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キリンがくる〜2022夏の陣〜

キリンがくる〜2022夏の陣〜

21世紀のキリン

布施PEベース(大阪府)

2022/08/06 (土) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

満足度★★★★

犯人探しのミステリー。六人各々に怪しいところがあり、最後まで手に汗握る展開。お前だったのね✨と楽しめました。

無表情な日常、感情的な毎秒

無表情な日常、感情的な毎秒

エンニュイ

SPACE EDGE(東京都)

2022/07/29 (金) ~ 2022/07/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/07/30 (土) 14:00

昨年2月から「叩き続けて」きた公演の最終形態。
前回(今年2月)の「店長の葬儀後の居酒屋」という設定を踏襲しているが会場の性質もあってか抽象性が高くなり、さらに「遊撃」ポジションの人物がいることで観る側の「受け取る範囲」が広くなった(あるいは補助線が提示された?)感じ。
そしてそれまで毎回のように出ていた挿話はさすがになかったものの、それらはこの形式に至る過程であり依然として根底に流れているような気がした。(←スケジュール的に無理だった横浜版以外ずっと観て来た身ゆえの感覚か?)

ダイバシティーファミリー

ダイバシティーファミリー

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。
テンポが良く、台詞やリアクションが面白くて笑いっぱなしでしたが、笑いの中に、ほろりとさせられたり、涙腺が緩む場面もありました。
ストーリーも面白く、客席と一緒に楽しめる演出もあり、とても楽しかったです。
楽しい時間を過ごせました。大満足の舞台でした!

ムサ×コジ〜アルティメット─武蔵×小次郎〜究極!─

ムサ×コジ〜アルティメット─武蔵×小次郎〜究極!─

X-QUEST

王子小劇場(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/11 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

お友達が大好きなこの劇団さんが久しぶりに公演を打つということで、凄い急に思い立って行って参りました。
・・・めっちゃ笑った!!!!!!!!!もう何もかもめちゃくちゃなのに綺麗にまとまっていて、こ、これがエンターテイメントか、、、!と驚きました。
王子小劇場でやってるんですけど、真ん中に舞台があって客席3方面から見る感じです。しかも、大きさの兼ね合いで最高2列しかない!最前なんて取れる機会の方が少ないのに、当日行けば最前なんてこともざらです!!!しかも役者が目の前を通る!!翻した衣装が当たったりする!!びっくりです。
物凄い勢いで銀の棒振り回すんで、飛んできそうですがたぶん飛んできません。役者が舞台の上から飛び降りたときの風圧がめちゃきます。
劇場入口から奥の方はとても冷房が効いているので、絶対長袖を着て下さい。入り口近くはギリ耐えられるレベルかもしれません。
とてもおすすめします。ただムサシとコジロー、フライヤーの衣装じゃないです。結構赤と緑の華やかな感じになっています。twitterをチェック!

ネタバレBOX

宮本武蔵の白昼夢を倍速で見ているような感じです。
好き勝手する巌流島の戦い、タクアンにケツを揉まれ、宝蔵院インシュン小学校、コント・クサリガマとバイケン、ヨシオカボディビルダー

何を言っているか全然わからないと思いますが、ストーリーはおまけで殺陣とダンスと勢いがメインだと思います。
・・・戦いの螺旋はフォークダンスに似ているみたいなことを語っています。聞いたときは、何を見せられているんだ?と思ってしまったのですが、殺陣はお互いの息を合わせなきゃいけないとか相手を信頼するとか、そういうの考えるとそういうものなのかなぁとなりました。(殺陣をやったことがないので、ちょっとわかるかなぁ程度にとどめておきます)
ダイバシティーファミリー

ダイバシティーファミリー

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです!たくさん笑えてちょっとホロリ。迷っている方はぜひお出かけください(追記予定)

