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「悠久に遊ぶ」

「悠久に遊ぶ」

ARTE Y SOLERA 鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2022/03/15 (火) ~ 2022/03/17 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

迫力があり、リズム感があり、衣装も凝っていて、飽きさせることはなく、最初から最後まで真剣に観てしまいました。
本当に素晴らしかった。
次回も期待です!!!

ハングマン

ハングマン

パルコ・プロデュース

世田谷パブリックシアター(東京都)

2018/05/16 (水) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いい芝居だった

一枚のハガキ

一枚のハガキ

劇団昴

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2022/03/16 (水) ~ 2022/03/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

上手に小さな納屋、下手に階段つきの高さ1m幅2mほどの台があり、軍の上官の演台や、兵士の二段ベッド、啓太の故郷の家になる。開幕時は正面は白いカーテンだけだが、その奥に、劇の中心となる森川の母屋があって、この出し入れで、大きな舞台の転換がある。こうした美術がよくできていた
ただし少々舞台が広すぎた感がある。

前半のどんどん場面が変わるのは、カットを積み重ねる映画のような効果があったが、少々説明的で感情がじっくり深まらないのが残念。
後半は一転、森川家で戦争未亡人の友子(服部幸子)と、尋ねてきた啓太(中西陽介)の二人芝居をじっくり見せる。欲を言えば、二人の対話にさらに時間をかけてもよかったのではないか。意外とサッサとすすんでいく。いい話だが、映画の舞台化にあたってのめりはりのつけかたが不十分だった。
神楽の竜踊りは見事の一言、これももっと見たかった。
2時間10分(休憩15分込み)

ネタバレBOX

森川の家が炎に包まれるシーンは、炎の効果満点。一転しての緑の、そして黄金色にかわる麦畑も併せて、いい場面だった。
裏切りの街

裏切りの街

パルコ・プロデュース

新国立劇場 中劇場(東京都)

2022/03/12 (土) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

いやあ、驚いた。初めて会った二人のやりたい思いを隠した会話、夫への隠し事、彼女へのごまかし、それだけでこれほどニュアンスに富む芝居になるとは。前半は1時間半かけて、ネットで知り合ったダメ男と人妻が、3度目に会って体を交えるまでを、ためらいや無駄話でじっくりじっくりみせる。何も起きない、人生的深みもないのに、これがまったく飽きない。浮気の理由もない。ただ「なんとなく」。これほど非演劇的な話もないのに、すごい演劇的。非常にびっくりした。逆説的な舞台だった。

場面転換が多い。女のマンション、ダメ男のボロアパートもよく作りこまれたセットを使い、映画のような本当らしさがある。演技も、大きな感情の表出がない分、クローズアップ的な微細な演技で映画的といえる。それを舞台でやって観客を引き込むのだからすごい。

ショートメッセージやマッチングアプリの文字のやり取りを、舞台中央に浮かぶスマホ画面で、延々見せる。その間、俳優は自分のスマホに向かってカチカチやるだけ、「声」も動きもない。舞台ではほんとは避けるやり方を、確信犯的にやって成功している。
いろいろな意味で、アンチ演劇の舞台。
三浦大輔というとセックスを席らに描くので有名だが、そんなのなくても、すごいということがわかった。

ドライで冷徹な人間観が、絶望的なようで、意外にも救いを感じる。多少のことでびくびくするな、と勇気を与えてくれる、というか。とにかく、普通の道徳をすべてひっくり返したところに生まれる、かつてない生きやすさみたいなものを感じた。現実はこうはならないので、日常的な表層の底に、非日常的体験、演劇的飛躍がある。そこがひきつけられる理由だろう。アンチクライマックスによるカタルシス経験である。

3時間10分(休憩20分)

ネタバレBOX

後半は、浮気がばれて修羅場になるのかと思っていた。二幕早々、妊娠が起きる(うかつにも予想外だった)。ところが、すぐ「結論は決まってるでしょ。産めといわれても困る」と、軽くスルーしてしまう。あれ? ドラマが起きる格好の材料なのに…。と思っていると、浮気がばれるのも、夫からの呼び出しも、すべて衝突になりそうなことすべてが、何の衝突にもならずにすんでいく。「本当のことは一つじゃないんだよ」「君も面倒なことはいやだろ」とか言って、なかったことのように飲み込まれて行ってしまう。このアンチドラマの作劇にびっくりした。

