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Ultimate Fancy Ojisan

Ultimate Fancy Ojisan

MICHInoX(旧・劇団 短距離男道ミサイル)

王子小劇場(東京都)

2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2022/04/01 (金)

価格3,600円

4月1日19時半開演回(105分)を拝見。

事前の情報から推察した、まさに予想通りのテイスト。
常連らしい女性客の頻繁に響く笑い声を耳にしながら…だが、残念ながら、首を傾げつつの観劇。
サービス満点の演出だったが、予想した以上に手が合わなかった。

という訳で、あくまでも嗜好の違いから導かれた低評価故に、星は敢えてつけないことにする。

彼女たちの断片

彼女たちの断片

東京演劇アンサンブル

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

出演者が女性のみだったので、基本、女性目線での、中絶を取り巻く過去から現在の状況を、世代の違う人たちの会話で、一方的に男性を責め立てるのでもなく、受け入れやすい演出でよかったです!
いろんなことも含めて、これから良い方向へ進んでいったらいいな~と思いました

音楽劇「夜来香(イエライシャン)ラプソディ」

音楽劇「夜来香(イエライシャン)ラプソディ」

キューブ

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2022/03/12 (土) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

日中のスター李香蘭(木下春香)、男装の麗人・川島芳子(壮一帆)、稀代のヒットメーカー服部良一(松下洸平)…。戦時下の中国・上海で歴史的人物たちを出合わせ、名曲をたっぷりきかせるエンターテインメント。「蘇州夜曲」「別れのブルース」「一杯のコーヒーから」。さらに「チャイナタンゴ」も服部良一とは知らなかった。この曲は井上ひさし芝居でおなじみ。自作の芝居で3回も使っている。

物陰にひそむ謎の女(仙名彩世)が共産党の幹部工作員で、実は李香蘭と幼馴染のロシア女性というのが、ひねりがきいている。彼女の狙う音楽会破壊工作が、はたしてどうなるかという興味でストーリーを引っ張る。
音楽会場面と、その企画を練る上海の租界の華やかなダンスホール・ラ・クンパルシータのべ面の比重が大きい。その合間に屋台での交歓や、陸軍本部での軍の方針決定の場など。

ネタバレBOX

2幕、音楽会後ろ盾である山家大佐(山内圭哉)が、日本へ送還・逮捕(?)されて、音楽会開催が危うくなる、というのが最大の「障害」。その程度の話なので、しょせん、ストーリーに大したヤマはない。豪華な衣装とステージ、美声をたっぷり楽しむのがこの舞台のかなめだ。

日本軍の横暴ぶりは、憲兵や酔った兵隊が「いまどき音楽など!」と怒鳴る程度であまり突っ込まない。憲兵隊長(山西淳)は、最後は音楽会成功のために一肌脱ぐ。司令官(森下じんせい)の命に背いて、音楽会でさわぎをおこそうとした中国共産党の一味を逮捕して、音楽界は無事に終わる。
なんとなく幸せだった2022

なんとなく幸せだった2022

かるがも団地

北とぴあ カナリアホール(東京都)

2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#北原州真 #冨岡英香
#信國ひろみ #森将人
#中嶋千歩 #遠さなえ
#谷川清夏 #岡本セキユ
#宮野風紗音(敬称略)
観劇してる場合ではない状況で、実は諦めかけていた。やめようかと思った。駅まで歩きながらキャンセルの連絡をしようかと本気で考え足を止めた程だった。それでも新幹線に乗って観に行ったのは、前回観た波多野伶奈さんが主演した『意味なしサチコ、三度目の朝』が面白かったから。
こうやって悩んで、新幹線にまで乗って観たのに残念だったりすると本当に頭にくるのだけれど、観に来て良かったと思える作品で、引き返さなかった自分を褒めている。
誤解を恐れずに書くと、作品に漂う空気は学園祭というより文化祭の出し物。それがダメなのではなく、それを作り貫いている感じが素晴らしい。言うなれば、カッコつけようとしているのに安っぽいのではなく、安っぽさをキッチリ作り上げているプロフェッショナリズム。
もう一つ誤解を恐れずに書けば、キャストは美女でもイケメンでもない……と最初は思えるのだけれど、最後にはみんな可愛くてカッコ良く見えている。ウットリして眺めている自分に気づく。コレって究極に凄いことで、作演出の藤田恭輔さんの手腕に他ならない。俳優の皆さんの演技も、チープ感を抱かせておきながら、実はとっても丁寧で力強くて澱みなく流れてクリア。
わたしは年齢を訊かれると19歳と答える。それは大人の手前で、足らないことが許される気がするから。この作品も、いや、かるがも団地という劇団も19歳感が凄い。それは大人になりたいのに足らないのではなく、未熟に徹する感じ……未熟を完璧に作り上げているのを感じる。それはもしかするとワカチコだ。最高のワカチコに違いない。
これからも、誰を客演に招いても面白いと確信する。次も観たいと思う若い劇団がまた一つ増えた。