月虹の宿 (げっこうのやど)2022 東京公演

月虹の宿 (げっこうのやど)2022 東京公演

日穏-bion-

シアター・アルファ東京(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

仕事がズレ込み諦めかけたが、会場アクセスを再度調べたら間に合うと判り(恵比寿は下北沢よりうんと近かった)、久々の日穏観劇と相成った。
初めての劇場は、急いだせいか入口から地下へ潜る案内が見えず「シアターアルファ」のロゴ看板に誘導され二階へ、更にのびる階段と看板に誘われ三階へ昇ろうとしてさすがにお化け屋敷ではあるまいしと、無人の劇場で途方に暮れかけた所、ちょうど現れた裏方さんに聞いて地階と知れた。
内部は、浅草九劇型の横広、緩やかな客席(浅草より奥行きはありそな印象)。しかし随分と華があるのは、恵比寿という街のせいか、ビル自体の作りのせいか、はたまた客層の若さか、業界人ないし演劇人(それも劇団ちゅうより事務所とか)っぽい人の混じり具合か。あるいは既に見えている作り込み型の舞台装置のためか。
座席はしっかりと中々座り心地良い。
「初日?」と思うほどに活気があり(7分押しした事もあり)、腑に落ち兼ねたが、そう言えばキャストに名のあった柴田理恵はワハハのだったか、と当たりを付け、開幕に間に合わせた。(実際は2日目3rdステージであった。)

芝居の出だしは難しいものなのだろう。鳥の巣作りも最初はよく判らなかったりするのが段々形になって行く。今回の芝居も隙間やら突っ込み所が散見されるオープニングで正直先行きが不安だったが、ある時点で突如テーマらしきものが浮上する。ピースが少しずつ埋まり、絵になって行く。以前二度ばかり強い印象を残し久々の目見え剣持氏、TOKYOハンバーグでよく目にした小林氏、張ち切れ中島氏、ほか力強い役者陣(遠目にも行為やキャラが滲み出る)が芝居を息づかせていた。
今少し寝かせると全く別の感想が顔を出しそうでもある。(後日追記、としておく・・まだ書くんかい。)

ネタバレBOX

2016年下北「劇」小での観劇以来、2回目。但しちょうど半年程前に日穏製作のショートムービー「月の海」を観た。「家族」が日穏の変らぬテーマだなと思ったものだが、実は前に観た芝居(タイトルも同じく「月の海」)を元に作った映画だと判ったのは今し方の事で。。芝居の投稿には渋い感想が書いてある。が、映画はよく出来ていた。その心は、、と投稿を読み直すと、細かな筋は分からずとも、その時何に対して何を感じたかが思い出されて興味深い。
この時のは、夫に去られ(生死は判らず)義理の母に辛く当られる介護疲れの嫁の「辛さ」の度合いが迫って来ない、的な感想で、介護は奥の間で行われているので「想像」に頼るしかなく、しかも「辛い」を想定しないと成立しない物語であるため、観客はより感動したいと思えば極大の「辛さ」を「想定」するも可だが、具体性の不足から「辛い」は一般的なそれに止まらざるを得ない。感動の結末が得られたなら、所詮「物語」成立の手段として用いた自分の曖昧な想像など、劇場を出れば忘れてしまう。つまり芝居を通して癒されるべき嫁の辛さは、具体的な介護場面によって描写されるべきだ、という意見だった。
映画は登場人物を削り、母と嫁二人の暮らしという閉じた世界と、そこに闖入する他者の関係に凝縮する事で、その場面(介護)を無理なく現前させる事ができていた。なおかつ、女優矢野陽子という得難い存在により芝居のストーリーに真実味を与えていた。この事は、芝居の可能性を考えさせるものでもある。
ダイバシティーファミリー