夫も、ダメ男の彼女も、実は浮気していた。皆が皆相手を裏切っている「裏切りの街」。
裏切りの街【東京・大阪 全公演中止】

裏切りの街【東京・大阪 全公演中止】

パルコ・プロデュース

新国立劇場 中劇場(東京都)

2020/05/31 (日) ~ 2020/06/16 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

いやあ、驚いた。初めて会った二人のやりたい思いを隠した会話、夫への隠し事、彼女へのごまかし、それだけでこれほどニュアンスに富む芝居になるとは。前半は1時間半かけて、ネットで知り合ったダメ男と人妻が、3度目に会って体を交えるまでを、ためらいや無駄話でじっくりじっくりみせる。何も起きない、人生的深みもないのに、これがまったく飽きない。浮気の理由もない。ただ「なんとなく」。これほど非演劇的な話もないのに、すごい演劇的。非常にびっくりした。逆説的な舞台だった。

場面転換が多い。女のマンション、ダメ男のボロアパートもよく作りこまれたセットを使い、映画のような本当らしさがある。演技も、大きな感情の表出がない分、クローズアップ的な微細な演技で映画的といえる。それを舞台でやって観客を引き込むのだからすごい。

ショートメッセージやマッチングアプリの文字のやり取りを、舞台中央に浮かぶスマホ画面で、延々見せる。その間、俳優は自分のスマホに向かってカチカチやるだけ、「声」も動きもない。舞台ではほんとは避けるやり方を、確信犯的にやって成功している。
いろいろな意味で、アンチ演劇の舞台。
三浦大輔というとセックスを席らに描くので有名だが、そんなのなくても、すごいということがわかった。

ドライで冷徹な人間観が、絶望的なようで、意外にも救いを感じる。多少のことでびくびくするな、という勇気を与えてくれる、というか。とにかく、普通の道徳をすべてひっくり返したところに生まれる、かつてない生きやすさみたいなものを感じた。現実はこうはならないので、日常的な表層の底に、非日常的体験、演劇的飛躍がある。そこがひきつけられる理由だろう。アンチクライマックスによるカタルシス経験である。

ネタバレBOX

後半は、浮気がばれて修羅場になるのかと思っていた。二幕早々、妊娠が起きる(うかつにも予想外だった)。ところが、すぐ「結論は決まってるでしょ。産めといわれても困る」と、軽くスルーしてしまう。あれ? ドラマが起きる格好の材料なのに…。と思っていると、浮気がばれるのも、夫からの呼び出しも、すべて衝突になりそうなことすべてが、何の衝突にもならずにすんでいく。「本当のことは一つじゃないんだよ」「君も面倒なことはいやだろ」とか言って、なかったことのように飲み込まれて行ってしまう。このアンチドラマの作劇にびっくりした。

夫も、ダメ男の彼女も、実は浮気していた。皆が皆相手を裏切っている「裏切りの街」。
リムーバリスト―引っ越し屋―

リムーバリスト―引っ越し屋―

劇団俳小

萬劇場(東京都)

2022/03/12 (土) ~ 2022/03/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

1971年オーストラリアのメルボルンが舞台。開幕早々、主演の巡査部長役斉藤淳(あつし)氏が大暴れ。奥田瑛二と諏訪太朗を足したような魅力。初日の新人(北郷〈ほんごう〉良氏)にここでのルールを叩き込む。デンゼル・ワシントン主演の『トレーニング・デイ』宜しく、警察学校では教えてくれない本当の授業の開幕。『ここには正義も糞もない。自分が生き延びる事だけが全て。』と云う論理。そこに訪れる姉妹、裕福な歯科医のエロエロな妻(荒井晃恵さん)とその妹(小池のぞみさん)。妹が旦那(八柳豪〈やつやなぎたけし〉氏)からDVを受けているとの相談。下心ムンムンの巡査部長は引っ越し屋(大久保卓洋氏)を手配して妹の逃亡の手助けをするのだが・・・。

