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風がつなげた物語

風がつなげた物語

グッドディスタンス

新宿シアタートップス(東京都)

2022/03/31 (木) ~ 2022/04/06 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

一番感激したのは、モロ師岡さんを目の前で観れたこと。
コメディアンでもあるので、いろいろ笑えておもしろかった。
もう、個人的にはこれがとても満足。
最後は、かなり衝撃的だった。
まさか、こういう展開に...
しかし、モロ師岡さん、いいですねー。
かわいいお父さんという感じ...
ますます、好きになった。

ちろうに検診

ちろうに検診

Peachboys

サンモールスタジオ(東京都)

2022/03/30 (水) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

この日のために京○大火篇まで予習しましたがその必要は全くありませんでした。。。
開始1分で考えることをやめました!懐かしいものから最近の時事ネタまで!誰がわかるんだ?というマニアックなものからニュースでよくみるようなものまで網羅しております!

ほぼ満員!結構きゃぴきゃぴとした方もいました(女優さんのお友達かな?)
題名が題名なだけに、パロディAV作品のアダルト要素を軟らかめにした者だと思っていたのですが、〇ろけん要素はほぼ皆無でした。申し訳程度にコスプレしてくれましたが、、、。
学生時代に授業受けないで演劇ばっかりやってていい、お金の心配もそんなにしなくていいっていわれた子たちが全力を尽くしたらこうなるのかなと思いました。終わらない学生生活のノリ、上下関係も3年間という縛りもなし、、、そう思うとなんだかしんみりとしました。

前説で出てきた方が座長かと思ったら劇団員ですらなし!
不謹慎で全力でぶん殴って来るスタイル!
関係者にバレたら全方位謝罪必須の映像化不可の超スペクタル!

4月3日まで。なんでも許せる方はぜひ。

ネタバレBOX

1部
前説、たぶん前説の拍手の有無や笑いの感じで真面目にやるか不真面目にやるか決まるのでしょうか…?

何処かで見たことあるような人たちが、何処かで見たことがあるような謝罪会見をするシーンから物語は始まります。
某ウイルスは変異を重ねついには感染すると、男性器が肥大化しても白濁液が出せなくなるという恐ろしい病になっていました。

その中継をケンの家のテレビで見ていたケンとヨーヘイは、俺達童貞がなんとしかしないと不味いと治験のアルバイトをしたことを語り始めます。
一方ハヤオはYoutuberハヤオしゃちょーとしてバイキングに出演しますが、そこで癖の強い女性と出会います。。。

やがて物語が進んでいくと、某ウイルスはオ〇先生とひ〇ゆきと陰謀だったことが判明します。
3人の童貞はその野望を阻止するために共に宇宙へ旅立ちます。。。

2部
・妙に耳に残る童貞賛歌
・童貞あるある
・おんなじこと言ってるだけ
・童貞賛歌ワッショイ

ステージが変形して大階段(小階段?)が出てくるの凄く宝塚みがありました。

一生懸命思い出しながら書いたのですが、全然説明になってないなと思いました。場面場面の話が繋がってないので、、、大体こんな感じですというのが伝われば幸いです。
赤き方舟

赤き方舟

風雷紡

小劇場 楽園(東京都)

2022/03/19 (土) ~ 2022/03/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/20 (日) 14:00

座席D列11番

連合赤軍の実在したメンバー5人に創作人物1名を加えて描く事実を基にしたフィクション。
「半世紀ほど前の事実を下敷きに現代を描いた」と言われたら信じてしまいそう。もちろんあの当時だから、な部分もありつつそのまま今に通ずる台詞もあり愕然。
が、考えてみるとドキュメンタリーや評伝芝居ではないのだから創作要素も多分にあるワケで、書き下ろし新作であるからには作家は現代の人であって、劇中人物が交わす会話がイマの情勢を反映したものになるのはむしろ当然ではないか?……なんてことも考えた。
また、「今の世の中を少しでも良くしたい」という理想の下に結集しながらも結果的に人殺し集団になってしいまうことに新撰組との共通項を見出したりも。とはいえ、あの若さで社会のことを真剣に考えていたと思うと隔世の感ひとしお。
あと、「(自分が思うところの)より良い社会にする」という理想を掲げて活動するも、思うように進まない苛立ちやストレスがひしひしと伝わってきて、その気持ちに共感したりも。