ダイバシティーファミリー

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

大笑いして、少し涙して、とても面白かったです。客席も一体になる演出がとても良かったです。おすすめです

売春捜査官

売春捜査官

natsuki produce

シアター711(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/08/04 (木) 19:00

女優・水野奈月のクラウド・ファンディングによる自主公演。つかこうへいの作品をナイーブスカンパニーの高橋広大が脚色・演出。高橋広大は3月にも月海舞由主演でこの作品を手掛けているが、こちらは未見。

篠原功・森大・新原武の3人は素晴らしいが、水野にそれを圧倒するだけの力がない。
台本も手を入れ過ぎ。水野を際立たせるために伝兵衛と熊田の情愛にも多くの比重をかけたのかもしれないが、水野の成長のためにも、つかのオリジナルに真正面から取り組むべきではなかったろうか。
上演時間1時間45分。

評決

評決

ティーアッププロモーション合同会社

赤坂CHANCEシアター(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

8/5の舞台を鑑賞しました。全役者様の演技がとても素晴らしく、私も感情が入り込んでしまって涙しました。細かい動作なども席からあまり見えない所でも演じてくださりとても感嘆いたしました。できることなら3日間行きたかったのですが見に行けず💦最高の演技を見せて頂き本当にありがとうございました。

ダイバシティーファミリー

ダイバシティーファミリー

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

テンポの良いストーリーに笑えるところ満載、そしてレッツゴーのショー!(帰り道、♪億千万~♪が頭から離れませんでした)
見どころ満載で楽しめました。

ネタバレBOX

ラストのお父さんは初めから記憶を無くしていなかったのか、事故の後に無くしたのか。それによっていい話か無責任かに分かれますよね。
楽屋ー流れ去るものはやがてなつかしきー

楽屋ー流れ去るものはやがてなつかしきー

S企画

中野スタジオあくとれ(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/08/06 (土) 14:00

久しぶりに清水邦夫作「楽屋」を見て、半世紀が過ぎたことを実感しました。
上演の頃は、施しを求める戦争で負傷した人が駅前に並んでいました。
日本の新劇は、ロシア演劇がお手本で、出てくる作品は当時演劇に興味のある人なら、今でいうと「エバンゲリオン」並みにポピュラーなものでした。
スタニスラフスキーシステムの発明はもとより。ロシアは元々演劇の先進国です。

雰囲気を壊さないように、ギャップを埋めるには大変な努力があったと思います。素晴らしい舞台でした。

ネタバレBOX

足の先から頭のてっぺんまで女優の香りを振りまきながら、舞台上でバッチリメイクからまでスッピンまで、年齢そのままの肢体、すべてをさらけ出して演じる 芹澤あいさんの迫力に圧倒されました。
龍ともこさんとこもだまりさんの掛け合いの妙、柏尾志保さんの覚悟を感じた魅惑の眼差し。素敵でした。
ダイバシティーファミリー

ダイバシティーファミリー

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
物語は、自殺したと思われた夫であり父親が生きていた という奇抜な設定から、身近な夫婦、親子の在り方や捉え方へ巧く誘い込む。面白可笑しい場面を小刻みに展開させ、テンポ良く観せることで観客の気を逸らせない。
婚姻届けを出した夫婦、優しい父親といったことが”普通”なのか分からないが、この物語では戸籍に拘らないパートナー、厳しく突き放したような態度にも 親なりの思いがあること、そんなダイバーシティの考えが立ち上がってくる。

コロナ禍で延期を余儀なくされたリベンジ公演、A.ロックマン氏が当日パンフで「今、とてつもなく演劇がやりずらい状況も、父が僕に課した試練のように思えば、ありがたくその試練と向き合い・・・」と書いているが、それを実行 乗り越えたかのような公演、しっかり楽しませてもらった。

なお、小劇場B1はL字型客席であるが、役者の立ち位置や目線は 一方の客席を意識しているように思われたのだが…。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は入隅に平行二段の板があるだけの ほぼ素舞台。場面に応じミニテーブルや座布団、BOX等の小道具が持ち込まれ状況を作り出す。また壁面への照明で枝葉を思わせる風景を描き出す。場面転換の素早さと効果的な情景描写を両立させる見事な演出だ。勿論、ミラーボールや壁の電飾に彩られたショーも同様。

