2022/02/03 (木) ~ 2022/02/12 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

アウシュビッツを裁いた1963年のフランクフルト裁判を、22,3歳の若い女性エーファ(加來梨夏子=好演)の目から描く。近所で中の良かった薬屋のアルベルト(松田史朗)が、裁判の初日に被告席にいるのを見て、私はギクッとした。これが自国民が自国民をさばくということかと。普通の生活を過ごしていた人が、突然戦争中のことで裁判にかけられる。「私は貝になりたい」のようだといったら、ナチスの残虐行為と、冤罪も多い日本人のBC級戦犯裁判を並べるのは不謹慎と言われるだろうか。

フランクフルト裁判を主導したのはユダヤ人検事たち。ドイツ国民の中に、被害者であるユダヤ人がいたことは、日本と戦争犯罪追及で違った最大の原因だったのではないか。

自分の使命として証言するオットーを演じた田口精一に惹きつけられた。ワンポイントの登場だが、裁判での存在にいいしれない迫力があった。木下順二「巨匠」も演じられるのではないか。聞くと、92歳、芸歴71年という。納得である。2時間20分、休憩15分含む

ネタバレBOX

過去に秘密を抱えた恋人ユルゲン(岸野健太)と共産党員だったので拷問の記憶に苦しむその父親(山本哲也)、自分を見にくいと思いこんで嗜虐的行為に救いを見出していた姉アレグレット(石村みか)、戦犯追及の私情に、自分はユダヤ人なのに部外者でしかないというコンプレックスを抱いていた若い検察事務官ミラー(箱田暁史)と、周囲の人のトラウマ、コンプレックスも、少し多すぎかというほど描きこんでいる。それぞれに角度が違って驚きがあった。

冒頭でなくしたクリスマスピラミッド?)の飾りが、最後に意外な形で出てくる。モノに心を託す王道の物語づくりである。
愛の媚薬

愛の媚薬

新国立劇場

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2022/02/07 (月) ~ 2022/02/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

コロナの入国規制で日本人歌手のみによる公演でも、ソプラノもテノール、バリトンも好演して、海外歌手に引けを取らない出来だった(と思う)。理屈抜きに楽しいオペラ。とくに2幕が洒落ていて面白かった。1幕はアップテンポの明るい曲ばかり続いた気がするが、2幕はおちゃめな曲や、しんみり歌うバラードもあって飽きない。

妙薬を買うお金がほしい青年ネモリーノ(中井亮一)を、軍隊入隊へ「20✕✕」「現金」「いますぐ」と絶妙な合いの手で誘い込む軍曹ベルコーレ(大西宇宙)、遺産目当てで女たちがネモリーノによってくるのを見て、「俺の薬は本当に惚れ薬だったんだ」と勘違いするドゥルカマーラ(久保田真澄)。アディーナ(砂川涼子)の歌は「私の顔で男はイチコロ」、妙薬などいらないと、自分の魅力を自慢するので、女性の怖さと滑稽味もある。ネモリーノの愛の歌「人知れぬ涙」は最高だった。拍手も長く長く続いた。

【2月27日まで上演中】夜を治める者《ナイトドミナント》

【2月27日まで上演中】夜を治める者《ナイトドミナント》

お布団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/02/11 (金) ~ 2022/02/27 (日)公演終了