風がつなげた物語

風がつなげた物語

グッドディスタンス

新宿シアタートップス(東京都)

2022/03/31 (木) ~ 2022/04/06 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/31 (木) 14:00

座席1階

「珠子がいなくなった」をまず、鑑賞した。
女三人姉妹の家族。父(モロ師岡)も含め喪服姿で、葬儀を終えて疲れた顔をしているところから始まる。2番目の珠子は結婚していて、その夫の姿も。珠子は母の遺骨をずっと抱えている。「何か食べた方がいいね」と財布をバッグから出そうとするのだが、抱えた遺骨を離さないため、財布を出すのに苦労している。この場面が、劇作の縦糸として最後まで物語を決定づける。

母の遺骨を抱えた珠子と夫は自宅に帰るためにバス停に寄る。バスはなかなか来ず、夫はタクシーを探しに行く。その間に、遺骨とともに珠子は消えてしまった。どこへ行ったのか。ネタバレになるので書かないが、ここから物語はどんどん展開を始める。このバス停というのが、同時上演の「月と座る」で劇作のモチーフになっているバス停だ。舞台の構造は2段になっていて、手前が父が住むこたつのある家、奥がバス停で、舞台は両方で切れ目なく進行する。なかなかの演出だ。

珠子の言動がとても興味を引く。設定では「小学生の時に牛乳瓶を職員室に投げつけるなど、奇行癖がある」とされるが、奇行ではなく、単に正直に行動しているだけではないかと思われる。その謎を解くヒントが、珠子が持って離さない遺骨にある。きょうだいたちもそのヒントを知らない。だから、「珠子は昔から変わっているから」で片づけられ、父や姉妹は珠子がいなくなっても特段探そうともしない。

こんな家族、ないだろうと思われるかもしれないが、自分にはすぐ隣にいるような人間関係だとも思える。少しだけ書くが、父親がぼけ始めたとか、ぼけた父親を介護するのは誰なのか、とか。片方の老親を見送った子どもたちの間に、よくある話だ。
また、父親は「子供には迷惑を掛けない」と言って施設にでも入ると考えているが、「それではお父さん、かわいそうすぎる」と介護を拒否する姉を妹が非難する。そうしたよくある話を体現する会話劇に、客席は自分の身近な物語としてどんどん引き込まれていく。

居なくなった先の珠子の行動に、共感できる部分がある。遺骨をわきに置いての行動は奇行ではない。珠子と亡き母親の会話劇というように感じる。

秀作だ。見ないと損するかも。明日の「月に座る」の観劇ががぜん、楽しみになった。

ネタバレBOX

「母親は家を出て行って孤独死した」という設定。一人で死んだ母親がかわいそうだったとみるか、夫から逃れて自由に生きて死んで幸せな一生だったとみるか。姉妹の見方は異なるし、おそらく客席の見方も異なるだろう。
ネタバレボックスと言っても書くときっとしかられる。それくらい、この舞台は生で見て楽しむ価値がある戯曲である。
風がつなげた物語

風がつなげた物語

グッドディスタンス

新宿シアタートップス(東京都)

2022/03/31 (木) ~ 2022/04/06 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「珠子が居なくなった」…可笑しみの中に、じわっとくる温かみ 滋味ある好公演。お薦め。
前作「風吹く街の短篇集(第五章)」の「朝、私は寝るよ」は55分、二人芝居で素晴らしかったが、この公演は少し時間軸を長くして、家族の物語を紡ぐ。

常識という概念からズレているような主人公・珠子の思考や行動、それに振り回される周囲の人々の可笑しみ。表層的にはシニカルな感じもするが、ラスト 父との会話によって滋味溢れる物語へ変転させる上手さ。珠子も その家族もどことなく変な人達だが、全否定できない微妙な感覚のズレを見事に表している。少し変わっている家族に対し、珠子の夫を常識人(対比)として描くことによって、一層変なズレを際立たせる。家族であるが、家族になりきれない夫の歯がゆさ、苛立ちは観客の共感を得るところ。しかし家族には家族にしか分かり合えない絆・繋がり、そして歴史がある。それがラストシーンに…。
(上演時間1時間35分)

ネタバレBOX

舞台セットは、二段平行構造で場所の違いを表す。一段目は珠子の実家。二段目は外の光景で、バス停(「月と座る」のモチーフ)であり温泉旅館の一室。実家の上手には炬燵、下手にはダイニングテーブル・イスがある。時間も並行に流れる演出の妙。時々、状況を説明する字幕あり。

