美々須ヶ丘
fukui劇
劇場HOPE(東京都)
2022/12/14 (水) ~ 2022/12/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
休憩無し約1時間55分、女子トークから始まってオフィスあるあるネタに笑っていたらいつの間にかトンデモない世界に引きずり込まれていました。終盤はややスローになりましたが、そこまではテンポよく2時間弱があっという間、セットもよく作りこまれてました。ただ15禁の理由はさっぱり判らず。
口火
イサカライティング
アトリエ春風舎(東京都)
2022/12/08 (木) ~ 2022/12/12 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
こりっちデータで見る限りだが、個人ユニットを立ち上げたり役回り様々な経歴あり、中で舞台美術経験に目が止まる。照明家とのユニットというのも興味が湧くが、中味は全くの未知数。
アトリエ春風舎は美術が映える小屋で、何本か吊された裸電球、簡素な机と椅子、床に置かれたタワー模型、床から壁へ続く光沢タイルの川、と言った具合。だが、開演よりアンテナ立ち通しになるのは耳と前頭葉で、これは聴いたことのない台詞である。
平易な言葉で語られる、物事の本質を探る思考。冒頭、「道具」を巡っての思考が始まり、その思考過程で用いた語を応用しつつ他へ広げて行く。その会話が遊戯のように、それが相応しいとある研究室の一角で交わされる。心地よい。幾つかの関係(人は三人まで)の模様が順に描写され、時系列で展開が進む線もあるが、物事を「裏側」から言い当てるトーンは芝居を通じて流れている。
丁寧に思考し、言葉を探し、選び、世界に放つ物腰そのものに、ある種の癒し、救われる感覚を覚える。その事だけをもっても現今のメインストリームへの痛快なアンチとなっている(と自分は感じた)。
オーガッタジャ!
発条ロールシアター
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2022/11/03 (木) ~ 2022/11/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/11/05 (土) 14:00
廃ビルに潜り込んで偶然出くわした面々の物語。そのうちの一人(主人公)が「もう一つの世界」と行き来して、どちらが本当の世界か迷うあたりが「胡蝶之夢」的で好み。
また、得意パターンでもあるラストのあのシカケは考えようによっては「簡易版桟敷童子」的ではないか?
ライダース・バラッド
円盤ライダー
πTOKYO(東京都)
2022/12/13 (火) ~ 2022/12/22 (木)公演終了
最後の伝令 菊谷栄物語-1937津軽~浅草-
劇団扉座
紀伊國屋ホール(東京都)
2022/12/13 (火) ~ 2022/12/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/12/14 (水) 14:00
座席1階
エノケン全盛期の作品を数多く書いた作家、菊谷栄の物語。最後の伝令とは、中国戦線に赴くために青森に集結した旧陸軍部隊に東京から赴いた菊谷に、劇団員からのメッセージを伝えに走った青森出身の女優のこと。劇中では彼女がなぜ菊谷のいる東京の劇団に入ったかの経緯も明かされ、戦時下の暗い時代に夢と希望を追った女性の人間像も描かれる。
浅草の庶民の娯楽、喜劇や華やかなレビュー。舞台では冒頭から、楽しい歌と踊りが展開する。しかし、エノケンの全幅の信頼を受けていた菊谷は、召集令状を受けて黙って青森へと姿を消す。伝令に走ったのは、青森出身の女優だ。なにせ会話は強烈な青森弁だから、何を言っているかはあまり分からない。それでもこの役を演じた北村由海は、体当たりの演技で劇団員からのメッセージを伝えていくところがとても印象的だ。
舞台の真骨頂は、菊谷がどんな思いで伍長として青森の若者たちを束ね、戦地に赴いたかというところだ。出撃前夜の宴席を通して、その無念さと、吹っ切ってきたはずの吹っ切れない気持ちが痛いほど伝わってくる。劇団員たちの思いは、菊谷を無傷のまま戦地から故国に返してほしいという点に尽きる。それを受けて、菊谷の部下の若い兵隊たちは「100%完全に敵をたたきのめし、伍長殿をお返しします」と叫ぶ。だが、菊谷の独白では、自分たちがたたきのめす敵軍の兵士たちにも恋人や家族があり、やはり無傷のまま帰ってきてほしいとの一点を願っているだろうという趣旨のせりふがある。どちらかが倒れるまで戦うのが戦争だ。戦時下では劇場の扉は開かないと、強烈なメッセージが客席に届く。
そうしたせりふなどに胸を打たれ、鮮やかなダンスに目を奪われ、一時代を築いた浅草の舞台芸術が描かれる。ラストシーンに近いあたりで登場する見送りの場面がとてもいい。涙あり、笑いありで、客席の大きな拍手はいつまでも絶えなかった。扉座渾身の力作だと思う。
ティファニーで朝食を6
THE REDFACE
横浜関内ホール(神奈川県)
2022/12/10 (土) ~ 2022/12/10 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
原作が映画と結末が違うことを今回はじめて知りました。お二人の感情のこもった朗読、素晴らしかったです。情景を浮かべながら拝見させていただきました。
ライダース・バラッド
円盤ライダー
πTOKYO(東京都)
2022/12/13 (火) ~ 2022/12/22 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
