最新の観てきた!クチコミ一覧

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ラスト・ナイト・エンド・デイドリーム・モンスター

ラスト・ナイト・エンド・デイドリーム・モンスター

悪い芝居

新宿シアタートップス(東京都)

2022/06/02 (木) ~ 2022/06/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/06/11 (土) 18:00

ストーリーの導入が巧みで引き込まれた。
舞台美術も凝っていて面白かった。

バロック【再演】

バロック【再演】

鵺的(ぬえてき)

ザ・スズナリ(東京都)

2022/06/09 (木) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

少し音が大きくて耳が痛い。

Secret War-ひみつせん-

Secret War-ひみつせん-

serial number(風琴工房改め)

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2022/06/09 (木) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

テーマの提示で終わってしまう感があり、もう少し劇的な起伏のある展開があって欲しいという気がしないでもない。

星降る学校

星降る学校

K-FARCE

萬劇場(東京都)

2022/06/08 (水) ~ 2022/06/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

後藤郁さん出演。
後藤ちゃんは脚のお怪我から回復されたばかり。心配でしたが、演技を拝見する限り問題なさそうでした。安心しました。
役柄はもうぴったりの、ザ・後藤郁でした。力強さと弱さを兼ね備え、安心感があります。
この演目は何度も再演されているのですね。評価が高いからだと思いますが、それも納得です。いいお話でした。
遥りさ さん良い演技でした。つい最近、テレビドラマで拝見してました。観劇中、どこかで見たことあるような・・と。あとで確認し、年齢を知って驚きました。二十歳くらいかと。
矢野たけしさんは「オーバースマイル」で拝見してました。そのまんま、元気で楽しかったです。

ネタバレBOX

最初舞台セットを見たとき、ちょっと驚きました。屋上で、変えようのない配置で、出入りはひとつのドアからするしかない形でした。この制約の中でどのようになるのだろう、と。

遥さんと加藤竜二さん演じる高校生のシーンから始まります。中盤で、それが過去のことだと分かってきます。終盤で初めて、後藤ちゃん演じる田原の過去だと分かります。きっと亡くなったのだろうな、と思うときに、それが分かります。うまいですね。

とうとう、出入りはドアひとつだけでした。これを守ったのは素晴らしいです。
バロック【再演】

バロック【再演】

鵺的(ぬえてき)

ザ・スズナリ(東京都)

2022/06/09 (木) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/06/11 (土) 14:00

とても迫力があり観応えのある舞台でした。
開演後からストーリーに引き込まれました。

バロック【再演】

バロック【再演】

鵺的(ぬえてき)

ザ・スズナリ(東京都)

2022/06/09 (木) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

初演を観ているので二回目。
野花紅葉(もみじ)さんの美脚がエロエロ。小崎愛美理(えみり)さんの秘書も良い。杉本有美さんの霊感NPOもやたら美人だった。

照明バッテリーの充電トラブル(?)で演出の寺十吾氏が舞台に登壇して突然の中断。充電休憩を挟んでの再開。寺十吾氏は土下座までしたが、観客は玄人でこの手のトラブルには慣れたもの。何の混乱もなく拍手で舞台の再開を後押し。逆に後半戦の雰囲気が良くなった程。

もうこれはホラーではなく、メタ的セルフパロディーの域に達しているのでは。

ネタバレBOX

途中、これは作家と役者の話ではないかと考え始めた。絶対的な権力を持つ作家(創造主)に役者達一人一人が抗うような。作家(超自我)をどう切り崩していくのかの寓話。そう考えないとどうも物語の構造がおかしい。作家は単純なホラーを語ることにうんざりしているようだ。

黒沢清や高橋洋など、Jホラー・ムーブメントを牽引してきた作家がことごとく方向転換。黒沢清の『LOFT』を当時観た時、本当にこんなものを創る作業が心から嫌なんだろうなあと同情すら覚えた。「もう怖いと思うものが無くなってしまった」と彼等は語る。恐怖は突き詰めていくと笑いに変化し、笑いは狂って意味を為さなくなるもの。無意味と真剣に向き合う作家は当然熱烈なファン以外からは相手にされなくなる。高木登はどうもそんな境地と向き合っているような気がした。全くの勘違いなら申し訳ない。煮詰まった時は原作ものか史実に基づいたものをやると良い。
レディカンヴァセイション(リライト)