物語は、ずいぶん前に家出した母が孤独死をした、その葬儀の日から始まる。父(モロ師岡サン)は自失なのかどことなく所在なげで、食事の心配をする。三人姉妹の二女(既婚)・珠子(ししどともこサン)は、母の遺骨と遺影を放さない。出前を取ることにしたが、なかなかカバンから携帯電話や財布を取り出せない滑稽な姿。ここに作劇の意図を籠める。父は葬儀の翌日、〈定年〉退職を迎える。寝付けない父、長女(田口朋子サン)、三女(鈴木朝代サン)がいけないんじゃない、と言いつつ駄菓子やコーラでプチ宴会。そして乾杯(父の定年)いや献杯(母の冥福)といったどちらが大切かの言い争い。一方、珠子は夫(益田恭平サン)と共に遺骨を持って自宅へ帰ろうとバス停へ。夫がタクシーを探しに行った間に出会った男(若狭勝也サン)と…。

珠子が居なくなっても、心配しない家族。小さい時から変わり者。小学生の時、学校に牛乳びんを投げ停学!になった。少しくらいのことでは驚かない。夫は、そんな家族にイライラを募らせる。捜さないのは、非常識なのか?噛み合わず漂流するような会話の可笑しさ。台詞というか言葉の妙を至る所に散りばめ、会話劇の面白味を引き出す。

珠子は親(母)離れできないのか。自分が幼い頃、家出をして結局帰ることなく、孤独死をする。可哀そうという気持、一方 妹(三女)は自由に暮らせて幸せだったと言う。同じ姉妹でも母への想いは異なる。なぜ珠子は居なくなったのか、直接的には夫への欲求不満のようであるが、自分の生(存在)の確認のように思える。母から、父は男の子を望んでおり、珠子の誕生は喜ばれなかったと。三女は堕胎して、とまで言ったそうだ。しかし、父は野球が好きでキャッチボール(別シーンで車のキーのキャッチ伏線?)がしたい、そんな単純な願いだった。遥か昔のこと、母は亡くなり本当のところは分からない。そこで父がとった愛情表現が切ない。

さて、珠子は戻ってくる。夫は詰るが、家族はホッとし「お帰りなさい」ではと、逆に夫を非難する。珠子はひょんなことで骨壺を壊してしまい、それによって母から解放されたような。居なくなったのは、母の思いと行動に重ね合わせたかった、かのようだ。逆に母は登場しないが、珠子を通して母親像が立ち上がってくるような面白さ。

物語が寄り添ってくるのは、定年〈諦念か〉で時間を持て余す「父親がボケ始めた」の台詞。行く所は母と出会った「バス停」だけという悲哀。そんな父親の面倒を見るのは誰か。一方、父親は「子供には迷惑をかけない」、施設への入所も考えている。面倒を見ることを嫌がる長女を三女が非難する。身近に聞く話、それを会話に取り込み観客の共感を誘う。

役者は、夫々の人物キャラクターを立ち上げ、バランスも良い。特にモロ師岡さんの飄々とした演技が、可笑しさと滋味の両方を巧く表現しており、公演の印象そのもの。
次回公演も楽しみにしております。
謳う女Pt.Ⅱ

謳う女Pt.Ⅱ

青山学院大学竹内ラボ

浅草リトルシアター(東京都)

2022/03/27 (日) ~ 2022/03/28 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

 あちゃー! にゃんにゃんだ、これは!