1999会の谷川清夏さんのマドンナ感が堪らなく好きだ。そして、声が艶やかで素晴らしい。
ウメコの解説のようなモノローグが嫌味なく聴いていられるのは、演出の力ももちろんだが、冨岡英香さんのパーソナリティによるところも大きい。自然体な佇まいが大好きだ。
劇団員の宮野風紗音さんは、まるで百戦錬磨のお笑い芸人並の面白さ。

つまりは、大いに笑いながらキュンとするから、みんな観たらイイ。

彼女たちの断片

彼女たちの断片

東京演劇アンサンブル

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

7人の女たちの議論から、性、妊娠、中絶をめぐる歴史が紐解かれる。女性の、女性による、女性のための、と言いたいところだが、これは女性と男性のための芝居だろう。「私の体は私のもの」というセリフが印象的だ。
兵士となる人口を増やすため、戦前は堕胎罪によって、中絶は罪とされた。戦後、中絶は合法化されたが、抑制のため「水子供養」(たたり)という脅しが保守勢力によって広められた(知らなかった!)。中絶に男性の「同意」はいらないという主張もあるとか。
気を失っている間に性行為をされた女性。中絶が許されないペルー育ちで、3人目。4人目を中絶した後、5人目を(女友達の支援を力に)夫に産むことを認めさせた女性。それぞれの女性の語りから、様々な生徒妊娠・出産への向き合い方が浮かび上がる。

民衆の敵

民衆の敵

ハツビロコウ

小劇場B1(東京都)

2022/03/29 (火) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

さすがです。引き込まれる熱い芝居!良い時間をありがとうございます♪

愛しのボカン

愛しのボカン

悪い芝居

本多劇場(東京都)

2022/03/18 (金) ~ 2022/03/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

非常にパワフルで、カラフルでエネルギーに溢れていました。
創作の可能性と、イマジネーションの熱量と。

そこに更に岡本太郎氏の言葉や、オマージュ、
得たインスピレーションが散りばめられていて、
演劇、芸術への大きなリスペクトを感じました。

ただし、ちょっとオリジナリティというか、
ご自身の内側から溢れ出てきている、と言うよりも、
上記の様な、他者からのインスピレーションによって溢れてしまった様な、
自発的な爆発!かと言うと、少し違う印象でした。

雑多と言うか、気持ちがたくさんあり過ぎて、
それを纏められずに駄々洩れてるみたいに観えてしまいました。

最終盤の10分、15分くらいからの推進力はパワーを感じました。

耳があるなら蒼に聞け・ハンズアップ2022

耳があるなら蒼に聞け・ハンズアップ2022

企画演劇集団ボクラ団義

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2022/03/19 (土) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

『耳があるなら蒼に聞け』

暫定最終公演に相応しい、団体さんがこれまで積み上げてきた
歴史のif作品の中の傑作でした。
熱量・作品の描く世界観の深度と、ゾクゾクする様な作品で、
坂本龍馬である沖野さん、中岡慎太郎の大神拓哉さんと、
団体の看板役者を前面に出し、重厚に魅せて貰えました。

たった150年ほど前の、歴史的な事件、なのに謎が解けていない部分を、
本当にこんな事があったかも知れない、と思わせてくれる、
没入させて頂けた作品でした。

殺陣も必要最小限に、緊張感が続く場面の連続は心がシビれました。
今のこの時代だからこそ、観客に伝える意義のあるメッセージがたくさんでした。

彼らの活動の一端の幕引きを、観届けられて嬉しかったです。

耳があるなら蒼に聞け・ハンズアップ2022

耳があるなら蒼に聞け・ハンズアップ2022

企画演劇集団ボクラ団義

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2022/03/19 (土) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

『ハンズアップ2022』

ダークなテイストの会話劇。
他団体に移管されての2公演はこれまでに拝見してきて、
初の自団体での公演を拝見出来ました。

会話劇として謎がなかなか解けないもどかしさ、
行われるゲームの長さによる進行配分も、若干ですが
作品のスピード感を損なっている感じがしてしまう作品ですが、
終盤以降の謎がメキメキと解けていってからの加速度が気持ち良いです。

各キャラクターの個性や特徴がシッカリと紹介されていて、
こんがらがる事は少ないので、観易いとは思います。

色んな団体さんで主演級を張れるゲスト役者さん達と、
ボクラ団義のメンバーとが上手い融合をしていたと思います。
目に焼き付けられて幸せでした。

Ultimate Fancy Ojisan

Ultimate Fancy Ojisan

MICHInoX(旧・劇団 短距離男道ミサイル)

王子小劇場(東京都)

2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

超お薦め!!!!!

