ブルーストッキングの女たち
新国立劇場演劇研修所
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2023/02/24 (金) ~ 2023/03/02 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
お話はほとんど伊藤野枝物語である。野枝が九州の婚家を飛び出して東京に来るところから甘粕大尉らによって殺害されるまでを概観する。登場人物が皆さん濃すぎるので表面をなぞっただけでもこの長さ(75分+休憩15分+90分)になってしまう。
新国立劇場演劇研修所第16期生の修了公演。10月の試演会「燃ゆる暗闇にて」は盲学校の話ということで表情も動作もかなり抑えられていて正に研修というものであった。研修生には個性を発揮しないことが求められたのではないかと想像する。しかるに今回の修了公演では打って変わってキャラの濃い人々ばかりが登場する。研修生の皆さんは生き生きとして個性を存分に振りまいていた。
・らいてう(越後静月)美しい物腰が印象的。そのまま舞台でも映画でもTVでも通用しそう。それに髪型も着物もピッタリ似合っている。後半の出番がほとんどないのが残念。
・市子(米山千陽)華やかな空気をまとった女優さん。日蔭茶屋事件で実際は大杉は瀕死の重傷を負ったので、あの場面をもっと膨らませればぴったりの見せ場になった気がするがこれは演出の問題。違う芝居になっちゃうし。
・紅吉(藤原弥生)場の空気を舞い上がらせるムードメイカー役がぴったり。もっと出番が欲しそうだった。
・保子(岸朱紗)体が弱く病気がちで進んだ考えについて行けない人そのままであった。本当にそういう人かと思ってしまうのだがそんな人が演劇研修所に来るはずもなくこれは完璧な演技なのだ。
・野枝(伊海実紗)終始元気で明るく大役を見事に演じ切った。最後に憲兵に抗議するときの真剣な表情もすこぶる良い。
・島村抱月(松尾諒)メイクが完璧そして演技も完璧だった。
・辻潤(都築亮介)優しすぎる情けない男の雰囲気が良く出ていた。ただし普段の会話調でなくもっと演技らしさを感じたかった。
・荒畑寒村(笹原翔太)堅実な演技ですでにベテラン脇役の味があった。
・奥村博、甘粕大尉(宮津侑生)らいてうの夫で画家の優男と鬼の憲兵って、後で配役表を見て驚く。ミスプリじゃないのかと半信半疑だ。
・大杉栄(安森尚)男女関係においてのクズ人間ぶりが清々しく感じられるほど的確に演じていた。
以上16期生のみ配役表順
おきて
ポケット企画
ウイングフィールド(大阪府)
2023/01/27 (金) ~ 2023/01/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
なんとも不思議な感じのする劇でした。
少ない道具で、私達にしっかりと訴える(想像させる)。
ふよふよと大きなストーリーの中を揺らめくように、
知ることを知らないふりするように、
最後には「おきて」なんだな~、と。
ソフトに進めたら、なんかおきたみたいな、印象です。
だから、わかったよな分からなかったような、不思議。
個人の感想でありますが。
エリザベート【11月14日~15日、11月23日~27日、12月18日~21日、12月30日夜、1月2日昼公演中止】
東宝
梅田芸術劇場メインホール(大阪府)
2022/12/29 (木) ~ 2023/01/03 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
チケット手に入れるところから、超大変でしたが、なんとか(..;)
花さま最後のエリザベートと言うことをきいたので、何とか。
休演も前後であったりしたので、心配でしたが。。。
闇やエリザベートの無力感など良い感じに出されて話が進のは、わかって観ていても、ハラハラですね。音楽も歌、そして、踊りもしっかりと私を引きこんでくれます。よきよき。
無理して観に行ったかいがありました!