レディカンヴァセイション(リライト)

プロトテアトル

AI・HALL(兵庫県)

2022/06/11 (土) ~ 2022/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★

赤信号みんなで渡れば怖くない等々の、日本人独特のキャラをとても上手く表現していたと思います。人は一人では何も出来ないというけれど、死ぬ時は誰しも一人。
他国の事は知らないけど、今のロシアの対応を考えると、国の色がそれぞれあることを考えさせられた。す

瀬沼さんのことを何も知らない

瀬沼さんのことを何も知らない

ライオン・パーマ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2022/06/08 (水) ~ 2022/06/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

のっけから目の離せない展開が続きます。あれ,このシチュエーション見たことあるかもってものもありましたが,物語のスピード感,展開にマッチしており,途切れることはありませんでした。途中,換気のための休憩はこのご時勢やむを得ないところですが,ホントであれば最後まで一気に駆け抜けてくれた方が面白さは増すでしょう。早くコロナ終息が望まれるところです。後半は気を入れないと物語の面白さに置いて行かれます。集中しましょう。自分はちょっと考えてしまったところがあり,少し物語の謎を残してしまいました。それでも,最後には満足の観劇を終え,時間を見たらビックリという具合でした。とにかく良かったです。久し振りの観劇で,やはり生の舞台の良さを再確認したところです。

高島嘉右衛門列伝3

高島嘉右衛門列伝3

THE REDFACE

横浜関内ホール(神奈川県)

2022/06/10 (金) ~ 2022/06/11 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前作「七慟伽藍 其の二十八」に続いての朗(活)読劇、その面白さを再び味わった。
高島嘉右衛門列伝となっているが、単なる個人史ではなく、幕末という動乱期に活躍した勤王志士たちとの交流を通じて、彼のトピック的な出来事を綴る物語。本公演は列伝3~横濱の龍神~乾惕編になっている。帝王学の書「易経」では、龍の成長(6過程)物語を取り上げた入門的解説の3番目が、乾惕(けんてき)である。カーテンコールで榊原利彦氏が、列伝4を行うと明言したのもそのためだろう。
なお列伝1、2は、冒頭に概要が説明されるので、列伝3だけの単独公演でも困らないし十分楽しめる。

さて少しネタバレするが、物語は1866年11月に横浜関内で発生した火災(豚屋火事)後から始まる。ちなみに豚肉料理店から出火したためこう呼ばれているらしい。横浜開港から7年目の関内を焼き尽くした。関内の復興に尽力したのが、この地名「高島」にもなっている嘉右衛門である。
冒頭、鼓舞するような勇壮な音楽が流れ、その音響を背景に役者が語り始めるが、音声(台詞)も音楽に負けないぐらい迫力がある。台本を持ち、舞台上を歩いたり座ったりして情景や状況を補足する。読み聴かせる力量と熱量に魅了される。
(上演時間2時間 途中休憩10分含む)

ネタバレBOX

舞台美術は、中央に少し高くした平台、その上に大きな生け花風のオブジェが置かれ圧倒的な存在感を放っている。その両脇に椅子、そして上手下手にも椅子がある。役者は舞台を行き来したり、花がある所の椅子に座り、場所という空間の違いや情景・状況といった光景を観せる。シンプルな舞台セットだが、もともと朗読劇であり 多くの身体表現はしないから良く出来ている。

前半は、薩長連合による討幕の話。特に長州藩・高杉晋作を中心とした明治維新という動乱の中、高島嘉右衛門が果たした役割が紹介される。列伝となっているが、あくまで志士たちと知り合いであり、表舞台での活躍とは言えない。むしろ休憩後の後半、明治維新後の新政府との関わりに高島の人間性が表れてくる。商才に長けていたこと、巨万の富を得るが、欲得だけではない懐の深さを描く。それが東京・新橋と横浜を結ぶ鉄道敷設に関わる契約の件ー先方が高島個人と新政府の両方と契約(ダブル・スタンダード)したことで自ら身を引き、他方 海面埋め立て工事を請け負ったこと。また旧南部藩の借金減免を新政府に嘆願助力したことを熱く語る。

