最新の観てきた!クチコミ一覧

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ジャングルジャングル7

ジャングルジャングル7

アイビス・プラネット

配信スタジオ(東京都)

2022/05/26 (木) ~ 2022/05/29 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

このシリーズは配信でいかにすれば「芝居を観る」という体験をできるのかというチャレンジなのだと思う。今回も主役クラスの手練れの役者がたがいに協力して(ここ大事)作品を作り上げる様自体が「楽しい」アーカイブでも見られるが出演者よりもまずは生配信で見られる日を選ぶことを強く進める。欲を言えばアーカイブ視聴用には編集したもの流せればなお良いとは思う。

リバーシブルリバー

リバーシブルリバー

24/7lavo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/05/26 (木) ~ 2022/05/31 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

突如、思いと真逆の言葉を発する症状に陥ってしまった青年。
このシンプルに笑えるワンシチュエーションコメディーで突っ走るか、いや、きっともう何ランクか上を企んでいる。と思って観ていたらやっぱり!
中々良い雰囲気で賑わっていたシェアハウスの光景が、全く違った見え方で幕を迎えていました、深い!

言葉の変換作業も最初こそのんきに笑って観ていたものの
普段の会話の中で(特に言いにくい内容では)似た事が起こっているんじゃないかと、
自分自身も無意識に加工した言葉を発している事ってあるんじゃないかと、言葉の迷宮にどこか背筋が寒くなってくるのでした・・・こんなふうに思わせるのもきっと計算ずく。

学生達のシェアハウス、最初から最後までとにかくめったくそ面白かった
24/7lavo主催の池田さん(演出)&やみ・あがりシアター主催の笠浦さん(脚本)の相性が見事バッチリハマっているのが実感できて余計面白い。
是非またのコラボを期待しています。

ネタバレBOX

最初は慌てふためく主人公とシェアハウスの面々のナチュラル演技から生まれるシンプルで分かりやすい笑い。
これが怪女マアコ先輩の出現でガッツリ強烈な笑いとなって空気が一変
きっとここが境目だったのでしょう、いつの間にか登場人物達の裏側から垣間見えるエグさにも笑っている事に気がつくのでした。
空地の隅で空っぽの空き瓶が空を見上げた日

空地の隅で空っぽの空き瓶が空を見上げた日

劇団天文座

レンタルスペース阿倍野長屋(大阪府)

2022/03/26 (土) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

Bチーム千秋楽観劇。
生の優しい歌声と繊細な調べ、とても良い感じでした。
父·娘·自分·連れ合い·持ち主等を探し、住めない街に集まる死んだ者·生ける者·ならざる者達。

成長途中の役者さん達、楽しそうに演技されていて、好感。
不思議な世界感が描かれていたが、ただ少しブツブツ感があり、一体感の薄いお話になっていたのが少し残念。
それでも役者さん楽しそうに演技されており、成長真っ最中って感じで好きです!

イロトリドリのシロクロ

イロトリドリのシロクロ

ヨルノサンポ団

ウイングフィールド(大阪府)

2022/03/27 (日) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初回観劇。
リノベーションされた画一的な間取りのマンションから見える火葬場の煙。
1人の少年が飛び降り…

女友達、夫婦、教師、母親、現実と小説、空間の隔たりが薄れてゆく感じで、とても不思議な感覚を味わえた。
不倫や過保護等々、清濁含め人間だーー、面白かった。

Gipsしたソウルフルの蚤湧くシンパシーに命が宿る

Gipsしたソウルフルの蚤湧くシンパシーに命が宿る

空降る飴玉社

ライト商會 三条店 2階ギャラリー(京都府)

2022/03/25 (金) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

過眠症のガラス雑貨店主の元に、気の強い客が…
そして2人の背後にいた幽霊は…

人&幽霊の心の交流と別れが丁寧に描かれてた。
心が癒され、心穏やかで暖かくなる公演。

毎回楽しみにしていたが、今回で無期限活動停止との事で、またどこかで皆様とお会い出来れば、とっても幸せです。
面白かった。

エアードロップ

エアードロップ

ステージタイガー

松原市文化会館(大阪府)

