最新の観てきた!クチコミ一覧

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夏の盛りの蝉のように

夏の盛りの蝉のように

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/12/08 (木) 14:00

座席1階

浮世絵の葛飾北斎、弟子の蹄斎北馬、武士であり絵師でもあった渡辺崋山、歌川国芳、北斎の娘で画才を発揮したおえいの群像劇。カトケン事務所には少し珍しい演目だと思う。3時間近くに及ぶが、長さを感じさせないのは、役者たちの個性的な演技のたまものだと思う。

今回、北斎役の加藤健一は余り目立たない。そのほかのメンバーが結構強烈だからだ。とくにおえいを演じた加藤忍、華山を演じた加藤健一の息子の加藤義宗はよかった。おえいは子どものころからの場面を演じるので大変だったと思うが、余り違和感を感じさせない演出だった。美人画のモデル役を演じた日和佐美香も、際立つ美しさを全身で表現した。
演出といえば、北斎の部屋だけを舞台とした構成はシンプルだがこれも違和感がない。引っ越し魔だったという北斎だが、荷車を引いて引っ越す場面から開幕し、その後何度も引っ越しシーンを重ねることにより、時と場所の流れを感じることができた。

ラストシーンが出色だ。ここでは明かさないが、群像劇の締めくくりとしては分かりやすく印象深い台本となっている。今回はいつもの爆笑シーンはほとんどないのだが、せりふの妙で笑わせるし、加藤健一事務所らしい仕上がりだと思う。

ソードアート・オンライン -DIVE TO STAGE-

ソードアート・オンライン -DIVE TO STAGE-

アニプレックス/ゴーチ・ブラザーズ

東京国際フォーラム ホールC(東京都)

2022/11/08 (火) ~ 2022/11/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/11/10 (木) 18:30

2.5次元さらに進化。このような作品を見るたびにそう感じます。原作ファンはもっと会場に運ばなきゃ。

秘密結社のつくり方

秘密結社のつくり方

ACファクトリー

シアターサンモール(東京都)

2022/11/09 (水) ~ 2022/11/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/11/13 (日) 15:00

次回に続きそうな終わり方。しかも、普通の市民だった人たちが、さらに巨大な陰謀に巻き込まれ、立ち向かっていきそう。座長のボケが存在感大。

アベベのベ 2

アベベのベ 2

劇団チャリT企画

駅前劇場(東京都)

2022/11/30 (水) ~ 2022/12/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

コンビニの店員控室が現代日本の縮図みたいでした。

守銭奴 ザ・マネー・クレイジー

守銭奴 ザ・マネー・クレイジー

東京芸術祭

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2022/11/23 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

古典を上演する場合、話の面白さで評価していいのかという疑問がある。
例えばピアノコンクールでピアニスト達が弾く原曲自体への批評はなされないだろう。

演劇も、戯曲をいかに演出し演じたかで見てもよい気はする。その点では、悪くないと思うが…

一方、戯曲を選んで上演できる以上、相性や戯曲が持つ限界も考えてほしいとも思う。

キンモクセイの頃

キンモクセイの頃

アダチコレクション

ユーロライブ(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/08 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 ‟あかとんぼ”という名のスナックで起こる客とマスターとのあれこれを70分のムービーと30分の舞台で見せるという趣向の作品。

ネタバレBOX

前説をやった女性が今作のシナリオ担当者に懇願して叶った企画ということであったが、企画自体の実現成果はまずまず。斬新感は感じない。この小屋の構造そのものがムービー向けということもあるだろうし、台詞には可成り擽りもあって楽しめる作品ではあったものの生舞台の感動よりは、お茶の間TV番組的な発想と作りという感が強かった。意外性も若干盛り込まれているが、それは観てのお楽しみだ。
ダブリンの演劇人

ダブリンの演劇人

Ova9

シアターブラッツ(東京都)