さて「高島嘉右衛門」が最初の朗読劇であれば、もっと満足度は高かったが、「七慟伽藍」を観劇しているため、どうしても比較してしまう(満足度のハードルが上がった)。
まず「七慟伽藍」は戦国時代に生きた武将の怨念の語り、そして「本能寺の変」の謎といった「時代の流れ」の中で人間を描いている。
一方「高島嘉右衛門」は、何回かに分けて高島個人のトピックや、同時代の人物との交流を時代に沿って順々に描く。「(明治)時代の黎明というか息吹」が細切れになり、時代のうねりというダイナミックさが十分伝わらないところが残念。これが1~2公演で「高島嘉右衛門列伝(全編)又は(前編/後編)」を上手く纏めることが出来れば、更に時代の流れの中に高島の偉業が(次々)表れ魅力ある人物像が立ち上がると思うが…。

勿論、役者の演技は1人ひとり登場人物の特徴(容姿も含め)らしきものを捉え、物語の中で生き活きと描き出している。衣装…男優陣は黒っぽい上下服に同色シャツ、女優陣は着物姿といった外見上はほぼ同じで、あくまで朗読・演技の中で個々の力を発揮している。男優は汗が流れるほどの熱演、女優は妖艶さを漂わせた、見事なバランスで観(魅)せている。
次回(続編)公演も楽しみにしております。
朗読劇月光の夏

朗読劇月光の夏

チーム・クレセント

ザムザ阿佐谷(東京都)

2022/06/09 (木) ~ 2022/06/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/06/11 (土) 13:00

映画化もされた著名な物語。先の戦争で、出撃直前の二人の神風特攻隊員が「ピアノを弾かせてください」と国民学校に突然訪れ、一人がベートーベンの「月光」を弾く。二人に応対した女性教師が戦後、この話を小学校で語って話題になったが、名前を聞いていなかったためその特攻隊員が誰なのかが分からない。地元の記者たちが探り当てた元隊員は、かたくなに語ることを拒む-。

この話を知っていれば、もう、月光のメロディーを聞いただけで目が潤んでくる。音楽の教師になりたいと言っていた青年は、自ら特攻に志願して散っていった。しかし、「熱望する」と書いて志願したのは、ほかの回答が許されない空気が支配していたためだろう。お国のために死ぬという「崇高さ」は、自分の将来の夢よりもはるかに重要なものだった。出撃前夜、外に出て「俺は死にたくない」と吐露する隊員に心を打たれる。日本人はこのような歴史を経験したからこそ、軍隊とはどういうものかをきちんと胸に刻まねばならないのだ。軍隊、すなわち自衛隊を増強することに現政府が熱を入れ、それに少なくない人たちが賛成している。その先に何が待っているのかを、この舞台を見て知るべきだ。歴史の教訓は、国家や国民の将来を左右するのだから。

朗読劇だがストレートプレイの要素も盛り込まれ、さらにピアニストによる演奏が効果的に使われている。チームクレセント主宰の片山美穂が女性教師役とナレーターを務め、舞台を引っ張る。その片山と、元隊員を取材するテレビ局のディレクター役の落合明日香は、その役柄とは別に目を潤ませていた。まるで客席と呼応したようだった。舞台と客席が一つになって、拍手が長く続いた。

振武寮という、出撃したものの戦闘機のエンジン不調などで戻ってきた兵士をねぎらうどころか隔離した恥知らず扱いをした旧日本軍の非道な部分が、この小説「月光の夏」で世に知られることになる。軍人の役割は国家のために死ぬことだ、という空気がこの地球から取り払われない限り、戦争は果てしなく続くのだろう。

あえて一言いうのであれば、朗読劇よりストレートプレイで見たい。

夏至の侍

夏至の侍

劇団桟敷童子

すみだパークシアター倉(東京都)

