最新の観てきた!クチコミ一覧

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ハーツ・ハート・ハード!

ハーツ・ハート・ハード!

イノチガケ

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2022/11/29 (火) ~ 2022/12/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/11/29 (火)

価格4,000円

29日19時開演の初日舞台を拝見(80分)。

初日ゆえ詳細は伏せるが、序盤は時事ネタで細かい笑いを取りつつも、後半に入ると一転、舞台は登場人物たちの”魂と魂のぶつけ合い”の場に!
予期せず充実した80分を過ごすことが出来た。感謝!

ネタバレBOX

【配役】
藤原夕月(ゆずき)(看護師。母親が入院している)…葉山あかりさん
藤原美幸(夕月の姉)/葬儀屋…月海舞由さん
本郷翔太(美幸の彼氏。電通勤務+●●●●のコーディネーター)/電通…草彅智文(くさなぎ・ともふみ)さん
鈴木実(夕月の勤める病院の院長)/教祖…岩田和浩さん
舞台版「ひとくず」大阪公演

舞台版「ひとくず」大阪公演

映像劇団テンアンツ

近鉄アート館(大阪府)

2022/11/29 (火) ~ 2022/12/05 (月)公演終了

満足度★★★★★

最後はスタンデインクオベーション。泣きました 鼻水垂れまくり
もう一度観たい‼️

かがやく都市

かがやく都市

うさぎストライプ

アトリエ春風舎(東京都)

2022/11/18 (金) ~ 2022/11/30 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度

50分と短いので良い。

The VOICE

The VOICE

ブス会*

遊空間がざびぃ(東京都)

2022/11/24 (木) ~ 2022/11/30 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/11/29 (火) 14:00

座席1階

これまでのブス会作品とはがらっと趣が違う、ドキュメンタリータッチでつづられる杉並区民の声。タイトルの通り、これは「声」が主役であり、登場する俳優たちはいろんな役柄を切り替えながら縦横無尽に声を発していく。

ユニークなのは、ペヤンヌが開幕時に舞台に登場し、この演劇を作ろうとした動機や経緯を訥々と語り始める。しばらくは、これが舞台の前口上だと思ってしまう。実は、ペヤンヌも俳優の一人として舞台に立っているのだ。その後、彼女は終幕まで客席の最前列で体操座りをしてじっと演劇を見つめている。劇作・演出の人に本番中も演技を凝視されるなんて、俳優たちはやりにくいだろうなと思ったのは自分だけか(笑)

ペヤンヌは先の杉並区長選挙で当選した女性区長を勝手連的に応援し、ユーチューブで選挙活動などを映像化している。しかし、今回の舞台は区政に批判的な声だけでなく広く取材したであろうさまざまな生の声を盛り込んでいる。区政や国政に何の関心もなかった女性が、デモに参加したり「自分の1票で区政を変えなければ」と発言するようになっていくところなどは、さながら民主主義の教室のようだ。

東京都の都市計画道路は何十年も塩漬けになっていたものが突然動きだすということが普通にある。予定地にかかっているところに住んでいる人には寝耳に水だ。都市計画道路の計画は公表されてはいるが、そんなものは誰も見ていないからだ。
しかし、行政は「以前からあった計画を実行するだけです」と上から目線で強行しにかかる。知らなかったのは都民が不勉強なせいだといわんばかりの態度である。劇中でも出てくるが、住民説明会のお知らせでさえ、例えばチラシを全戸配布するなど徹底的に告知などしない。あらかた、区報とかに掲載して「お知らせしました」と言っているのだろう。舞台ではこうした行政の傲慢な態度に痛烈な批判が向けられる。

都市計画道路は確かに必要な交通網整備とは言える。大量の車が行き交う東京の交通は、道路整備による制御が不可欠。これは街づくりの基本中の基本なのだが、戦後、東京で都市計画決定された道路は予算不足を口実に計画のまま放置されてきた。例えば都心環状線で、環七などはようやく環状になったのだが、環三などは今も途切れ途切れの状態が続く。計画予定地には住宅やマンションなどが建ち並び、とても「立ち退いてください」というような状態ではない。道路整備予算がないからと言ってこうした道路計画を長年放置し続けた東京都政なのだから、今更道路を通すからと言われても住民からは「ハァ?」ということになる。