2022/12/06 (火) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

滅多に見られない愉快な笑劇の舞台だ。
新劇各劇団で、山椒の小粒のような脇役で地歩を固めた女優七人と、パフォーマンスとしての打楽器奏者和田啓が加わって、アイルランド演劇の基礎を築いたア米劇場開場の顛末のドタバタ劇である。脚本はアイルランドの作家マイケル・ウエスト。ジョイスの「ダブリナーズ」も劇化している!!と言うから只者ではないのだろうが、この作品はコントをつなげて様な形式で、新しい国民劇場開場と、その日の英国国王の訪問、反体制派や当時のアイルランド市民の母国脱出願望などを背景にした、劇場人たちの右往左往である。狭い劇場で舞台は八百屋にした空間に全員出れば動く隙もない。
かなり複雑な異国の話だが、よくわかるのは、演劇人の生活は東西を問わず、だからだろう。上演台本をうまく作っていて、俳優には大変な舞台だが、皆楽しそうにやっている。コメディアデラルテや、西欧古典劇の笑劇をベースに、衣装や化粧も含めいろんな笑いの形を取り入れていて、歌舞伎まで入っている。いずれもひつこくならないところで寸止めしている。楽器演奏の和田啓が秀逸。これでが劇の基本のリズムが取れたことが大きい。
全体としては殊勲甲であるが、せっかくここまでできるのだから感想を言わせてもらうと、
まず、やはり、演出者は要るのではないだろうか。みんな頑張っていて、引くところを知らない。というか折角の機会だから、やれるとこまでやっちゃえ、でそれはうまい人たちだから解るが、客は疲れる。
二つ目、自分で人物説明も、場面説明のナレーションもやり、対面の芝居でセリフは客席に向かって言い、聞く方は横顔、と言うスタイルは、長くなると飽きるし、手もなくなる。つい衣装や化粧に頼るが、例えば、日本の浅草喜劇などは基本スタイルは同じだが、その辺はうまく処理していたように思う。
三つ目、この演目は劇場の狭さに救われている面もある。次回ははトラムとか、あうるすぽっと、とかせめて風姿花伝くらいの小屋でやってほしい。十分できるだけの内容だった。
満席だったのは喜ばしいが、後ろの方で、役者が売ったチケットで来たのか若い女性客の一群が、役者が登場するたびに、待ってましたというように内容にかまわず,嬌声を上げるのがずいぶん邪魔になった。前の方だったからよかったが、後ろの方の席だったら、「出て行け!」と言いたいところだった。

クリスマス・キャロル

クリスマス・キャロル

劇団昴

座・高円寺1(東京都)

2022/12/01 (木) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

原作を読んでいませんし、他の舞台も映画も見ていないのでよく分かりませんが、なんともあっさりした作りかと。スクルージがあんな性格になってしまった理由も説明が足りない気がします。それでも精霊とともに過去や未来を見てしまったスクルージが「せめてティムだけでも」と言い出したときにはキュンとしました。
お子さん連れの方もいて、子どもといっしょに見るには良い尺かと思います。
歌やダンス(劇中のダンスシーン)も楽しくて、クリスマスの時期を楽しめる舞台です。

日本人のへそ

日本人のへそ

虚構の劇団

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2022/12/01 (木) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

解散公演にこの演目と来て「観ない」選択肢はなく、馴染みの座高円寺で観たく残席を問い合せたら既に完売(座高円寺が満席!その光景未だ見ず)、急ぎ芸劇公演を予約した。期待は裏切られず、才気の塊である所の井上ひさし戯曲処女作「日本人のへそ」の世界で俳優たちが輝いていた。