引っ越し屋のキャラクターが良い。三木のり平みたいに飄々として卓越した仕事人。クズ旦那のクズっ振りも清々しい。妙なナンセンス・コントのような空気感。

ネタバレBOX

起承転結の“承”までは楽しめた。“転”から怪しくなる。キャラ設定の崩壊?何か変な展開だなあ。引っ越し屋が意味ありげで謎めいたムードだが何もない。
自分が楽しめる作品ではなかった。このホンにこの演出じゃ役者が可哀想。巡査部長が間抜け過ぎる。こんな手際で30年も上手くやれる訳がない。多分上演当時は警察の腐敗をパロった切れ味鋭いホンだったのだろうが、2022年に通用するものではない。もっとホンを弄ってリアルな感覚に直した方が良い。部長は姉にブチ切れて殺し、止める妹も殺す。DV旦那は狂った警察に独り立ち向かう・・・。まあ、それもそれでつまらないが。
悪いのは私じゃない

悪いのは私じゃない

MONO

吉祥寺シアター(東京都)

2022/03/11 (金) ~ 2022/03/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

小さな会社の密な人間関係の裏と表がだんだん見えてきておもしろい。勘違い上司や、裏読みゴシップ女や、正論煙たがられ女史など。どこにでもいそうな人たちの右往左往のコメディ。

社員旅行を年に二度もやるのが社員のためと考えるアナクロ社長。突然やめた社員が、代理人を通じて、実はいじめを受けていたと告発をおくってくる。その調査のため、総務課長(金替康博)と同課長代理(石丸奈菜未)が社員を一人ずつ呼び出して話を聞く。でもこの二人実は不倫中。手錠を買って夜は刑事ごっこをやろうなどという話を、調査前にイチャイチャしている。呼ばれた社員も、普段は言えない上司への不満や、同僚のゴシップを「ここだけの話」と次々話す。やめた社員の直接の上司(水沼健)は「俺はわるくない」と。部下をからかって嫌われていたが、本人はそれで課内を和ませているつもりだった。ところが、話した内容が外に漏れたらしい、とわかって、互いに疑心暗鬼に…。

最後は、意外と真面目に終わらせる。リアルな会話の応酬が互いの仮面をはいでいくが、それで終わりでない。いつのまにか癒しの世界に舞台が変わり、許しと友愛が訪れる。終わってみれば、一つの大人のメルヘンだったような気もする。

ネタバレBOX

ICレコーダーを盗んだ犯人は、普段から社内のゴシップ集めを、また別の人間のためにやっていた。社員のリベート着服をえらそうに批判した社長も、実は裏金をもらっていた。そうして、渦の外にいると安心していた偉い人も仮面がはがれていく。
とにかくみんなの前で懺悔して気持ちよくなるというのは、寓話として、思考実験として面白かった。
売春捜査官

売春捜査官

KURAGE PROJECT

高田馬場ラビネスト(東京都)

2022/03/16 (水) ~ 2022/03/21 (月)公演終了

実演鑑賞

良い舞台だったと思います。

リムーバリスト―引っ越し屋―

リムーバリスト―引っ越し屋―

劇団俳小

萬劇場(東京都)

2022/03/12 (土) ~ 2022/03/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/17 (木) 18:30

3/17の夜の部観て来ました。
とにかく内容が凄いですね。
パワハラ。セクハラ。ドメスティックバイオレンス。暴力と全てが話しの中に含まれているので、観ていて大変でした。
チラシを読むと、1970年代のオーストラリアの社会問題だったとか。
連日いいお芝居が観られて大満足です。有難うございました。

#斉藤淳
#八柳豪

ネタバレBOX

最後のシーンがとっても印象的でしたね。
リムーバリスト―引っ越し屋―

リムーバリスト―引っ越し屋―

劇団俳小

萬劇場(東京都)

2022/03/12 (土) ~ 2022/03/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

期待外れの一言。
バイオレンスもパワハラもセクハラも薄くて味がない。
女性二人は何か別の劇をやっているかのように混じり合わない。
昔のオーストラリアも関係ない。
引越屋の存在も調味料でしかない。

数年後に「当時は観る目がなかったなあ」と振り返ることになるのだろうか。

ネタバレBOX

全公演が終わったので再検討してみた。

・バイオレンスもパワハラもセクハラも薄くて味がない。
→バイオレンスについては『殺し屋ジョー』と比べると全く怖くない。もっとも、あちらは舞台が遠いし照明も暗かった。逆に言うとなぜ明るい舞台にしたのかということになるがバイオレンスをほどほどにしたかったのだろう。
最初の部長と新入りの会話だって単にしつこいだけでパワハラの不快さがマイルドである。
セクハラも笑いを取りに来ているし。