ペヤンヌはこうして突如自分の上に降り掛かった行政の理不尽さを、「声」を主役とすることで舞台に昇華させた。1時間余りの舞台だが、納得できる出来栄えだと言える。

世界は笑う【8月7日~8月11日昼まで公演中止】

世界は笑う【8月7日~8月11日昼まで公演中止】

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2022/08/07 (日) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

映像鑑賞

8月公演をこのタイミングで配信、とは「しびれ雲」動員に繋げようという術策か。だとすればこっちは自信作って事で警戒は及ばぬ。が、知ったのが終了間際であったので、一度観た後もう一度堪能しようと思ったが二度目の途中で終了となった。がそれでも満足。こいつは秀作だった。日本人は湿った笑いを好むがケラ、大人計画は乾いた笑いを行くと明言する存在。その「笑い」を生業にする昭和の一座を舞台に繰り広げる人間ドラマ。笑いは小道具であり主題でもあり、ドラマは喜劇調を取り入れながらも至って大真面目、各々が波乱の人生と言えるが特殊な存在として描いていない。町の片隅の人間模様と解しても誤りはない。ただ真剣に己のテーマ、「笑い」に向き合う人間共を見詰める眼差しがある。胸を掴まれるものがあった。

温暖化の秋 -hot autumn-

温暖化の秋 -hot autumn-

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2022/11/13 (日) ~ 2022/11/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前作の「ワクチンの夜」ではがっつり、ワクチンが噛んでいたが、今作の温暖化は会話中に一度出て来るのみ。屋外が舞台なので日が傾いて「寒くなったからもう行こう」的な台詞は何度か出て来たが、概して温暖になった秋なればこその話、といった程度のタイトル。
初めて観た城山羊の会舞台には嫌悪しかなかったのだが、無理矢理感がその理由だった記憶。話を下世話な方へ、乾いた笑いを誘う方へ誘導したい狙いを理解する事は城山羊観劇には肝要だが、要所でのリアルさも等しく肝要で、行為を必然化するキャラクター構築をやる役者の技量も大事な要素になる。といった印象は今も変わりない。
今回はシソンヌじろうと(終演後気づいた)趣里の出演のせいか、チケットは早い内に残少、辛うじて観劇可能日に取れた。
その趣里と若い優モテ男のカップルが冒頭登場し、彼女の変キャラがリアルに巧みに造形され、彼女と婚約している彼が若干引き摺られ気味ながら変カップルの微妙なバランスを醸す。ピンポイント的に狙った図を具体化する脚本の巧さも。岩谷、岡部の常連コンビに、岩谷の連れ、じろうとその連れが絡み、七名それぞれ笑いどころがあるが皆、ある人間心理の漏れ出す様を切り取り、読めるベタなあるあると意表を突いたあるあるの繰り出し方が絶妙である。
救いが無いようで有るような、無いようで有るような。

かがやく都市

かがやく都市

うさぎストライプ

アトリエ春風舎(東京都)

2022/11/18 (金) ~ 2022/11/30 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#宝保里実 #安藤歩
#伊藤毅 #亀山浩史
#小瀧万梨子(敬称略)
2回目。手触りはサラッとライトなのに観終えるとノスタルジックな気持ちになる濃密で豊潤な50分。
開演前のBGMに安心したりワクワクしたり。嗚呼……うさぎストライプを観に来たんだなぁ……という気持ちになる。それはもう、劇団☆新感線のジューダス・プリーストに匹敵する。
登場した小瀧万梨子さんの、VOGUEから飛び出たようなパリジェンヌばりのモード感にウットリ。声にもウットリ。あの少しニマニマする感じも堪らなく好き。これはもう恋なのだと感じている。
人はみんな寂しがり屋で、誰かに分かってもらいたいのに、分かり合えないことも知っている。分かり合えない他者も、分かって貰えない自分も、自分の前や街から逃げ出した誰かも、み〜んな猫で宇宙人。
作品は育っていた。言葉も動きも表情もイキイキとしてドライブ感が増してサラリとしながらも粘度が上がって、楽しいのに……胸の奥の奥の隅の方がチクッとする。
前半の回を観た人にも、是非もう一度観て欲しい。
伊藤さんの背中から、亀山さんの笑顔からも哀愁が漂う。宝保さんはクセになる。安藤さんはどんどん可愛いくなる。
金澤さんのギターが欲しいと思うのは欲張りかな。
大池容子ワールドを堪能した。まだ、おかわりしたい。

ロミオ アンド ジュリエット アット ドーン!