風がつなげた物語

風がつなげた物語

グッドディスタンス

新宿シアタートップス(東京都)

2022/03/31 (木) ~ 2022/04/06 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/04/01 (金) 14:00

座席1階

今日は「月と座る」を観た。舞台中央にバス停。「珠子」と同じバス停だが、この舞台ではバス停が主役だ。バス停に次々と現れる女性たちはいずれも人生に問題を抱えている。舞台が進むと、その全貌が明らかになってくる。

このバス停は東京・幡ケ谷に実際にある。住む家を失った女性が未明、終バスが出てから始発が通るまでの間、小さなベンチで体を休めていた。ところが、近所の男に邪魔者扱いされ、撲殺される。この事件は注目を集めた。生まれ育った広島では劇団員として舞台に立っていた女性だ。亡くなる前はスーパーの試食販売の仕事をしていたというが、このコロナ禍で仕事を失っていた可能性が高いという。一つ間違えば簡単に路上に放り出される現実。「彼女は私だ」とプラカードを掲げての追悼デモも行われた。

舞台でも、この亡くなった女性について語られるところがある。彼女は行き場がなくてこのバス停に来ていたのではなく、この場所を見つけて「生きようとした」のだ、と。このせりふが「月と座る」を貫く重要なひと言である。未明にバス停に訪れた女性たちも、けして人生をあきらめているのではなく、もがきながらも生きようとしているのだ、と。

この舞台を観て、この登場人物たちの来歴や人生を考え出した劇作家の豊かな創造力に脱帽する。ラストシーンに近づいて明かされる、ある意味で衝撃的な展開が秀逸だ。「珠子」でも語られたが、家族の介護を当然のように女性に担わせるという世間的な空気に、この両舞台は異議申し立てをしている。

この二作は観る価値がある。

舞台『千と千尋の神隠し』【5月17日~19日12時、22日12時、25日12時、6月25日~7月3日の公演中止】

舞台『千と千尋の神隠し』【5月17日~19日12時、22日12時、25日12時、6月25日~7月3日の公演中止】

東宝

帝国劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/29 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

橋本環奈さん、夏木マリさんなどのキャスト回を拝見。
基本、良い意味で映画をそのまんま完全再現。

舞台を観慣れた身としては、お金がある団体がどんな演出、
映像や照明などで新しい世界を観せてくれるかと期待していましたが、
これまた超良い意味で「アナログ」「人力」で魅せていて、
初めて舞台を観た人にはとてもすんなりと楽しめる気がしました。

唯一、事前に私自身が期待していた部分で叶わなかったのが、
「いつも何度でも」が歌唱や、音楽で使われる事も無かったのが残念でした。
ここまで完全再現してるのだから、どこかで使って欲しかったな…

「舞台だから」と足されたセリフも幾つかありましたが、
99%は映画通りのセリフで、ある意味で舞台を観られなかった人に
「いや、映画通りだったから観なくても良かったと思ったよ」という
感想を伝えても、恐らく全く不思議じゃない作品でした。

「チケットが非常に取り辛かった」という点を除けばたぶん、
観た人から大きな批判は出ない作品だったな、と思いました。

風がつなげた物語

風がつなげた物語

グッドディスタンス

新宿シアタートップス(東京都)

2022/03/31 (木) ~ 2022/04/06 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 「月と座る」を拝見。可成り衝撃的な作品だが、役者陣の熱演が素晴らしい。話が微妙なので詳細は更に考えてから書く。(追記後送)

ネタバレBOX

 物語は常にバス停及びその面前で展開する。オープニング、板中央に位置するバス停の下手足下には、誰か犠牲者を追悼するように花が一輪立てかけられている。中央に椅子、背面は曇り硝子が嵌められており、満月に近い月の移動に従って明暗が変わる。
 今作の作家は女性であるが、登場する人物の殆ど総てが何かしらオカシイ。その微妙だが異様な言動は、何が起因していたのか? 何故殆ど総ての登場人物に異様性が見られるのか? を疑問に思いながら観ることで今作への足掛かりができるような気がする。
ながいながいアマビエのはなし

