最新の観てきた!クチコミ一覧

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ハビリス

ハビリス

劇団森

劇団森 アーカイブ配信(東京都)

2022/11/13 (日) ~ 2022/12/13 (火)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/12/11 (日) 10:00

桃源郷に行きたいどころか、究極のディストピアをステージ上に作り上げている。昔の映画『猿の惑星』へのオマージュも少しだけある? 最初の20分くらいは集音マイクに入る空調のブーンて音が気になりましたが、ステージに引き込まれるのとともに徐々に気にならなくなりました。

モノオペラ《いちとしいけるもの》

モノオペラ《いちとしいけるもの》

空間創造Oto Camerata Project

千葉県文化会館(千葉県)

2022/12/10 (土) ~ 2022/12/10 (土)公演終了

実演鑑賞

嘉目さんが新作のモノオペラを歌うというので千葉県文化会館まで
1時間の間嘉目さんと本山さん(Cb)はほとんど歌い通し、弾き通し
人形同士(?)が歌い、弾く
作った「あの人」に翻弄されながら
舞台美術はシンプルだがかなり凝った空間を作っていた
それを活かすかなり絞った照明も
嘉目さんの歌唱は期待を裏切らず素晴らしく、盛り上げ方も見事だった
幕が開く前から始まっていたコントラバスの演奏はミニマルミュージックのような単純な繰り返しからやがて倍音、重音を加え、旋律も変化していったが、終始ヴィブラートで安定していた
という訳で内容に不満はなく、遠路はるばる行って良かったのだが、千葉県民には悪いがなんでこんなところでやるの???
観客30人足らず、都内でやれば満席だろうに・・・
後ろのオバサンたちは終わって「寝ちゃった」「私もずっと眠くて」
嘉目さん達に失礼だよ

若草山と三つの宿

若草山と三つの宿

ココ・デ・テアトル

西村邸他(奈良県)

2022/12/08 (木) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

満足度★★★★

本編一時間、夜編三十分、銭湯♨️朝飯付きを考えると満足🈵😃✨
初めて民泊宿に泊まったが、古民家感満載で良い感じ
演劇の内容は今一だったけど、プチ旅行できた❗

鏡の仮面はブラフにて

鏡の仮面はブラフにて

劇団ミックスドッグス

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

劇団ミックスドッグスの真骨頂!「超エンタメ劇」
脚本はモチロン、細部の演出、台詞回し、ダンス、独唱…etc
どれをとっても観客を飽きさせない、スピード感溢れるテンポと舞台を通して感じる観客への熱いメッセージ。
そして、最後どんでん返しに見せないオチ。
納得の行く公演でした!

おしまい大島四姉妹。

おしまい大島四姉妹。

東京E-Do motions.

新宿眼科画廊(東京都)

2022/12/09 (金) ~ 2022/12/14 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/12/10 (土) 18:00

2度目のユニット。楽しく穏やかなコメディ。102分。
 次女と四女が暮らす生家に、同棲してた三女、中国で仕事をしていた長女が帰ってくるが…、の物語。ある意味お決まりの展開とも言えるが、それを微笑ましく楽しく観ていられるのは、作・演出の森田に人間を信じる気持があるのだと思う。時折入る小ネタのギャグも楽しい。「おしまい」と謳っているが、むしろ始まりの話だろう。

Xmas fool

Xmas fool

ROUND TREE プロデュース

千本桜ホール(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。
テンポ良く、登場人物のキャラクターも良く、笑顔溢れる舞台でした。
癌で余命100日という嘘は、決して許される嘘ではないけれど、主人公を見ていたら、今回に限り大目に見ようという気持ちにさせられました。
ネットの怖さについて考えさせられ、主人公を守ろうとする仲間の姿に、ちょっと泣きそうになりました。
役者さん達の演技、そして表情が、すごく良かったです。
大満足の舞台でした。

ショウ・マスト・ゴー・オン【12月3日~4日、12月7日、12月21日~24日昼公演中止】

ショウ・マスト・ゴー・オン【12月3日~4日、12月7日、12月21日~24日昼公演中止】

シス・カンパニー

世田谷パブリックシアター(東京都)