雨の中、慌てふためいている男女の短い場面から物語は始まる。6年後、青木ヶ原に遺書を残して失踪した父・竹富拓郎(Hibikiサン)の七回忌法要が営まれている。その席で母・さちこ(中村容子サン)が再婚を考えており、その相手を呼んでいると…。そんな時に父が生きているとの電話が入る。竹富家には一男三女がいるが、息子・カズヤ(タカギマコト サン)は父の連れ子で妹たちとは腹違い。彼は結婚し妻は臨月を迎えている。長女も結婚し、二女は父親想い、三女は浮気性の男と付き合い、といった夫々が抱えている事情を手際よく説明していく。また冒頭の男女との関係も明らかになり…。

父親は、ショーパブで郷ひろみのモノマネ歌手・レッツゴーひろみ になっており、家族が知っている口数が少なく寡黙な性格とは違っており戸惑うばかり。再婚を考えていた母さちこ、優しくされた記憶のない長男カズヤ、父親思いの二女ともみの夫々の感情が揺れ動く。自分の思いも大切だが、相手(パートナー)の気持にも配慮する、そんな思い遣りや気配りに心が温まる。苦手だった父の思いを母から知らされ、自分の子が生まれて初めて知る親心…子が可愛くない親なんかいない。全編コミカルかと思えば、ほろり とさせる憂事もしっかり描き印象に残る作品に仕上っている。

夫婦や恋人もしくはパートナーといった2~3人で紡ぐ話を小刻みに入れ、関係の多様性をさりげなく描いているかと思えば、一転 家族全員を登場させて深い絆を観せる、その場面構成が実に上手い。同時に役者陣の演技の確かさ バランスもよく、舞台の雰囲気に親しみが感じられる。
次回公演も楽しみにしております。
Spring Breakup

Spring Breakup

示ではなく禾。

北千住BUoY(東京都)

2022/08/04 (木) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/08/05 (金) 14:00

どの役者さんも素敵でした!

あつい胸さわぎ

あつい胸さわぎ

iaku

ザ・スズナリ(東京都)

2022/08/04 (木) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしい作品だった。
コントのような笑いが散りばめられて楽しませてくれる中、母娘の微妙な関係性を見せてくれた。お母さん役の枝元萌さんが秀逸。おばちゃんの図々しさや粗雑さと、その中に見える感情を見事に演じられていて、さらに好きになった。
ラストの終わり方も好き。語りすぎなのが良い。

注文の多い料理店

注文の多い料理店

to R mansion

シアタートラム(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

子供から大人まで一緒に楽しめる上質のエンターテイメント。
登場人物は皆、身体をはっての熱演。なかでも森下亮が大活躍。
終了後にはカルビー公式大使の森下さんのおかげで夏ポテト2袋を全員にプレゼントされる。
お得感満載の公演である。
小さなお子さんと一緒に観劇体験を是非。

蝶々結び

蝶々結び

LUCKUP

上野ストアハウス(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 手の込んだ舞台美術がリアリティーを持たせる中、夢の中にでも居るように始まった物語は、時折極めて本質的な問いを発し、夢と現の央(さなか)へ我らを惹き込んでゆく。さて、諸君! 問題です。謎を解いてくれたまえ! (若手役者さんたちへのエールを込めて☆は5つとした)
 拝見して一昼夜経つと気付いていたが上手く纏まらなかった今作の、面白い深読みを纏めることができたので追記することにした。(8.6 22:45)

