YOKOHAMA 3 PIECES
theater 045 syndicate
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2022/10/13 (木) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
地元神奈川の劇団が3作品持ち寄った公演だが、中々の充実度だった。
もっともKAAT大スタジオの広さを埋めるための工夫と力量の必要も実感。密度が薄くなる。客席がやや寂しいのもそれに輪を掛ける。オムニバスという事で可動な舞台装置に限定されると、「広さ」がいや増し、声も吸われる。
マイナス条件はともかく・・。まず、虹の素。横浜川崎でコンスタントに公演を打ち、青の素という若手公演も手掛けて「頑張っている」印象だが未見であった。実在する(した)生物に着目しドラマ化した舞台で、「なぜこの物語なのか」興味を惹かれる所だが、その「?」に答えるもう一つが欲しかった気がする(40分)。
二つ目がG9プロジェクト、横浜で活動30年になる劇団との事で名前は知っていたがこちらもほぼ初めて。作品は「12人の怒れる・・」を高校版に翻案した短編(登場人物も12人)。素行の悪い生徒の処分を決定する会議を見届ける。シンプルで判りやすい芝居を、演者・観客共々如何に面白がれるか、要はアンサンブルを見せる演目とも言える。キャストの演技アプローチの不揃いが、徐々に珍味の域、逆に面白くなるが、締める所ではもう一つ締めたかった(約30分)。
三番目が無論(?)私の目玉、theater045(約35分)。平塚直隆作品のナンセンス爆発の路線はその通りであったが、間抜けな男子高生のいじましい青春断章?が045がやるせいかハードボイルド色を帯び、作品にも合致していた。話が何やら妙な方向へ行き、伏線の台詞がラスト前でふいに輝き、「まさかあれをやるのでは」と確信した所(あれ、と言ってもあれを聴いた事はなかったのだが)、やっちまった時には腹が捩れた。その後に訪れる爽快感が忘れられぬ。(そういや昔斎藤晴彦という歌う俳優がいたなぁ)
名作ヨコハマヤタロウから注目の劇団だが今回は継続に値する企画を打ち出した(theater045がやる所に意味がある)。他団体も巻き込みつつ是非続けて欲しい。(そのためには毎回theater045が秀逸な一本を提供せねばであるが...ところでこの劇団名の略称は無いものか。)
『雨の世界』
ウテン結構
サブテレニアン(東京都)
2022/10/14 (金) ~ 2022/10/18 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
雨の世界…冒頭はサスペンス風に始まるが、いつの間にか女同士の少し痛い友情物語に変転する。俗信の雨女、その悲哀と雨天(嵐)ゆえに知り合った旅人の話を交差させ、「雨」をテーマにした物語を抒情的に紡ぐ。更に雨女になった謂われ、「日知」といった家系的な繋がりを描くことで、ネガティブ イメージを払拭し前向きな姿を観せる。
公演の魅力は、本当に幼い頃からの親しい友人ような演技、その息の合った自然な会話が実にいい。全編 効果音または音楽が流れシーンの雰囲気を漂わせる。また衣装の色彩は、赤・白・黒といった強調色で 薄暮のような室内空間に映える。
(上演時間1時間20分)
ビブリオライブ4
本気の本読み!ビブリオライブ
NOS Bar&Dining 恵比寿(東京都)
2022/10/15 (土) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/10/15 (土) 10:00
毎ステージ脚本と配役が変わり、即興演劇もあり、まさに俳優を味わう一日!俳優の役に入る瞬間、鼓動とパッションを劇場では味わえない近さで感じることができて非常に充実した空間を味わうことができた。
しかし、毎回ゲストが来るといっても、小劇場演劇の延長線上の関係者が多いんじゃないかと思っていたら、なんと、僕が今日観た回では元SKE48で現在はモデルをしていらっしゃる平松可奈子さんがかなり狭い空間で、それも、目と鼻の先ぐらいの近さで演技したりしているのが滅多にないであろう状況で、貴重な経験ができて良かった。
前半の別役実風なお互いに言葉が噛み合わないで進行していき、どんどん行動がエスカレートしていく女に嫌々断り切れず付き合い続ける男のやり取りの会話劇での、感情の起伏がどこにあるのか分からず、急に激昂したり、また静かだがややサイコパスで普通じゃない女を、平松さんは見事に演じ分けていて、感心した。
また、エチュードの時も、無茶振りに余裕で答えていて恐れ入った。
最後の朗読劇の際に、自然に涙が溢れて言葉も詰りつつ、台詞を言っているのが、いかにも演技してますといったわざとらしい感じじゃなく出てきているのを見て、平松さんに演技の才を感じた。
俳優の人たちと、ゲストのフリーの俳優さん、元SKE48で現在モデルの平松可奈子さんとの赤裸々でぶっちゃけたトークや、俳優による自虐や毒舌がない混ぜになった会話が面白かった。
ひとりでできるもん!
