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13日のかめはめ波

13日のかめはめ波

関西大学演劇研究部 学窓座

関西大学・千里山キャンパス内有鄰館1階多目的ホール(大阪府)

2022/09/13 (火) ~ 2022/09/14 (水)公演終了

満足度★★★

今の若い人で13日の金曜日を知っている?僕は知っているけど、周囲の反応は…。
それにしても、時間が短い…。時間を裂いて行った人には…。学生が対象かもしれませんが、開始時間も…。
内容はそれなりでしたが、トータルでは、評価は…。

笑顔の砦

笑顔の砦

庭劇団ペニノ

吉祥寺シアター(東京都)

2022/09/10 (土) ~ 2022/09/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ペニノ~っ、あのポップでアバンギャ...るらぁ? いつの間にやら岸田戯曲賞、、、戯曲? ってんで、久々行ったらば、ちと観ないうちにヒアイの分かる大人なパフォになってたんね~、おいしゅうございましたっ。

ネタバレBOX

期待膨らむ芝居前の緞帳ってば、蒸気アイロンかけとくといいかもめ~。
青ひげ公の城

青ひげ公の城

Project Nyx

ザ・スズナリ(東京都)

2022/09/08 (木) ~ 2022/09/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/09/13 (火) 14:00

座席1階

ニクスの寺山作品はおもしろい。今回はマジシャンの妙技をふんだんに取り込んだゴージャスの一言に尽きる「美女劇」だった。一見の価値はあります。

物語は青ひげ公の七番目の妻になるために城を訪れる女性をメーンに展開していく。妻になるためには、順番が前の妻たちが死ぬ、つまり殺されなければならない。そんな展開の中で、芝居に関する名言が披露されたり、「台本を人生でけがすな」など演劇の根本を考えるようなテーマが登場する。
そして、冒頭やつなぎの場面、そしてラストなど、ここぞというところでマジックが登場。最終盤のマジックは拍手喝采という大技だった。これだけでもこの舞台は十分に楽しめる。私が鑑賞した日は、親子連れの姿もあった。

ロボットの動きをする妻など、新体操のアスリートのように鍛え抜かれた女優たち。天井からぶら下がったつり輪をたぐって披露された宙空の演技は、もう、拍手するしかない見事さだ。ニクスの美女劇もここまで進化していると実感した2時間だった。

コラソンのかぎしっぽ

コラソンのかぎしっぽ

コラソンのあんよ企画

APOCシアター(東京都)

2022/09/09 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★


 短篇オムニバス3部作と題された公演で、共通項はトラウマと謂えよう。当パンを拝見すると3年ぶりの公演ということである。3作品何れも重いテーマをかなり軽やかに仕立て、而も登場人物数に無駄のない事、脚本に於ける性格描写や仕草態度に現れる状況への反応を含め極めて本質的且つ丁寧な表現に達している点に感心させられたのは、この3年のたゆみない努力と集中の結果であろう。各々30分程の作品であるが、筋の展開も滑らかで自然であり、同時に登場人物達の傷が観客に問い掛ける問題はキチンと我々を立ち止まらせ考え込ませるに充分である。作品のあらまし、舞台美術等については以下に記す。
 舞台美術の基本形は下手にある階段を登り切った所からが板である。板上は、階段に平行するように黒幕で覆われた一角が袖として機能するが、出捌けは階段と客席側通路の2カ所。これが3作に共通する構造である。各作品によって用いられる小道具は異なるので作品毎に大方を説明する。オープニングではコラソンのかぎしっぽや、他の様々なにゃんこが登場する動画が流される。にゃこの世界にも色々あるにゃ、と観て居れば良いにょら! にゃ。この主宰なら、何をやっても良い作品を創るだろうにゃ。今後も楽しみにゃ~~~~。