2022/11/25 (金) ~ 2022/12/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったあ!!
今日の三谷さんは浅野さんの代役で、まるでショウ・マスト・ゴー・オンを地で行っているようなステージです・・・と言ったら申し訳ないですが、これが小林さんだったり、シルビアさんだったりの日にはもっと大変だったろうなとご苦労が偲ばれました。
見られた方はレアな回だったわけで、それはそれでうらやましい様な。夏のパルコ劇場では中止の憂き目にあったので、観劇日が中止にならなくて良かったです。
早く三谷さんが演出家でいられる日が来る事をお祈りしています。
ただ、やっぱり世田谷パブリックシアターは雰囲気は素敵だけど観客には見づらい劇場だということは言っておきたい。私たち二人の前に座高が高い方がいて、ちょうど舞台の真ん中あたりが見えなくてストレスは溜まりました。その両脇の人は座高が低いのに、なんで私たちの前だけ!!座る人の座高によって椅子が上下して、誰もが見やすい座席というのを誰か考えて!!

ランの宝物

ランの宝物

+ new Company

成城ホール(東京都)

2022/12/10 (土) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

若い子が元気に飛び跳ねてる姿を見るのは
よいものです~はぐれ雲風に~

腕白坊主が旅をして
成長するお話です=80分

ネタバレBOX

森のはずれでイキっていた風の精霊が
ふた山越えたところにある花の蜜を取ってくるように
おつかいを頼まれて
道中出会う連中に もまれて成長する話です
『千年に1度の奇跡』というシリーズもののファーストエピソードで
あと2つ後ろに続くそうです(過去作で上演済み)

子供向けではあるものの
道中出会って一緒に行動する口のきけない少女の過去話で
少女の両親が切り殺されるシーンがズんバラリと入っていたりと
わりと凄いことしてるなぁと思ったデス
で その時両親同様に死んだと思われた少女の兄が重傷で生かされてて
(なんか トキノチカラ というのを使えるらしいので)
採ってきた蜜が怪我や病を治すと聞いて主人公は
少女に蜜を渡して兄を助けるように送り出し
おつかいは そういうわけで完遂できなかったと
正直に話して成長を褒められて終演であります
まぁ チョイ尻切れトンボ感ありますが
3部作のひとつだし
タイトル通りだし いいかなーって
星はオマケしました

脚本家さんは
海老名で小学生がイジメで自殺した話を知り
話を聞くだけでも
味方になってくれる人がいるんだよと
伝えたくて話を書いたと
9ヶ月の身重で舞台に立って説明されてました
辛いことからは逃げるのも一つの手だと思うなぁ
それを示唆してくれる存在に当たらんといかんし
いろいろと出会いは必要であろうなぁと
いろいろと考えさせられました
Opus Postumus 69

Opus Postumus 69

salty rock

レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)

2022/12/09 (金) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/12/09 (金) 19:30

9日の19:30の公演 拝見しました。
久々のsalty rockのメンバー総出演、観ていて楽しかったです。
あと共演者の良き事♡♡♡
素晴らしい〜舞台でした。

うわつら

うわつら

殿様ランチ

駅前劇場(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/12/10 (土) 14:00

このテイスト、とっても好きだ!誰も体験したことの無い「死」の周りをあーでもないこーでもないとぐるぐる周りながら、来たるべき日に向かって進んでいく。サラリとしているので油断していると、ズドンと来て泣けてしまう。殿様恐るべし。

ネタバレBOX

人気小説家が膵癌の末期と診断され、余命宣告を受ける。
「初めて体験する死が楽しみだ」と、それを受け入れているように見えるが・・・。

「死」はその本人よりも周囲の「イベント」なのかもしれない。
編集者や所属事務所、家族や友人、密着ドキュメンタリーの制作者、
そして他の患者や医師に看護師、
それぞれの立場と思惑によって、振る舞いや言動は演出されている。
彼らにとって「死」は所詮想像の域を出ない”うわつら”でしかない。

当の本人でさえ、死に対して”うわつら”の心構えしかできない。
だから強気になったり、不安になったり、開き直ったり、取り乱したりする。
このどうしようもない切ない限界が”うわつら”の本質なのかもしれない。