実演鑑賞

#宇都有里紗 #大関愛
#海津忠 #高橋ルネ
#永瀬安美 #新田佑梨
(敬称略)
🅰️初日。半透明のカーテンの持つ集中治療室的な怖さ。上には白十字、中央には点滴。世界が抱える問題とリンクしてリアルに迫ってくる。
そこには国家主義や全体主義まで滲み出す。選り分けられていく市民。そこに健やかさなんてあるわけがなく、一体誰のための健やかさなのだろうかと思い巡らせてみる。その不健全さは、ネットに蔓延る罵詈雑言、溢れ出す誹謗中傷と共にある。世界は、リアルとネットのパラレルワールドで、そのどちらにも魔女狩りの疫病が蔓延している。
観る者の倫理観を問うフィクションだけれども、もう既にノンフィクションと地続きな気がしている。
今作は有名な戯曲の人物名と設定を利用して展開される。その手法を取った意図を訊いてみたい。当然、元の作品のキャラクターの印象に引っ張られるし、相関関係に影響を受けてしまい、それが後半のオリジナルな展開や物語の広がりを理解する際に思考の邪魔になってしまった。この設定を利用せず、当たり障りのない名前の人たちの物語で観てみたい気がする。もちろん、あの作品を利用したからこそ人物の関係性の説明を省けるメリットも承知しているけれど。🅱️ではどう見えるのか、一度では見えなかったモノを探すことにしよう。

モンローによろしく【2月4日~13日公演中止】

モンローによろしく【2月4日~13日公演中止】

Makino Play

座・高円寺1(東京都)

2022/02/03 (木) ~ 2022/02/13 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

洒落たセリフのやりとりとドキドキするシーンの連続できわめて上質な芝居だった。赤狩りのなかで、裏切り、絶望、保身、転落。ハリウッドの映画関係者6人のそれぞれ変わっていく姿、変わらない姿、怒り、悲しみ、赦しの交錯が見事だった。

幕開きは、反戦純愛映画「あかつきの二人」の製作という目標に向けて、主演の二枚目スター、キース(財木琢磨=好演)と監督ビリー(石川湖太朗)が衝突する。目標に対して、主導権の奪い合いで互いが障害になるバディものの常道シチュエーション。そこに女優志望の夢見る皿洗いシェリー(那須凛)が「ギャングに追われてるの」と、飛び込んでくる。そのロマンチックでおしゃべりで空想豊かな姿は「赤毛のアン」のよう。「往きて帰りし物語」の第三の仲間の登場であり、よくできたボーイ・ミーツ・ガール物語の始まりである。探し求めていた「タフでワイルドでいかす」女優を見つけたという設定に、アラレちゃんメガネの那須のまぶしい演技が、すごい説得力を与えている。これが1941年、日米開戦前夜の出来事。

二幕は1951年の、シェリーのバースデー・パーティー。ハリウッドは赤狩りのさなかにある。ここでも会話のウイット、キレ、スマートは絶品。5歳の子ボビーがいるかのような、それぞれのエアー演技もいい。「わたしたち、友達だろ」という言葉が、裏切り、失望、悔恨のドラマの中で、別々の人間の口から4回も5回も繰り返される。そのたびに異なるニュアンスの、異なる人間関係がある。この作劇もうまい。

冒頭の映画「あかつきの二人」の戦前の制作中止と、71年に完成・公開、アカデミー賞受賞という前説は、もしかしたら実話に基づく話?と思わせる。ただし日本未公開、というあたりがフェイクっぽい。実際は大物プロデューサー、ザナック(三上市朗)以外、話は全く架空。でも、ゴシップ記者のエリス(鹿野真央=好演)といい、若いモンローの影で人気を失っていくシェリーにしろ、登場人物は当時のハリウッドにいたであろう人物の一人に間違いない。

2日目の7日金曜夜に観劇予定だったが、行ったら中止だった。うっかり、というか直前の中止決定を知らなかったので。翌週水曜昼も行ったら中止。結局、全公演中止になった。それでも初日1日公演していたので、こうして映像で見られて幸せだった。これが、初演以来29年ぶりの再演というのは勿体ない。

ネタバレBOX

なかでも非米活動委員会で「俺はお前の名前を密告したんだ」というビリーは、エリア・カザンを思わせる。パーティーの余興のための盗聴器(実際は電話の音のモニター化)も、決定的場面を作る小道具になり、うまい。

友人たちが帰っていったあと、一人残ったシェリーに父からの電話。それも終わると、周囲の暗闇に、関係者が現れて、その後を語る。そこに人生の悲しみ、運命の皮肉が漂う。そして「それでも人は生きて聞いく」しぶとさを感じさせる。最後の女性はチョイ役なので、その後などあるのかと思うと、これはシェリーの大ファンで、往年のスターと握手して「この手を一週間は洗わないわ」と。シェリーが、キースと握手していった台詞を繰り返す。ただし、「じゃあ、どうやってお皿を洗うの?」と聞き返されての答えは違う。シェリーは「私は名人だから片手でできるわ」で、最後の女性は「自動食洗機があるもの」。うまい!座布団2枚!