2022/03/26 (土) ~ 2022/03/26 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

毎年、1回こっきりの無料公演、楽しみにしています。

都会の競争社会に馴染めず、限界集落のシェアハウスに集う若者達。
昔、自殺を図ったニッシーはここで伴侶を見つけるが…

仲間と背伸びせず出きる範囲で、スローに生きる若者達の自立と葛藤。
ステタイさんらしく、アツクルしいほど胸熱でした。

気を張らず、荷物が重いならおろして良いよ、休んで良いよ、そんなメッセージがコメラテいました。皆が少しでも前を向ける様に願ってます。

「和菓子を食べた猫」

「和菓子を食べた猫」

劇団プレイング

さかい利晶の杜(大阪府)

2021/11/13 (土) ~ 2022/03/26 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前回、前々回はコロナで公演中止とのことでしたが、今回、何とか初回に続き、千秋楽を観劇させて頂けました。

初回からレベルアップしてたました。
魔法も一杯ふりかけてもらったし、きっと良い事があるに違いない。
観劇後の和菓子&お茶も、目の前で立ててくれて、贅沢感アップ!
(回毎に異なる和菓子は、まさか初回と同じモノでしたが、可愛い和菓子を美味しく頂きました。)

和菓子にお茶に、観劇に加え、館内展示も見学できて、これで千円は超お得!

劇中の写真撮影もOKの様で、パシャリ!とさせて頂きました。

この続編(与謝野晶子さんの筈が男性主体との事ですが…)も決定されたとの事、また伺いますね。

雨と夢のあとに

雨と夢のあとに

Yプロジェクト

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2022/05/25 (水) ~ 2022/05/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

B班観劇
丁寧に作られてて
CLANPのマンガみたいで
極悪人とかが出てこなくて心温まったが・・
まぁ自分涙腺も緩くなったなぁと
思い知らされた2時間20分(10分休憩挟む)の作品

ネタバレBOX

なんか いろいろと作品アイデアが
昔見た いろんなモノとダブってたなぁ と
そんだけ定番で王道な話でしたわ(^ー^)

基本は雨月物語みたいかなぁ
気付けば自宅にいてーと
死んだことが自分でも最初は理解できないことは
「黄泉がえり」みたいでしたし
昔見た洋画でヤンキーな青年が無茶な事して
死ぬんだが幽霊として戻ってきて
当時の恋人がダサいクラスメイトと結婚してて・・・という話があって
そのダサいと思ってた奴が
実は今の妻の子供が幽霊となった青年の子とわかってて
育ててるという気骨に溢れた奴でー タイトルは何だったかしら・・・
今作にも引っかかる内容ですねぇ

死んだ父を見える人が 
その見える条件様々らしいとか
死者が傍にいると生者が弱ってゆく設定もGoodでした
「居酒屋幽霊」とか「異人たちの夏」なんかが近しいかなぁ とも

台湾で死亡した邦人という流れが
外務省とかセリフに入ってきて
リアルな感じで娘との時間が
タイムリミットのあるものという切なさが
上手に演出されてて泣かされたなぁ・・・・・

小道具としての衣装が
生きてる人たちはコロコロと変わるのに
亡くなってる方は そんな変わらんとか
巧いなぁ と思ったデス
ネオンキッズ

ネオンキッズ

OFFICE SHIKA

AI・HALL(兵庫県)

2022/03/18 (金) ~ 2022/03/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

点灯ver.千秋楽観劇。
怪獣ビルの下、行き場をなくした若者たちが身を寄せ生きている、ネオンキッズ。
彼女達はどこまでも薄幸なのか?