ミュージカル『キングアーサー』【1月12日~1月15日公演中止】
ホリプロ
兵庫県立芸術文化センター 大ホール(兵庫県)
2023/02/24 (金) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
ホリプロ作品なので、「壮大」「恋愛」を軸にした感じかなと思いながら、楽しんできました。アーサー王物語なので、円卓の騎士のあたりなどどのようにしていくのかわくわくでした。
悪役のかたが、総じて低めの声で歌うので、個人的にはそちらの方が安心感があり、好みでした(^.^)
カーテンコールなどの拍手が、バックミュージックでコントロールされているのが、新鮮でした。分からず、拍手し続けるよりは、スッキリ楽しめるので、よい工夫と思いました。
ミュージカルらしい、ミュージカルで個人的には満足のいくものでした。見切れ席でしたが笑
コウセイ
ラビット番長
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2023/02/23 (木) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
「白魔来る」が最初の出会いで、その後ノアールものとは出会わず、今回はちょっと違うらしいと言うことは久々のノアール?と思っていたので、ちょっとは笑わせてもどんな結末が来るかとずっとハラハラしながら見ていました。
ヴォンフルーさんが『岡田更生館事件』と書いていたので検索して事件を知りました。
と言うことは井保さんが当パンに書いていた「気になっていた事件」とはあのことかなと想像しています。早くコロナが終わって、終演後にみなさんとお話しできて、気になったことはどんどん聞けるようになってほしいです。
妖怪大戦争
劇団森
早稲田大学学生会館B203(東京都)
2023/02/24 (金) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
大人数による迫力のステージ。早稲田の学生が本気を出して遊ぶと凄い!の典型ですね。学生演劇だと年齢が近い人ばっかりで演じられるので、キャラクターの区別が困難なことがあるのですが、今回は個性的な妖怪ってことでその心配はなし。
点と線のオブリビオン
9-States
駅前劇場(東京都)
2023/02/22 (水) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
酒蔵が舞台で
純米辛口の古風な酒を軸に
頑固な杜氏と手伝い
酒の特集書きたい記者と
近所の居酒屋大将と
家を出た長男・・の織りなす群像劇かなー
セットが丁寧に作られていて
カウンター上の欄間にあたるとこが
酒瓶上下にしたモチーフになってたり
酒瓶のラベルが拘っていたりと
なかなか細かいとこまで気を配ってるなぁーと感じました
セット左右の天井付近からモニターが下がっていて
これにナレーションとかが幕間に流れて
舞台上の展開に目がいかないようにする演出は
相変わらずで上手だなーって思った
約2時間の作品 全席自由
言い訳のカフネ
創造Street
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2023/02/24 (金) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
SFチックな作品
現実的ではないが、ユートピアを求めて北朝鮮に亡命した日本赤軍を連想したのは僕だけ…
以外だったのは、姉の行動
一番苦しんでいたんだと思う反面、親の血は争えないな〰️とも
親に感謝しないと…
前回よりパワーアップしています
個人的に好きな劇団だけに、満足🈵😃✨
雲雀温泉遭難記
さんらん
アトリエ第Q藝術(東京都)
2023/02/22 (水) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
そういえばぁ
くまクマ熊ベアー アニメ2期やるんだよなぁ
・・・それはさておき
舞台セットは紗幕を用いた段のあるシンプルな感じで
雰囲気使用にと白い木の切り株を配してました
基本はダメ男系な社長さんを中心に据えた
家族と遭難現場の土地の方々との絡みです
ちょい昭和な感じの家族設定かなぁとか
感じた2時間弱の作品
「ダイハツ アレグリア-新たなる光-」日本公演
CIRQUE DU SOLEIL
お台場ビッグトップ(東京都)
2023/02/08 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
開演前からクラウンが場内をウロウロして観客にちょっかい出して・・・というのも楽しかった(うちの子どもらは恐れていましたが)のでしたが、時節柄そういうのは無くなっていて寂しかったです。クラウンは観客を笑わせ、物語を進めていくというのは変わらず、いろんな演目はどれも素晴らしかったです。お互いの信頼がないと成り立たないものが多く、エアリアルやフライング・トラピス(空中ブランコ)では手に汗握ります。
日によって演目が少し違うので、また行きたいです。
大坂夏の陣
劇団そとばこまち
COOL JAPAN PARK OSAKA・TTホール(大阪府)
2023/02/24 (金) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/02/25 (土) 18:00
殺陣・ダンスありのエンターテイメントそして笛・太鼓の迫力もあり大いに楽しめた。
いつもの伏線があるのだが壮大な物語の展開に負けてあまり活かされいない気がした。近鉄アート館の小劇場から大舞台になり少し違和感を感じた。
15 Minutes Made in本多劇場
Mrs.fictions
本多劇場(東京都)
2023/02/22 (水) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
前半3作に休憩10分入れて後半3作で
だいたい2時間の作品群となりました
作風が異なっていて
バラエティ好きには特に受けそうな気がしました
自分は好みにドストライクであります(^-^)
舞台セットはチラシに準じて
白を基調としたカラーに赤枠正方形を歪めた感じ
OPではプロジェクションマッピングよろしく
下北沢の街を動画投影しておりました
大きなセット移動とかは無く
上記の定まった舞台上での芝居となります
情景・背景などは観客の想像力で補うパターンっす
客層は一般の方よりも
何となく劇団とかの関係者さんとかが
多いようにお見受けしました
新山猫ー最終章ー
劇団丸組
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2023/02/16 (木) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
アクション俳優さんやスーツアクターさんだらけの、アクションの博覧会の様な舞台。
カッコいい✖カッコいいではちゃめちゃにカッコよかったです。
アクションがすごいだけでなく、演出もめちゃめちゃ良くて最高でした。
劇場版、実現して欲しい!!