ネタバレBOX


1:「ユンタン、故郷に帰る」
 設定はマンションの一室といった趣。ドアは役者陣の演技で表現するので実際に造作は無いがドアの場所は階段を上がり切った直ぐである。室内は奥に、上部にTV等の載った収納用家具、板中央にテーブル、その奥に座布団、部屋の上手には予備の座布団が重ねられている。暗幕内側はキッチンと仏壇の置かれた部屋があるという設定だ。
 初老の男(父)が独り居る。チャイムが鳴るが、何故かその後の反応が鈍い。漸くドアを開けると女性が独り立っている。何となく入りづらそうだ。だが、親子である。久しぶりに帰郷した娘であるにも関わらず不自然な動作は、勘当されていた娘だからであった。父は許していたのだが、娘は母が亡くなった後も母は自分を許していないと信じている。それで態度がぎこちないのだ。娘には自分の所為で父の経営していたタクシー会社が倒産したのではないか? と内心忸怩たるものがあった。娘の過ちとはAV女優をやっていたことであった。信州の某所が舞台として設定されているのだが、矢張り地方では、社長令嬢がよりによってAV女優として有名になってしまえば、父の経営する会社や従業員迄、悪口雑言をぶつける対象になる。一家の評判はがた落ちだ。それは娘として痛い程分かるから、友人から最近聞き知った会社が他人の手に渡った話もそれが原因で破綻したのではないか、と娘は気に病んでいたのである。にも拘わらず存命中、母には決して許して貰えず実家に戻ることも出来なかった。だが会社破綻の原因は父が連帯保証人になった相手が経営に行き詰まり失踪してしまったことが原因であった。また彼女がAV出演したのも騙されてイキナリ書類にサインさせられ、而も撮影は既に現場も決まっていて直ぐにそこへ連れて行かれ契約に違反すれば数百万の違約金支払い義務があると脅されての出演であった。契約期間は2年、現場スタッフは皆感じも良く、手荒なことをされることも無かった為、また彼らも家族を抱え、生活をする為に関わっていることを思うと自分が出演することで金になり彼らの生活が保障される構造を思えば仕事をキャンセルすることも出来なかった。
 この事情の詳細が判明するのは、人手に渡った会社の旧従業員リストラ回避の為に兄が奮闘して一部の従業員は新会社での再就職が決まったことや、権利移転後の種々の雑用や人間関係に今も多忙を極める兄と妹を会わせて驚かそうと考えた父の「兎に角寄れ」の号令に兄が従ったからである。妹を見るや否や、兄の怒りが炸裂、妹がAV出演した結果家族や会社、従業員の被った被害の実情が暴かれ観客に分かる作りになっている訳である。兄は結局、形としては怒って直ぐ帰ろうとするが、父に久しぶりに来て母さんに挨拶もせんのか! と怒鳴られ仏壇で祈ると直ぐ次の仕事に戻ってしまうが、残った父と娘の対話の中で、母や兄の家族としての深い念をも父が説明し、娘を肯定することで傷ついた娘の魂に射す一条の光が見える形で終演。
 By the way,今作の効果音に都会でも良く鳴き声を聞く鳥・シジュウカラの鳴き声が用いられているが、彼らは20以上の単語を持ちそれらを組み合わせて文章を175以上駆使することができる、との解説もしてもらえた。自分も鳥の鳴き声や虫の鳴き声等を日常的に観天望気に応用しているので納得がゆく話であった。
2:「ディック・マードック」
 来日したこともある、プロレスラーのディック・マードックのファイトシーンや、一度リング用パンツをずらされてお尻が見えてしまったことが観客に受けて以降、わざとパンツの紐を緩めにしてずらされるように仕組んで居たお茶目なマードックの紹介映像が映された後、作品が始まる。板上は喫茶店内部。丁度奥と手前の中ほどに丸テーブルと椅子が距離をとって配置されている。上手丸テーブルには、男性客が1人、観客に背を向けて腰掛け、下手丸テーブルには、芙由美が観客の方に顔を見せて座っているが、雑誌を広げて読んでおり、途中から彼女の親友・遥が登場、右隣に座る。下手客席側に接するように参加した観客が喫茶店の客として座っている所にも小型丸テーブル。