2020年5月コロナ緊急事態宣言で中止となった公演との事だが、果してこの時点で「解散」が念頭にあったのかどうか・・クレジットとしての劇団名を消し、一度切りの記念的公演にて団員参集の機会を作り、世に解き放つ「儀式」に鴻上氏が自作でなくこの演目を選んだことに感慨を覚える(同様のお方も少なくないだろう)。作者の大真面目な遊び心に応えて俳優らが縦横に動き演じる。吃音の説明から始まる導入部、劇中劇、その主人公ヘレンの半生(悲惨な生い立ちと成り上がり)、サスペンスとどんでん返し。そして何より音楽劇でもあるこの舞台は、些か置いてかれる序盤(伏線の仕込み)の停滞を破るように不意を突く「愛」の歌で真に開幕する(愛してる、の一言で男は、命を投げ出せる、たとえ裏切られても、命を差し出す事わ厭わない、と言った内容)。歌、歌が続く一幕の圧巻は休憩前に歌われる「日本のボス」、ミュージカル並みに長尺の楽曲では、ヘレンが女=商品として転売(交換)されていく過程を描き、文化人類学的な考察(贈与論、組織論)へと誘う。日本の奇態な慣習を「讃美」した(突っ込みの無いノリ突っ込み的に描いた)倒錯に、泣ける程笑った。てんぷくトリオのコントに流れるナンセンスに通じるものがあり、それが今では相対的に(現存する構造への)より的確な批判になり、相対的に凄味が増量していると推察。(これに当てた楽曲が「君の瞳に恋してる」のノリを借用しレビュー風の脚上げで周囲も盛り上げる。)
音楽担当を見ると初めての名であったが、鴻上氏の舞台に劇伴を提供してきた元バンドミュージシャン、作曲家。ストレートプレイの鴻上作品の劇伴よりは多分今回は存在が大きく、詞の世界に当てた曲風のセンスは出色であった。
その点では昨年春に観たこまつ座(まだ昨年だったか..)の同作品は、戯曲世界には圧倒されたが舞台そのものの「現在とのズレ」の感覚が今記憶の断片に残る。こまつ座ではその前にコクーンで同作を上演したがこの時の音楽担当は小曽根真、昨年のはその前のこまつ座での初演(宇野誠一郎)の音楽に戻った。若干「寒く」感じたのがストリップ小屋のストライキ場面で弁舌を振う「左翼」、そこに現れたチンピラを引き連れたヤクザ(右翼)が元同級生で一しきり再会を懐かしむ歌や回想を挟んで徐に「対決」場面に至るまでを繋ぐその演説場面が、リアル描写だと唇寒かった(そうなってやしないかと心配になった)が、今舞台では学帽に半纏の左翼には三上陽永、ヤクザには小沢道成が扮し、ちょうどいいキャラを作り申し分ない。団結して闘うことは現実的にも物語的にも何が問題なのか、という話でもあるが、、今は既にコードが敷かれているのだろう、芝居を観ていても扱いが難しい(井上氏は何もかもを戯画化しているが、それでも)。

座・高円寺の横広のステージで、またもう少し近い席で観たかった思いは一瞬過ぎったが、十分堪能した。あれこれ書いたがうまく表現できてない。スゲエ、の一言以上には。

CAFE BIANCA

CAFE BIANCA

兎団

プロト・シアター(東京都)

2022/12/01 (木) ~ 2022/12/15 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/12/07 (水)

価格2,000円

12月7日に、動画配信で兎団32『CAFE BIANCA』(139分)を、2018年5月の初演時に観たときの記憶を蘇らせながら視聴。

なお、作品の本筋とは離れるが、現世の人間と、この世のものでない存在たちとが、同じ舞台の上で、互いに交錯しながら右往左往する、カオスな”ごった煮”感のシーンが、個人的には快感を覚えるほど、楽しくはあった。

ネタバレBOX

【配役】
アルトン・モーム(死してなお、彷徨える画家)…斉藤可南子さん
モームの恋人・メイ…琴音さん
娼館の女主人…立夏さん
中学生男子イム…海月悠羽奈(みづき・ゆうな)さん
中学生女子メイ…佐藤天衣さん
絵画泥棒ダミアン…原田達也さん
絵画泥棒カミーユ…柳橋龍さん
黒猫プルートォ…吉川種乃さん
人形マーガレット…めそさん
死神…おはな*さん
スフィンクス…古川ゆかりさん
狼女…藤井悠さん
マンドラゴラ(伝説の草)…たにやんさん
フランケンシュタイン…松尾武志さん
サンジェルマン伯爵…緋乃ほのかさん
グール…青山誠司さん
メデューサ…大屋優花さん
8∞8

8∞8

@emotion

上野ストアハウス(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

残念な点は劇場で見られないことくらいです。

ネタバレBOX

千秋楽まで変な色気を出さず暑苦しさ、粗っぽさを保てるのかは不安。
正直カット割りは不要に感じた。ある程度大きな画面で見る場合俯瞰で見せてもらう方が臨場感が出るし、普段の芝居よりより台詞を話していない時のたたずまいが気になる
うわつら

うわつら

殿様ランチ

駅前劇場(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/12/07 (水)

価格4,000円

7日19時開演回(119分、H公演)を拝見。

知らぬ間に病魔に侵され、医師からの「死」の宣告を受け入れた売れっ子作家の、"その日"が来るまでを描いた物語…との事前案内通り、普段の作品と同様な、クスリと笑わす仕掛けを随所に挟みながらも、基本線は死生観がテーマのストーリー。

私事で恐縮だが、過去幾度か、"生命の危機"の数歩手前まで行ったことのある身には、余命の告知を案外、平然と受け入れる心境も、また、唐突に"死の恐怖"に襲われる体験も、我が事のように感じられ、今宵、客席で独りデジャブさせられたことも追記しておきたい。