2022/06/07 (火) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/06/11 (土)

音無美紀子さん、さすがの存在感、素晴らしかったです☆ そして今作も美術が凄く良かったです☆

瀬沼さんのことを何も知らない

瀬沼さんのことを何も知らない

ライオン・パーマ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2022/06/08 (水) ~ 2022/06/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

海辺の田舎町。舞台は人気ラーメン店に並んだタクシー運転手(草野智之氏)と市役所勤めの幼馴染(星野そのみさん)のエピソードから始まる。なかなか席が空かない人気店。一人どうも奇妙な客がいるようだ。その男の余りの気味悪さに、隣の喫茶店に集った町の顔馴染達が語り合う程。一人の男が登場したことにより小さな町にさざ波が立っていく様相はスティーヴン・キングの『ニードフル・シングス』を思わせる。

主演は瀬沼敦氏、役名もそのまま。長身で強面の妙な雰囲気は古尾谷雅人と田中哲司を足して更に異様な犯罪者のオーデコロンを振り掛けたような。全く内面を他者に類推させないこの男が観客の心を徐々に掴み、ある種の感傷を呼び起こすのは見事。
海沿いの小さな田舎町、花村怜美(さとみ)さんは町の男の誰もが恋するような華のあるホステス。ママのいないラウンジやクラブ的な店で男達に夢を売っている。彼女の所作が本当に魅力的で目を奪われる。
その店「ピンクムーン」の店長、 嶋澤秀展(ひでのぶ)氏はスリムクラブの真栄田賢を思わせるゴツさ。
狂言回し的な役回りのタクシー運転手、草野智之氏は元巨人の槙原寛己似。
人気ラーメン店「漫々亭」の主人、樺沢崇氏は若い頃の石橋蓮司に似た印象的な風貌。
ラーメン店に弟子入りする室谷靖氏は鳥越俊太郎っぽい。
ラーメン店の隣にある喫茶店のマスター、草野智博氏はモロ師岡に似た雰囲気で物語の謎を解くキーパーソンに。
喫茶店でバイトする高校生、本多正憲氏は競歩がよく似合う。オダギリジョーの若い頃みたい。
スーパーのパート役、斉藤優紀(ゆうき)さんがお色気ムンムンのミニスカでエロかった。

長目のコントが続いていくような奇妙な作風。そこにこの町で過去に起こった奇怪な事件が絡んでくる。そして第二幕からいよいよ物語は作家の語りたかった核心に迫る。

ネタバレBOX

花村怜美さんと瀬沼敦氏が「ピンクムーン」で二人きりになるクライマックス。花村さんは過去を捨てて逃げ続け偽りの自分で生きていくことを腹に決めている。瀬沼氏にも自分と同じ業を感じ、二人で町を出て行かないかと誘う。このシーンで流れる曲がブランキー・ジェット・シティの『いちご水』(しかもLive Version!)。まさかここでこう来るとは・・・、参った!

「サヨナラが知ってるのさ 何が一番綺麗な世界?
 目に映るもの全て 切なくなる程純粋なものばかり···」
「消えてくれないか今すぐ 僕の目の前から今すぐ
 死ぬ程お前を愛しているから」 

死ぬ程美しく愛おしいから、それを醜く感じてしまう前にサヨナラを告げようとする歌。それ以外に美しさを守る術を知らない愚かな人間の詩。
ああ、ここでこれを流すか・・・、と胸が千切れそうな想い。この世で一番美しい女の心の中に手を伸ばした男達の零す涙。(店長、嶋澤秀展氏がボロッと流した涙の重たさ)。この海辺の田舎町は弱い者達のありったけの優しさで出来ていた。優しくて優しくて痛くて堪らない。

この曲が流れた以上、瀬沼氏が一緒に行くことはないことを観客は知っている。花村さんは独り海辺でタクシーに乗り込み、「何処か遠くへ」と告げる。喫茶店では瀬沼氏が窓の外の海を黙って見つめている。ヌーヴェルヴァーグだ。BJCなら『砂漠』なんかを流したくなる気分だが、『いちご水』を選曲する作家のセンスにやられた。
『器』/『薬をもらいにいく薬』