AKB48の岡部麟、小田えりな、下尾みう さんがご出演。
AKBの皆さん、結構と言うか、かなりお上手でした。
難しい楽曲も、しっかり聞かせて頂けて、見応えあり。
とても面白かった。良かった。

だからわたしたちは今日も

だからわたしたちは今日も

三栄町LIVE

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2022/03/17 (木) ~ 2022/03/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

大阪公演 楽日観劇。
恐ろしい世界が描かれてました。
「好き」と伝えて(報われないと)○○てしまう世界??(ハッキリと台詞に出てきていないが、そんなニュアンスの世界)

そのため思うように本心を伝えられず、人と人との間に自ずと隔たりがあり、それでも愛おしく、沢山、傷つきながら生きる人々、とても切なかった。
衝撃的で、結構、面白かった。

あの日のトンネル

あの日のトンネル

シニア演劇ネットワーク

ザ・ポケット(東京都)

2022/05/26 (木) ~ 2022/05/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

5/26、中野ザ・ポケットにてかんじゅく座やきいもチームの「あの日のトンネル」観ました。
シニア劇団の演劇自体、初めて観たのですが、みなさん青春してました。
何が素晴らしいって、演者さんの表情が素晴らしい!
狭い(失礼)舞台に奥行きのある昭和の景色が見えました。
ちゃんとお金の取れる演劇です。
観る前はお年寄りの思い出づくりかな?とちょっとなめてました。本当にごめんなさい!
考えてみたら、子ども時代から円熟…いや、完熟期まで経験してきている人生のベテランの方々なんですものね。若い人じゃ想像の域を出ない役柄だって、引き出しがあるわなぁ。いいもの観せてもらいました。泣きました。

リ:ライト

リ:ライト

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2022/05/25 (水) ~ 2022/05/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前回の公演も見ていました。この時には分からなかったこと、気づけなかったことが、ああ、こう言うことだったのか・・・と思えたことがあり、あれから7年、お芝居を見続けた甲斐があったかなと思ったことでした。
でも、このお話がリ:ライトされているかどうか分からなかったのは、私の記憶力が貧弱なせいです悪しからず。

ネタバレBOX

予知夢だったのか妄想だったのか。いずれにしてもみんなを助けられてよかったです。
病気と診断されていなくても、忘れっぽい私なのでちょっと心配。
トツゲキさんの舞台は時々わかりにくいと思ってしまうのはまだまだ修行が足りない?
【Strong Punch】

【Strong Punch】

劇団1mg

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2022/05/25 (水) ~ 2022/05/30 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

やっと生舞台!!!!
感動しました✨
両班ともそれぞれの良さがあり
両班観られることをオススメします!!!
最高‼️

【Strong Punch】

【Strong Punch】

劇団1mg

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2022/05/25 (水) ~ 2022/05/30 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

めっちゃくちゃ泣けて
感動できる舞台でした!
👊(◦__◦)

四月は君の嘘

四月は君の嘘

東宝/フジテレビジョン

日生劇場(東京都)

2022/05/07 (土) ~ 2022/05/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

月刊少年マガジンの連載(2011/5~2015/3)でアニメ化、実写映画化、舞台化もされている人気作品。ミュージカル化はコロナ禍で延期になり今回が初演となる。

4人の中学3年生の出会いと別れの物語。「説明」にあるストーリーを読めば分かるように全く年寄り向きではない。気持ちとしては「お邪魔でしょうけど観せてください」というところか。しかし前方席を見ると白い方や少ない方もチラホラいらして安心する。そして余計な茶々を考えずに集中しているとどんどん面白くなっていった。なかなか良いじゃないか。

主役脇役陣はもちろん快調だ。そしてそれ以上にアンサンブルの若者たちの歌とダンスが素晴らしい。特に大勢のコーラスが鮮明でバランスよく大迫力で、これまで聞いたことのない音の波が押し寄せて来る。スタジオ録音ではないかと疑ってしまうほどだ。大劇場のミュージカルはいつもデュエットでさえ濁ってしまうのに今日はPAの技術者が優秀だったのだろうか。いや素晴らしい。

しかし、どういうわけかカーテンコールで誰も立たなかった。ダブルコールで立つ準備をしていたが何も起こらずに終わってしまった。良い出来だったのに。こういうのは自然発生することもあるけれど熱心なリピーターが先導するものと勝手に思っていたのだが今日は皆さんお休みだったのかな。まあいずれにしろ明日からの観客の皆さんはダブルコールで立ち上がるようにしましょう。

