実演鑑賞
満足度★★★★
初めての観劇でした。実地は春夏で2回、冬は映像のみです。
役者の芝居はもちろん物語の骨格がしっかりとしていてとても楽しむことができました。映像作品のような演出もありつつ、それでもライブであることを実感させられる熱量があります。
ひょっとすればチープに思えてしまうものだと感じる人もいるかもしれません。この作品は再々演ということもあり、演劇では擦りに擦られたテーマかもしれません。
ですが、この作品は現代に生きる私たちへ「なぜ生きるか」「死を目前とした時、己は何をのこせるか」「大切な人の死と直面した時、何を感じ取れるのか」とうものを投げかけていると思います。
人生という長くて短い旅の中で、大切だと思える人に出会えるのは何度でしょうか。その人に思いを伝えることはできているのでしょうか。命は大切だと知っていながら、なぜ人は死にたいと願う瞬間があるのでしょうか。
死というものは命の意味を考えさせます。それは作・演出の桐山氏の命題とも呼べるものじゃないかと手前勝手に考えています。
私たちは幸運にも登場人物の死を通して己の命の意味を考える機会を得ました。それは貴重なことです。そこで得たものは真実ではないかもしれませんが、大切なもので、今の自分を知る上で必要なことではないでしょうか。
作演出の桐山氏の才能に感嘆するとともに、これからも素晴らしい作品が世に生み出されることを祈り、応援していたいと思いました。ただ「作家は鬱になってしまう」らしいので、息抜きやインプット期間を挟みながら楽しく生きてくださいね。
千秋楽付近がコロナで飛んだのは残念ですが、大阪公演は最後まで走り抜けることができますよう応援しています。これからのSUPER NOVAに期待です。若き才能に乾杯。