ネタバレBOX

 板に載せて演劇と銘打てるレベルにない。ダンスだけは普通に踊れたが無論ダンサーレベルではなく、ある時期から流行り出した劇中ダンスの類。
 竹内ラボがどんなものか全く知らない。この内容を観る限り知る必然性も感じないが、それは大学への或はその姿勢への内政干渉に成り得るにつけ研究者からの批判は控えられているのかも知れない。今作を実舞台で拝見して呆れ返ってしまったので楽が初日の翌日だったことを重々承知の上、レビュー発表を遅らせた次第だ。拝見してスタッフの対応の+評価は兎も角、4人の出演者(男女2人ずつ)のうち自分にとって意味のあるメッセージを個人レベルで舞台から送信できたのは女性のみであった(殊に2人の内1人)。但し演劇として発信できたとは思えない。ただふとした瞬間、舞台の上演作品とは無関係に、絶望の眼差しを観客席に相当長い時間向けたのである。この所作が所謂舞台表現として優れていた訳では無い。もっと深い所、実存のレベルで女性の持つ産む性としての存在レベルでの内省・自己省察の深さが圧倒的に異なることを、それだけを見せつけたのである。男は存在レベルでの圧倒的な♂♀の差を意識すべきである。こんなことは思春期に済ませておくべき問題なのだが、そして個人レベルでは済ませているのかも知れないが、シナリオにそれが現れておらす、そのことに対してキチンと抗議し善処すべく努力してこなかったのであれば、その本番へ連なる効果に対しての無力に対する総括を問いたい。所詮♂等殆ど無に等しい存在に過ぎないことは、卵子のサイズに比し個々の精子のサイズを比較してみれば明らかなことであろう。数が圧倒的に多いとはいえ受精に関与し得る精子は基本的に1つであるに過ぎない。本能というレベルに迄、存在論の話を広げるなら多くの社会で男性優位が構造として成立する必然性はこの点にあるような気さえするのである。別に母から総ての子供が生まれるということではなく。何れにせよ、今作の演劇としてのレベル評価は殆ど零に等しいが、上に挙げた問題提起を最初から狙っていたとすればその評価は批評性に於いて華5つ。どちらとも取れるものの、演劇批評サイトではなく演劇サイトなので評価は「演劇ランク」でした。

ひび割れの鼓動-hidden world code-

ひび割れの鼓動-hidden world code-

OrganWorks

シアタートラム(東京都)

2022/03/25 (金) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

役者が語る言葉は、自分の内側へと落とし込まれて、自分の経験に戻ってきて、気持ちが忙しくて嬉しくもなる。
ダンサー、コロスはその他大勢でなく個で、個性で、可愛らしい
全ては理解できないけど
没入する時間はしあわせで
かっこいい。
また見たい。

変身

変身

江戸糸あやつり人形 結城座

「劇」小劇場(東京都)

2022/03/26 (土) ~ 2022/03/30 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「変身」のドラマ(ストーリー)を直截に表現して不条理を噛みしめる舞台になっていた。若干構成が原作と異なる部分もあるが、小説を立体化した感覚が大きい。ラストは原作とニュアンスが異なったと思えたが、演出なりのかみ砕き方と理解。

民衆の敵

民衆の敵

ハツビロコウ

小劇場B1(東京都)

2022/03/29 (火) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ハツビロコウさん、やっぱり素晴らしいです。
迫力がスゴい!!!
前回もいいなあと思い、また、絶対観たいと思って観たが、やっぱり期待以上でした。
[民衆の敵] は私が18 才の時、観たい! と思いなかなか機会がなかったので、観れて超満足でした。
本当に、役者さんひとりひとりが、熱演していて、いい味出でました。
正義って難しい。どこまで貫くか?
うーんと唸りながら、役者さんのことばに真剣に聞き入った。
もらったチラシに次回作が出てました。
次回も楽しみ!!!

民衆の敵

民衆の敵

ハツビロコウ

小劇場B1(東京都)

2022/03/29 (火) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/29 (火) 19:00

初日観させてもらいました。
イプセンの戯曲は見応え有りますね。
今の世界の情勢とだぶって、考えさせられました。小さな劇場なので、口論の迫力凄かったです。私の気持ちもあっちこっちになってしまいました。

有難うございました。役者さんに感謝します。

民衆の敵

民衆の敵

ハツビロコウ

小劇場B1(東京都)

2022/03/29 (火) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 今、この作品を上演するハツビロコウの見識の高さは流石で、この点については無論期待通り。スタンディングオベーション! 無論華5つ☆、必見作品、追記2022.3.31 04:43。