三篇とも心に染みる、暖まるいいお話でした。それぞれ、ホロッとする場面があって良かったです。最後のが私は一番好きでしたね。内容は少しなぞもあり重いのですけど、明るく爽やかに見せてくれたように思いました。こういう企画も良いですね。
サブマリン
マチルダアパルトマン
北千住BUoY(東京都)
2022/12/08 (木) ~ 2022/12/14 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
「青いサブマリン」を観劇。前回見た「ゴンドラ」では人物の描き方が自然でそれぞれの行動に至る動機や感情の流れがスムーズでとても惹きつけられたが、今回のお芝居では登場人物の感情や言動の描き方が不自然に感じられる箇所がいくつもあってモヤモヤした。
『ダークダンス』
尾米タケル之一座
ウッディシアター中目黒(東京都)
2022/12/07 (水) ~ 2022/12/14 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
英雄と怪人の人格が入れ替わる、二重人格という設定も含めて既視感がある。公演の面白いところは、二項対立というかある事柄の違いを際立たせたり、時間軸(20年間)を経ることによって意識や情況の変化を巧く紡いでいるところ。例えば善を表すボディネーションと悪を表すダークダンスの意識、その人格を入れ替えることで、人の潜在的な人格(表裏ある性格)が浮き彫りになる。さらに過去と現在を虚構と現実という観せ方で、人の思いの移ろいや社会という状況の変化も見えてくる。その立体的な構成が巧い。
しかし、キャストの多くが複数役を担うことで、表面的なところで違和感を覚える。物語の構成を意識した配役になっているが、少し分かり難いところが勿体なかった。
(上演時間2時間30分 途中休憩15分)追記予定
人魚姫の庭
マルチリンガル演劇実行委員会
あうるすぽっと(東京都)
2022/12/12 (月) ~ 2022/12/12 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ファンタジーで現実を抉った傑作、華5つ☆。 デンマークにある人魚姫の像は余りにも有名だが、人魚に纏わる様々な伝説やファンタジーの類は、その幻想性が極めて魅力的でイメジャリ―な点、舞台でどう表現するか? 相当に難しいのではないか? そう案じていたのだが杞憂に終わった。今回は1回切のプレ公演として演じられた舞台だったが、本公演は2023.2月25日(土)13時30~21時15分及び26日(日)10時~18時30分にプレ公演と同じあうるすぽっとで上演される。1日券は前売り3000円、2日券は4000円で当日券は各々500円増しである、予約開始は2023年1月中旬からを予定しているとのことだ。
『ダークダンス』
尾米タケル之一座
ウッディシアター中目黒(東京都)
2022/12/07 (水) ~ 2022/12/14 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
中身が入れ替わってしまった”悪”と“ヒーロー”のその後
それぞれが模索する2つの流れ(生き方)
元ヒーローはさすがヒーローをやってきただけあって実直な行動
その一方で元悪の行動がちょっと薄気味悪く・・・
この2つの流れを見ていると”正義”“悪”といった概念が こんがらがってくるようで興味深く、2人の距離の間で飛び交っている見えない緊張感に惹きつけられます
そして事件から時を飛び越えること20年、自堕落オジサン(実は遠い過去にヒーローとの繋がりアリ)に降りかかる第3の流れ
この第3の流れが一番多くの笑いを含んで、更には作品の世界観がより立体的に
“笑い”といってもドタバタ系のそれではなく、登場人物達の人間性が醸し出す”笑い”なので、どちらかというと「ストーリーを楽しんでいるうちに結構笑っちゃってたね」的な面白さ
なので開演前にあった「声を出して笑ってくださいね」笑い押しのアナウンスはかえって違和感となり残りました
人は記号ではないし、今見えている姿が全てというわけでもない
自分の中で納まりの良い、自分に都合の良いモノの見方には気を付けないと…
笑いだけでなく自身にいろいろ問い掛けてくる公演でもありました
(こうして客観的に観ていても、なかなか難しい課題だなぁと思いますが)
ヒーロー、悪の怪人、自堕落オジサン、3者それぞれに流れの中心となって活躍されていたなか、それらを支える役者さん達の活躍っぷりといったら
アンサンブルが実に見事でした
ライダース・バラッド
円盤ライダー
πTOKYO(東京都)
2022/12/13 (火) ~ 2022/12/22 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
テイストの異なる3つの話のオムニバスだが、いずれも日常とは何だろうと考えさせる
それぞれはまり役だと思う
個人的には最後の「ホタルノヒカリ」が一番心にしみた
と言うか、今年最後の観劇があまりに切なかった
流血サーカス
劇言鬼
表現者工房(大阪府)
2022/11/24 (木) ~ 2022/11/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
Aキャスト観劇。
予約完売、満員御礼との事ですが…
1500円でこの内容、頷けます。
学生演劇でよく拝見する役者さんが多数ご出演、演技に引き込まれます。
そして内容は……
タイトル通り、結構ダークで、ひーー怖い!!