 芙由美と遥は既に37歳、未婚であるが、芙由美は近々結婚の予定で式場を選ぶ参考にする為ブライダル関係の雑誌を読んでいたのである。遥は積極的で気が強く、芙由美が子供の頃苛めを受けていたのを助けて以来の親友である。芙由美は、内攻的なので全く他の客の迷惑になるようなことは無かったが、遥到着後、静かだった喫茶店は俄かに騒々しい喧騒の場に早変わり。その様たるや式場選びでも恰も主役は遥の如き勢いで他に客がいるにも拘わらず大声で話す。だが、それだけならまだしも若い頃から2人であちこちに外遊した思い出を語るうち、ブラジルでナンパされた男達を相手に乱交紛いの饗宴を楽しんだ下ネタを大声で話すものだから、客が喫茶店のマスターに注意してくれと頼み、一度目は何とか収まったものの、直後トルコでも矢張り男達と致した下ネタを大声で騒ぎ立てたものだから先程の客が再びマスターを呼んで注意して貰っていると、女2人が逆切れ。大人しいハズの芙由美は殊に激しく切れて凄い啖呵を切り、女2人で客に乱暴狼藉を働き、様々なプロレス技でさんざん痛めつけたのみならず、客席に居た観客の方に彼を放り出す、そこへ棍棒型の器物をフルスゥイングされてかっ飛ばされた後、一斗缶で頭を強打された客はKOされてしまう。この被害者役を主宰の西山氏が演じている。作・演・役者3役をこなして一番物理的に痛い部分迄請け負っている点に、主宰としての覚悟を感じた。
無論、遥は芙由美に先を越され、自分独りが独身であることを今更乍ら悔しいとも、惨めとも淋しいとも思い、本来ヘテロであることもあり、このような展開の中独り取り残される身になると、ずっと共に過ごして馬鹿なことも一緒にやった友への羨ましさが内側から沁み出してきたのであろう。この辺り、伴侶を得て強くなっている芙由美と遥の心理的優劣の関係がほの見えるようで興味深い。
3:「かつおの玉子焼き」
 玉子焼きは定番メニューのそれである。かつおが平仮名表現なのは、無論、言葉遊びだろう、板上基本的なレイアウトは下手に斜めに置かれたベンチが1つ。これだけである。階段を上がってきた酔っ払い男・日系4世のミゲールはベンチの傍に財布が落ちているのを見付けた。拾おうか、そのままにしておこうか逡巡しつつ、財布の周りを何度も周回した後、財布を拾い上げ中身を確かめたりしている。ミゲールの服装は半分路上生活者のようである。髭もぼうぼうだ。そこへ身なりのパリっとしたサラリーマン風の男・勝男が現れ財布を返してくれ、と言う。勝男はミゲールが財布を盗もうとしていたと勘ぐり、見付けて直ぐに普通は警察に届けると主張、これに対してミゲールは中身を確認して持ち主が分かったら直接連絡して返す方が相手も助かるし手っ取り早いから中身を見て居たのだと返し、免許証を見て財布が勝男の顔写真と同一なので正当な持ち主として返そうとしていると互いのやり取りが暫く続くが、ミゲールは犯意の無い自分に疑いを掛けたり、その上で自分に失礼な態度を取ったことを詫びろ、と迫る。その際、ミゲールが子供の頃、悪いことをしたと分かった時にはキチンと謝ることを母から教えられた話と共に、母の作ってくれた世界一おいしいペルーの玉子焼きの話が出る。まず、トマト、玉葱と少々の大蒜を微塵に刻んでソテーしそれに溶いた卵を加えて軽く塩を振り掛ける。こうして作って貰った玉子焼きの数々の思い出を語ってくれるのだが、この話実に心に沁みる。一方、勝男はミゲールに早く立ち去って欲しい。様々な対話が他にもあるが、最終的にミゲールが2千円をくすねていたことを指摘する。万札も入っていたのに2千円しか盗らなかった理由も一連のの対話の中で納得させられるが、何れにせよ財布からくすねた2千円は、見付けてくれた礼として目を瞑る。と言ったりもするのだが、ミゲールは、返金しようとして一悶着。寧ろ彼はもっとフレンドリーで自分の住む部屋へ一所に行き飲もうと誘う。然し勝男はガンとして受け付けない。勝男は、貧しかったミゲールより更に不幸な育ちをしていた。それでも何とかミゲールと仲直りしてミゲールはこの公園を離れた。そして今、彼は自殺しようとしていた。公園の木の枝に買って来た紐を何重にも掛けいざベンチから飛び降りると、枝が折れて勝男を死なせなかった。死ねずに我に返った時、不幸な子供時代にも母が作ってくれた甘くふっくら焼かれた玉子焼きは世界一であったことをしみじみ思い出して幕。
 今作の中にも2と同じように主宰が酷い目に遭うシーンが挿入されて笑いを誘うが、本当に西山氏の体当たり演技にも励ましを頂いた。感謝したい。言う迄も無いことだが、味わい深いシナリオに無駄の無いキャスティング、役者陣の力、舞台美術の合理性、動画の使い方の妙、劇場の使い方、音響・照明も良いバランスで生の舞台の良さを堪能した。観客への心遣いも有り難い。今後の作品にも期待している。
笑顔の砦