『器』/『薬をもらいにいく薬』

いいへんじ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/06/08 (水) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/06/10 (金) 14:00

『器』を観た。事実上初見のユニット。興味深い作品に出会った。105分。
 死にたいくらいツライ気持ちを「死にたみ」と名付けて、身体から切り離す、というアイデアは斬新。3人の「死にたみ」が3人の人物と一緒にいて、それぞれの人のツラサを引き受ける、みたいな感じ。特に大事件は起こらなくて、ある意味で日常が淡々と描かれているのだが、ツラサを切り離すということの意味を考えさせられる。3人の「死にたみ」のキャラクターが違うところも興味深い。
 以前、3団体の成果発表会で部分的に観たことはあったが、事実上初見のユニット。今後も注目していきたい。

空の家【6月7日~8日公演中止】

空の家【6月7日~8日公演中止】

劇団BLUESTAXI

ザ・ポケット(東京都)

2022/06/07 (火) ~ 2022/06/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白かったです。
老いる親、家族の関係、社会問題など色々な事が考えさせられる内容で、とても良かったです。
どんな展開になるのか、どんどん惹き込まれ、親に対して愛のない子供達に憤りを感じたり、その反対に、何て横暴な父親なんだと感じたり、感情移入しながら観ていました。
重いテーマを、明るさや笑いを交えて描き、そして涙も誘う良い舞台でした。

空の家【6月7日~8日公演中止】

空の家【6月7日~8日公演中止】

劇団BLUESTAXI

ザ・ポケット(東京都)

2022/06/07 (火) ~ 2022/06/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い…お薦め。
日本のどこかで見かける親子の光景…老親の面倒は誰が見るのか、田舎の家をどうするのか、といった「介護」「空き家」そして今「コロナ」問題を情感たっぷりに描いた物語。

親と子のそれぞれの観点、そして過去と現在を交錯させて 今の親子関係を分かりやすく展開させる。さらに親の立場は、主観と他者を介して激白させ観客の感情を揺さぶる。親世代にすれば、そうそうと頷けること、子世代には そうは言ってもと反発・反感しながらも、少しは親の気持が伝わるのではないか。押しつけがましい内容ではないが、やはり納得してしまう 力 のある公演である。
(上演時間2時間 途中休憩なし)【Bチーム】

ネタバレBOX

舞台セットは、家族が住んでいた実家(田園風景が広がる山麓)の居間である。上手に床の間、掛け軸、下手も含めダンボールやごみ袋が雑然と置かれている。外は板塀前にネコ車が置かれ、いかにも田舎の家のよう。物語の進展にあわせ部屋の変化が時間の経過を表す。父・安藤和男(下出裕司サン)はケガをし入院、しかも認知症の症状もある。母・さち(矢吹凛サン) は亡くなり、4人の子供たちも独立して別場所で暮らしている。父は1人で広い家に住んでいるが、手入れが行き届かず荒れ放題になっている。子供たちの名前は春夏秋冬(春子-山口祐子サン、夏男-中澤隆範サン、秋子-杉山さや香サン、冬子-笠井渚サン)の一字が付けられ、四季折々の自然を思わせる。

物語は、若き日の父と母がこの家を購入し 将来の生活に希望と夢を抱いているところから始まる。独居老人になった父、近所の人たちの助けや地域包括支援センター職員・横山菜々子(鈴木絵里加サン)の支援でなんとか暮らしている。しかし認知症のこともあり限界が…。
子供や孫が来て家(居間)の掃除をしているが、近い将来この家をどうするのか。田舎ゆえか売却も難しく、取り壊して更地にしても固定資産税が重い負担として残る。しかし誰も戻ってくる気はなく、父との気まずい思いが甦る。子供にはそれぞれ都会に行って叶えたい希望や夢がある。父は、この家で子供たちと暮らしたい気持が強く、それに反発するかのように家を出た。その確執もあり、コロナ禍という状況を言い訳にして帰省しない。子の観点から、1人ひとりの事情を丁寧に描く。若い時の父(主観)は、家(制度)中心の考え方、長男は家を継いで云々。娘たちも手元において一緒に暮らしたい様子だ。子が反発する都度、母にお前はどんな教育(躾け)をしたのかと詰る。