ロミオ アンド ジュリエット アット ドーン!

waqu:iraz

APOCシアター(東京都)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#都竹悠河 #隈元梨乃
#尾曲凱 #関森絵美
#松尾音音 #若尾颯太
#植竹悠理 #武井希未
#小林真梨恵(敬称略)
千秋楽 #APOCシアター は第1回公演を上演した劇場。その場所で、また新たな一歩を踏み出した。
ミュージカル!
こだわりを持って企画を立ち上げ上演していることがよくわかる。まずもって音響が素晴らしかった。風変わりな造りの会場なので響き方もイイ環境ではない気がするけれど、クリアでバランスのいい音の世界に包まれた。生演奏というのもミュージカルと銘打ったこだわりと見た。
ダンスが売りのユニットだから、あのスペースにあの人数は窮屈そうではあったけれど、それも迫力に昇華した。
ストーリーも大胆にアレンジが施され、現代社会が抱える問題と融合させた。
ここ数作で恒例となった道先案内人の武井希未さんの解説が見事。今回は『夏の夜の夢』のパックにも思えたのはワタシだけだろうか。作品に安定感と厚み、質の向上を与えていたのはやはり武井さんと関森さん、そして常連になりつつある松尾さんだ。松尾さんは、こんなに歌えたんだっけ?という驚きと、その役なんだぁ……というアップデートを感じた。

トータルで、あのサイズのあの距離でのミュージカルというのは、コチラの問題として気恥ずかしくなってしまうことを再認識した。

意欲作であることは間違いない。

WAO!フェス

WAO!フェス

劇団WAO!

味園ユニバース(大阪府)

2022/11/25 (金) ~ 2022/11/25 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

楽しかった!
歌って踊って喋って体験して!
と、盛りだくさんのイベントだった。
いつも、劇団WAO!の公演は色々あってなんだか楽しい!

「新・楽屋」「三通の遺書」

「新・楽屋」「三通の遺書」

CANプロ

スタジオCAN(東京都)

2022/11/27 (日) ~ 2022/11/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「新・楽屋」は、「楽屋」(清水邦夫 作)へのオマージュ、「三通の遺書」はオリジナル作品のようだが、設定には現実に起こった事件等に題材を得ている。公演の魅力は、自前の劇場 スタジオCANーあまり広くはないスペースにしっかり舞台美術を作り込み状況を現す。視覚的には分り易く物語の世界へ容易に入っていける。

少しネタバレするが、二作品とも現実、いわゆる此岸の世であり、迷いや煩悩に満ちた世界を描いている。その意味で「楽屋」における女優A・Bと「新・楽屋」における女優A・Bでは住む世界が違う。そして「三通の遺書」は、出会わないであろう事件関係者を遭遇させる、二作品に共通して言えるのは奇知の発想力である。
しかし、それを表現して観(魅)せる役者の演技力が追いついていないように思う。二作品とも同じキャスト(基本 女優三人)で演じ分けはしているが、続けて観ると所々に同じ表情が観えてしまう。
(上演時間1時間15分 途中休憩兼場面転換10分)  
22.11.29追記

ネタバレBOX

「新・楽屋」
舞台美術は、上手と正面に横長テーブルを置き、その上に化粧道具等が並べられている。下手奥が出入り口、 客席側に整理棚があり雑多な物が入っている。天板には神棚が奉られている。
女優Aは着物、女優Bは絣もんぺ、女優Cは洋服と違えることで「楽屋」の雰囲気を出す。「新・楽屋」は「楽屋」の上演直前の舞台裏、いわゆるバックステージものである。