笑顔の砦

庭劇団ペニノ

吉祥寺シアター(東京都)

2022/09/10 (土) ~ 2022/09/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

リアルな生活感溢れる、ちょいと野暮でグッとくる舞台でした。介護問題なんかは実に考えさせられます。介護で学校を休学したりすると復学がかなり難しいので、可能な限り行政に頼りましょう。

夜明け、踝、泣け -2022remix-

夜明け、踝、泣け -2022remix-

劇団milquetoast+

スタジオ空洞(東京都)

2022/09/09 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/09/10 (土)

久しぶりのスタジオ空洞
スタジオだから舞台面を自由に作れる。入るなり生演奏が響いてた。
内容的にはかなり入交じりな家族劇。ちょっと忙しめだったかなかなり
主役を演じていた、かくたなみさんがすごい!はまり役っていうのかな?

笑顔の砦

笑顔の砦

庭劇団ペニノ

吉祥寺シアター(東京都)

2022/09/10 (土) ~ 2022/09/19 (月)公演終了

実演鑑賞

良い舞台だったと思います。

舞台「学徒隊」

舞台「学徒隊」

NPO法人文化活動支援会まつり

南大塚ホール(東京都)

2022/09/09 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

A4サイズの当日パンフの縦半分いっぱいに「この物語はフィクションであり、実在の人物 圑体 事件とは一切關係ない。現実はより過酷 で凄惨であり 再現など到底出來ない。」という言葉が書かれている。この言葉(特に後段)と舞台序盤の展開から、この作品は沖縄戦における少年・少女たちのことを描くのだと思っていたのだが…。

(ネタバレBOXへ続く)

ネタバレBOX

第一部は華やかな結婚式の場面から始まり、一転して少年・少女たちの、次第に戦争が迫ってくる緊迫感も秘めた日常の描写であり、15分の休憩を挟んだ第二部では「本土決戦に備えて」という台詞からもわかるように、本土から離れた島における日本で唯一の地上戦(厳密には「唯一の」は正しくない)での目を背けたくなる悲惨な状況を描き出す。

ただ、沖縄で少年・少女を動員して作られた部隊で「学徒隊」という名前が付くのはひめゆり部隊として有名なものを含む「女子学徒隊」(従軍の看護助手として配属)のみであり、少年たちのものは「鉄血勤皇隊」「防衛隊」「護郷隊」などである。だから正確には題名は「学徒隊」ではなく「学徒兵」とすべきだろう。
また、やたらと「帝国軍」「帝国」という言葉が発せられるが、当時の沖縄では「大日本帝国陸軍」「大日本帝国」でなければならないし、「帝国の国民として」という言葉も「大日本帝国(もしくは天皇陛下)の臣民として」でないとおかしい。最初は「スター・ウォーズ」の影響かと思ったほど耳障りだ。
避難壕というのもお墓(実際に見てみるとよくわかるが、本土のものと異なり、かなり大きい)かガマ(自然洞窟)であろうが、そういった説明もない。

が、冒頭に書いた当日パンフの言葉からてっきり沖縄の地上戦を描いているのだと思っていたのが、次第にこれは沖縄のことではないのかもしれないと思い始めたのは、沖縄の地名が一切出てこないし、「敵」というだけで「米軍」とか「鬼畜米英」なんて言葉も一切用いられないからだ(沖縄に上陸したのは米軍のみではなく、英国軍も加わっている)。また「天皇陛下万歳」と叫んで死ぬ者もいない。
そして終盤の少年兵が振る旗が赤白が反転した日章旗であることで、これは沖縄に模した架空の場所での戦闘の話なのだと確信した。
だから結婚式の場面で(冒頭の場面が、死にゆく直前の仲宗根の妄想だったという形で終盤にうまく結びついているのではあるが)純白のウェディングドレスだったのだ。当時の沖縄ではそんなものありえないし、いくら仲宗根の妄想だとしても純白のウェディングドレスなんて知りもしないのだから思いつく訳がない。少年兵が履いている靴がマジックテープ式の黒いスニーカーなのも気になる。マジックテープが発明されたのは第二次世界大戦後のことだ。

