全部、知っている。
SPIRAL CHARIOTS
アトリエファンファーレ高円寺(東京都)
2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
物語は地方の旅館で進む。外は吹雪で外出は極めて危険、車も照明が届くのは精々2m迄で実質運転は不可能である。舞台美術は極めてお洒落な和風旅館、正面奥下手は畳が敷かれ畳の奥には円形の明り取りの障子がありその円周に添わせるように壁の上下から竹が壁に貼り付けられている。(華4つ☆、追記後送)
超科学戦闘機スーパーホーク1号の着陸(再演)
劇団鋼鉄村松
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2022/12/08 (木) ~ 2022/12/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
黎明期のTV特撮作品作品を知る身には琴線に触れるものがある。
バカバカしいが、笑える。青春群像的な要素もあり(もちろんそれもバカバカしいのだか)見終わったあと妙な清々しさも感じた。
夏の砂の上
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2022/11/03 (木) ~ 2022/11/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
松田正隆は「静かな演劇」の代表者の一人とされる。去年見た「紙屋悦子の青春」は、大声やコミカルさもある意外と普通の会話劇だったが(もちろん傑作であることは前提)、本作はまさに「静かな」劇だった。初演は平田オリザが演出したというのもうなずける。今回は栗山民也の演出。平田演出は見ていないが、アフタ-トークによると、今回の方がかなりゆっくりと、間(ま)を大きくとって演じたらしい。確かに豊かな間があった。これほど間の引き立つ芝居は珍しい
主人公の治(田中圭)の科白が「ああ」「うん」とか「何や」と、ほとんど合いの手のようなものなのに、そこに非常に豊かなニュアンスがある。ほかの人もだが、特に治に目立つ。これにも大いに感心した。仕事を失い妻にも出て行かれた鬱屈を抱えて、感情を表に出さない、言葉数も少ない人物を好演していた。
チェーホフ劇は到着から始まり、出発に終わる、とだれか言っていた。本作も妹(松岡逸見依都美=好演)が高校中退の娘優子(山田杏奈)をつれてきて、治と同居が始まる。真面目そうに見える優子が、隠れてバイトの先輩を誘惑したりじらしたり、小悪魔的要素があって面白い。治が見てないようできちんと見ていて、先輩の大学生に「早よ帰れ」と繰り返すあたりも。
造船所がつぶれ寂れていく坂の町(長崎らしいが明らかではない)の、無駄に暑いさびれた空気感が漂う。クレーンの赤錆にも通じる。その町で暮らす男、出ていく女、それぞれ確かにそこに生きている手ごたえが感じられた。傑作舞台である。
幕末サンライズ
URAZARU
ザムザ阿佐谷(東京都)
2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ラチェットレンチチームを拝見。多くの落語をベースに史実をも織り込みつつ、幕末を描いてみせた。落語ベースなので殺陣で用いる刀も総て扇子という演出もグー。
文、分、異聞
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2022/12/03 (土) ~ 2022/12/15 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
もはや50年前になったが、三島由紀夫の左翼批判戯曲の上演をめぐって文学座が大揺れした事件を描く。どう料理するのかと思っていたが、なかなか趣向とたくらみにとんでいた。
舞台はたくさんの椅子が並んだ雑然とした空間。ズバリ文学座のアトリエ(けいこ場)である。そこで、三島戯曲を上演するかどうかの議論が始まる。上演に反対する制作部。三島との関係を壊したくない演出部。杉村春子が「これをやったら文学座はおしまい」と断固反対する…。あれ、杉村にしてはやけに若い女優を使うな。それにしても結論の見えている議論を延々続けるのだろうか?と思っていると「お疲れ~」とかいって、みんなばらける。じつはさっきまで8時間続いた劇団総会のエッセンスを若い研究生たちが物まねしていたとわかる。
ここからがこの芝居の本編。研究所1期生、2期生たちが「三島を守れ、上演賛成」とまとまるが、演技が下手でくすぶっているキョウコ(梅村綾子)が一人、杉村崇拝から、反対する。皆はキョウコをなじってヒートアップ。マユミ(=小川真由美!、鈴木結里)の侮蔑の言葉がキョウコをおいつめる。キョウコが泣き出し、みなあまりにやりすぎたと反省するが、今度はキョウコが許さない。そんな中、研究生たちはアトリエの外から鍵をかけられ、閉じ込められる。マユミはこれからテレビの撮影があるから、どうしてもすぐ出たい。自信のないタダヒコ(奥田一平)は劇団の幹部陣に眼をつけられると将来がないと恐慌をきたす。キョウコが「何とかする代わりにみんなに上演反対派になれ」と交換条件を出す…。
文学座研究所の1期生、2期生はその後有名になった俳優がずらり。小川真由美のほかトオル(武田知久)は江守徹、シン(松浦慎太郎)は岸田森(岸田國士の甥)とわかる。ほかは後で調べるとお調子者のミノリ(川合耀祐)は寺田農、杉村春子をやったキリッとしたチホ(渡邊真砂珠)は(悠木千帆=樹木希林)、主役に抜擢されたタイゴ(小谷俊輔)は草野大吾等々。キョウコも大塚京子というモデルがいる。そうした実在のモデル人物たちの中に、普段はおとなしくて声もほとんど聞き取れない架空の人物(ケイスケ=相川春樹)を加えて、役者の卵たちの夢と不安、羨望と嫉妬、恋と打算の群像劇に仕立てた。