冒頭は女優A(滝沢美音サン)とB(国米貴代美サン)が取り留めのない雑談をしており、そこへ女優C(堀田志穂サン)が入ってくる。そこで本当のニーナ役は自分こそが相応しいとBが言い出し、3人で劇論ならぬ激論へ発展する。そして突然Bが倒れる。救急車と呼ぼうと慌てふためく2人がドアを開けようとしても開かない。そのうちBが目覚めるが、何だか様子がおかしい。何かに取り憑かれたような…。「楽屋」は彼岸と此岸という異世界の設定であるが、「新・楽屋」はバックステージものだから全員生きている。そこへ「楽屋」の女優が「霊」として乗り移ったかのようなシュールさ。ラスト、女優D(岩元絵美サン)が「楽屋」は始めは出番がないから受付スタッフを兼任させるんだから、と文句を言いながら部屋に入ってくる。虚々実々の「楽屋」の面白可笑しさがしっかり描かれている。

「三通の遺書」
低山だが、数年前まで営業していた山小屋が舞台。今は無人の避難小屋になっているが、テーブルや椅子、そしてヘルメット等の装備は揃っている。上手奥に別部屋へ通じる出入口、逆の下手奥に山小屋の出入り口がある。突然の悪天候で次々に避難してきた女性2人と この小屋に住んでいる女性を交えた3人。暴風雨の音響効果がある種の密室状況を作り出す。そして上手にある白幕に落雷の照明(映像)効果を映し出す。
3人の格好が軽装で登山者らしくなく 違和感を覚えるが、もともと別の目的で山中に入ってきたことが後々分かる。不自然な外見、訳ありな会話、不穏な雰囲気によって物語への興味を惹く。

1人目は昭和43(1968)年に起きた三億円事件の孫娘、2人目は闇金からの返済を迫られる主婦、そして山小屋に住んでいると言っていた女、実は山梨キャンプ場女児失踪事件の母親を連想させる。この小屋に勝手に住み捜索をしている。それぞれの事情を話すとともに、これからの気象情報も気になる。ラジオから殺人犯がこの山中に逃げ込んだというニュースが流れる。恐れ慌てる3人が窓の外を見ると…。勿論、三通の遺書は3人の状況下を表している。
サスペンス風な展開…序盤の互いに疑心暗鬼な心持から 終盤は殺人犯という共通の敵(恐怖)に対する協力が…。未解決事件という題材をフィクションという舞台化で観せる奇知が素晴らしい。

物語の面白さを体現出来ていないことから、感情移入することが出来なかった。何となく楽屋の女優達が衣装を着替えて 避難小屋に集まり、劇中劇をしているように観えたのが残念。
次回公演を楽しみにしております。
フェイクスピア

フェイクスピア

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2021/05/24 (月) ~ 2021/07/11 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

最初とか途中、よくわかんないなあ、喜劇か。と思ってたら最後に全部回収されてとってもよかった。泣いてしまった。
高橋一生さんやばすぎ。本当に素晴らしかった。
あのラストだけで観る価値があった。本当に。

橋爪さんと白石さんもまえあつも皆すてきだった。

どっか行け!クソたいぎい我が人生

どっか行け!クソたいぎい我が人生

ぱぷりか

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/11/24 (木) ~ 2022/12/06 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度

演劇の面白さってこういう事じゃない。
小説書いたらいい。演劇である必要がない。

温暖化の秋 -hot autumn-

温暖化の秋 -hot autumn-

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2022/11/13 (日) ~ 2022/11/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

この舞台をコの字型の客席配置する意味があったのだろうか?
見る場所によって色々と変化があるのなら楽しいのだが、
私にはそれを感じることができなかった。

四方から観劇する「阿修羅のごとく」では演者さんが
動き回ることで飽きさせない作りだったが、今回の温暖化の秋は会話劇がメインで
それほど動き回るわけでなかったので単純に見にくい席だった。
発売日にわざわざ見にくい席を購入するべきではなかったと
少し後悔している。

ショウ・マスト・ゴー・オン【12月3日~4日、12月7日、12月21日~24日昼公演中止】

ショウ・マスト・ゴー・オン【12月3日~4日、12月7日、12月21日~24日昼公演中止】

シス・カンパニー

世田谷パブリックシアター(東京都)

2022/11/25 (金) ~ 2022/12/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/11/27 (日) 13:00