ネタバレBOX

 舞台美術は至ってシンプル。劇場入口の対面をAとし時計回りにB,C,DとするとA横、B横にドア、Cは袖になっているのでこの3カ所が出捌け。オープニングでは板中央に対向させた机1組、各辺に粗末な木製椅子が各1脚ずつ。A側壁に机と椅子。こちらの机上には瓶等が載っている。基本的には弟・ストックマンの家の客間、場転によって船長の家になったりもする。その際は机や椅子の移動で対応。開演前には低く水の流れるような音がしている。この音はこの物語の中心にある温泉を先ずは示唆していようし、深読みすれば世界に広がる広大無辺で深い海をも船長・ホルステルを通じて表していよう。
 物語自体は余りにも有名なイプセンの作だから今更説明する必要もあるまいが、毎回優れた作品を本当にキチンと読み込んで舞台化してくれるハツビロコウらしい極めて本質的、現代的、普遍的、思惟的作品である。上演台本・演出は代表の松本光生さんが担当しているが、見事にイプセンを我々が今生きている日本のヴィヴィッドな現実の活写として甦らせている。
 ところで、温泉の水質に疑問を持ったストックマンが自分の手元に在る検査機器では詳細な検査が出来ないと大学の研究室に温泉水をサンプリングして送っていた所、検査結果が出た。温泉は汚染されているとの結果だった。然し温泉は評判を呼び、貧しかったこの地域最大の収入源となっており失業者も減った。更に直ぐに湯治客が多数訪れるシーズンを迎える。そんな時に温泉が汚染されているという情報が流れれば漸く軌道に乗ったこの町の財政は一気に悪化するのみならず二度と客は戻らない。そう踏んだ医師の兄・町長は何とか事実を伏せようとする。直前迄正義を標榜し、政治の不正を暴くと息巻いていた新聞にも裏切られ、足繁くストックマン家に通っていた人々は1人去り、2人去り・・・。最後迄ストックマン一家を助け、而もストックマン自身を成長させてくれたのは、新聞編集長に選挙の意義を諭された船長のみであった。ところでこの船長とは、一体何か? 筆者の解釈ではイプセンその人ではないかと考える。というのも良く人は人生を荒海に例え、その荒海を乗り切る為の指針をあれこれ考えて己の人生哲学を確立して行くが、これと同じように広大無辺で深い海を渡る為に必要なのは羅針盤や海図、六分儀等の観測機器、時計、対数計算、舵等、船舶そのものとそれを生存可能な方向に向けて操縦する技術と有為転変を乗り切る知恵と胆力だ。まあ、そのようなハウトゥーは二の次だ。しょっぱな船長は選挙の事もその意義もよく分からない政治的素人として描かれ、これが伏線を為す。然し人々の利害、生活、各々の社会的な立ち位置、信念の差等から生じる「正義」のあやふやは、その根拠のあやふやそのものの結果であるに過ぎない。根拠律があやふやでなくなる可能性は、事実だけを実証し根拠として日々検証し続け構築する思考、即ち科学と論理・数学的に証明されたもの・ことだけだ。この単純な事実を事実として見、そのことのみを根拠とする姿勢こそ最も率直で偏りの無い立場なのであり、それを実践的に行動に移し、世間からつまはじきにされた医師・科学者こそが最も論理的に真に近い。無論、ストックマン自身が完成された人間ではないから、彼の民衆評価は、彼の絶望の深さに比例して下がる。当然だろう。散々世話をし、家族同然にもてなして来た者達に裏切られたのだから。然し乍ら事はそれほど左様に単純ではない。象徴する広大無辺な海を渡る船の船長という人間のキャラクターに原作者が己を重ねても或は今作の上演台本を書い松本さんが筆者の解釈したように船長を解釈したのであってもよいが、船長はストックマンが今抱えていることをとうの昔に卒業しているとすれば如何か? 最も優れた船乗りが水先案内人を務めるように船長即ちイプセンは、その天才の巨きく暖かい翼を広げ、真っ直ぐに世界を見て評価しストックマン、その妻、そして2人の娘・ペトラの側に与したのではないか?
ひび割れの鼓動-hidden world code-

ひび割れの鼓動-hidden world code-

OrganWorks

シアタートラム(東京都)

2022/03/25 (金) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ひび割れの鼓動
この作品を鑑賞した直後に、この作品でしか表現し得ない時間感覚に襲われました。この感覚が何だったかを考えながら感想を書きたいと思います。

まずは、今作品の座組みの概要を振り返りながら考えてみようと思います。

今作品はOrganWorksに加えてテキストとドラマターグを「太陽」や「獣の柱」を手がけた劇団イキウメの前川知大。音楽を現行シーンで活躍するラッパーのCampanella、C.O.S.A.やシンガーソングライターの折坂悠太などのビートを手がけるRamzaが担当しています。

