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8∞8

8∞8

@emotion

上野ストアハウス(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

残念な点は劇場で見られないことくらいです。

ネタバレBOX

千秋楽まで変な色気を出さず暑苦しさ、粗っぽさを保てるのかは不安。
正直カット割りは不要に感じた。ある程度大きな画面で見る場合俯瞰で見せてもらう方が臨場感が出るし、普段の芝居よりより台詞を話していない時のたたずまいが気になる
うわつら

うわつら

殿様ランチ

駅前劇場(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/12/07 (水)

価格4,000円

7日19時開演回(119分、H公演)を拝見。

知らぬ間に病魔に侵され、医師からの「死」の宣告を受け入れた売れっ子作家の、"その日"が来るまでを描いた物語…との事前案内通り、普段の作品と同様な、クスリと笑わす仕掛けを随所に挟みながらも、基本線は死生観がテーマのストーリー。

私事で恐縮だが、過去幾度か、"生命の危機"の数歩手前まで行ったことのある身には、余命の告知を案外、平然と受け入れる心境も、また、唐突に"死の恐怖"に襲われる体験も、我が事のように感じられ、今宵、客席で独りデジャブさせられたことも追記しておきたい。

ネタバレBOX

【配役】
吉永恭一郎(末期のすい臓がんと告知された作家)…板垣雄亮さん
田辺圭子(吉永の亡き妻の妹)…斉藤麻衣子さん
夏木裕美(吉永の所属事務所の文化人部門マネージャー)…川西佑佳さん
今野淳二(吉永の弟子。作家志望)…こくぼつよしさん
加藤新平(文秀出版社のベテラン担当編集)…平塚正信さん
武藤友子(あかね出版の担当編集者)…篠原彩さん
後藤純(吉永の高校時代の友人。沖縄の離島の診療所勤務)…服部ひろとしさん
佐藤康男(吉永に密着する制作会社ディレクター)…小笠原佳秀さん
春川今日子(吉永に密着する制作会社セカンドディレクター)…里内伽奈さん
奥寺勢一(吉永の主治医。大学病院の第一外科准教授)…足立信彦さん
新道さおり(病院の準看護師。吉永の本のファン)…成海澪さん
武井伸吾(同じ病棟の入院患者。末期のスキルス胃がん)…相楽孝仁さん
安原まなみ(武井伸吾の姉)…杉岡あきこさん(A公演)/はてなさん(H公演)
蛍

第27班

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2022/12/02 (金) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#鈴木あかり #佐藤新太
#大垣友 #もりみさき
#高橋茉琴 #松田将希
#小関えりか #髙橋龍児
#松本みゆき #石井舞
#久保磨介 #成瀬志帆
#佐藤美輝 #小野里茉莉
(敬称略)
勾配が交差するようなセットが印象的だった初演を思い浮かべて、思い出を辿るような……おさらいするような気持ちで観た。
独立しているように見える幾つもの物語を、紐解くように手繰り寄せていくと、アレとコレとが繋がっていたり絡まっていたり。
喜びと悲しみが背中合わせに存在して、優しさの隣に残酷さが潜んでいる。理不尽なことが世の中には存在していて、救われる人がいて、絶望する人がいる。人生は摩訶不思議なんだ。
野球でもサッカーでも、クローザーという立場……役割を担う人がいる。松本みゆきさんが、穏やかに、そして見事に締めくくった。闇の中に浮かび上がるホタルの如く、あの人たち全員の未来を希望の光が照らしていますように。

長い墓標の列

長い墓標の列

明後日の方向

王子小劇場(東京都)

2022/11/22 (火) ~ 2022/12/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

男女の逆転や現代的なモチーフがうまく機能している。例えば、爆撃の音かと思ったらキーボードを叩く音だったのにはハッとさせられたし、お菓子や缶ビールという選択も上手かった。
一方で、冒頭など役者同士の芝居のレベルが揃っていない点が気になった。話を聞いているという芝居で、自然な相づち、大袈裟な顔芸、からだの動きなどの統率がなく芝居の抽象度への意識みたいなものが薄くなってしまっている気がする。幕のぬるっとした(いつもの?)始まり方も悪くないが、今回は客の集中を妨げているのではないか。