ネタバレBOX

 舞台美術は駅舎を表現している。ホリゾント手前センター部分が額縁舞台になっており額縁下手上部には1番線を示す看板、上手上部には案内放送用のトランジスタメガホンが据えられている。下手の出捌けスペースを取って客席側、側壁横に男女共用手洗い。正面壁には中段・上段に絵が掛かっている。1番線ホームの上手にはホームへ通じる階段が見える。この階段から見て客席側には休憩所の体裁をした構築物。ホームへ上がる階段へ通じるトランジスタメガホンの客席側地面には改札。休憩所の手前と奥とが上手の出捌け。ホームに接した正面壁には作り付けベンチ。演技スペースを取って亀甲カッコの左カッコを右に九十度回転させたような大型ベンチが1つ。
 Monochrome sideを拝見。プロデューサーが若手育成を考えての公演なので役者さんは皆若い。何れの役者さんの声量も程よく、溌剌として清々しい。
 物語の構造を理解するのに若干手間どるだろうが、面白い作りだ。謎解きをし乍ら観ると楽しい。無論ヒントは随所に鏤められているからこれらのヒントをキチンと解いてゆけば自ずと答えは出る。途中、一言も台詞を発することの無いキャラが登場するが、謎めいた登場と容易くは謎解きできない脚本、見事な演出が相俟って、一瞬背筋が凍るような戦慄が走ったシーンがあった。
 それぞれの登場人物の関係を良く観ること、タイトルは誰と誰を結び付けているのか迄理解できれば作品の理解は程よくできているのではないか。ここまで謎解きができれば物語の主張も理解できよう。知的な仕掛けがふんだんにあって目が離せない作品だ。
 以下、追記である。
 今作の主要なテーマは自由とそれを追い求め突っ走ることで起きる結果について生起する諸々の事象に関わる物語だが、其処に人々の念(おもい)がキチンと伝えられている点がグー。殊に母の子に対する暖かな愛には胸を撃たれる。
 さて深読みである。一般に日本では戸籍関連書類は、アイデンティティーを保証する公的書類としてパスポート取得や就職等の提出書類にも含まれてきたという印象がある。時代の推移の中で多少の変動はあろうが、現在でも例えば子供が生まれるとなれば親や縁の深い者達は新たに生まれてくる子の名前を考えるのは普通のことだろう。だが、それは普遍的なことだろうか? 子の誕生を祝福することは、よほど不幸で深い事情が無い限り喜ばしいことであろう。だが、アイデンティティーに関わるような自分の名を生まれて来た子自身が自ら決められないことは、その子の自由に反する可能性がある。また今作は自由をも大切なテーマとして扱っているのだから、こういったことをも考えるのは作家には自然なことかも知れないではないか? このように自由な発想が作品中の台詞にもフンダンに現れているのだとしたら? この作品の解釈の難しさは先にも指摘した通りだが、この日本人には慣れない名前を自由に発想するという考え方そのものに対する不慣れは、観客をもアイデンティティーの揺らぎに誘い込むには充分な条件かも知れない? だとすれば、これは現代物理学及び生物学の最先端に於ける大問題‟揺らぎ“にも関係してくるのである。ここ迄言えば、観客に対する更なる宿題は明らかであろう。当分、この知的眩きから逃れる術は無い。その意味では更に面白く奥の深い作品ということもできるのだ。

FAMILY~夏が思い出させてくれたこと~

FAMILY~夏が思い出させてくれたこと~

ヒューマン・マーケット

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2022/08/02 (火) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

見知らぬ女性が倉庫に現れてから、ますます一瞬たりとも目が離せなくなりました。

ネタバレBOX

劇場の外に出るとほんとうに祭りをやっているように感じ、ややテンションが熱く高めの展開はテンポがよく、とてもおもしろかったです。段ボールとゆかたでそこまで感じられるのです。声がよく出ていて、聞き取りやすいし、よく練られたストーリーはいっそう引き立ったと考えます。
頭痛肩こり樋口一葉