心がどんよりする公演ですが、突き抜けてて逆に清々しい!?……かも
こちらトゥルーロマンス株式会社
なにわニコルソンズ
道頓堀ZAZA HOUSE(大阪府)
2022/11/25 (金) ~ 2022/11/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
嘘から始まる真実の愛って?
はたまた結婚詐欺か?
合法ギリギリの《運命の出会い》結婚サポート会社を舞台に、係長の反乱?そして社員同士の恋の駆け引き?!
しっかり笑ってホッコリする、ドタバタからの二転三転の衝撃ラスト!
愉しすぎ!
面白かった。
ライダース・バラッド
円盤ライダー
πTOKYO(東京都)
2022/12/13 (火) ~ 2022/12/22 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
あれ、円盤ライダーってオムニバスやったことなかったかな?と思う程
スタートから繋ぎ(というのでしょうか)終わりまで素晴らしい3つの劇でした。
それぞれの配役がとにかくはまっており
年末に心の底から温かくなれました。
どの劇も見ながら口元は笑っているのにゆっくりと温かい涙がつたってしまいました。
朗読劇「アネト-姉と弟の八十年間の手紙」
兵庫県立芸術文化センター
兵庫県立芸術文化センター 中ホール(兵庫県)
2022/11/23 (水) ~ 2022/11/23 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
養子に出された姉(南野陽子)と、親と疎遠な弟との心暖まる80年。
竹中郁さんの詩と共に、神戸の情景が鮮やかに描かれ、人生節目毎の機微や悲しい波風を、優しく穏やかに語られていく。
手紙だけで繋がった、会った事のない姉と弟、必ず味方でいてくれる存在、とても幸せな気持ちになった。
劇団Little★Star-team Earth-vol.6『electro apple』
劇団Little★Star
堺市立西文化会館・ウェスティホール(大阪府)
2022/11/20 (日) ~ 2022/11/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
秋楽観劇。
孤独なりんごのアバターが乗っ取られ、仮想空間の混乱が実社会に…
小さな方から大人まで、歌にダンスに、キレキレのパフォーマンスの完成度が高いのなんの、迫力、凄かった。
練習の積み重ねの結果がしっかり現れていました。
良かった。
ヒーロー、道に迷う
劇団しし座
ABCホール (大阪府)
2022/11/18 (金) ~ 2022/11/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
千秋楽観劇。
「人を信じなさい。」
「皆の心の中にヒーローが居る?!」
これほど道に迷いまくりのヒーローが、これほど格好良いとは!
変身パターン3、葛龍仮面、格好良いぜ!!
地域のみんなの暖かさ、伝統の様に受け継がれてゆく想い、心暖まる慈しみのヒーロー伝。
ラスト涙溢れた。
感動したーーー!
縁の下の力持ち、誰でもできる事じゃない。私もそうでありたい。良いお話でした。
女と男のしゃば・ダバ・だぁ~★Suki★のつづき~
あみゅーず・とらいあんぐる
ウイングフィールド(大阪府)
2022/11/18 (金) ~ 2022/11/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
楽日観劇。
公園の清掃、父のお相手、誕生日プレゼント、二つの忘れ物、若き日の想い出、坊さんが転んだ…等々、心暖まるショートショート。
子供·青春·遠い日の憧憬が公園と重なって、佳子から未来へ想いを馳せ、しみじみ込み上げてくるものが…
流石、艶熟の演技でした。お洒落なオトナ芝居、良かった。
祝vol.30、来年も拝見致したく、楽しみにしています。
藤原さんのドライブ
燐光群
AI・HALL(兵庫県)
2022/11/18 (金) ~ 2022/11/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
板手洋二さんのハンセン病作品を初めて拝見。
差別や隔離、弱者への不寛容等、多数の事を、ハンセン病とコロナ禍を重ねて表現されていて興味深い。
安定の役者陣も流石!
一方、沢山盛込んだ為か、ハンセン病とコロナ禍の2つを重ねた事で焦点がぼやけた気がした。
またあまり関係のないJ-Alertやシールド(何かの比喩?)などは唐突感があり、話を更に曖昧模糊なベールに包み、ファンタジー感は増したが、焦点が更にぼやけた気がする。