全部、知っている。

全部、知っている。

SPIRAL CHARIOTS

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初日観劇。面白い!
日本の小説の分類でいう中間小説のような…勿論 意味合いは違うが、推理・心理劇であり大衆・娯楽劇の中間劇のようで、幅広い観客が楽しめる そんな作品。

推理劇であり、再演の可能性もあることから 筋書きの結末は伏せておく。ただネタばれ1つ、それはある意味 閉鎖された状況で展開していくこと。それがアガサ・クリスティの「ねずみとり」、上演回数が多く人気作品を連想させる。この「全部、知っている。」も時間軸、不作為、罰せない罪、そして苦悩と贖罪といった多面的な描き方で観客の興味を惹きつける。同時に 緩い笑いを挿み適度な遊び心を観せる。

第30回記念公演・原点回帰。その謳い文句「限られた空間が織り成すパラレルミステリー」は、観応え十分、ぜひ劇場で…。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし)追記予定

君に贈るゲーム

君に贈るゲーム

ラッパ屋

紀伊國屋ホール(東京都)

2022/12/04 (日) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/12/07 (水) 14:00

座席1階

「人生いろいろ」という歌謡曲を思い出してしまった。さまざまな人生を想像しながら自分の来し方も考えたりする。劇場を出てこんなことを思い巡らせながら帰途に就く、とてもおもしろい舞台だった。ラッパ屋鈴木聡の面目躍如という感じだ。

自分はボードゲームといえば任天堂の人生ゲームしか知らないが、今作の舞台は世界中のさまざまなボードゲームが楽しめるカフェ。やっぱり常連さんがいて、しがない中間管理職という風情のおじさんがフラリと立ち寄るところから始まる。コロナ対策のマスク着用ということもあり、顔見知りではあるが素顔は知らず。お互いをニックネームで呼び合うが、同好の士ということだけあり親密な仲間だ。
そこで会長と呼ばれていた人が体調を崩したのかこなくなっていたが、ある日突然、秘書を名乗る人が来て会長の頼みを聞いてくれという。会長は何社も会社を率いているお金持ちで、静養中の海辺の別荘にボードゲームカフェの仲間に来てもらい、一晩で孫に与える人生を考えるボードゲームを作ってほしいというのが頼みだった。
そこで冒頭の「人生いろいろ」になるわけだが、先人も書いているとおり、この仲間たちはさまざまな経歴というか、多彩な人生を送っていて、ゲームにはそうした人生のエッセンスを盛り込んでほしいのだという。さて、どんなゲームになるのか。
ゲームの企画を構想するというクリエイティブな作業を一晩でやれというのも大変だが、仲間たちはスパイスの利いた会話を交わしながら、練り上げていく。この会話劇が秀逸だ。まさに、自分が経験できなかった人生を少しずつ追体験できるような構成で、それこそ客席の一人ひとりに妄想のタネを振りまいていく。

一時間半と長くないのもすてきだ。新劇系の劇団に多いが、15分の休憩を挟んで3時間半とか、いくら名作でも客席を引きつけるには限界がある。劇団の皆さんにはこんな点を考慮してほしい。

キンモクセイの頃

キンモクセイの頃

アダチコレクション

ユーロライブ(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/08 (木)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

キンモクセイの頃

キンモクセイの頃

アダチコレクション

ユーロライブ(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/08 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

行く前は、コントとあったので、何人かの芸人さんが早口でまくし立てるのを想像した。
しかし、落ち着いた感じのお芝居で、私的にはとても良かった。
間合いというのでしょうか、絶妙な感じで笑えます。
聞き取れない早さではなく、ゆったりしながら、場の雰囲気を十分楽しみ、笑える。