だが、そうしたことも含めて全てが沖縄ではない架空の場所なのだとしたら、当日パンフにああも大きく誤解を招くような言葉を書くべきではないし、そもそも沖縄として描かなかった理由は何なのか。役者陣は熱演だったのだが、どうにもスッキリしない。
気づかいルーシー【8月3日~14日公演中止】

気づかいルーシー【8月3日~14日公演中止】

東京芸術劇場

パルテノン多摩・大ホール(東京都)

2022/09/10 (土) ~ 2022/09/10 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初めてのパルテノン多摩訪問で、再々演にして漸く初お目見えの「ルーシー」を観劇(ちょっといい旅気分)。松尾スズキ原作、ノゾエ征爾脚色演出。ノゾエ氏は松尾氏と浅からぬ縁らしいが、舞台人の中では芝居で「うんこ」と言える人種、で括るも可だろうか。
都心でやるより子ども率(親子率)高めと見受け、地方公演の風景だなとワクワク。明らかに子どもに向かって前説するノゾエ氏が子どもモードになっている。
後方席からは俳優の判別が困難だがノゾエ氏と川上友里氏は声で判る。最初コロスのように立ち回る三人の内、舞踊的な動きは女性が引っ張っており、振付の人?等と一瞬思ったが川上氏であった。身体の切れもあるのだなと改めて。
終演後の「答え合わせ」では、おじいさん役に小野寺修二氏、馬役に大鶴佐助、王子役に栗原類、ルーシー役は岸井ゆきの、結構美味しい座組であった(調べりゃわかるつうの)。
「気づかい」がキーにはなっているが、話そのものは物質的にグロい。(登場人物の皮を剥ぐ、糞をポロポロと出す、馬の前と後ろで人格(馬格)が分かれる、等。)
ただ、話が大団円へと向かうあたりでナレーターの馬が、「気づかい」を奨励するような事を言う。シュールな話に真っ当らしいオチを付けなくても・・とは正直な思いであったが、私は子どもがどう受け取ったのかと、それを思いながら観ていた。「言っちゃいけないこと/やっちゃいけないこと」に次第に包囲されて行く社会(その最大の被害者は子ども)の中で、「何でも言っちゃっていいノダ」の世界に触れているかな??と。

Show me Shoot me

Show me Shoot me

やみ・あがりシアター

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2022/09/02 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白かった!けど今ひとつ突き抜けず!構成の巧さとか場転の面白さとかはすごかったんだけど結局会話一つ一つの積み重ねかなあ。いろんな形式を使ってるけどそれぞれでちゃんと会話できてるかどうかが結局最後まで生きてくるんだと思う。中心の夫婦二人は結構そういうシーンが多いこともあって健闘してたけどそういう人になりきろうとしている感があって、うーんなんか、何をしてほしかったり何を葛藤してたりするのかがわからないところがあった。関西弁の夫婦はそのあたりすごく会話になっていて、面白かった聞いてるだけで。やっぱ空気読める人って面白いんだな俳優として。聞けているというか。同じことはしてないんだろうなと思った。
ゆっくりのところあんま聞き取れなくて、重要なシーンだし後ろ黒かったからあそこに字幕投影してほしいと思った〜。
最後夫婦が笑うところ、お互いにちょっとベタベタしすぎててそれはちょっと違う気が、、、って思った。
しかしあの場転、私だったら絶対こんがらがる笑。すごい練習したんだろうなあ〜尊敬する。体力にも。全員すごく真面目なんだろうな。
序盤のコントが後半に効いてくる感じすごく好きだった。コントもう少し面白くなるといいなあ!すごく難しいけど。なんかいかにコントらしさから抜け出すというか、面白いでしょ!みたいな感じをなくすというか、テレビで見てるやつからどう離れられるかというか、そういうのが大事な気がした。もう演劇なんで!って開き直っちゃったほうが逆に面白いと思った。コント部分も脚本はすごく面白いと思うので。そういう意味ではOLのやつとかすごいよかったなあ。

笑顔の砦

笑顔の砦

庭劇団ペニノ

吉祥寺シアター(東京都)