さらに冒頭のキースとビリーの口論に戻る。ただシェリーが安楽椅子に座ったままなのは、追憶の幻のようなエンディングだった。「ギャングに追われてるの」と割って入るのも、最後まで洒落た芝居だった。
1ooM【1/27~1/28オンライン公演中止】

1ooM【1/27~1/28オンライン公演中止】

壱劇屋

オンライン公演(大阪府)

2022/01/27 (木) ~ 2022/05/27 (金)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

2/10 21:30回・2/11 21:30回を観ました。
ツイキャス上で配信されるオンライン作品で、イマーシブ的な形式になっています。

我々観客は、ツイキャス配信者である主人公のキャス配信に訪れた視聴者。
視聴者側も観るだけでなく、時にアドバイスや判断を求められます。コメントとのやり取りによって分岐が発生し、その後の展開が変わっていくマルチエンディングになっています。

非常に緻密な構成で、出演者の対応力に驚きました。今のところ2パターンのエンディングを観ることができましたが、どちらも内容が全く違っていて楽しめました!

他の選択肢を選んでいたらどうなったのか気になってしまうので、後の日程でも追加で拝見したいと思います。

The leg line

The leg line

仮想定規

中野スタジオあくとれ(東京都)

2022/02/10 (木) ~ 2022/02/13 (日)公演終了

実演鑑賞

良い舞台だったと思います。

The leg line

The leg line

仮想定規

中野スタジオあくとれ(東京都)

2022/02/10 (木) ~ 2022/02/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

舞台の見切れ線を指す「The leg line」
コロナのおかげでいろんな意味でいたるところにできてる
海外公演に向け「英語字幕つき」(なのかな~笑)でコメディミュージカルを再演と言うか、前半はほぼストレートプレイのコメディ、後半がショー
いきなりスペシャルゲストのニューヨーク在住の世界的パフォーマーである持丸伸孝のダンスに魅せられる
この辺りの場面転換、切り替えが素晴らしい
コメディは青木砂織の渋い演技をはじめ個性豊かなキャストで楽しめた
ほんだまこと、栗木健もしっかりサポート
後半のショーもそれなりに楽しめた
シンプルな舞台セットも巧妙に使われていた

ネタバレBOX

坊さん役の栗木の木魚やいろいろなおもちゃを使っての打楽器演奏も面白かった
ショーに移る際の劇中なのか現実なのか分からない、上手く換気をしながらの時間も楽しかった
宮城野(東京公演)

宮城野(東京公演)

劇団あおきりみかん

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2022/02/11 (金) ~ 2022/02/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/02/11 (金)

価格3,500円

シアターグリーン BOX in BOX THEATERでの『ワード・ロープ』(2019年3月)以来となる、劇団あおきりみかんさんの舞台を、11日19時半開演回、山口眞梨さん×近藤彰吾さんのC班で拝見。
岡場所の娼婦・宮城野(演・山口)と、浮世絵師・喜多川歌麿の弟子・矢太郎(同・近藤)との会話劇は、2人の話が"綺麗事"から「実は…」と二転三転・四転・五転!
だが、最後の最後には、情の深さに感銘を受ける70分だった。

ところで、雷鳴とか・声を反響させたりとか・心理的動揺を表したりとかの効果音、どこか聞き覚えがあるなぁと思っていたら、演劇企画集団THE・ガジラの舞台でお馴染みの鐘下辰男(かねした・たつお)さんが演出と知り、納得。

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