うずめ劇場
シアター風姿花伝(東京都)
2022/10/12 (水) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
うずめ主宰ペーター・ゲスナー氏の還暦と在住30年で一つお祭りを、という事で落語を題材にした舞台。前作に続き内田春菊絡みだが、今回は脚本の書き下ろし。下調べゼロ。うずめ劇場の今回の見世物は・・(ひとりでできるもん、の心は・・)?とわくわく開幕を待ったが、文句なしに嬉しい題材。春菊氏のエピソード創造力と、落語への愛情が窺える脚本に観ながら内心ウハウハであった。「一人でできる」のは落語のことである(言われなくたって書いてある)。
毎回終演後のパフォーマンス(女性落語家を中心に)とトークがあり、私の回は三遊亭律歌、小噺の後内田氏進行による対談。客席にいた某元アナウンサーが質問コーナーで振られていたが、彼女は「花柄八景」を生んだ公演企画(噺家縛りの新作上演)を企画した人。そんなこんなで落語三昧な贅沢な時間であった。
芝居の方は最近ペーター氏の演出に感じられる飾らなさと、役者本位、ポイントを押えたアイデア演出(限られた材料で最大効果、的な)が印象に残る。
多彩な客演者もさることながら、うずめ俳優三名(今回はゲスナー氏もガッツリ片言日本語で登場したが)の働きに胸が熱くなった。かなり個人的な思い入れが以前に増して増量しておるが、これも芝居の内、としておこう。
ラビリンス
関西大学劇団万絵巻
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2022/10/15 (土) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
満足度★★★★
良かった‼️内容としては、僕も共感できる内容。ただ、人生はラビリンスとも思っている僕には、あの殺陣の必要性が…。殺陣が得意な劇団ではあるが…
アリスの本当の母親役は誰よりも光っていた。四回生らしいが、演劇ファンとしては、演劇を続けて欲しい人材。
ハッピーな泥棒が月を回す。
空想実現集団TOY'sBOX
東京アポロシアター(東京都)
2022/10/13 (木) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
精神病院つばき荘
トレンブルシアター
シアター711(東京都)
2022/10/12 (水) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
数日前にこの芝居を観劇した知人に薦められて観劇。
とても面白かった!
タイトルからして、重〜い芝居を想像していたが、いい意味で裏切られた。
『雨の世界』
ウテン結構
サブテレニアン(東京都)
2022/10/14 (金) ~ 2022/10/18 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
換気については分かりませんが(余程酷ければ苦しくなるかもですが)体感気温は個人差と、座った場所で違ってくるのかと思います。私は時々劇場で死ぬほど寒い目にあったりするので、この日くらいの室温は助かりました。
私は雨女でも晴れ女でもありませんが、持っている「気」のせいでそう言うことができてしまう人がいるのかもですね。
オープニングシーンから「え?ホラー?」と思ってしまいましたが、風雨の中を歩く姿が説得力がありました。赤と白が基調の衣装も良かったです。
ハッピーな泥棒が月を回す。
空想実現集団TOY'sBOX
東京アポロシアター(東京都)
2022/10/13 (木) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/10/15 (土) 16:00
10月15日16時の回観ました。
それぞれの個性が良く出て、楽しそうに演じていて、安心して観ていられました。
ニヤッと笑わせる掛け合いが、楽しかった。
脚本家さんの気配りも良かったと思います。
『地獄変』
芸術家集団 式
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2022/10/15 (土) ~ 2022/10/17 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
よい時間をありがとうございました。お芝居上手かったですね。
旗揚げとは思いしてますませんでした。次回作も期待してます
いびしない愛
ばぶれるりぐる
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/10/13 (木) ~ 2022/10/17 (月)公演終了
人間ぎらい
しんゆりシアター
川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)
2022/10/08 (土) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
冒頭からアルセスト(采澤靖起)が、フィラント(齋藤尊史)のお調子者の愛想のよさをなじる長セリフのシャワー全開。さすがモリエール。シェイクスピア同様、言葉の芸術としての演劇をたっぷり楽しめた。セリメーヌ(那須凛)の登場場面、彼女の社交界のお歴々の空っぽさをユーモアと辛辣さで次々描写するセリフは圧巻だった。
太った年増貴婦人のアルシノエ(頼経明子、派手な帯の黒い和服姿で好演)が、社交界の噂と称してセリメーヌの浮わついた男出入りをやんわり攻めれば、セリメーヌも負けじとアルシノヘの不人気ぶりをあからさまに言う。大変面白い芝居だった。
北則昭の新訳はこなれた日本語で、調子がいい。白い階段を黒子が移動させ、中央の三角の傾斜台をクルクル回して、長台詞に飽きやすいところを、視覚的に変化をつけていた。
ヒロインのセリメーヌが「マダム」とか「++夫人」と呼ばれたり、誰と結婚するかと言われたり、未婚か既婚かと疑問に思ったら、あらすじを見ると未亡人ということで納得。20歳だから相当若い未亡人になる。
ハッピーな泥棒が月を回す。
空想実現集団TOY'sBOX
東京アポロシアター(東京都)
2022/10/13 (木) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/10/15 (土) 13:00
インターネットの匿名型掲示板を舞台に集まった男女5人が、「架空の盗賊団を結成する」というテーマで繰り広げる虚々実々のドラマは、はじめはコミカルに、やがて真実が見え隠れすることでエモーショナルになっていく。#ハピムン
高円寺が踊る
東京高円寺阿波おどり演劇公演
座・高円寺1(東京都)
2022/10/13 (木) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
観てきた☆ 高円寺阿波踊りの歴史を知ることが出来た。第一回のころの白黒写真がスクリーンに映される演出は良かった。ただ一家族の歴史をだらだら見るのは、途中で飽きてしまった。
ハッピーな泥棒が月を回す。
空想実現集団TOY'sBOX
東京アポロシアター(東京都)
2022/10/13 (木) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
実際には顔を会わせてない、演出と現実の演出に素直にすごい!