2022/09/10 (土) ~ 2022/09/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

すごい。究極なくらいの具体。ちょっと引くくらい。具体だからこそちょっとした所作が気になってしまったりするのは損なのかもしれないけど汚しとかすごすぎて圧巻。あの美術だけですごい情報量。物語の進みはゆっくり。両者の問題?というか寂しさ?みたいなものの浮きぼらせ方はお見事という感じ。個人的には解決方法が今ひとつピンとこなくて、まあ解決させているわけじゃないのかもしれないけど。とにかく食べる食べる、いい匂いまでしてきて。体験でしたまさしく。
人の作ったご飯って美味しいし、元気出るし、希望だよなあ。朝。生きるってつらい。つらくて嬉しくて寂しくて笑えて。続いてく。くりかえす。

ネタバレBOX

娘が休学するのはやっぱり犠牲に見えちゃう、本人のその決断は素晴らしくても。蟹をあげることくらいしか支援?ができないのはすごく繊細な描き方だなとは思うけどもう少し関わり合いたかったフィクションとしては。漁師さんも一時的な解決にしか見えないしまああれが生活というものなのかもしれないなあ。最初はやなやつに見えてた娘が、おばあちゃんの行動を見て自然なものだと知る。家族やんか!に自分で傷つく父。家族もつらいよな。
笑顔の砦

笑顔の砦

庭劇団ペニノ

吉祥寺シアター(東京都)

2022/09/10 (土) ~ 2022/09/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

駅前劇場・KAATでも見ているけど、今回のツアーで国内最終公演ということで。ただ、どうしたって初演の印象が強い。The 生活ってカンジの作品だから、小さい劇場の方が似合うのよね。客席にも食べ物の匂いが充満しないと、ちょい物足りない。

青ひげ公の城

青ひげ公の城

Project Nyx

ザ・スズナリ(東京都)

2022/09/08 (木) ~ 2022/09/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

芝居は虚構だ、ごっこ遊びだということを前面に、おもちゃ箱をひっくり返した(そういうセリフもある)ような芝居。「台本を人生でけがすな」のセリフも。この美しい(そして儚い)ウソに現実の塵埃など持ち込むなということだ。女性の脚線美と、あらわな姿もたっぷり見せて、芝居を使って遊び倒した寺山修司の満足げにニヤリとする顔が浮かぶ。

青ひげ公の7人目の妻になるために、やってきた少女ユディット(今川宇宙)、舞台監督(小谷佳加)の指図で、まずは出番を待つ。それは、6人の妻が殺されるのを待つこと。浴室ので全裸の第一の妻(日下由美)、太ってギラついた第二の妻(のぐち和美)…空中の輪に宙吊りになって新体操のような妙技を見せる第四の妻(若林美保)、「ひばり」のジャンヌダルクを演じ、古今東西の芝生についての名セリフを披露する第5の妻(水嶋カンナ)などなど。アリスとテレスの双子や、アコーディオンとバイオリンで音楽を添える二人。そして何より、見事なマジックで舞台回しを務める奇術師の渋谷駿。

羅列的な紹介になってしまうけれど、マジック、ダンスレビュー、歌、エアリアル芸、半裸ショー(人魚姫も)、大仕掛けのマジック、地下からの花吹雪と、グロくて華やかなパフォーマンス次々繰り出す。見事な演出、サービス精神だった。スズナリの狭い舞台を目一杯に広く使うスペクタクル(見世物小屋)だった。

青ひげ公の城

青ひげ公の城

Project Nyx

ザ・スズナリ(東京都)

2022/09/08 (木) ~ 2022/09/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

主演の第七の妻、今川宇宙さんが可愛かった!流石に西郷輝彦の娘、清涼感溢れる美人。若い頃の藤圭子っぽくもある。

魑魅魍魎跋扈する虚構の世界に単身乗り込んだヒロイン、失踪した照明係の兄を捜して。芝居なのか現実なのかそのグレーゾーンを彷徨い歩く。舞台裏は魔窟で心の臓も凍る。最後までその感覚は拭えず、高田馬場のアパートに帰っても誰かを演じ続けているまま。この世は全てが芝居で、自分は客であり演者でもある。そこで何を為すべきか?答えなき問い掛けは虚しく、何の意味も持たない日々に押し潰されていくだけ。自分だけの言葉が見付からない!