時間よ止まれ
東京タンバリン
小劇場B1(東京都)
2023/02/22 (水) ~ 2023/02/28 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
時間を買うというSFなエピソードが入るが、妙な矛盾や破綻はまったくなく、むしろドラマは自然と淡々と進む。多くの負担を一身に引き受けて無理して頑張るお母さんを中心としたファミリードラマという印象。結局、無理はするな、ということか。
じりりた
明後日
新宿シアタートップス(東京都)
2023/02/22 (水) ~ 2023/03/01 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
老人ホームで生まれた友情
施設における人生の最終章であっても彼等の時間は息づいていて
その時間が可笑しくて哀しくて、無性に泣きたくなってきます
これまでもめっちゃ面白い脚本を書き上げてこられたニシオカ・ト・ニールさんの作品
ひょうひょうとした酒井敏也さん&武骨な渡辺哲さん それぞれの持ち味が最大限に生かされていてサイコーに面白い
あまりに自然なものだからもうそのまんまじゃないか「あてがき」最強!と思って観ていたのですが
アフタートークで登壇したお二人の素の姿はまたちょっと違っていて、そうかーやっぱり演出の力、演技の力って相当凄いってことなのだと改めて実感
脇を固めていた施設の職員、息子役の俳優さん達もそれぞれにナチュラルで、二人のおじいちゃんをより一層輝かせ且つ内容を豊かなものにしてくれていました
点と線のオブリビオン
9-States
駅前劇場(東京都)
2023/02/22 (水) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
巌流島
日本テレビ
明治座(東京都)
2023/02/10 (金) ~ 2023/02/22 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
武士の生き様を描いた作品で、とても面白かったです。
新解釈の作品で、宮本武蔵と佐々木小次郎の関係性が涙物でした。
武蔵を演じた横浜さんは、身体能力が高く、動きにスピード感があり殺陣にキレがありました。
小次郎を演じた中村さんは、立ち居振舞いが美しく、殺陣に品がありました。
ストーリーは、陰謀や裏切りや友情や愛など盛り沢山で、観応えがあり、どんどん惹き込まれました。
令和版の巌流島、大満足の舞台でした!
入管収容所
TRASHMASTERS
すみだパークシアター倉(東京都)
2023/02/17 (金) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/02/25 (土) 14:00
タイトルの通りを舞台にした芝居。作・演出の中津留が振り切った。観るべし!観るべし!!観るべし!!!(9分押し)155分。
ウィシュマ・サンダマリさんの死亡事件を題材にした作劇だが、冒頭と最後に、その後の事件、を置くことでより深みを増した。冒頭に、事件後も変わらない入管の基本と変わった職員を提示し、回想で事件を扱う。外形的には報道されている通りの展開だが、職員のやり取りにフィクションが入り、終盤で、その後の事件を扱う。この構造が見事だが、ウィシュマさん事件を扱っているところはシリアスで、芝居を観ていて初めて、いたたまれなくなって(つまらないからではなく)席を立ちたくなってしまった。演劇でなければできない表現で入管法改悪に反対する芝居で、従来ならば賛成の立場も一応扱う中津留が立場を鮮明にしたという意味で、振り切っていると感じた。死亡したスリランカ人の面倒をよく見ていた職員・沢村役の岩井七瀬が、死後の支援団体の抗議を聞くシーンでセリフが全くないのにも関わらず表情で演技していたのが、特に秀逸だと思う。いや、役者陣全員が秀逸な演技だ。
アフタートークで中津留と、ウィシュマさん事件の弁護士・指宿氏が話していたが、中津留の「この国に暮らしているのが恥かしくなった」というのは正に自分も思ったし、指宿氏の「忘れないこと」も、そうだ、と思った。
開演が9分も押すのは異状なので、何らかの説明が必要だと思う。それにしても、開演時間を7分も過ぎて、ゆっくり着席する客は何を考えているのか。
マッチ売りの少女
下北沢演劇祭実行委員会
シアター711(東京都)
2023/02/23 (木) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「マッチ売りの少女」のお題を借りた創作劇とでもいったところ。楽しい時間だった。「下北沢」の家長風に登場する本多一夫さんも可笑しい。
点と線のオブリビオン
9-States
駅前劇場(東京都)
2023/02/22 (水) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
人の輪と温かさを綴ったヒューマンドラマ。同時に現在と過去を交差させ物語としての興味を惹く上手さ。作り込んだ舞台美術が物語<世界>を具体的に観せる。よく聞く言葉…過去は変えられないが、未来は作(変え)ることが出来る。過去の出来事を描かなければあり触れた光景、逆にあり触れた日常(足元)にこそ幸せがある、そんなことを改めて知る。
タイトル「点と線のオブリビオン」は、点<人>を結ぶ(関わる)と線<絆>が生まれ 新たな世界を築き始めた現在。一方で忘却や無意識といった人の<潜在>や<歴史>を描き出した過去。それを巧く絡め、人に歴史ありーその謎を垣間見せることによって物語を牽引していく。
(上演時間2時間 途中休憩なし)