・女性二人は何か別の劇をやっているかのように混じり合わない。
→一人はラブコメ、一人は時代がかった悲劇でも演じているかのよう。狙った演出のはずなので何か奇妙な雰囲気を作り出そうとしたのだろう。

・昔のオーストラリアも関係ない。
→オーストラリアの人にはあれは何これは何と分かることがあるのかもしれないが、私にとってはどこにでもある暴力警官の話にすぎない。

・引っ越し屋の存在も調味料でしかない。
→それで正解。表題にはなっているがアクセントにすぎない。

結末の「殺したと思った相手が生きていた…→警官同士の殺し合い」は完全にエンタメ・アクション映画だ。色々総合して考えるとこの劇は社会派劇ではなくコメディかエンタメということになる。会場で配布される立派なパンフの格調高い文章を読んで勘違いしたけれど、そういうことなのだ。しかし考えれば考えるほどこの劇、すべてが噛み合わないように作られている。
サヨナフーピストル連続射殺魔ノリオの青春

サヨナフーピストル連続射殺魔ノリオの青春

オフィスコットーネ

シアター711(東京都)

2022/03/11 (金) ~ 2022/03/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

永山則夫は十三歳年下だが、私が社会に出て仕事を覚え始めたころにこの事件が起きたので忘れられない犯罪事件だ。昭和三十年から四十年にかけて、高度成長驀進中の社会で、経済による階層分化は、音を立てて、日々進んでいった。当時を知らない今の人びとも記録を渉猟すればその実態のすさまじさは理解できるだろう。
現在は、「ノリオ」の直接原因となった貧窮の実態は当時とは変わってしまっているが、今もなお、社会に巣くう様々な形の階層分化はいまを生きる人間の宿痾の源になっている。
この芝居のテーマは確かに今も生きている。満席の客席が粛然となったことも肯ける。
舞台ではノリオ(池下重大)の軌跡が、犠牲者四人が、紀夫の家族(母・水野あや、姉・清水直子)のもとに集まってくるという巧みな相対化の仕掛けの中で演じられる。どのようなテキストレジがされているかは知らないが、過不足ない演出だ。711の狭い劇場の観客に、網走の氷の海に浮かぶ氷山でひとり遊ぶ幼いノリオを眼前に見せてくれる。
俳優も全員が、よく演じ切っている。幕間なしの1時間45分。
現実の本人の犯行からその後の獄中の変遷まで、事実はセンチメンタルな悲劇やプロバカンダ劇に流れやすい素材だが、そこをよく押さえ、現代の社会がもたらす普遍的な差別の社会劇にまとめた見事な舞台であった。見た回にはオマケで、母親が事件後に取材を受ける短いひとり芝居〈15分〉がついていて、濃い内容の芝居を見た後、劇場を出るまでの短いブリッジになっていたが、やはりこれは蛇足だろう。観劇後そのまま今の世の中に放りだされたほうが心に響いたと思う。

だからわたしたちは今日も

だからわたしたちは今日も

三栄町LIVE

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2022/03/17 (木) ~ 2022/03/21 (月)公演終了

満足度★★

前回は面白かったが、今回は…。コスパも、内容も悪かった。今の若い人はこうなのか…😣

マリーバードランド

マリーバードランド

やみ・あがりシアター

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2022/03/17 (木) ~ 2022/03/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/17 (木) 19:00

南極であげる結婚式💒 愛し合う二人が帝国ホテルよりも高い費用をかけてここで結婚式をするのには、色々な大人の事情があるわけです。

設定、展開、回収ととても巧みで、最初から終わりの少し前まで、終始ニヤニヤしながら見続けられました。

ただ巧みさよりも、やっぱり熱量がハンパないお芝居だったと思います。汗ダラダラだったし💦
そして見終わった後の満足感も十分

とても楽しいお芝居でした🐧

売春捜査官

売春捜査官

KURAGE PROJECT

高田馬場ラビネスト(東京都)

2022/03/16 (水) ~ 2022/03/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/17 (木) 19:00

男女比9:1、ほぼ満席、席は自由席、ただ前から三番目はご自身の座高に余程自信がない限り座らない方が良いです。前の人の頭で見えないところがたくさんある!
あと冷房がすごいきいてる!体を摩擦してどうにか寒さを凌ごうとしてる人が気になってしまった!役者さんのためだから客は羽織るもん持ってきて!