映像だけではなく、実際に目の前でも演じてくれる。
特に無理に笑わそうとしていなくて、自然に笑顔になり笑える。
ひとりひとりのキャラも個性があっておもしろい。
スゴいです。
お笑いの五年連続ファイナリスト。
確かにスゴいです。
本当におもしろかったです。

キンモクセイの頃

キンモクセイの頃

アダチコレクション

ユーロライブ(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/08 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/12/07 (水) 14:00

価格3,000円

長めのショートムービーと実演コント
どちらも舞台はスナック赤とんぼ。
マスターと常連客らの話で元カノやガールズバー、劇団員、借金取りらが場面毎に絡んでくる。
上げて下げるようなベタな展開はやっぱり面白い!
元カノのとてもいい演技が光ってます笑
あのなんとも言えない哀れみは元カノならではで笑えます。

君に贈るゲーム

君に贈るゲーム

ラッパ屋

紀伊國屋ホール(東京都)

2022/12/04 (日) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ボードゲームカフェの常連7人が、もう一人の常連「会長」の頼みで、「人生を込めた」ゲームを作る。教師だったが、世知辛い若者に幻滅して株屋に転身し、金がすべてと語るスーツ(中野順一朗)。水商売を渡り歩いてきたマダム(岩橋道子)。テレビ局のバリキャラからライター兼弁当屋に脱サラ?した、アイデア豊富なお局(椎名慧都)。そして平凡な主婦で、嫁姑関係に人生をすり減らしたと嘆くエコバ(大草理乙子)等々。一番平凡で、選択らしいものもしてこなかった課長(熊川隆一)が語り手をつとめる。

スーツの現実主義や、金だけが人生じゃないと「夢を信じる力」と「可能性」を訴える人々のやり取りがおもしろい。各人の人生経験のエピソードをもう少し肉付けできれば、さらによかった。ラストは、ほろ苦い真実も。
1時間半とコンパクト。じゃんけんチーム観劇。感染対策も含めて2チーム体制で公演しているそうだ。大変な苦労と思うが、頑張ってほしい

Flamenco Caleidoscopio

Flamenco Caleidoscopio

ARTE Y SOLERA 鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団

よみうり大手町ホール(東京都)

2022/12/02 (金) ~ 2022/12/03 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

グラナダの洞窟酒場 以来のフラメンコでした。舞台や会場が数十倍の広さなので、また違った雰囲気で、躍動感のある素晴らしいステージでした。

ネタバレBOX

様々な音…歌声、楽器(ギター、三味線、パーカッションなど)、足音(靴 ステップ)、手拍子
そして、ダンス、衣装の融合。
津軽三味線のハードな演奏や唄も、圧巻でした。
クリスマス・キャロル

クリスマス・キャロル

劇団昴

座・高円寺1(東京都)

2022/12/01 (木) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ティムの透き通った歌声から『子どもから幸せを奪わないで』というメッセージが届く(涙)。過去は変えられないけれど『未来は変えられる』久しぶりに聞いたフレーズ。もっとずっと若い頃、演劇教室でみたかったなと過る。この劇団でたまらない幸せな時間を過ごしている俳優たちがいた。

夜明けの寄り鯨

夜明けの寄り鯨

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2022/12/01 (木) ~ 2022/12/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

小島聖さんが浮いている。他の俳優さんとは身の回りの空気がまったくの別物なのだ。そして演出はそれを利用して芝居全体を通しての違和感を作り出している。山本君の存在の不確かさもあって、リアルな物語なのかファンタジーなのか何とも捉え難さを感じてしまう。山本君って実はクジラの化身なんじゃないかと夢想してみたがさすがにそれは無理だった(笑)

河童と川邑家と何か

河童と川邑家と何か

劇団cMcc

千本桜ホール(東京都)

2022/12/01 (木) ~ 2022/12/05 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 極めて素直な脚本。今ここ迄捻らない作品は珍しい。