ながいながいアマビエのはなし

劇団 枕返し

小劇場メルシアーク神楽坂(東京都)

2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

タイトルこそ「ながいながいアマビエのはなし」だが、上演時間は60分とコンパクト。その時間で描くアマビエの物語は、相当の想像力を要するが、それでも分かり難い。「人生大逆転ツアー」に参加した人々。途中でバスが故障し、何かに追われるように森へ。森の中へ行く人、止まりバスに戻ろうとする人、そんな選択から物語は始まる。
(上演時間60分)

ネタバレBOX

ほぼ素舞台。後方は暗幕、森林イメージを出すため 数か所の柱に蔦を絡め、上手に椅子2脚、下手に箱馬が2つ。

役者(ツアー参加者、アマビエ役)は客席通路から登場。バスが故障し何かから逃れるため、森までやってきたというシーン。このツアーに参加したのは、ガイドを含め8人。結局全員が森の中へ入る。人生をやり直したい、そんな期待を込めて参加したが、思うようにいかない。追いかけていたのはアマビエ兄妹、容姿はペンギンに似ている。「アマビエ」とは妖怪らしいが、その存在すら知らなかった。Wikipediaによれば、江戸時代に出現した日本の疫病封じの妖怪らしい。勿論 予言も行い、それを現代のコロナ禍に結び付ける。

ツアー参加者の挫折、苦悩、そして抱えた問題が描き切れていない。1人 2人の失敗談はあったが、表層的なもので掘り下げがない。本筋は、そのツアーに参加していた人物(女性)が、皆の記憶から欠落したこと。居た事=あった事をいつの間にか忘れる。アマビエを通して、現在(コロナ禍)の苦難も、やがて忘れ去られてしまう、を描いたものか。

ツアー参加者の中に新婚3か月で妻から離婚を言い出された男(金野優樹サン)…他人と比べる(サウナの時間)、外面が良い(妻の女友達への対応)の人物像を立ち上げる。コロナ禍でどこにも出掛けず、巣籠状態に嫌気がさした妻との気まずさ。
もう1人(飯沼誠治サン)、子供の頃の 遊び”かくれんぼ”で気が遠くなるほど数え(耐え)る。「もう いいかい」「まあだ だよ」はコロナ感染防止対策の解除を巡る動向を連想する。

コロナ禍を揶揄したような内容だが、描き方が表面的で深堀出来ていないのが残念。またアマビエの存在感(特に兄)はあるが、予言できるだけという役割に物足りなさ。森に逃げ込んだ8人のうち3人を取り込んで喜ぶ、その意味は何か。
ラストは、ツアー参加者夫々が地に足をつけ、前向きに生きていこうとする予定調和。もう少し捻りがあると印象に残ると思うが…。
次回公演を楽しみにしております。
オロイカソング

オロイカソング

理性的な変人たち

アトリエ第Q藝術(東京都)

2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

当初予定の2020年から漂流の果てにようやく上演となった公演。先日の「彼女たちの断片」と同じく女性作家、演出家と女優のみによる舞台で、性暴力・被害、性の多様性を扱う舞台、ではあるが、三世代四人の家族と一人の他人の人間模様にとってその要素は「特殊」であるよりは、濃密な人間関係の中に立ち現れて来る要素=Xとして他に置換可能、つまり誰しもが持つ傷と重ねながら観る事が可能な、普遍性あるドラマになっている。人物たちの関係図と心の来歴が次第に現われて来る手触りは秀逸だった。
最後に「事件」という部分に収斂していく所、千秋楽という事もあってか罪責に苛む二人(母と祖母)が健気に生きる子たちを見ながら涙でボロボロだったが、個人的には役人物の「日常」を維持して踏み留まって欲しく思った。
性虐待事件は「性」の本質において通底しながらも形は多様で、実際に為された具体的行為、その状況、その感受のされ方(心理的な影響)にも違いがありそうである。この作品で扱われたものは小学生におフェラまでさせた事件とされ、被害者である双子の「姉」への影響は思春期以降の挑戦的な異性関係に表われ、一方姉を慮る妹には異性への頑なな態度として表れる。
話は失踪した姉を探しに姉と一時期交際した女性を妹が訪ねてくる場面に始まり、折々の出来事が回想される。観客の関心に沿って順次、過去に分け入っていく手順が優れ、一つの家族の歴史と現在に立ち会う事となる。
広く共感を持ち得る物語になった事がこの作品のレベルを一段押し上げていると感じた事が、ラストの「その場にいない」母と祖母の感情露出を抑制してほしく思った理由だが(出来事の「特殊性」を強調する要素は抑えたい)、少し醒めた見方すぎだろうか。