小説家が意に反して本心を吐露する場面が二つ、強烈な印象を残す。
ひとつは隣の病室に入院していたスキルス胃がんの若い患者が
「一緒に行こう!」と小説家を強引にひきずり出す場面。
必死の抵抗を試みる小説家は恐怖の叫び声を上げて目が覚める。
死への恐怖心が爆発したシーンだった。

もう一つは彼の弟子が、師匠も獲れなかった文学賞を受賞し、
高い評価を得て世に出て行くのを見たとき。
若い看護師から「すごく面白かった。サインをもらって欲しい」と
賞を獲った弟子の新刊本を渡され、
「いいなあー!いいなあー!」と絞り出すように嗚咽する姿に
今彼が見ている孤独の闇を、一緒に覗き込んだ気がしてボロ泣きした。
ほかの人々は生きている、自分は一人で死んでいく、
”連れの無い孤独”を初めて自覚して生への執着を吐露した場面。

さらりと展開しながら、自然にクスリと笑わせる台詞と絶妙の間。
ところどころに挿入されるエピソードの巧さ。
大した事件も起こらないのに最後まで読ませる作風の小説家という設定だったが
人生もそんな感じで終わっていくんだなあ、としみじみ思わせる作品。
脚本・演出・主役の小説家を演じた板垣雄亮さん、何と味わい深い作品を生み出す方なのだろう。
最高のランチ、ごちそうさまでした。







サブマリン

サブマリン

マチルダアパルトマン

北千住BUoY(東京都)

2022/12/08 (木) ~ 2022/12/14 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「青いサブマリン」を観劇。いつもは共鳴するところが多いマチルダアパルトマンだが今作はあまり響くところがなかった。90分休憩なし。

自分一人のことでさえ何事も決められないのに同棲する二人が将来のことを話し合うとなると気が遠くなるばかりだ。まあそういうところの展開は想像の範囲内で特筆することはない。そこに喜怒哀楽の激しい妹をスパイスとして入れるのは雑味が強かったが当然の構成だ。しかしお父さんらしきホームレスの登場はどういう意味があるのか全く理解できなかったし突然現れる大家の息子も謎だ。この息子とホームレスとの対比で世の中の格差が許せないなどという主張をこの作者がするはずもないし。

冷静になってストーリーを分析するとそういう不満があるのだが、その程度は面白おかしく演劇として実現して頂ければ、ああ満足満足となるはずだが今回はその方面でも好みが合わなかった。具体的には晋平君の驚いたり言葉に詰まったりするときの間の取り方にイライラした。当然、役者と演出家が練りに練ってこうなっているはずなので味噌味が嫌いで醤油味が好きだと言っているだけにすぎない。要するに私はリズム良く会話がポンポン進んで行くのが好きなのだ。我ながら単純だなあ。

会場の「BUoY(ブイ)」はグーグルストリートビューでは何の目印も見えないが「格式会社レインボー・デリバリーサービス」とある建物の向かって左側にある小さな入り口の地下にある。もちろん開場時は係員がいるのですぐに分かる。

超科学戦闘機スーパーホーク1号の着陸(再演)

超科学戦闘機スーパーホーク1号の着陸(再演)

劇団鋼鉄村松

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/12/08 (木) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

上手に観客の想像を引き出しての臨場感とか
らしさが楽しめた~♪
カプセル兵団さんみたいな感じとも近しいかなぁ
基本 素舞台風に赤ラインと椅子2脚で
あそこまで雰囲気を感じさせるとは凄いなぁーって思いました
ただ 今風に何か倍速みたいな感じに進み具合を思えたのは
自分だけかなぁ・・・も少し台詞の間とかタイミングとってもーとかも
思えたっすねー

ネタバレBOX

作品世界観は毎年単位で悪の結社がヒーロー組織に倒される世界
TDFです=正義の味方=地球防衛軍ですよー(^-^)

怪人は動物と家電を掛け合わせたモノで
タイガー炊飯ジャー「炊きたて」・・・知らないんですね・・・
客席・・・笑いが起こらなかった・・・世代を感じたなぁ

OPでは怪人との戦闘の解説でTV放送形式でした
怪人を見かけたら
画面下の番号か
詳しい情報は画面のQRコードからって
台詞は入れて欲しかったかなぁ と

主人公さんがファミレスで働く姿は
なんか「君が望む永遠」ってゲームの主人公思い出したわー
(鬱ゲーです 耐性の無い方は やらんことを奨めます)