物語は、近所に住む父の弟・安藤武雄(大谷朗サン)を介した話から大きく動き出す。子を思う親の気持が切々と語られ、知らなかった父の優しさに胸が張り裂けるよう。親と子が向き合うことの大切さ、そして死は病だけではなく”孤独”も…。坂の下からこの家を見上げれば、空(そら)に溶け込んだような家。たぶん、空(カラ)の家とのダブル・ミーニングなのだろう。ラスト、父は生前の母に「この家はお前のものだ。心底惚れた女の家だ」は、この家で家族を成して行こうとする決意のように聞こえる。本当の物語はここから始まったのだと思わせる清々しさ。

舞台という虚構の中に、日本のどこにでもありそうな問題光景を描き、幅広い年代層に共感をもって観てもらえる秀作。同じ家でも若い時と高齢になってからでは、住環境・条件が厳しくなる現実も突き付けることも忘れない。内容は重苦しいが、冬子の夫・島田修一(清水誠也サン)がコメディリリーフのような役割で軽妙さを出し、程良くバランスを見せる演出は巧い。
キャストの少し作り込んだと思える演技は、後半になって滋味溢れる演技に変化し、物語の展開を誘い込む実に上手い表現だ。
当日パンフに「ご来場のお客様へ」という主宰・青木ひでき さんの挨拶文が挿みこまれ、様々な事情があったらしいが「出演者たちは公演の実現を諦めず、ひたすら稽古に励んでくれた」とある。それを実現したかのようだ。
次回公演も楽しみにしております。
セールスマンの死

セールスマンの死

パルコ・プロデュース

J:COM北九州芸術劇場 大ホール(福岡県)

2022/05/27 (金) ~ 2022/05/29 (日)公演終了

実演鑑賞

以前この作品を観たときは、初見で男のヒステリーだけを感じていました。
今回あらためて観て、父のおもいや挫折苦しみを感じ、早く楽にさせてやりたいと。

残火

残火

廃墟文藝部

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2022/05/20 (金) ~ 2022/05/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

廃墟文藝部さんの作品を初めて劇場で観ました。
効果音や舞台の使い方、雰囲気全てに大変惹かれました。本当に素晴らしかったです。

ウソをつく。本当のことを、

ウソをつく。本当のことを、

関西大学演劇研究部 学窓座

関西大学千里山キャンパス内凜風館4階小ホール(大阪府)

2022/04/22 (金) ~ 2022/04/23 (土)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

初日生観劇に続き、配信でも拝見。
人との繋がりを描いたオリジナル脚本、良かったです。
うわべの付き合い、疎遠の友とのやりとり、人との付き合いって難しいですよね。
でも最後にほっこりさせてくれる、本と役者さんの演技、とても良かったです。
新入生さんが沢山入部される事を祈念してます。

ウソをつく。本当のことを、

ウソをつく。本当のことを、

関西大学演劇研究部 学窓座

関西大学千里山キャンパス内凜風館4階小ホール(大阪府)

2022/04/22 (金) ~ 2022/04/23 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初日観劇。
田舎駅の待合で同時進行する2つの物語。
高校時代の甘酸っぱい想い出と共に、引き離された絆、そして新たな絆が…
胸キュンで、大声で叫びたくなる、切なく優しく、アオハルど真ん中の青春グラフィティ、大好きです!
青春って良いですね。

新入生ご入部を祈念!

ロミオとロザライン

ロミオとロザライン

学園座

関西大学・千里山キャンパス内KUシンフォニーホール(大阪府)

2022/04/22 (金) ~ 2022/04/23 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

Anemoneパートに続き、Ivyパート初日観劇。
いつもながら、学園座さんの二段舞台、しっかり作り上げられてた。
Anemoneパートに比べ、少し大人な感じのロミジュリで、かなり印象違うが、これはこれで好き。
登場人物の心理描写の掘り下げが興味深く、面白かった。
初々しい新人公演、良かった。

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