ことし、さいあくだった人
藤原たまえプロデュース
シアター711(東京都)
2022/07/14 (木) ~ 2022/07/18 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
最近目にするがよく知らないユニット。みそじん等に脚本提供していた西岡女史(こちらも実はよく知らない)の作品をやる。何もかも未知数だが楽しげであるので(チラシにも惹かれ)観に行く。
大方ウェルメイドな、人生の息抜き時間を予想・期待して着席したが、中々シュールなワールドに足を突っ込んでいた(と私には見えた)。関心のフックに引っ掛かるものが。。
スタンダップコメディ・フェスティバル
合同会社 清水宏
雑遊(東京都)
2022/07/12 (火) ~ 2022/07/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
この所コンスタントにライブ活動をやってるのを(チラシで)目にしていたが、突如この規模のフェスを打つというので驚いた。毎回ゲストが異なりしかも濃い。私が行けたのはラッパー(ダース、いとう)の回だったが客は入っていた。他の回がどうなのかは分からないが「今日はこんなに来て頂いて」とか言ってないのでそこそこ入っているんだろう。スタンダップは、現在の日本に不足する栄養素、社会の空隙にピタッと収まる芸能のあり方(要は風刺である)という感じを沸々と募らせていたので、一つ観てやれと足を運んだ。
ひどく納得したのは、批判精神は健全の証であり、声を潜め目立つ者を叩くあり方は病的であり、究極恰好悪くダサい・・この普通の価値観が大前提にある、という事。
スタンダップ協会本体の出演は清水宏、ぜんじろう、ゲストにダースレイダーといとうせいこうとあったが、ダースがラップを披露するかと思いきや、胸を借りるとばかり、一くさりネタ話を語り切った。いとうせいこうとは一対一対談の予定が結局全員によるスタンダップ及び世相談義となる。
「出し物」としては3つ、という事になるが完成度が高い。にも関わらずライブ性が高い。演劇ならば稽古の賜物(もちろん俳優の力もあるが)、こちらは芸の精進の賜物。もっと言えば事実を語るので如何に生きたか、つまり体験が重要。だがもっと重要なのは生きる視点、眼差し。体験を語るのは苦労自慢ではなく、それを通して自分が何を大事なことだと考えるか、それを伝えるため、という目的に話は貫かれる。人生という海を渡る者への応援歌、やはりアメリカ産らしい芸能である。現象は全く異なるが成り立ちの骨格は意外に演劇に近いと感じて会場を後にした。
大満足。
きゃんと、すたんどみー、なう。
やしゃご
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2022/07/07 (木) ~ 2022/07/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
驚く程面白い傑作。非常にブラックな笑いをまぶしていて、イメージと全然違った。笑いと真剣に向き合う姿勢にリスペクト。何か適当な安い人情噺に逃げていない。障害者を扱えば「24時間テレビ」のようにお決まりの文言が繰り返されるしかない世の中。そこをガッチリ笑いに徹してみせた。
事前の告知が下手なのか、糞詰まらない道徳話だと思っていた人々は損をした。喜劇としての完成度の高さ。引越し業者の受難の視点からこの歪な家を語らせるテクニック。
タイトルはリバティーンズの『Can't Stand Me Now』(君は私にもう我慢できない)から来ているのだろう。
知的障害者の長女(豊田可奈子さん)を持つ高木家。両親はとうに亡くなり、世話をする次女(とみやまあゆみさん)は結婚し家を出ることに。残されるのは三女(緑川史絵さん)だけ。長女雪乃は「自分も施設の友達のマサシ君と結婚する」と暴れ出す。てんやわんやの家で一向に進まない引っ越し。途方に暮れる業者の二人(海老根理〈おさむ〉氏と清水緑さん)。部屋中にばら撒かれるハッピーターン。
岡野康弘氏にやられた。『花柄八景』の落語家師匠から、今回はガチ知的障害者マサシ君。昔よくバスで見かけた『仮面ライダー』の名前をずっと羅列し続ける男にソックリ。このリアルさ、言葉に対する反応と返し、本物だ。凄い役者がいるものだ。デ・ニーロ・アプローチ。
清水緑さんの使い勝手のよさ、連発される「すみませ〜ん」。こういう娘、一人置くだけで場の空気が持ち、話は成立する。
清水緑さんの舞台にハズレはない。『ガマ』が楽しみ。
ランボルギーニに乗って
劇団鹿殺し
あうるすぽっと(東京都)
2022/07/08 (金) ~ 2022/07/18 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
祝活動20周年!