怪人はひたすら音声のみだったり
No.1のヒーローも声だけだったりと
なかなか楽しい作りで
舞台も後方の通路とかはワザと見せてたりと
チープ感も使い倒す演出は面白かった

キーアイテムともなってた炊飯器は
黒ベースでしたが
白いビニルテープをギザギザにして
虎模様風にしても楽しかったかもー

ラストの盛り上がりは良かった
次代に託すヒーローの意思とか
悪の総統になった大学同期の話とか
(まほろまてっくみたいな感じね)
悪の女幹部さんは印象強かったなぁ
いろいろとー

ただ最後にタイトルともなっていて
主人公の無力感に止めを刺した
システムエラーで暴走し地球圏を離脱したスーパーホークが
0.3光年離れた宇宙で地球に似た星に着陸したという下りは
感動は出来るんだが
エラー起こして無人飛行してる機械なんだから
作中で何らかの説明台詞入れて
せっかく外宇宙に出るからと
天文班とかがスーパーホークのシステムに探査プログラム仕込んだ
とか いろいろと説明加えて欲しかったなぁーって思えたデス

強化服とか情報担当の職員さんとの色恋とか
TROUMANみたいなレトロ感も良かったなぁ~♪

地球防衛組織に勧誘された日から
毎日欠かさず続けてきた腕立て伏せが出来なくなり
失恋よりもヒーローになれなくなった事よりも
強く喪失感を感じるシーンは共感強く出来ました
キンモクセイの頃

キンモクセイの頃

アダチコレクション

ユーロライブ(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/08 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

舞台芸術だからー長くても
映像とコントは半々ぐらいと思っていたら
映像の方が長かったー

でも映像の登場人物たちが
そのまま後のコントで登場して
生舞台での映画の続きって感じは新鮮さが
チョイ感じられて面白かった

ネタバレBOX

タイトルのキンモクセイとか
劇団のポスター貼りとか
常連さんとか
ニオイとキオクの話とか
散りばめられたエピソードが印象強く残りました

劇場は完全なミニシアターだったなぁ~とも感想をば
椅子にドリンクホルダー付っす
幕末サンライズ

幕末サンライズ

URAZARU

ザムザ阿佐谷(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

三人姉妹

三人姉妹

アトリエ・センターフォワード

シアターX(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

#藤堂海 #安藤瞳
#北澤小枝子 #矢内文章
#みょんふぁ #本郷弦
#根本大介 #岡田篤弥
#山岡よしき #三瓶裕史
#今井聡 #西澤香夏
#堂下勝気 #あさ朝子
(敬称略)
何度観た作品だろうか。自分史上、最も多くのカンパニーで観た作品かもしれない。その時々に良さがあって、キャラクターの見え方もさまざま。これだけの不朽の名作であれば、俳優も役への思いが強まるのは必然。きっと、自分ならではの役作りをトライしたに違いない。
受け取ったイメージとしては、男性キャラクターが思いの外、明るい感じがした。これまでアイツもコイツももっと卑屈で陰気なイメージを抱いていたので、案外ポップに見えて、嫌われていたり愛せなかったりする人に思えなかった。誰かを欺いている人ばかりの陰湿な空気が、曇天のロシアの気候を代弁しているような作品だと認識していたので、サラリとした手触りに仕上がっているような気がした。
今作の最大のポイントはイリーナではなかろうか。未成熟の雰囲気を受け取る作品が多かったけれど、北澤さんは芯のある三女を立ち上げたと感じる。大好きな安藤さんの二女は黒を纏っても妖艶で、藤堂さんの長女は穏やかだった。
これまでとはひと味違う三人姉妹が育ったと思う。

Opus Postumus 69

Opus Postumus 69

salty rock

レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)

2022/12/09 (金) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/12/10 (土)

価格2,500円

10日19時開演回(88分)を拝見。

顔馴染みの役者さん達が繰り広げる、シリアス・達観・ファンシー・ファンタジーな4つの短編は、他では中々お目にかかれないテイストのモノばかり。存分に演劇を堪能できた90分弱。