伝説的作品の再々演。面白い。観るべし。(15分押し)50分(休み15分)70分。
 三谷幸喜が東京サンシャインボーイズ時代の91年に初演、94年に再演した戯曲を書き直して再々演する。とある舞台の下手袖で繰り広げられる、文字通り「show must go on」の物語。舞台監督という役柄に焦点を当てて、一旦始めた舞台は終わりまできちんとやる、という舞台魂を展開する。設定を現代に振り替えたり新たなキャラクターを加えたりしているが、原型は変えてないと言う。オープニング直後から笑い続けて、最後にはちょっとシンミリさせる辺りの巧さは見事。豪華な役者陣も丁寧に使って確実に演じ、素敵な舞台だった。この手の話は三谷の得意とするところで、例えば映画「ラジオの時間」もこういう話だったなぁ、と思った。軸になる鈴木京香を久々に舞台で観たが、峯村リエの役柄が実に巧い。
 開演時に客席の電気が消えたと思ったら、すぐまた点いて3分ほどそのまま。そこに本当の舞台監督が出てきて、「劇場の電源が落ち復旧に10分ほどかかる」と説明。舞台監督が中心の芝居で本物の舞台監督を見ることになるとは…。結果として15分ほど遅れてスタートしたが、55分(休み15分)80分、と予告された上演時間が1・2幕とも短くなり、終演時間は変わらないというのもスゴイなぁ。

建築家とアッシリア皇帝

建築家とアッシリア皇帝

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2022/11/21 (月) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

競馬予想みたいだが、この舞台、今年のベストワンの本命だろう。
アラバールは戦後の現代芸術の方向を示したトップランナーと評価され、寺山。唐の時代から、野田にも、ケラにも影響がみられるが、本人の作品を、このように明確に、面白く、言葉は悪いが、女子供にもキャッキャッと楽しめるように作った舞台はかつてなかった。薄暗い難しい暗喩ばかりの実験演劇から解放したこの公演は、俳優、演出、舞台装置、照明、舞台操作、全スタッフ・キャストが一団となって細かく設定された完成度の高い舞台を創り上げた。どこを取り上げても、今年の最高の演出、演技、美術、音楽・音響、照明、もっと言えば、舞台監督、道具方、の賞に値する。アラバールをこういうふうにマンガみたいにやっちゃおう、客は来るぞ、と言い出した人には企画賞。
物語の設定は単純で、孤島に流れ着いたアッシリアの王と大衆のひとりである建築家が、二時間半にわたって、現代を王と道化の役を演じながら笑いのめす、前半は、政治、後半は裁判が軸になっているが、筋はどうでもいいことで現代に生きている人間どもの、性や支配意欲や脱出願望をテンポのいいセンスが光る演出で演じていく。
きっと男優賞は外さないであろう岡本健一と成河(ことに成河は休憩時も舞台に出ずっぱりで三時間、舞台を楽しんでいるように見える。かつてない最高の出来で、役をよく把握していて、これは是非賞を上げてほしい。岡本は、まぁできるとは思っていたが、コンビが非常にうまくいっている。機関銃のようにある無数のきっかけを外さずにやり切った)、の快演で、立見席まで万遍なく埋めた各年齢の女性客は大満足の様子だったが、3時間の立ち見はしんどい。
昨日は開演直後に瞬間停電があって、そういうことがあると、仕込みの多い現在の舞台は、仕込みがどう暴走するか解らないので、もう一度、さらわなければならない。20分押しだったが、非常時の処理もうまくいっていた。

月花抄

月花抄

演劇ユニット 金の蜥蜴

シアター・アルファ東京(東京都)

2022/11/16 (水) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/11/19 (土) 14:00

普段は能楽の一番(編)を芝居化することが多いが本作は源氏物語を題材とした三番(編)を六条御息所を軸に一編にまとめることでその嫉妬深さをを際立たせて大変ワカり易かった。σ(^-^) のような能楽に疎い層にはうってつけか?
六条御息所の嫉妬深さに大映テレビ制作のドラマを連想したりして……(笑)(例:「スチュワーデス物語」の片平なぎさ)
で、源氏物語というのはもしかすると昭和の昼メロとか今の一部の深夜ドラマのようなものだったのではないか?などと妄想。

服が腐る-2022AW-

服が腐る-2022AW-

人間嫌い

サンモールスタジオ(東京都)