ネタバレBOX

【配役】
吉永恭一郎(末期のすい臓がんと告知された作家)…板垣雄亮さん
田辺圭子(吉永の亡き妻の妹)…斉藤麻衣子さん
夏木裕美(吉永の所属事務所の文化人部門マネージャー)…川西佑佳さん
今野淳二(吉永の弟子。作家志望)…こくぼつよしさん
加藤新平(文秀出版社のベテラン担当編集)…平塚正信さん
武藤友子(あかね出版の担当編集者)…篠原彩さん
後藤純(吉永の高校時代の友人。沖縄の離島の診療所勤務)…服部ひろとしさん
佐藤康男(吉永に密着する制作会社ディレクター)…小笠原佳秀さん
春川今日子(吉永に密着する制作会社セカンドディレクター)…里内伽奈さん
奥寺勢一(吉永の主治医。大学病院の第一外科准教授)…足立信彦さん
新道さおり(病院の準看護師。吉永の本のファン)…成海澪さん
武井伸吾(同じ病棟の入院患者。末期のスキルス胃がん)…相楽孝仁さん
安原まなみ(武井伸吾の姉)…杉岡あきこさん(A公演)/はてなさん(H公演)
蛍

第27班

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2022/12/02 (金) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#鈴木あかり #佐藤新太
#大垣友 #もりみさき
#高橋茉琴 #松田将希
#小関えりか #髙橋龍児
#松本みゆき #石井舞
#久保磨介 #成瀬志帆
#佐藤美輝 #小野里茉莉
(敬称略)
勾配が交差するようなセットが印象的だった初演を思い浮かべて、思い出を辿るような……おさらいするような気持ちで観た。
独立しているように見える幾つもの物語を、紐解くように手繰り寄せていくと、アレとコレとが繋がっていたり絡まっていたり。
喜びと悲しみが背中合わせに存在して、優しさの隣に残酷さが潜んでいる。理不尽なことが世の中には存在していて、救われる人がいて、絶望する人がいる。人生は摩訶不思議なんだ。
野球でもサッカーでも、クローザーという立場……役割を担う人がいる。松本みゆきさんが、穏やかに、そして見事に締めくくった。闇の中に浮かび上がるホタルの如く、あの人たち全員の未来を希望の光が照らしていますように。

長い墓標の列

長い墓標の列

明後日の方向

王子小劇場(東京都)

2022/11/22 (火) ~ 2022/12/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

男女の逆転や現代的なモチーフがうまく機能している。例えば、爆撃の音かと思ったらキーボードを叩く音だったのにはハッとさせられたし、お菓子や缶ビールという選択も上手かった。
一方で、冒頭など役者同士の芝居のレベルが揃っていない点が気になった。話を聞いているという芝居で、自然な相づち、大袈裟な顔芸、からだの動きなどの統率がなく芝居の抽象度への意識みたいなものが薄くなってしまっている気がする。幕のぬるっとした(いつもの?)始まり方も悪くないが、今回は客の集中を妨げているのではないか。

全部、知っている。

全部、知っている。

SPIRAL CHARIOTS

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初日観劇。面白い!
日本の小説の分類でいう中間小説のような…勿論 意味合いは違うが、推理・心理劇であり大衆・娯楽劇の中間劇のようで、幅広い観客が楽しめる そんな作品。

推理劇であり、再演の可能性もあることから 筋書きの結末は伏せておく。ただネタばれ1つ、それはある意味 閉鎖された状況で展開していくこと。それがアガサ・クリスティの「ねずみとり」、上演回数が多く人気作品を連想させる。この「全部、知っている。」も時間軸、不作為、罰せない罪、そして苦悩と贖罪といった多面的な描き方で観客の興味を惹きつける。同時に 緩い笑いを挿み適度な遊び心を観せる。

第30回記念公演・原点回帰。その謳い文句「限られた空間が織り成すパラレルミステリー」は、観応え十分、ぜひ劇場で…。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし)追記予定

君に贈るゲーム

君に贈るゲーム

ラッパ屋

紀伊國屋ホール(東京都)

2022/12/04 (日) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/12/07 (水) 14:00

座席1階

「人生いろいろ」という歌謡曲を思い出してしまった。さまざまな人生を想像しながら自分の来し方も考えたりする。劇場を出てこんなことを思い巡らせながら帰途に就く、とてもおもしろい舞台だった。ラッパ屋鈴木聡の面目躍如という感じだ。