記念公演に相応しい鹿殺しさんらしいぶっ飛んだ芝居でした。見どころ満載で2時間5分,目が離せません。
なるほど,皆さんが言っていた可愛いランボルギーニってあれか!それだけでなくランボルギーニの見せ方が良い。工夫が感じられます。明日への活力となる素晴らしい舞台。おススメです。
ハリー・ポッターと呪いの子
TBS/ホリプロ
赤坂ACTシアター(東京都)
2022/07/08 (金) ~ 2025/06/26 (木)上演中
実演鑑賞
満足度★★★
小説の7部完結編の20年後の話。ハリーやハーマイオニーの子どもたちが魔法学校に入学する。ヴォルデモート卿との戦いで死んだハリーの仲間を、子どもたちがタイムトラベルで死なずに済むようにと過去を変えると、どんどん世界が悪く変わって行ってしまう。また元に戻そうとして…。
魔法で相手を空中に投げ飛ばすワイヤーアクションや、魔法の棒から炎を噴き上げる仕掛けとか、マジカルは映像よりも「実物」で勝負していた。3時間40分の長さだが、まったく飽きなかった。高校・学生から中年まで、客席の幅広さはさすが。ただ、登場人物の心理や葛藤の掘り下げは(もちろんあるけれど)期待ほどではなかった。演劇というよりエンタメのショー。そう割り切れば、これはこれで面白い。
私、のはなし
まばゆいみちで
オメガ東京(東京都)
2022/07/13 (水) ~ 2022/07/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
旗揚げ公演にありがちな、気負いとか青臭さとはちょっと違う印象の舞台。脚本の香月さんによる演出ではなく、ご本人も出演ではなくスタッフ参加というその距離感が影響しているのかもしれないが。観ている自分もうまく消化できないこの感じは、説明文を読んだ時の印象と似てるかも。
普通じゃない普通【7月20日~24日公演中止】
劇団水中ランナー
劇場MOMO(東京都)
2022/07/15 (金) ~ 2022/07/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
星5つを付ける人が多かろう。ただ、自分がそうしなかったのは、自分の感覚では、待合室のデザインが余りにモダンで生命の誕生という生理的現象にはそぐわない気がしたためで、現在では現実にこのようにモダンな施設があるのかも知れないが、この点だけは感覚がついてゆかなかった為だ。(自分は産婆さんに取り上げて頂いている世代ということもあるかもしれない)華4つ☆
ことし、さいあくだった人
藤原たまえプロデュース
シアター711(東京都)
2022/07/14 (木) ~ 2022/07/18 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
この公演に関しては、人の不幸を思いっきり楽しんでしまっても良いみたい。
男と女、決して胸キュンにはさせない手腕がある意味すごい
大人の甘じょっぱいトコロをよく分かっていらっしゃる(笑)
自分が不幸に感じる事って案外自業自得な場合が多いのかも
そんな「人のふり見て我がふり直せ」的な展開が大変面白いのに加えて、役者さん達の移り行く悪(=笑)状況にマッチングした演技がとても自然で素晴らしい。
老若男女、鉄板で笑いたい人に強くお勧め!
今年、何だかついてないなぁという人にも
良い厄落としになるかもしれません。
薔薇の牢獄
演劇集団☆邂逅
天満天六・音太小屋(大阪府)
2022/07/16 (土) ~ 2022/07/17 (日)公演終了
満足度★★★★
久しぶりの公演。二年~三年ぶり?皆さん演技もパワーアップしていて満足🈵😃✨内容もあるあるかもしれないけど、個人的には好きです!
次回も楽しみにしています❗
昭和歌謡コメディVol.16〜たまたまバズって、お世話サマ~!~
昭和歌謡コメディ事務局
ブディストホール(東京都)
2022/07/14 (木) ~ 2022/07/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とても面白かったです。
1部のお芝居も2部のショーも、昭和感に溢れていて、懐かしい気持ちになりました。
お芝居は、安心して観ていられる感じで、人情味があって良かったです。
2部のショーは歌、コント、寸劇など、見所満載で、ずっと笑っていました。とても楽しい時間でした。
お客さんも皆、楽しそうでした。やはり笑う事って大事だなと思いました。楽しかったです!