2022/11/23 (水) ~ 2022/11/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白かったです。
まるでショップの中にいるような舞台美術で、様々な洋服を見るだけでもワクワクしました。
洋服を着る人、作る人、売る人、それぞれの気持ちに共感できる部分が多々ありました。
そして、自分の人生の中で、洋服は大事な思い出になっている事に気付きました。
役者さん達は皆、とても素敵でした。良い舞台でした。

妖話会

妖話会

遊戯空間

プロト・シアター(東京都)

2022/11/19 (土) ~ 2022/11/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

随分久々に訪れたプロトシアターだが、遊戯空間も暫く振りになる。三名によるリーディングにチェロ演奏が加わるが、チェロ奏者が開始、休憩、終了の挨拶をしていた。話者の読みは鬼気迫る風で、会場は禁忌な快楽を味わう秘密の会合めいている。
遊戯空間では「サド侯爵夫人」(見逃した)から僅か一月後の上演だったが、この「妖話会」は加藤翠の企画で2019年から開催しているもので今回が三度目という。
「妖」の名の通り、選ばれた三島由紀夫の両作品(30~40分程)とも妖な世界観を持つが、やはり遊戯空間らしく演出が光る。近代能楽集の演目「班女」は、狂女の花子(加藤翠)を紗幕の後ろ、調度品に囲まれた中央に置き、花子を家に住まわせる画家・実子(中村ひろみ)が上手、花子が思い続けている男性・吉雄(篠本賢一)が下手に台本を手に立つ三角形。休憩を挟んで「サーカス」は紗幕は除かれ、奥に篠本(サーカスの団長役及び他の男役の台詞)、「読み」の加藤・中村が手前の上下という三角形。
住宅街の一角のひっそりと存在する空間での会合。「読み」にこだわる篠本氏ならではの構築力が今回も冴えていた。

ネタバレBOX

「班女」・・男を思って折々に駅に立つ花子の事をゴシップ記事に載せた新聞を手に、ほとんど呪いの形相で苛立つ実子の語りが冒頭。彼女は花子をモデルに描いた絵を世に出さない位に執心していて、花子の「想い人」が新聞を読んで訪ねて来はしまいかと恐れている。一計を案じ、実子は花子を旅行に誘うが断られ、ついに吉雄の訪問を受けてしまうのだが、、花子は訪ねて来た男の事を知らないと言い、男は肩を落として帰って行く。以前の日常が戻るが、狂気の女花子が胸にしまい続け、観念の領域に及んでしまった「恋」の虚しさと、ただその「美」に執着し花子を囲い込む実子の「勝利」の虚しさが谺する。

「サーカス」・・こちらは戯曲ではなく地の文に時折、台詞が入る。開始早々始まるのは倒錯した団長の「趣味」の説明である。即ち彼は最も劇的な瞬間としての団員の出演中の「死」に焦がれている。観客の注視の中、出し物のクライマックスで、綱渡りの者が足を滑らせて落下し無惨な死を遂げる、といった・・。ある時団長が寝起きする天幕に何者かが忍び込んでいるのを見つけ、部下のP公に掴まえさせる。少年と少女の二人を見て団長は罰を与えるが、その目に何かを感じ、サーカスに雇い入れる事にする。少年に馬上曲芸、少女に綱渡りを仕込む。やがて団長が「その時」が近づいたと感じた頃、二人は逃亡を図る。だがこの度もP公に連れ戻され、そして「その時」を迎える事になる。もっとも事故を誘引する「仕込み」は蓋を開けるまで効を奏するか判らないのだが。。
団長の心向きが二人の運命を決する残酷な現実と、その中に子ら(あるいは作者)が見出そうとする自由意思の余地との非対称性に目眩を起こすが、「死」に沸き立ち大いなる悲劇に涙する観衆たちを眺める団長の満足気な眼差しに、いつしか観客も同期させられているような、不思議な感覚に痺れた。
ASAKUSA THUNDER GATE

ASAKUSA THUNDER GATE

妖精大図鑑

浅草九劇(東京都)

2022/11/25 (金) ~ 2022/11/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/11/26 (土) 19:00