45分ほどの短めの劇だけど見ごたえがあってちょうどよく、楽しかったです!
違うチームも見に行きます!
ひとりでできるもん!
うずめ劇場
シアター風姿花伝(東京都)
2022/10/12 (水) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/10/14 (金) 19:00
座席1階
漫画家の内田春菊による書き下ろし。若い女性が男尊女卑激しき落語界に飛び込んでいく物語。内田春菊だけでなく、主宰のペーター・ゲスナーも落語家役で登場する。
ペーターが開演前に劇団員の小さな男の子を抱っこして客席へ案内してくれた。すっかりくつろいでいるので演出家はバックヤードかなと思ったら、しっかりと出演していた。
中心となるのは、高校卒業後「落語女子大学」に入学する「蜜子」役の後藤まなみだ。セーラー服姿で高校生として登場したかと思えば、最後はいっぱしの落語家として高座に上がる。切れのある動き、よく通る声。この力演が舞台を支えている。
落語界だけではないのは、近年の有名歌舞伎役者の狼藉ぶりが示しているが、師匠に弟子入りするという徒弟制度はやはり、セクハラ・パワハラの温床らしい。本来であれば「落語女子大学」の講義で取り上げるべきだと思うが、舞台では学生同士の話の中で語られる。「芸のためなら女房も泣かす」というのはもはや通用しない。こうしたところをビシッと突いているのが内田春菊の台本の切れ味のいいところだろう。
ラストシーンまでどんでん返しなく進んでいく。もうひとひねりあってもよかったような気がする。
いびしない愛
ばぶれるりぐる
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/10/13 (木) ~ 2022/10/17 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/10/14 (金) 19:00
初見のユニット。全編土佐弁(幡多弁)で展開される会話劇だが、ニュアンスは分かるものだなぁ。106分。
かつお節工場の控室を舞台に、後を継いだ次女・謎の男・古くからの職人・出戻った長女・若い職人、が展開する物語は、焦点は姉妹の葛藤にあるようだが、ゆったりした展開でやや見えにくいのが惜しい。細かい言葉には分からないところもあるが、ニュアンスは伝わり物語には影響はない。細かいエピソードが多く、私の好みより会話がゆっくり進むので、ちょっとテイストではないなとは思った。役者陣の巧さは伝わる。
SERI(セリ) ひとつのいのち
conSept
博品館劇場(東京都)
2022/10/06 (木) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
月は夜をゆく子のために
トランスレーション・マターズ
すみだパークシアター倉(東京都)
2022/10/08 (土) ~ 2022/10/19 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
食えない人ばかり、その我の強さには狂気すら感じてしまうほど
遺産が入ってくる青年と良からぬ評判のある娘(バックには強欲な父親)との恋の駆け引き。
ロマンチックの欠片もない、こんな空気感の中 一体どうなる事かと思いましたが
前半での怒涛のやり取り、後半に突入して台詞量は減ったというのに濃度が一気に上がっていく感じ
時代やお国柄の違いもあって共感という点ではついていけない部分もありましたが男と女にはいろんなカタチが存在すると痛感
漆黒の中に綺麗を探り当てる刹那
二人の運命が絡み合う濃厚な一夜がそこにはありました、圧巻
『雨の世界』
ウテン結構
サブテレニアン(東京都)
2022/10/14 (金) ~ 2022/10/18 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★
空調なんとかならなかったんですかね?満席なのはよいことですが、サウナ状態でした。
もうここまでくると換気してるって書いてあっても嘘じゃん!だし、もうここの劇場には行きたくないと思いました。
途中から呼吸も苦しくなり、はやくおわれおわれと願ったため細かい動きが追えておらず。イライラしてたので笑いどころも白けてしまいました。
最初の嵐に傘で立ち向かうマイムがすごくお上手だったなーー!とは思いました。