MVPは文句なくマジシャンの渋谷駿氏。ネタ割れしている古典的なマジックなのだが、それでも圧倒される。彼は超能力者だと思わされる程。いや、そうであって欲しい。彼が青ひげ公であるべきで、そのぐらい作品を浸食している。
舞台美術が素晴らしく、これぞ『青ひげ公の城』。発泡スチロールでここまでやられたらひれ伏すのみ。
第一の妻、日下由美さんはヌーブラが悩ましい。
第二の妻、のぐち和美さんはそのまんま。
第三の妻、浜田えり子さんは死者。
第四の妻、若林美保さんはサーカス団並みの宙吊りの踊り子。物凄いインパクト、暴力的な表現。
第五の妻、水嶋カンナさんはそのまんま。
第六の妻、河西茉祐(まゆ)さんは人形。
第八の妻、浅井香穂さんもマジック・アシスタントも兼ねて素晴らしかった。

黒色すみれはアコーディオンとヴァイオリンで歌い踊り酔わす。BUCK-TICKのLIVEで観た以来。B−Tなら『キラメキの中で…』を聴きたい気分。

次回公演のチラシのイラストを今川宇宙さんが描いていて、凄く魅力的。

ネタバレBOX

作品は何か寺山修司感が足りなかった。戯曲の面白さを読み間違えているようなテキレジ。これじゃ物足りない。これを観て深みに嵌まる奴はいないだろう。ぬるい。
待ちぼうけの町

待ちぼうけの町

劇団俳優座

シアターX(東京都)

2022/09/02 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

リアルで情感深い舞台でした。グッときましたね。

自分の顔が愛せない

自分の顔が愛せない

劇団ハーベイ・スランフェンバーガーのみる夢

ザムザ阿佐谷(東京都)

2022/09/09 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

典型的なダークファンタジーで、表層的には面白い。またザムザ阿佐谷という劇場にピッタリと思える妖しげで怪しげな雰囲気を漂わせた舞台美術も見事だ。ただ物語の世界観がどこにあるのか暈けてしまったように思える。ラストにそれらしき台詞もあったが、さらにその先を描くことで世界観の芯がブレたのが勿体ない。ダークな光景ではあるが、登場人物がどことなくコミカルでピリピリとした闇世界(裏社会)で暗躍する人とは思えない。そのアンバランスは敢えての演出なのか。
(上演時間1時間40分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は、中央に門構えのような入り口、暖簾・丸提灯・上部にしめ縄風に布団が掛けられている。その傍にミシンや椅子が雑多に置かれ、下手奥は少し高くし別部屋(招き猫・パソコン等)、下手客席側にベットがある。全体的に雑然としており提灯が妖しく灯る。ここは「顔変え屋(兼 肉屋)」で、自分の望んだ顔へ変えてくれるが、その人の「愛」が代価になる。

物語は2部構成で、字幕が衝立壁に映し出される。第1部「顔変え屋」第2部「カヨコの逆襲」である。
冒頭 そのカヨコ(加藤恵実サン)という女子大生が「顔変え屋」を訪ねてくるところから始まる。彼女を出迎えたのがオババ(ちこ ゆりえサン)と呼ばれる この店の女店主である。中流家庭(表社会)の孤独な心のカヨコ、裏(闇)世界で暗躍するオババ、虚構の世界で繰り広げられる混沌とした物語。説明にある 東京都山手線圏内のその地下に、裏街が広がっている。顔変えと、副業で肉屋もやってる店というシチェーションがこの二人によって要領よく説明される。

自分の顔を少しでも美しく見せたい女心、一方 自分の存在自体が怪しい女、そんな女の下心と思惑が外見(見かけ)によって判断する社会(世間)を皮肉るような。同時に美しくなった顔は絶対性を持つと言わんばかりに、皆 同じ顔になり夜の街で接客するようになる。カヨコはオババに殺されそうになるが、九死に一生を得てオババの追い落としを画策する。それが自分の顔を街に溢れさせること。ちなみに或る国のミスコンで一時同じ顔の整形美人で溢れたとネットで話題になったことを思い出したが.…。整形 一概に語ることは出来ないが、物語では自分の存在を逆襲の手段(顔変え)として利用する。

カヨコの家に転がり込んでいる恋人・塚野(高瀬キリン サン)が、入院している大学の友人でカヨコを好いている相里(中村亘サン)を見舞った時に、聖書のような分厚い物語をよく読んだな と。物語は塚野の作り話…劇中劇のような世界観を思わせたが、今度は相里が自分がカヨコを救い出したと反論する。物語を書き換え上書きしたかのよう。
虚構ー変えたい者と変わりたい者、その世界を交換したら同じ環境下でも違って見えてくる光景、同じような顔にし 外見では区別はつかない。塚野は無神経な言動や態度のカヨコに顔替えを示唆。それによって何かが変わるかも…ラスト、それを実現したかのようなカヨコの一皮剥けた(闇の)姿。これによって虚構と現実の曖昧さが一層濃くなり世界観が分かり難くなった。そう物語の芯(描きたい内容)がブレたように思う。
次回公演も楽しみにしております。
SIR ROME -サロメ-ローマと呼ばれた男