みんな声が大きくてよいです!声が大きい人は大好きです!パッション感じました!
もう一回見に行きます!そのくらい素晴らしかった…!お時間がある方も是非!

ネタバレBOX

※ちょっと女性が顔を顰めるようなお下品なシーンがありますので、そういうの笑って許せる方向けです。

存じ上げなかったのですが、何回も色んな方が演じられている作品なんですね、なのでストーリーについては割愛しまして、、、。
最初1時間はキャストの顔見せついでの軽いジャブだと思ったら渾身のストレートギャグが飛んできて、アッという間に過ぎていくと思います。
ウノ!(2枚以上持ちながら)大好き。散々ふざけ倒した後の今からOP!?の衝撃は凄まじかったです。
殺人現場の再現というシリアスなシーン中「僕、●ン●ンマン!」がぶり返してしまい(集中してください)笑いをこらえるのに必死でした。
花を叩きつけるシーン、全然見えなかったのが悔やまれるなぁ、次この劇場来ることあったら絶対前の方に行きたいと思いました。
リムーバリスト―引っ越し屋―

リムーバリスト―引っ越し屋―

劇団俳小

萬劇場(東京都)

2022/03/12 (土) ~ 2022/03/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

説明で気になっていた伏字はだいたい分かった。ところが、今度は何故「リムーバリスト ー引っ越し屋ー」というタイトルなのか。確かに引っ越し屋は登場するが、多くは語らない。表層的には、暴力と隠蔽、貧富格差、愛憎と崩壊といった嫌悪内容を、圧倒的な迫力(演技)をもって描いている。嫌悪の中心的人物・シモンズ巡査部長は、その地や環境にいることによって得た権力であり、それを背景に やりたい放題の悪行が透けて見えてくる。人は一度権力という甘い蜜を味わうと感覚がマヒするのだろうか。1970年代 オーストラリアが舞台であるが、現代日本にも通じるところがあるような…。
(上演時間2時間 途中休憩なし)

ネタバレBOX

回転舞台。冒頭は荷物がほとんど運び出された後の部屋(カーター家)。次に警察派出所で舞台美術の表裏凹凸を生かした出入り口や窓の作りは上手い。そして回転する都度、情景が変化し物語へ集中させる(舞台回転中も興味を持って見入ってしまう)。再びカーター家へ戻った時には、TVを始めいくつもの家具がある。冒頭の舞台は、愛の終わり その果てである。その崩壊の経過こそが引っ越しにおける荷物の搬出行為であろう。物語は信頼(もしくは愛情)関係とその不信・崩壊が根底にある。終焉のきっかけが暴力であり背信行為である。

カーター家・夫ケニーは妻フィオナに家庭内暴力を加え、フィオナの姉ケイト・メイソンと一緒に被害を派出所へ訴え出る。派出所には、ベテランのシモンズ巡査部長ーパワハラ、セクハラ気質の男と警察学校を出たばかりの新米巡査ロスがいる。
フィオナは夫と別れたいと言い、シモンズは姉妹への下心からケニーがパブで飲んでいる間に引っ越し屋を呼んで家具を持ち出すと提案する。しかし、ケニーはその晩に限ってパブに寄らずに帰ってくる。そして引っ越し屋が現れ、寝耳に水のケニーが逆上したところにシモンズとロスが入ってきて…。

いくつもの観点がある。もちろんシモンズ巡査部長の暴力や理不尽な行為。それは派出所、管轄地域内での職業的地位を利用した行き過ぎた権力の行使。そしてケニー夫婦、その結婚生活の崩壊を引っ越し作業を手伝うが下心ありあり。シモンズ部長刑事は、この地に長く勤務しており、街の恥部を知り尽くし悪用している。一方、貧富格差や自分の自尊心を傷つけられることに異常に反応する。公演では、シモンズ部長刑事の人間性を掘り下げることで、社会の理不尽さと照合させる。異動がない、2人しかいない逃げ場のない派出所という場所は、小さいながらも権力を保持しやすい。社会(組織)の欠陥によって人が作り上げられた典型的な物語。