頭痛肩こり樋口一葉

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

再演のたびに見てきたが、今回は6年ぶり。劇場がよいにハマってからは初めてなので、作劇の特徴にいろいろ考えさせられた。

ネタバレBOX

・一葉の評伝劇をはみ出すところが極めて大きい。他のひさしの評伝劇とは相当異色。花螢の幽霊が舞台回しで、一番目立つし、芝居の軸になっっている。また、稲葉廣、八重の二人の架空のキャラクターが大きい。八重は商売女になった後、「にごりえ」のおりきが被っている。
・前半の4場まではかなり急ぎ足。見せ場は後半の5場、6場にある。とくに5場が、上記の三人の女性の見せ場になる。八重が娼婦になって現れ、稲葉と八重は妻と娼婦として、夫をめぐって対立する。花蛍が、恨みの元は夏子にあった、と迫り、さらに恨みの連鎖を追いかけていく。
・6場になって、花蛍の恨みの元は皇后まで行く。そこで一葉=夏子がすくと立って「私は小説で、因果の塊の世の中へ戰を仕掛けてやった気がするわ」と。この一言が素晴らしい。この一言で、それまでの一様とは無関係な話の全てが一葉文学へのオマージュに一変する。
・最後、おくにを残してみんな幽霊になるが、そうなると表情が明るくなる。死が明るい解放となる。母のタキさえ「世間体なんて気にしちゃダメよ」と言って、客席を笑わせる。
・音楽が多いし、素晴らしい。「ボンボン盆の16日に」の童歌は通奏低音。江戸時代を懐かしんでタキと稲葉コウが歌う「こんな社会に誰がした」は、唐突だが、ユニーク。そして6場から何度も流れる「私たちの心は穴の開いた入れ物」の美しいメロディー。この
あつい胸さわぎ

あつい胸さわぎ

iaku

ザ・スズナリ(東京都)

2022/08/04 (木) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

私の見てきた中でもベスト舞台の一つ。初演も良かったが、再演の今回も期待を裏切らない素晴らしい舞台だった。冒頭の夜食があるかないかをめぐる母娘の会話から笑える。母役の枝元萌が絶品。娘(平山咲彩)も、幼馴染の男の子コウちゃん(田中亨)に対する、臆病な恋心が仕草の端々から醸し出されて微笑ましい。
さらに母親の職場の、上司の木村さん(瓜生和成)と透子ちゃん(橋爪未萠里)を入れた会話も笑える。この笑いはボケとツッコミが基本で、上質なコントや漫才のつくりである。母がボケても、東京(実は千葉)から来たばかりの不器用な木村は突っ込めず、そこがまた笑えたりする(笑)

女性の「胸」をめぐって話が回っていく作劇が見事。喜び、恥じらい、成長、母と子のずれ、びょうき。肉体に関わるときめきや、性の目覚め、自意識が、胸によって具体化される。

ネタバレBOX

後半、娘の乳がんが発見されて、母と娘の関係が、無邪気でたわいなかったものから、真剣でヒリヒリしたものに変わる。とくに母親が娘に向かって真剣に語るラストが胸を打つ。

母と娘の恋の行方もドキドキしさせつつ、二人ともサラリと失恋してしまう。ここの描き方がうまい。相手は何も気づかないまま、無理なく、本人に失恋を悟らせて、変にしこりを残さない。
それが、母と娘の関係のラストをいっそう印象深くする。

最後の母の言葉が、自分についての、20年も恋などしなかった、久しぶりの恋心と失恋の話だった。記憶では、娘のことをもっと語ったと思っていたが、それは「いつの間にか大きくなっていたんだね」(言外に胸も)「気づかなくてごめんね」の一言だけだった。あとは娘が「肉食って話そう」云々で、話の続きを予想させて終わる。それで見る方は涙腺が緩んでしまう。喋りすぎない、リアリティーを壊さない、余韻と余白を残したラストだった。
FAMILY~夏が思い出させてくれたこと~

FAMILY~夏が思い出させてくれたこと~

ヒューマン・マーケット

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2022/08/02 (火) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

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