リ:ライト

リ:ライト

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2022/05/25 (水) ~ 2022/05/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

たまたま、「星を掬う」(著:町田そのこ)を午前中に読んでました。
状況は全く違うけれど、「記憶」にまつわるお話でこの偶然にびっくりしました。

記憶と幻想と希望と現実の交錯が巧みに表現されていて、タイトルとのリンクに驚愕しました。
また、現状認識が肯定的か否定的かによって次の未来を操れるという、何とも現代に生きる私たちに向けてのメッセージにぐっときました。
夢を見ても、悪夢よりも幸せな夢がいいですよね。

通りすがりのYouTuber

通りすがりのYouTuber

ジェットラグ

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2022/05/20 (金) ~ 2022/05/29 (日)公演終了

実演鑑賞

流行のユーチューバーを素材にしたいかにも中津留章仁らしいドラマだ。
このメディアは評判は聞くが実際にコミットしたことがなかったが、この舞台を観て、どういうものか、かなり分かった。今の普通の演劇の舞台演技が小さなフレームの中のユーチューバーたちの立ち居振る舞いにかなり影響を受けていることも分かった。
それはいいのだが、このドラマの中身はどうなのだろう。
天涯孤独の姉弟がユーチューバーになって、実の母親に再会するという骨組みはまるで、尾崎紅葉か、という筋書きで、登場人物たちも、装いは今風だが、中身のモラルは、大正昭和の大衆小説もどき。しかも主演者はジャニーズ。ちゃんとした新劇の俳優も競演している。劇場はシブゲキ。
現在の演劇界で最も突飛な、と言って悪ければ、歩留まりが見えない冒険心に溢れた大胆な顔合わせである。ここから何が出てくるかはわからない。しかし、この舞台を真摯に洗練させていこうとすれば、その努力は、報われるとことがあるような気がする。
それは、メディアを軸にした大きく変わる時代の節目にあって、ユーチューバーに象徴される新しいメディアは急速に社会に広がっており、同時に、社会を構成する人間の方はその変化に追いついていない現状(ジェンダー、社会階層、人種差別など)に手をつかねている現状が日々、報じられてもいるからである。

残火

残火

廃墟文藝部

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2022/05/20 (金) ~ 2022/05/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

平成年間に翻弄された幼馴染たち

ネタバレBOX

 名古屋市にほど近い商店街でカメラ屋を営む家庭に生まれた峠道久(大野ナツコ)は、2001年のある日に道端でちがう学校の荻窪火花(瀧川ひかる)に声をかけられる。火花は阪神淡路大震災に被災した際片腕を失い、両親を亡くしたため祖母の大峰初枝(おぐりまさこ)のところに身を寄せているのだ。口は悪くすぐ手が出る火花だが、道久とは打ち解けることができた。別の日に道久は写真の現像に訪れていた平坂歩鳥(仲田瑠水)と出会う。歩鳥は学校に飾られている、道久が撮影した火花の写真に惹かれたという。やがて3人は道久の父哲男(松竹亭ごみ箱)が見守るなかで一緒に線香花火で遊ぶ。幼馴染たちにとってこの日は幼少期の輝かしい思い出となった。

 10年後の2011年、成長した歩鳥(あさぎりまとい)は妹の皐月(小津山おず)を伴い名古屋を訪れ、久々に道久(八代将弥)と写真館で再会し旧交を温める。歩鳥はその1ヶ月後に故郷で東日本大震災に被災する。家族ともども無事ではあったがショックで塞ぎこむようになってしまった。火花(元山未奈美)もまた阪神淡路大震災の記憶が蘇り取り乱している。二人の幼馴染を道久は懸命に支えた。やがて道久は写真作品で賞をとりカメラマンとして活動し、6年後、おりしも新元号発表の日に火花にプロポーズする。しかしその日の晩、東海地方に大きな地震が発生し…