キャストは6人で、それぞれの性格と役割はしっかり観える。
シモンズ部長刑事(斉藤淳サン)は、威圧・威喝する圧倒的な存在感を出し、厭らし感たっぷり。新人巡査・ロス(北郷良サン)は、正義感あるが融通が利かない小心者。ケニー(八柳豪サン)は、ゲスぶり、強かさが十分伝わる。フィオナ(小池のぞみサン)は、おっとりしているようで芯の強い女性。ケイト・メイソン(荒井晃恵サン)は、色気 エロっぽさムンムンの姿態。引っ越し屋・ロブ(大久保卓洋サン)は、朴訥とした口調、稼業に誇りを持つが、何となく不気味な存在。控えめな存在こそ、我関せずの傍観者である。ロスに作業を行わせ、困った事(運出し順が不明)があれば指示を求め、決して表立たない狡猾さ。が、他の人物に比べれば普通の人に見えるところが怖くもある。

表層的には破壊力ある場面、そこに色香というかエロさを漂わせ、舞台的な絵図としては男女の物語といった印象。しかし、根底には人が持つ本能というか本性が描かれ、その先に社会システムの歪さ、弱点を垣間見せる秀作。
卑小だが、カーター家の問題を契機に派出所(刑事)と繋がるが、それ以降の繋がりに緊密さが見えないところが残念。
次回公演を楽しみにしております。
売春捜査官

売春捜査官

KURAGE PROJECT

高田馬場ラビネスト(東京都)

2022/03/16 (水) ~ 2022/03/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/17 (木)

価格4,000円

17日19時開演回(105分)を拝見。

終演時、木村伝兵衛役の月海舞由さんの顔が、湯上りみたいに火照っていた。
ただでさえ熱量の高い『売春捜査官』を、より一層ヒートアップさせた105分。
初めは大人しかった観客席も、次第に舞台の熱気にあてられたのか、反応が大きくなり、終盤は、まるで芝居小屋にいるような雰囲気に!
舞台と客席、双方が共鳴し合った、贅沢な時間を過ごすことができた。感謝!

【追記】
リーフレットに、配役表は載せて欲しかったなぁ。

ネタバレBOX

月見さんは勿論のこと、脇を固める男優お三方の力量の高さが、この舞台を大いに盛り上げたと思う。

【配役】
木村伝兵衛部長刑事/山口アイ子…月海舞由さん
熊田留吉刑事…井上賢嗣(いのうえ・けんじ)さん
ホモ万平刑事/李大全…塚原大助さん
容疑者・大山金太郎…鹿野裕介さん
万平の彼氏?ハルキ…中島勝利さん
引越業者(転換時)
…外山達也さん、孤塚誠弘さん、渡辺超人さん
「悠久に遊ぶ」

「悠久に遊ぶ」

ARTE Y SOLERA 鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2022/03/15 (火) ~ 2022/03/17 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

邦楽器とダンスのコラボ、とても良かったです。音楽もダンスも、熱く美しく迫力がありました。
贅沢な時間を過ごせました。

リムーバリスト―引っ越し屋―

リムーバリスト―引っ越し屋―

劇団俳小

萬劇場(東京都)

2022/03/12 (土) ~ 2022/03/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 先ず驚かされたのは常打ち小屋での公演では無かったことである。下落合では無かった訳だ。理由は、舞台美術だろう。それがどんな舞台美術であったのかについての詳細は観て頂くとしてコンセプトはネタバレに記すのでそちらを見て頂きたい。この演劇集団のキチンとした姿勢については自分如きが今更申し上げる必要もない。何れにせよ、ラストシーンには背筋が震えた。(華5つ☆追記後送)

ネタバレBOX


 先ず、約束の舞台美術から行こう。小劇場演劇では極めて珍しい回り舞台なのである。片側にカーター家の部屋、裏側に派出所。この回り舞台が実に効果的に使われている。
 原作のタイトルである「リムーバリスト」は一種の捻りが効いたタイトルである。実際の上演時間約120分の内、タイトルに直接関わる引っ越し屋が登場する時間は案外短い。登場人物各々のキャラが濃いのが今作の特徴の1つだろうが、引っ越し屋のロブは唯一最も冷静で己の仕事の観点から他の総てを客観視している狂言回し的な存在である。原作はオーストラリアの劇作家・ウイリアムソンであるが、予め決めていた戦略・戦術に則って書かれた気がする程メルボルンで最も犯罪が多発するエリアの派出署警官2人(シモンズ巡査部長&勤務初日のロス巡査)のキャラは際立っており、その表現される所は普遍的である。シモンズ巡査部長の主張は、規則等は基本的にどのようにもアレンジ可能であり要はオトシドコロを間違えず、限度を弁えて決定的ミスを犯さない限りに於いて何事も自由だという観点に立ち相当現実的な説得力を持つ。一方、警察学校出たてで実際に勤務するのはこの日が初めてのロス巡査は至って真面目で杓子定規に行動しようとするものの頑固な一面を持ち、切れると手が付けられない。物語は、この派出署にDV被害を訴えてきたフィオナと姉ケイトが訪れたことから佳境に入るが、ケイトの夫は歯医者で裕福、警官の給料とは比較にならない階層に属し、有閑マダムのケイトには浮名が絶えない。シモンズはそれをいいことにケイトにシグナルを送り彼女も満更でもなさそうな応じ方をしていたが。
「悠久に遊ぶ」