 劇の内容としては極めて単純で、つまり、宇宙人の少女が好きなアーティストグループのLIVEのチケットに当たって、地球に向かうが、キツネさんという同じアーティストの地球に住んでいるファンと待ち合わせて浅草観光をするが、天丼を食べている最中にチケットを自分の惑星に忘れたことに気付き慌てるが、キツネさんの計らいもあって何とかアーティストグループのLIVEに間に合って安堵して終わるという、本当に他愛もないはっきりいってあんまり中味のない脱力系コメディだった。

 ただ、前編通して癖が強くて個性的な登場人物たちの喜怒哀楽や焦りなどの感情表現、性格、オーバーリアクションにアクション、独白、ダンスシーンにデモンストレーションの場面、疾走感、イメージシーンに、過去の場面、歌舞伎などの伝統芸能のイメージ、宇宙空間、下町感、未来感、風神雷神像に至るまで、サブカルやポップな要素も盛り込んだコンテンポラリーダンスを使って具現化し、体現してるのには驚いた。
 しかもそのどのダンスもが、1つとして似通ったものが無いのには、感心した。
 英国の某有名救命人形アニメの音楽がいきなり掛かったり、風神雷神像にも有給がちゃんとあるんだということで、目の前で起きていることは相当摩訶不思議であり得ないはずなのに、それがさも当たり前のことのように描かれたり、amazonの有名cmや有名なアレクサやTwitter、Facebookにinstagramを明らかにもじったネーミングやSNSのパロディなど心憎いほどに小ネタが入っていて面白かった。
 特に、グレムリンが乗っかったお掃除ロボットはシュールで、設定的にはブラックジョークで冷っとしつつも大いに笑え、タイムマシンでタイムスリップする場面で、意味はないが雷が落ち、そこを車ですっ飛ばすと過去に飛ぶという往年若年含めの『バック·トゥ·ザ·フューチャー』ファンや本作品への確実なオマージュ、さらに『バック·トゥ·ザ·フューチャー』の曲が大音量で流れたのには感無量で、ファン心を鷲掴みにしたと感じた。

 スクリーンに映像を写していたのも雰囲気を盛り上げてくれたし、役者が着ている衣装もポップでサブカル臭がして、昔のレトロフューチャーな雰囲気が出ていて良かった。

 今回は、コンテンポラリーダンスと演劇、そして映像という組み合わせで、それは斬新な試みだった。それが見事に成功しているのは奇跡的で、良い意味で眼を疑り、その世界観に没入した。
 だが、一番肝心の劇の内容が薄すぎたのには、もったいないと感じた。脚本があんまりにも単純過ぎても駄目なんだなと感じた。 
 いくら脱力系コメディ劇だからといってあんまりにも深みや捻りがないのはどうかと思った。

『おうけつ』

『おうけつ』

大森カンパニー

小劇場B1(東京都)

2022/11/25 (金) ~ 2022/12/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

後藤郁さん出演。
たくさん笑い、感動もしました。「人情喜劇」とのことですが、よく考えるとこの類の演目はあまり見たことが無かったかもしれません。
ヒロイン役の杉本有美さんは個人的には3回目で、2013年「シュタインズゲート」以来でした。9年前ですね。初めて拝見したのは2009年「Knockout Brother -X-」です。どちらも遠目の観劇だったのですが、舞台上での美しさが印象的でした。今回は目の前でした。時は止まっているのですかね。驚きました。
後藤ちゃんの舞台出演はほんとに嬉しいです。朗読劇もいいですが、やっぱり演技を見たいですね。

ネタバレBOX

タイトルの「おうけつ」が何なのか知らないまま観劇しました。チラシには書いてあるのですが、見落としていました。なるほど、自然現象、川の作用でできた穴なのですね。いたるところにあって、観光名所になっているところも。そういったものをストーリーに入れること、個人的には好きです。
何人かの悲しい出来事や過去、それについてみんなで、議論といったらおかしいでしょうか、話し合いかな。慰め合いという見方もできます。みんなが自分をさらします。それを経て、みんなは未来に進みます。
後藤ちゃんの役は悲しい過去などはなく、他の人のことを受け止める側でした。未来の可能性がいくらでもある、25歳の若者。現実の後藤ちゃんと重ねて観ておりました。
演技・役割としては、6月に観た「星降る学校」と系統が同じ印象でした。得意とする分野ではありますが、「名探偵ドイル君」くらい変な役も見てみたいです。

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