特典として送られた映像も観た。十数分のが2作で、まりの女史の筆が画面上で色を自在に塗りこめるのだが、最初スピーカの無いPCで視たため(背後でピアノが流れているらしい事はチラっと別媒体で覗いて判っていたが)、一つの絵画作品の完成に至るまでの試行錯誤に見え、凄く面白かった。が、音声を聞くと物語の朗読になっており、その物語に呼応して絵筆が動いたのだった。
最初の印象の方に関係する話だが・・、先日ある配信で障害を持つ人のアート製作の現場を撮った20年以上前のドキュメント映画を観た。アーティスト達が「やり直し」をせず一本線の道を行く如く作って(描いて)行くらしいのを見て、(障害者に限らずだろうが)「降って来るんだな」と感じた事と、その一つの作品完成までのプロセスがユニークで、完成形のイメージに向かうなら通るだろう道を必ずしも通らない紆余曲折の謎に眩惑した。完全に「自分には判らない」世界だが、しかし自分もその道を通ってみたい。創造=生み出す営為の中で。そこはどんな道行なのか、風景を見たいと思ったんである。毎回視覚的な快さを与えてる荒巻まりの作画にもある種の「謎」を感じていたので、私は大変興味深く見せていただいた次第。

ネタバレBOX

余談。最近観た性被害に向き合う女性を撮ったTVドキュメントのケースでは、小学六年時に担任から受けた性被害が「お泊り会」での同衾、体を触られキスをされたというものだった。「一年間被害を受けた」その全貌を番組は語ってはいないが、他の証言として修学旅行で夜その教員が部屋に入り、児童の服を脱がせ、自分も脱いだこと、他の元児童が証人として居る事なども紹介されていた。
女性がこの出来事と向き合う意志を持ったのは被害から30年後と言い、十代後半から薬漬け(向精神薬)となり就労もままならない期間を20年以上過ごした事になる。人間誰しも多くの時間を無駄にしたと振り返らざるを得ない事があるが(多くはそれを回避しようとするが)、幼少期に大人から受けた傷との闘いは勢い長くなる。自身への否定的感情に支配され、そこからこの朧げな記憶の中の「出来事」を振り返る時、「こんな自分だから仕方なかった」と低い自己評価の延長で理解してしまう。因果関係は混濁していたに違いないと想像される。その事が「おかしい」と気づいた後でさえ、習い性から、又は「今の自分はやはり現実的には低い位置にある」として低評価、ネガティブな歩みを続けてしまいがちである。
巨大な穴の中で足掻いた20年間に愕然とするが、似たような事は多くの人間が(とりわけ日本社会では)抱えているのだろう。
芝居の中の被害女性は、20代の時にあるグループに参加して「自分の中の性被害体験」と向き合い、闘うグループカウンセリングを行う。その事により、彼女はまずは過去の体験を現在に引き出す事に成功したようである。が、それをどう意味づけるか、という所でまた分岐点を迎えただろうと想像する。間が抜けて、彼女と付き合ったという一人の同性愛の女性の証言へと飛ぶ。そして彼女は少し前に出て行ってしまい、もうそこには居ない。彼女が自分というものと対話しながら人生を探って行く姿は、観客は想像の中に形成される。周囲の者は、彼女に声援を送り続けるしか無く、「解決」はやはり彼女自身が見つけ出すしかない。観客の手元に残されるのは、共感する心とその可能性、しかない。
ちろうに検診

ちろうに検診

Peachboys

サンモールスタジオ(東京都)

2022/03/30 (水) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

童貞のカオスじゃ、これはカオス祭りじゃ~(笑)
今まで抑えるようにしてきたけれど今日はPeachboysこれはもう仕方ない、思いっきり笑うしかない!
と劇場に行って、も~期待通り、思う存分笑えるという幸せ。(いや、コロナが無かったら全然もっといけたなぁ。飛沫の心配が無くなる日が待ち遠しい)
地上波じゃコンプライアンス的に色々と難しいギャグもここでは華麗にOK(笑)
いいではないか笑いは世界を救う。
この下ネタとセットになった面白さは世間でちょっとした評判になっても
ぜひ評判になって、演劇をあまり観たことが無い人にもこの未知なる悶絶笑いワールドがあるって事を知って欲しい。
そうすれば同時に演劇人の半端ない熱量も感じ取ってもらえるし。