「悠久に遊ぶ」

ARTE Y SOLERA 鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2022/03/15 (火) ~ 2022/03/17 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★


 フラメンコのリズムは2と3を複雑に組み合わあせた12拍子。

ネタバレBOX

ところで日本語には”やたらめったら“という表現があるが矢鱈と書くのは明治以降のことだという。元々やたらの‟たら”はインド音楽の用語″ターラ“に由来するとのこと。それが千年以上前にシルクロード、半島を経て日本に伝わり雅楽の“たら拍子”という拍子に連なったそうだ。この音階が余りにも複雑でちょっと聴いた位ではどのような規則性によってこのような音楽表現が法則化されているのが分からない為、アナーキーで捉えどころの無い、訳の分からないもの・こと、度外れたこと・ものを形容する際に用いられるようになったらしい。
 今回の公演はオープニングから楽器と歌唱そしてフラメンコのコラボという意図が明確に示されていたのは、音楽というものが言語差、地域差、文明や文化の差を越え人と人を結ぶ力があること、音楽とコレスポンダンダンスし易い表現ジャンルにダンスという、リズミカルな音に反射的に反応し易い身体の特性を活かした表現形式がああること、音楽には音声を用いた表現及び楽器を用いた表現が対応していること。無論単に音楽とダンスのコレスポンダンスのみならず、更に表現を華やかにしなやかに見せる衣装や照明、オムニバス形式で演じられる各作品の構成や演出の妙とバランス、各表現者の高い技術が要求されるが、上に挙げた総てが今作では見事に噛み合って優れた舞台表現を実現していたのみならず、ダンスと音楽のコラボの中で様々な滑稽、ユーモア、異質な文明の融合や互いの異質性が齎す緊張感も含め根底には人間関係の実際の在り様が表現されていたように思う。楽器も和楽器を洋楽器のように演奏したり、歌唱にしても各ミュージッシャンの示すノリにしても恰もジャズメンのようなノリで観客の体も自然に客席でスウィングするような舞台であった。無論、終演時スタンディング・オベーションをする観客も居た。実に楽しい広く深くイマジネーションの旅をさせてくれる舞台であった。
EZO

EZO

きのこの木

CAFE ENZO(埼玉県)

2022/03/14 (月) ~ 2022/03/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/17 (木) 14:00

 『CAFE ENZO』を舞台に、個性的な女性3人が謎のアーティスト『EZO』の話を中心に、取り留めもなく、時々お互いの認識のズレによる笑いや勘違いや思い込み、視点のズレによる笑いなどもありつつ、話が展開していき、劇の終盤で観客にだけCAFEの店員自身が実はという展開になっていて、その種明かしまでの持って行き方が非常に見事で、観ていて飽きないと感じた。
 
 また、演劇の会場がCAFEの2階と、今まで観てきた劇の中でも、客席との距離が非常に近く、さらに飲食しながら観れるということで、劇世界に入りやすい上に、気軽に肩の力を抜いて観ることができたこの体験は、なかなか経験することが出来ない上、私にとって非常に新鮮だった。

 ただ、強いて言うなら、4人の役者のうち、2人の役者が表情やリアクションに乏しいので、そこをもっと掘り下げてくれるとありがたいのと、観る側がマスクするのは良いとして、演じる役者の方は演じる際に、マスクを完全に外してやったほうが絶対に良いと思った。実生活の延長線上ではなく、演劇は嘘をさも本当のように見せるのが仕事の筈ですし、そういう信念を持ってやらないと、絶対にいけないと思います。

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