自分はボードゲームといえば任天堂の人生ゲームしか知らないが、今作の舞台は世界中のさまざまなボードゲームが楽しめるカフェ。やっぱり常連さんがいて、しがない中間管理職という風情のおじさんがフラリと立ち寄るところから始まる。コロナ対策のマスク着用ということもあり、顔見知りではあるが素顔は知らず。お互いをニックネームで呼び合うが、同好の士ということだけあり親密な仲間だ。
そこで会長と呼ばれていた人が体調を崩したのかこなくなっていたが、ある日突然、秘書を名乗る人が来て会長の頼みを聞いてくれという。会長は何社も会社を率いているお金持ちで、静養中の海辺の別荘にボードゲームカフェの仲間に来てもらい、一晩で孫に与える人生を考えるボードゲームを作ってほしいというのが頼みだった。
そこで冒頭の「人生いろいろ」になるわけだが、先人も書いているとおり、この仲間たちはさまざまな経歴というか、多彩な人生を送っていて、ゲームにはそうした人生のエッセンスを盛り込んでほしいのだという。さて、どんなゲームになるのか。
ゲームの企画を構想するというクリエイティブな作業を一晩でやれというのも大変だが、仲間たちはスパイスの利いた会話を交わしながら、練り上げていく。この会話劇が秀逸だ。まさに、自分が経験できなかった人生を少しずつ追体験できるような構成で、それこそ客席の一人ひとりに妄想のタネを振りまいていく。

一時間半と長くないのもすてきだ。新劇系の劇団に多いが、15分の休憩を挟んで3時間半とか、いくら名作でも客席を引きつけるには限界がある。劇団の皆さんにはこんな点を考慮してほしい。

キンモクセイの頃

キンモクセイの頃

アダチコレクション

ユーロライブ(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/08 (木)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

キンモクセイの頃

キンモクセイの頃

アダチコレクション

ユーロライブ(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/08 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

行く前は、コントとあったので、何人かの芸人さんが早口でまくし立てるのを想像した。
しかし、落ち着いた感じのお芝居で、私的にはとても良かった。
間合いというのでしょうか、絶妙な感じで笑えます。
聞き取れない早さではなく、ゆったりしながら、場の雰囲気を十分楽しみ、笑える。

映像だけではなく、実際に目の前でも演じてくれる。
特に無理に笑わそうとしていなくて、自然に笑顔になり笑える。
ひとりひとりのキャラも個性があっておもしろい。
スゴいです。
お笑いの五年連続ファイナリスト。
確かにスゴいです。
本当におもしろかったです。

キンモクセイの頃

キンモクセイの頃

アダチコレクション

ユーロライブ(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/08 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/12/07 (水) 14:00

価格3,000円

長めのショートムービーと実演コント
どちらも舞台はスナック赤とんぼ。
マスターと常連客らの話で元カノやガールズバー、劇団員、借金取りらが場面毎に絡んでくる。
上げて下げるようなベタな展開はやっぱり面白い!
元カノのとてもいい演技が光ってます笑
あのなんとも言えない哀れみは元カノならではで笑えます。

君に贈るゲーム

君に贈るゲーム

ラッパ屋

紀伊國屋ホール(東京都)

2022/12/04 (日) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ボードゲームカフェの常連7人が、もう一人の常連「会長」の頼みで、「人生を込めた」ゲームを作る。教師だったが、世知辛い若者に幻滅して株屋に転身し、金がすべてと語るスーツ(中野順一朗)。水商売を渡り歩いてきたマダム(岩橋道子)。テレビ局のバリキャラからライター兼弁当屋に脱サラ?した、アイデア豊富なお局(椎名慧都)。そして平凡な主婦で、嫁姑関係に人生をすり減らしたと嘆くエコバ(大草理乙子)等々。一番平凡で、選択らしいものもしてこなかった課長(熊川隆一)が語り手をつとめる。

スーツの現実主義や、金だけが人生じゃないと「夢を信じる力」と「可能性」を訴える人々のやり取りがおもしろい。各人の人生経験のエピソードをもう少し肉付けできれば、さらによかった。ラストは、ほろ苦い真実も。
1時間半とコンパクト。じゃんけんチーム観劇。感染対策も含めて2チーム体制で公演しているそうだ。大変な苦労と思うが、頑張ってほしい

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