PADMA vol.13 Bollocks ボロックス
Performance team PADMA
中目黒キンケロ・シアター(東京都)
2022/06/30 (木) ~ 2022/07/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/07/02 (土) 13:00
コロナ禍の影響もあって2年半ぶりとなった本公演は10周年という。
結成時は30代だった面々がそれでも変わらぬパフォーマンスを見せることに脱帽。
そして小ネタ・大ネタ、小技・大技に新たなパターンを加えた構成はスゴい。
あと、かつての定番ネタながらコロナ禍を鑑みてか他のネタと組み合わせて新たなスタイルで見せた「ヤキニク大好き!」の工夫にも感心。
ホントすげぇよ♪
岸田國士戦争劇集
DULL-COLORED POP
アトリエ春風舎(東京都)
2022/07/05 (火) ~ 2022/07/19 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/07/16 (土) 11:00
最前列で観劇したら、舞台に引き込まれる感がすごく、戦時中の空間に座っている錯覚をした。
照明の演出がキレイだった。
天使なオトシモノ
WizArt
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2022/07/15 (金) ~ 2022/07/18 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
若いキャストさんが多く、良い意味で初々しく応援したくなる舞台でした。またオリジナル曲も沢山あり、前向きな内容のミュージカルでした。初日観劇でしたので、これから更に良くなっていくかと思います。
Enigma 不可逆な友情
アカズノマ
道頓堀ZAZA HOUSE(大阪府)
2022/07/15 (金) ~ 2022/07/17 (日)公演終了
私、のはなし
まばゆいみちで
オメガ東京(東京都)
2022/07/13 (水) ~ 2022/07/17 (日)公演終了
寝盗られ宗介
★☆北区AKT STAGE
北とぴあ つつじホール(東京都)
2022/07/06 (水) ~ 2022/07/10 (日)公演終了
きゃんと、すたんどみー、なう。
やしゃご
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2022/07/07 (木) ~ 2022/07/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
こんなにも後ろ髪を引かれる思いで席を立つ事になろうとは
長女が知的障害者。
今日は次女が嫁ぎ先へと引っ越していく特別な日。
親ではなく姉妹という立ち位置で
彼女がこれまでどんな気持ちを抱えて、どんな思いで実家を後にしようとしているのか見えてこないだろうか
そんな気持ちが前のめり過ぎたのかもしれない。
物事が上手く運ばないとか諸々、笑いを誘ってくるのだけれども…笑えない
(会場的には結構受けていました)
子供の頃、度々ご近所さんであろう同い年くらいの知的障害の子と母親のペアに遭遇し、すれ違う度サッと目を逸らしていた苦い思い出
あの時、せめて「こんにちは」くらい言えなかったのかと後悔の念まで蘇ってくるし
ただ、その時目を逸らして見ようとしなかったものが、クッキリとカタチを成して迫ってきたのには仰天しました。
そして意外な状況で、三女の心情がついに・・・
掴めたと思ったのだけれど、いや、もうちょっとその先を見ていたかった。
ことし、さいあくだった人
藤原たまえプロデュース
シアター711(東京都)
2022/07/14 (木) ~ 2022/07/18 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
Barで繰り広げられる悲喜交々、というか ドタバタといった娯楽劇。「ことし、さいあくだった人」にはある共通したことがあり、抗えない運命的な背景を上手く利用している。その情況を逆手にとって強かに生きる姿がなんとも逞しく魅力的だ。
何となく、コロナ禍で失速・閉塞感ある状況(背景)が重なるが、そんな世相を吹き飛ばすかのようなコメディ。人の滑稽な姿を見て笑って笑って、明るい気持にさせてくれる好公演。
(上演時間1時間20分)22.7.17追記
TSUYAMA30-津山三十人殺し-
PSYCHOSIS
ザムザ阿佐谷(東京都)
2022/07/14 (木) ~ 2022/07/19 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/07/15 (金) 19:00
月蝕歌劇団の高取英が書いた戯曲を森永理科が演出しての上演だが、月蝕版は観てない。面白い!(3分押し)100分。
冒頭、いきなりの虐殺シーンでビックリするが、有名な津山事件の犯人・トイムツオの生涯と、彼が誘因だと語った阿部定の生涯、そしてムツオが書いてた小説の登場人物達の物語が交錯する展開は、高取らしい作りと言える。月蝕版を観ていないのでハッキリとは言えないが、森永の演出はより現代的で、ハードロックをBGMに使うなどのことも含めて、世界観をより広げる方向にいっている気がした。ある意味で、すごくオシャレな芝居になっていると思う。
お目当ての大島朋恵は阿部定の少女期と乱堂博士を演じ、年齢不詳な感じが非常に良かった。他に柴泰花のヴィジュアルが気になってしまった。
Diary
FREE(S)
ウッディシアター中目黒(東京都)
2022/07/12 (火) ~ 2022/07/18 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
初見の団体、好感が持てる劇作だが…。
高校ダンス部を舞台に丁寧にまとめた青春(高校)群像劇。社会的偏見や教育現場の荒廃、勿論この時期の恋愛を描いた裾野(幅)の広い物語だが、深堀という点では少し物足りない。好感を持った公演だけに残念でならない。
ダンスはソロやアンサンブル等、観せ方を変えたシーンを挿入し、どれもキレもスピードもあり観応えはある。しかし 例えばラストのダンスシーンそのものは上手く迫力もあるが、盛り上がりに欠ける。そのシーンを際立たせるための過程や対立軸が弱いまたは見えないのが、少し勿体ない。
(上演時間1時間50分 途中休憩10分)追記予定