SIR ROME -サロメ-ローマと呼ばれた男

破天荒あかちゃん神の名をつぶやく

千種文化小劇場(愛知県)

2022/09/08 (木) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/09/11 (日) 11:00

ストーリー的には無知な私ですが、舞台には引き込まれました。
円形舞台も場面の移り変わりにいいですよね。
ダンサーの入り込みもよかったです。

夜鳴く鳥は朝に泣く

夜鳴く鳥は朝に泣く

吉祥寺GORILLA

王子小劇場(東京都)

2022/09/07 (水) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/09/11 (日) 13:00

役者さん、皆演技力高かった。

シンプルな構造であるけど、とても良い舞台セットだった。

逢わせたい人逢わせてみた!

逢わせたい人逢わせてみた!

ツツシニウム

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2022/09/11 (日) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/09/11 (日)

昼夜とお邪魔しました。
昼は福地さんのワークショップを参加キャストさんが体験。それぞれに体験する内容に理由がしっかりあって、役者じゃない自分でも参考にできそうなことが多く、それだけでも面白いのですが、参加されていた三ツ星のお二人、織田さんがそのワークショップに対するリアクションも面白くて、ずっと笑ってました。

夜はまた異なり、福地さんと三ツ星が持ち寄った脚本をもとに、普段は見れない演出をつける工程を通しまで来場者の目の前で行ってもらえるとても貴重で贅沢なイベントでした。

純粋に舞台が好きな人もなかなか楽しめるイベント内容だったのではないかなと思います!またお邪魔したいイベントでした!

ネタバレBOX

念のためにネタバレの方で夜の公演のお話をもう少し。演出でこんなに見え方が変わるんだと心躍ってました。福地さんの脚本では三ツ星のお二人がダブルキャストでそれぞれ行ってましたが、三好君、星璃君の感情表現の強みなところが見る事ができた気がして、これを引き出してこの場で作品作り上げてた福地さんの凄さを感じてました。福地さんの演出だけでなく演技も三ツ星サイドの脚本で拝見することもでき、切替の速さや読み込みの深さに感嘆してました。
評決 The Verdict

評決 The Verdict

劇団昴

俳優座劇場(東京都)

2022/08/31 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

キンダースペース原田一樹氏の演出舞台はどうやら初めて。映画の印象が強いこの作品であったが、ほぼ映画と同じ流れを辿り(時系列に沿って進む完成されたサスペンスに手を加えるのは容易でなさそう)、イメージが固着した物語のディテールを新たに味わい直す楽しみがあった。
作品と演出とを総合して(どちらの比重が大きいかは判別できない)、物語のもつラディカルさが堅実な作りによって観客の前に差し出された、という手触りがあった。余計な細工をしない演出で若干淋しかったのは、裁判を決定づけた最後の証人と被告側(要は悪者=医療ミスを隠蔽した)弁護人とのやり取りが、映画ではカット、ズームアップによりドラマティックに編集されていたが、同じやり取りが舞台だと平面的になるため、スポットで強調、受け芝居の側が判りやすく動揺してみせる、などを観客なりに考えるがそれは無く、医療事故当時、問診票の改竄を執刀医に頼まれて従い、看護師を止めざるを得なかった無念を吐き出した劇的な証言も、淡々と処理される。ただ、明らかに偏った裁判指揮、証拠の不採用といった処理にも関わらず陪審員が要求額以上の賠償額を添えた有罪判決を静かに読み上げる神聖なクライマックスは、その前段の演出如何に関わらず訪れるのであるが。

真実とそれに拠って立つ公正さを希求する精神が、なぜ「ラディカル」と呼ばれるかは、それを許さない厳しい現実がある、という単純な事実を記すのみである。私達の目の前に恰好のサンプルがあり、かつて相対的穏やかな時代には(この映画も)ドラマの中の話であったもの。それがリアルに切実に臨場感をもって感じられるというのは、演劇界的には有難い事なのか・・。

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