あと、最後に神野剛志さんが見せた藍染めの姿には、事情を存じ上げているだけにジーンと来た。

超科学戦闘機スーパーホーク1号の着陸(再演)

超科学戦闘機スーパーホーク1号の着陸(再演)

劇団鋼鉄村松

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/12/08 (木) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

表層的には、子供の頃 TVやデパート屋上で観た正義のヒーロー”ショー”を思わせるようで 面白可笑しい。しかし<非現実の>ショーや妄想ではなく、地球防衛軍と悪の組織との対決を描いた世界である。壮大な世界観に街中のファミレスを登場させ、そのギャップというか違和感に戸惑いを覚えるが、そこに公演の肝がある。

説明に「少年の頃からの夢を絶たれた男の絶望と再生の物語」とあるから、ファミレスで働いている今に至った男の軌跡を辿るような展開である。長い回想シーンによって男の過去と心情を説明し、それでも諦めきれない思いがファミレスの仕事ぶりに表れている。そこに現代社会人の悲哀が透けて見えるようだ。

少しネタバレになるが、主人公の名は「御陵<みささぎ>」、他の地球防衛軍のメンバーは七草、尾鷲そして長宗我部である。一方、ファミレスの店長や従業員(バイト)は、鈴木、佐藤、田中である。姓によって選ばれた「特別」な人と庶民とを表現し、特別な人から普通の人へ、その心境を笑いの中で巧みに紡ぐ。御陵の穏やかならぬ旅路を「スーパーホーク1号の着陸」に準えて、上手く軟着陸出来たのだろうか…。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は一段高い平台。そこにパイプ椅子2脚のほぼ素舞台。平台の色はRED&GRAYでスタイリッシュな感じ。
公演は、超科学戦闘機という空想物をコメディタッチで描いているが、そこには現代社会で働く人々の<悲哀>意識が垣間見える。同時に逞しく生きるといった応援メッセージが込められている。硬軟といった二面性で描いているが、それを巧く体現している役者陣の熱演ー独自のセンスでの人物造形、それを物語の中で上手く昇華させている。

選ばれた特別な人間、地球防衛軍の次期 正義のヒーロー最有力候補だった男が、訳あってファミレスの副店長へ転職し、慣れない仕事に従事することになった。過去、といっても2年前の栄光を引きずり悶々とする男の挫折・絶望と再生・希望の物語。単に面白可笑しいだけの内容ではなく、人の心を縛り付ける「特別」意識、もしくは「優越」を描き出す。

次元の違う国家機関と街のファミレス副店長という立場というか立ち位置の変化によって生じる戸惑い。自己承認〈肯定〉が崩壊したのだ。これほどのレベルの違いではないが、例えばサラリーマンが会社組織の中で役職を解かれる、または定年退職で嘱託雇用になり、元部下に指示されたり といった身近なコトに通じるよう。その悲哀が面白可笑しく描かれている。

意識の縛りとともに、肉体的な訓練ー毎日 腕立て伏せ100回を自身に課していた。事情によってそれが途切れた時、日課が断たれたという挫折感、しかし 行わなければという呪縛からも解放される。繰り返す腕立て伏せという さり気ない動作に、意味付けする巧さ。
次回公演も楽しみにしております。
サブマリン

サブマリン

マチルダアパルトマン

北千住BUoY(東京都)

2022/12/08 (木) ~ 2022/12/14 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い!
初めて行く会場…奥行きがあり とても雰囲気がある。「アパルトマンシリーズ」と銘打った「どこかの誰かの生活を覗き見るように少人数・小規模で上演するシリーズ」であるが、この公演は単に室内生活を覗き見るだけではなく、奥行という特徴を生かした2人の世界以外の風景をも観せる。

上演前からタイトル「サブマリン」を思わせる揺れる照明、それによって海中にいるような不思議な感覚になる。この感覚は物語が始まって、主人公2人のチグハグな会話によって更に増幅する。