 私が興味を惹かれたのは、平成年間を通した幼馴染の男女3名の交流が、大規模災害に翻弄され葛藤する様子を描こうとする作者の意図である。各幕の合間には平成を象徴するような出来事がスクリーンに投射され、自分の人生を振り返りながら作品を観ることができた。おりしも平成レトロブームがいわれる昨今には格好の題材であり、着眼点として面白い。

 だからこそ私は、平成最後に東海大地震が起きたという描写に大きな驚きと戸惑いを覚え、感情の落とし所が見つからなかった。道久は最愛の人を亡くしてしまうわけだが、ただそれだけで予想される大震災の惨状と現代への影響を十分に描ききってはいないように感じた。作中で震災が描かれる旨開幕前にアナウンスがなかったことも残念に感じた。

 俳優陣は健闘しており安心して観続けることができたものの、幼馴染3名の人間関係にはあまりリアリティを感じられなかった。途中まで道久と火花が恋仲であることに気づかず、唐突なプロポーズがとってつけたように思えてしまった。指輪のサイズも知っているというのに、成長した火花と歩鳥が同じ場所にいる描写がなかったのも腑に落ちない。彼・彼女らの微妙な三角関係に男女の機微をもっと感じる場面を入れてほしいと思った。
9人の迷える沖縄人

9人の迷える沖縄人

劇艶おとな団

那覇文化芸術劇場なはーと・小劇場(沖縄県)

2022/05/13 (金) ~ 2022/05/14 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

沖縄復帰50周年を総括する討論劇

 連続上演企画「沖縄・復帰50年現代演劇集inなはーと」の掉尾を飾る作品である。

ネタバレBOX


 1972年の沖縄本土復帰を目前にとある新聞社で沖縄復帰を考える意見交換会が催される。新聞記者(仲嶺優作)の声がけで集まった8人は性別も立場も様々だ。冒頭から「本土復帰」ではなく「祖国復帰」が正しいと主張する独立論者(島袋寛之)は、太平洋戦争以前の琉球侵攻や琉球処分といった歴史的な文脈に言及し、貿易立国としての沖縄をいつか確立するべきだと主張する。それに対して復帰論者(犬養憲子)は沖縄返還協定を踏まえ、現状が本土なみに好転していくことを望むと主張し噛み合わない。沖縄語を話し組踊に秀でた文化人(宇座仁一)は本土復帰によって沖縄の文化が変わっていくことを懸念し、平和運動や基地反対派を馬鹿呼ばわりした本土人(当山彰一)と一触即発の事態となる。本土人は基地の経済効果を重視するが、それに疑問を抱く主婦(上門みき)が厭戦の意を示し、戦争で息子二人を亡くした老婆(伊禮門綾)は「悲しくなるさー」とつぶやく。

 平行線をたどる議論の合間に何度か休憩が挟まる。暗転とともに鳴り響くのは米軍機の飛行音。舞台が明転すると時間が急に現代へと移動する。じつは1972年の物語は虚構であり、現代の俳優たちが今度打つ公演の稽古中だったということがわかるのだ。「有識者」という役柄で出演している俳優(國仲正也)は稽古場にたくさんの本を持ち込み、創作への理解を深めるべく熱心に勉強している。共演者に沖縄の今後について問われ、物流・金融・観光を三本柱にシンガポールのような国にするのがいいと持論を述べる。それに対して若者役の俳優(与那嶺圭一)は、「そんな話したら日本に笑われる」「俺らはいつだって蚊帳の外」とシニカルであり、有識者役の俳優につっかかる。稽古場で立った波風は思いがけない形で彼らの創作に影響し、やがて有識者役の俳優がこの討論劇にのめり込む動機となったあるやりきれない事件のあらましが明らかになっていく。