つまりは、最先端のダンスミュージック、現代演劇とコンテポラリーダンスという、最先端のアートたちから、2500年前の時代の舞台を、言い換えると、原初の文化を体感させられたような感覚です。まだ、掴みきれていない感じがします。

このような感覚を想起したのは何故なのか。次は舞台のディティールから考えてみようと思います。

アンビエントを抑えたループミュージックの要素が強いビート、演者が舞台を回りながら繰り返されるセリフ、ハンドクラップも交えながらトライバルな激しいダンスの3要素が分離せず絡まります。

しかも、それらが繰り返されていきます。繰り返されることによって、それは振動になり、私たちの意識という地面を揺らしてきます。その地面がひび割れて無意識の感覚が露わになる。それこそがタイトルの「ひび割れの鼓動」が指すことなんじゃないでしょうか。

つまり、「ひび割れの鼓動」とは、私が鑑賞した直後に体感したこの作品でしか表現し得ない時間感覚の正体であり、やはりこの作品しか持っていない「揺れ(vibes)」なんだと思います。そして、この「揺れ」は原初の文化、この舞台のテーマでもある「コロス」があった時代から存在した感覚なんだと思います。

長々と書いてしまいましたが、この作品は演劇、音楽とダンスで積み重ねた瞬間が「揺れ」となり、現在から過去と未来を露わにする。
まさに、時間の引き金の様な作品でした。

そして道の向こうまで

そして道の向こうまで

劇団片倉天国

シアター風姿花伝(東京都)

2022/03/28 (月) ~ 2022/03/29 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

登場人物の高校生の成長が、しっかり感じられる舞台で面白かったです。
気付くと、松田の成長を応援していました。
友情っていいな、夢中になれるものがあるっていいなと、改めて思いました。
一生懸命さと初々しさを感じる舞台で、良い舞台でした。

石を投げる女がいて

石を投げる女がいて

ジグジグ・ストロングシープス・グランドロマン

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

今回のジグジグさんも凄かったな!
登場人物とキャストさんがドハマリ
ハマり役
舞台場の時間のながれと共にキャスト変わっていく!
楽しくもありいろいろと考えてしまう舞台である
長編と思わせない作りでこの世界観に引き込まれた
何度もみても面白い作品でした

京時雨濡れ羽双鳥/花子

京時雨濡れ羽双鳥/花子

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2022/03/16 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

良かったです。

彷徨いピエログリフ

彷徨いピエログリフ

9-States

駅前劇場(東京都)

2022/03/25 (金) ~ 2022/03/28 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

びっくりするくらい良かった!ストーリーも演者も!良い時間を過ごせました。

下品なジョン・ドー 笑顔のベティ・ドー

下品なジョン・ドー 笑顔のベティ・ドー

第27班

王子小劇場(東京都)

2022/03/24 (木) ~ 2022/03/28 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/28 (月) 16:00

130分。休憩なし。

片生ひ百年

片生ひ百年

ハコボレ

新宿眼科画廊(東京都)

2022/03/26 (土) ~ 2022/03/28 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

落語と一人芝居、良い時間をありがとうございます♪

ネタバレBOX

劇場への階段からお線香の香りがして、雰囲気満点!ろうそくの演出もめっちゃ良かったです!
オロイカソング

オロイカソング

理性的な変人たち

アトリエ第Q藝術(東京都)

2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/25 (金) 19:00

家族と性の問題を扱っている、とても重たく痛みをともなう物語です。しかしながら、上演時間110分があっという間にすぎる、そんな作品がこの『オロイカソング』です。笑いのバランスがとにかくいいからかなと思います。「ひどい」と笑いが交互にやってくる、問題によっては笑っていいのか逡巡しつつも大笑いしてしまう、だからこそ、目を背けずに、目の前に起きている物語を凝視できたのだと思います。時間や場所がめまぐるしく変わりながら、ある家族を追いかけていくのですが、振り落とされずに進めるのは構成が巧みだからだと思います。構成役者の演技、演出ともに素晴らしく、骨太で、それでいて思いっきりポップで、本当に良い作品でした。

魔法はひとつじゃありません!

魔法はひとつじゃありません!

劇団25、6時間

キーノートシアター(東京都)

2022/03/24 (木) ~ 2022/03/28 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/28 (月) 12:30

100分。休憩なし。

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