ネタバレBOX

 物語は三部構成になっている。一部で過去、二部でほぼ現代(昭和後期から平成に掛けての頃か。この辺りの感覚は住んで居た地域によって異なろう)、そして近未来の三部である。ある一家の縁起を描いた作品だが、主題は、人工と自然である。現在、漸く人間という生き物が地球全体に与える悪影響が人口に膾炙するようになったが、当然既に殆ど手遅れである。自分は科学少年であったから10代始めには人間の発展に疑問を持っていた。それは必然である。当時、農薬がヘリコプターで山間、農地、河川近辺に撒かれ、あっという間に生き物の数(総ての昆虫類、貝類、魚類、鳥類、両生類、甲殻類、爬虫類等が激減した。種によっては十分の一以下になったという印象を持っている。これだけ野生の生き物に悪影響を与える農薬が人間にとっても良い訳が無い。そんな感覚が自然を観察するのが好きだった自分にはあったのである。今作は、にも拘らずヒトは自然を荒し遂には修復不可能なレベル迄突き進んでしまうことに警告を与える作品になっている。唯、その表現は具体的に自然と向き合ってきた人々と接し己の生き死にを賭けて紡がれたというより、間違いの無い基本的考え方を敷衍したレベルだとは感じた。更に作品を研ぎ澄ますには、実際に自然と向き合って暮らして来た人々に多く取材し現場の生の声を反映させる他あるまい、とは思う。
ワスルカ

ワスルカ

EXE.ROCK Entertainment

テアトルBONBON(東京都)

2022/11/30 (水) ~ 2023/01/11 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

10年の歳月で変わる気持ちと、変わらない想い。
そして続く絆と、新しい絆。
複雑な思いがほぐれて、完成につながる展開は観ていて、感動的でした♪
ちょっと登場人物が多くて相関がイマイチ分かりにくいのと、違うシーンを重ねすぎて『あれ?同じ場所じゃないのか?』と見ずらかったのが少し気になりましたが、良い作品と思います。

王征路

王征路

演劇集団よろずや

世界館(大阪府)

2022/11/11 (金) ~ 2022/11/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

千秋楽観劇。
満州国版オセロ!
重厚なお芝居と共に、
順風満帆の王征路将軍は高潔が故に、凋落してゆく姿は、正に悲劇。
萌奈美は清廉が故に、罠に落ち、一番信じて欲しい人に信じてもらえず失意する姿は、正に悲劇のヒロイン。
そして、何より悪役·井田の好演が光る!
多数のキャストがしっかり役割を果たし、ずっしり見応えのある公演に!凄かった!

無情

無情

MCR

OFF OFFシアター(東京都)

2022/11/30 (水) ~ 2022/12/07 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

加茂井さん可愛い加賀美さん面白い

近代能楽集「班女・熊野」

近代能楽集「班女・熊野」

CroixProjec†

APOCシアター(東京都)

2022/11/23 (水) ~ 2022/11/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/11/24 (木) 14:00

まずは本編部分。タイトルはよく目や耳にしていたものの初見で、全くの現代劇。もしも全く予備知識なしに観たとして三島の戯曲と聞かされて「なるほど」とは思うが元ネタが能楽と知って「全く気付かなかった」というレベル。
そして当日パンフレットにある概略で原典を知るのみだったのは不覚。元ネタを知っていれば「あれをそう使ったか!」などとより楽しめたのではないかと思い、予習していなかったことに大いに後悔。
そういや「班女」の読みが「はんじょ」、「熊野」の読みが「ゆや」であるとは初めて知った。(何と誤読していたかはナイショ)

ネタバレBOX

驚くべきはその構成。冒頭、能舞台の「橋掛かり」的な部分から能面をつかて舞手が登場して本舞台で舞う途中から本編出演者がそれを取り囲み「再生系」定番のマッチパフォーマンス……(笑)
エンディングも(本編でも使われた)「ラ・ヴィ・アン・ローズ」の生歌をバックにしたエアリアル・シルク(10年以上前に何度か観たが久しぶり)で〆るとは。この大胆かつダイナミックな構成も活きていたなぁ。
『遺すモノ~楢山節考より~』