仲良し童貞3人組が巻き起こす、というか巻き込まれる、このPeachboysスタイル。
初見のファーストインパクトも良かったけれど、回数を重ねた面白味も中々イイ。
そして今回は本編の後にレビューショーまで
ってレビューショー、10分しか無いんか~い(笑)
そうして冒頭の感想へと戻るのでした⤴

風がつなげた物語

風がつなげた物語

グッドディスタンス

新宿シアタートップス(東京都)

2022/03/31 (木) ~ 2022/04/06 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日観させてもらいました。
バス停のところだけで女性4人が繰り広げる芝居。女性は知らない人でも直ぐに話しかけられるので、展開したんですね。若し男性だったら、あーはいかないかなと思いました。
とても良かったです。有難うございました。 #月と座る

ながいながいアマビエのはなし

ながいながいアマビエのはなし

劇団 枕返し

小劇場メルシアーク神楽坂(東京都)

2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/31 (木) 18:00

恐ろしいクオリティのアマビエが登場します。
ドンキ○ーテから抜け出してきたような。

アマビエの位置付けや目的が中々読み取れず、少し複雑だったかも。

ただ上演1時間程度なので、気楽に見る事ができました。

ちろうに検診

ちろうに検診

Peachboys

サンモールスタジオ(東京都)

2022/03/30 (水) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/31 (木) 19:00

価格3,800円

2日目を観劇。毎回同じことやってるのに笑える。次に何が起こるかわかってるのに笑える。これはもはや落語のようで、古典芸能に近づいているのか。お正月の寅さん映画のような安心感。
ただ今回はちょっと違って第二部、何故かレビュー・ショウがある。これは凄まじい破壊力。なにやってんだこの人たち?と呆れる120分。

ネタバレBOX

冒頭のヤバいネタで、まずやられました
ながいながいアマビエのはなし

ながいながいアマビエのはなし

劇団 枕返し

小劇場メルシアーク神楽坂(東京都)

2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2022/03/31 (木) 18:00

 タイトルは謎めいた雰囲気で、
イラストも劇の展開が読めない感じに惹かれて、多少期待して観に行った。
 しかし実際には、非常に残念なことに、劇の内容も展開も、あらすじとほとんど変わらず、単調で、捻りがなく、それぞれのキャラクターが一部を除いて、それを演じる役者も含めて際立たず、私の予想を良い意味で裏切ることをせず、想定内どころか、想定内以下過ぎて、がっかりだった。

 また、役者の演技も、2、3、4人の役者を除いて、演技が上手だとか、下手だとかいう以前のレベルで、学生演劇以下に見え、失望した。
 ただ、2、3、4人の役者に関しては、役によって、しっかりと演じ分け、時に豹変した演技に魅入ってしまうぐらい、申し分なく、素晴らしく、これからも期待できる逸材に思えた。

 演出の都合だか、それともコロナの自粛期間のあたりがメインテーマになっているからか知らないが、劇全篇のほとんどを、途中の一瞬の例外を除き、演者がマスクを付けたまま演技をしているのは、いかがなものかと思った。周りの状況がどうとか、そういうことではなく、演劇というのは観客に虚構を観せせるものであるので、それに役者は身体の動きとともに表情の変化も大事なので、マスクをするぶん表情が読み取りづらく、笑える場面でも、付けずに演じるときほど素直に笑いづらいし、観客側が反応しづらくなるので、絶対にマスクはなしで演じたほうが良いともう。それに行政も演劇を行うことにおいて、絶対にマスクを付けて公演してくださいと入ってないはず。演劇を演る人間が世の中の流れに過剰反応するのはどうかと感じた。

 演出も全然なっていないし、一部を除いて、役者も見込みゼロだと感じたが、そもそも、脚本が一人一人の役者の個性と向き合ってあて書きすることをしていないと感じ、脚本内容と脚本家が一番言いたいことがあまりにもあけすけに出過ぎていて白けてしまい、かなり落胆した。

 アマビエ役の人たちの格好が奇抜で、特に劇中でお兄ちゃんと言われたほうのアマビエ役の俳優は濃く、見た目はかなり不気味で怖さを感じさせるメイクをしていて、人目を引くが、実際に話をしだしてからとの演じているキャラクターのギャップに意外性を感じ、驚いた。

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