 本作は沖縄の現代史をよく調べ各キャラクターに落とし込んだ労作である。しかもただ復帰前夜の出来事を描くだけではなく、劇中劇の手法で現代の視点を入れたところが効いている。現代のパートで沖縄復帰当時の声を「本土に復帰してよかったことは、パスポートが必要なくなったこと」「本土に復帰すると雪が降ると思っていた」とスライド投影して紹介しており、新鮮な驚きを覚えた。それに客席がよく反応している。おりしも返還の日を目前の上演で多くの地元民が集い熱気が溢れていた。私が観た回で文化人役の俳優が、1975年の沖縄海洋博では本土企業が全部金を持っていったと回想する場面で、ある観客が「ホントだよね〜」という声を漏らした。舞台で言及される歴史的事象について、臨席同士が解説し合うような場面も見受けた。硬派な題材をじつにアットホームな空間で観ることができたのは稀有な体験であった。

 私が惜しいと感じたのは1972年の劇中劇のパートと現代の稽古場のパートの差異づけが不徹底だった点である。現代の俳優が50年前の物語を演じることで見えてくることが本作の狙いだったろうし、現代の俳優が演じるうえでの戸惑いを述べている場面もあったが、終盤の軸となる有識者と若者の対立を中心に、劇中劇の役柄と現代の役柄がほとんど同じように見えてしまった。現代の俳優たちが50年前の自分とはまったく異なる役を演じるうえで役柄や作品に距離感を抱き、どのようにして役を、そして作品を理解していくかという葛藤をより深く描いたほうが、本来の狙いに近づいたのではないだろうか。

 また劇中劇での白熱した議論が稽古の休憩時間中にまで続き、あたかも新聞の社説や論壇雑誌の記事を読むがごとくに感じてしまった。たとえば現代のパートで俳優たちの生活を感じさせる描写(いつ稽古をしているのか、家族はいるのか、他にどんな仕事をしているのかなど)を入れることで、沖縄の演劇事情そのものを舞台に乗せることも可能であっただろう。そうすれば劇中劇のパートがより深い陰影を持ったのではないか。

 波乱ぶくみの公演がはけたあとに有識者役の俳優は若者役の俳優に声をかける。若者役の俳優は、自分は平和な時代に生まれたから平和を願う気持ちがわからない、それは誰かに壊されてからしかわからないのだろうと言ってその場を去る。「戦後」はいまでも続いているのだということに気付かされる重いひとことであった。
Cloud 9

Cloud 9

TPT

すみだパークギャラリーささや(東京都)

2022/05/20 (金) ~ 2022/05/27 (金)公演終了

実演鑑賞

#廣畑達也 #小寺悠介
#古畑正文 #兼田利明
#山田美波 #水野小論
#KAKAZU #黒木佳奈
#須山剛(敬称略)
二幕終盤、水野小論さん演ずるベティによるテーブルの上のモノローグが今作の胆。コレだけでも観に来た価値がある。
2006年のPARCO劇場『噂の男』でKOされて以来、彼女の全ての出演舞台を追いかけて来た。シアタートップスにも三鷹市芸術センターにも初めて足を運んだのは彼女を観るためだった。
さまざまな経験を経て、いま最も脂が乗っているような気がする。
時代背景を反映させた衣装も彩りを与え作品を支えた。
今作にネジを巻くのは山田美波さん。艶やかに艶めかしく煩悩が匂い立った。

初日間近になってキャスト変更(健康上の問題)がありながら、よくぞ上演まで漕ぎ着けたなと感じる上演だった。
単に代役を立てるのではなく、配役を変更し、キャストもスタッフもみんなで困難を分かち合って頑張るんだという姿勢を感じた。tptが取り組み積み上げてきた長い歴史があればこその開幕。当日パンフレットの印刷が間に合わなかった(郵送される)ことからも、如何に切羽詰まった状況であったかが伺える。
だから……台詞が怪しげだったり噛んでしまったりするのも致し方ない。
上演に漕ぎ着けた全てのキャスト&スタッフに拍手を送りたい。

ただ……通し稽古を観ているような気分ではあったので、願わくはもう一度、充分に稽古を重ねた上演を見てみたい。

作品自体は、性に対する考え方も人権感覚も大きく変わった現代が、その当時の慣習や常識からは随分と遠い場所に来たことを感じさせるものだった。人々の熱情と絶望が渦巻いていた。

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