『遺すモノ~楢山節考より~』

THEATRE MOMENTS

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2022/12/06 (火) ~ 2022/12/06 (火)公演終了

満足度★★★★★

劇場に入ると舞台はガランとしていて、大道具等にお金はかけないんだな〰️と
始まっても四角い木枠を持って激しい動きをする訳でもなく、紙芝居が始まる
紙芝居がいつの間にか終わり、貧しい山村の話に
内容はみんなが知っている姥捨山の話 
しかしこれが素晴らしい❗涙😭しました…

クリスマス・キャロル

クリスマス・キャロル

劇団昴

座・高円寺1(東京都)

2022/12/01 (木) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

第一幕50分休憩15分第二幕60分。

小道具や衣装、美術が素晴らしい。まさにディケンズの世界。チャールズ・ディケンズは学校教育を4年間しか受けられなかった。父の破産の為、12歳から家を出て工場で働くことに。少年時代の痛みと苦しみに満ちた日々はそのままスクルージの過去として描写される。独学で勉強し作家と認められるまでに這い上がる。英国の夏目漱石、大衆の支持する国民的作家へと。彼の最盛期の英国は貧富の差が激しく、「空腹の40年代」と呼ばれた。ディケンズの出世作『オリヴァー・ツイスト』(1838年)は子供を主人公とした世界的に初めての小説。救貧院で育った孤児の物語をリアルに描き、大ベストセラーに。社会を揺るがし児童虐待を禁止する法律まで生み出した。今作は1843年に発表。「この世に生きる価値のない人などいない。人は誰でも誰かの重荷を軽くしてあげることが出来るからだ」、「誰もが沢山持っている今の幸せにこそ目を向けるのです。誰もが沢山持っている過去の不幸せのことは忘れなさい」。

宮本充氏演ずるスクルージは三國連太郎風味で納得。
ボブの妻役他の米倉紀之子(きしこ)さんは黒木瞳似で綺麗。
フレッド役他の加賀谷崇文(たかふみ)氏は布袋寅泰とラフィンノーズのPONを足したようなチャーミングさ。
大活躍のティム役他の子役、張适(ちょうし)君の透き通った歌声。
進行役と聖霊役を兼ねた三人のベテラン。林佳代子さん、牛山茂氏、伊藤和晃氏。客席に向けて語りかけ、この世界の境目をじんわりと地続きにしていく手腕。

クリスマスの一夜の奇跡を大人から子供までたっぷりと堪能させる決定版『クリスマス・キャロル』。
徹底的な現実主義者のエベニーザー・スクルージ(多分貸金業者)が自分のものの見方や人との向き合い方を自ら悔い改めるに至る奇跡。今作を毎年観に行く人の気持ちが分かる。
悩み苦しみ足掻いている人にこそ今作は突き刺さる。

ネタバレBOX

「未来は変えられないのか?せめてティムだけでも!」

マーレイの幽霊の鎖が軽そう。その辺からちょっとコミカルな遣り取りが始まる。

三人目の聖霊を青い照明だけで表現。観客の想像力に委ねられた淡い光はゆらゆらと指し示す。

スクルージを北野武、マーレイを西田敏行、ボブを大杉漣(亡くなっているが)、フレッドを大森南朋で映画化して欲しい。

リアルな死を前にしないと人は気付かない。何もかもが消え去っていくことを。消え去っていかないものは何か?果たしてそんなものがあるのだろうか?

スクルージは金持ちだし、『生きる』の志村喬は市役所務め。死ぬ前に人の為にしてやれることがある。だが殆どの人間は今更後悔しても何もしてやれることはないだろう。ただ無力さに打ちのめされて安い酒を飲む。

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