冒頭、日常会話やコミュニケーションが乏しくなって久しい同棲カップル、晋平と遥のかみ合わない話は、見た目は若いが 既に倦怠期の夫婦のようだ。2人は、晋平が深夜に帰宅し 遥が朝早く出掛けるという すれ違いの生活をしている。日の当たらないアパート といっても4階なのだが、何となく閉塞感があるようで息苦しい。そんな生活を打破するために…。

登場人物は、2人以外に遥の妹・茜、大家(の息子)、そして男という5人。男は 駅前にいたホームレスで、遥そして茜にとって「この人、私のお父さん」かも知れない。男は一言も喋らないが、その風貌や雰囲気は圧倒的な存在感を放つ。少しネタバレするが、上演前に上手奥で寝ており、間際にムクッと立ち上がり、物語途中から登場する。彼が寝ていた所には、手作りパン店、パーマといった看板が見える。そこに舞台正面の一室以外の風景(世間)が見える。
(上演時間1時間30分)【青サブマリン】

ネタバレBOX

2人が同棲している部屋は、中央にテーブルと横並びに革張りの椅子2つ、上手に玄関、台所(シンク、冷蔵庫、トースター等)、下手に整理棚と別室がある。衣装は状況に応じて着替えるが、やはり普段着・・ジャージやスウェットを着ていると、部屋を覗いている気になる。

遥(早舩聖サン)は知り合いに子が生まれたから見に行こうと提案するが、晋平(竹内蓮サン)は前から2人で外食する予定だったと 返事を濁す。遥が言う「子」とは、以前行った動物園のゴリラが出産したこと。2人の会話、どちらかと言えば、遥の斜め上から、もしくは斜め下からといった内容に晋平が振り回されているようだ。晋平は結婚を意識し、遥は別れる準備として一人暮らしの物件を探し始める。ある日、遥は駅前にいたホームレスを連れてくる。幼い頃、遥と茜(樋口双葉サン)を置いて出て行った父かも知れないと…。十数年も前に別れた父・・ぼさぼさの髪、古着を何枚も重ね着し、靴下の指先が(穴)破けている、そんな見分けがつかない男が「お父さん?」と訝る晋平。言わば闖入者的存在の男によって、2人の関係が更に歪んで…。

一言も喋らない男(久間健裕サン)、対照的に機関銃のごとく喋り続ける大家の息子(葛生大雅サン)。この息子の役割が判然としない。2人がいるアパートは近々取り壊す予定、結果的に2人は別れるか、同棲を続けるために新しい物件を探すか、という選択を迫られる。その状況作りであろうか。表面的には寡黙と饒舌、貧困と富裕といった対照人物を登場させ、<一般的な>庶民である2人の暮らしにこそ平和や安らぎがあると言わんばかりである。

舞台技術は時々、揺れる照明、ブクブクといった効果音で海中を思わせたかと思えば、日当たりを感じさせる格子の暖色照明を照射する。そして演技、ラストの晋平(居酒屋経営が目標)が作った料理を食べた遥と男の表情、遥は不味いと言うが、男は無言で しかめっ面に観客から失笑が。

物語には暗喩が散りばめられているようで、例えば 幼い頃に飼っていた犬、それを意識してか「ホームレス」を拾ってきたという表現になっている。一度 拾うと簡単に捨てられないは、関係をもったら直ぐには断ち切れない。常識というフィルターを通すとあり得ないことだが、そこにマチルダアパルトマンの一筋縄ではいかない面白さがある。
次回公演も楽しみにしております。
超科学戦闘機スーパーホーク1号の着陸(再演)

超科学戦闘機スーパーホーク1号の着陸(再演)

劇団鋼鉄村松

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/12/08 (木) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

シンプルなセットの舞台が、照明や転換、役者陣の芝居で、この話のあらゆる場所に見えてくる。面白い。

わなわな

わなわな

ジェットラグ

雑遊(東京都)

2022/11/29 (火) ~ 2022/11/30 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/11/30 (水) 13:00

ロベール・トマかアイラ・レヴィンか?な騙し合い/化かし合いサスペンスと江古田のガールズ/山崎洋平的笑いの融合。
(先述の作家の作品が好きだと特に)起こっていることすべてを疑ってかかり、二転三転のたびに「ほらやっぱり!」と思い、それでもなお騙されてしまうのが快感♪

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