面白い芝居だった。これから文学座をしょっていくであろう若手俳優たちのシャープでエネルギッシュな姿がよい。1時間55分。
映画の都
ミュージカル座
博品館劇場(東京都)
2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了
エレガントナイトツアー
エレガントナイトツアー
横浜大さん橋ふ頭(神奈川県)
2022/12/09 (金) ~ 2022/12/11 (日)公演終了
実演鑑賞
先日の“阿佐スパ”公演に続いての観客参加型演劇鑑賞-
前説を含め、コール&レスポンスのやりとりが楽しい一体感になんだか身も心も温まるいい時間でした。それほど寒すぎない今の季節は、宝石箱のような夜景をたっぷり堪能出来てこの時期ならではの特別な観劇体験となりました。
全部、知っている。
SPIRAL CHARIOTS
アトリエファンファーレ高円寺(東京都)
2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白かったです。
謎めいた雰囲気の中、ちょこちょこ笑いが入っていて、重くなり過ぎない印象でした。
登場人物達の、それぞれの過去や心の闇が明らかになっていく展開に惹き付けられました。
ミステリー大好きなので、観る事が出来て良かったです。
サブマリン
マチルダアパルトマン
北千住BUoY(東京都)
2022/12/08 (木) ~ 2022/12/14 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
「青いサブマリン」の回を観劇
入場するとそこはもう「サブマリン」のイメージ、
水中を連想する揺れ動く薄明りの中、浮かび上がる舞台
どうなってるのこれ、めっちゃカッコいい!
出来る事ならこの舞台美術を眺めながら暫しアイスコーヒーでも飲んでいたい
セットはアパートの一室そのものなのだけれど、作品の世界観と相まってすごく良い美術セットでした
公演会場の「北千住BUoY」は初めて
広くて外からは想像できないくらい内部がめっちゃオシャレ
このところ立て続けに劇団&劇場の相乗効果を感じる事ができて何とも良い流れです
長年付き合ってきた彼氏と別れようとしている彼女
「オイオイこんな優しい男、中々いないと思うよ
貴女、これを逃すと行き遅れるよ!」これは私の心の声、細木数子か
そもそも既に冷めているからこその態度なのだけれど、あ~っもう!勝手におせっかい心が湧きあがってヤキモキしまくり(笑)
どこかの誰かの生活を覗き見るようなアパルトマンシリーズ
ヤキモキしながらも中々こちらの気持ちは届かず(当たり前か)何だかおかしな展開になっていく様は、ただもう笑っちゃうしかなく
あぁ気付けばすっかりアパルトマン式覗き見に夢中になってしまっていた
面白かったです!
三人姉妹
アトリエ・センターフォワード
シアターX(東京都)
2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
古典的な名作で俳優陣の演技も高水準だが、宣伝していないのか劇場のロケーションが悪いのか、客の入りがあまり良くなかったのは残念。そのおかげで悠々と観ることができたのだが。演出よりも演技で見せる。
ぼくのはははははのはは
エムロック
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2022/11/16 (水) ~ 2022/11/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
Bチーム観劇
舞台設定や人間関係の設定はいい感じですが、主人公の描き方、感情のぶつけ方がもう少し同感できる描き方だったら、もっと良かったように思いました。
でも、いい舞台でした!
スナイパーズ
とくお組
新宿シアタートップス(東京都)
2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
漫画で言えば「ゴルゴ13」と、説明にも書いてありますし、スナイパーと言ったらやはり寡黙でかっこいいと思いますよね。それがほとんどかっこいいとは思えないおじさんたちが、事務所と思しき部屋で開場から開演までわちゃわちゃとゲームをやっている。開演してもやっている。やがてやってくる就職?希望者・・・
シアタートップスの舞台の奥がああなっているとは!そしてお向かいはカラオケ館。そんな建物をうまく使ってこれから仕事をするというのに、この緊張感の無さ。
ずっとクスクス笑っていましたが、ちゃんとお仕事してました。
終演後、斜向かいのミスドでエンゼルクリームやら、オールドファッションを買ってしまったのは、私だけではないと思います。
KARASAWAGI-2022
山の羊舍
小劇場 楽園(東京都)
2022/12/09 (金) ~ 2022/12/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/12/09 (金)
価格4,000円
9日19時開演回を拝見(113分)。
シェイクスピアの有名な喜劇に、スマホやYouTuberといった現代の風俗習慣を持ち込み、さらには、言葉の洪水のような長ゼリフなど、基本は原作に忠実なれど、登場人物たちのキャラクターに現代人の感覚を取り込むことで、より魅力的な人物造形に成功。おかげで、終始、楽しい時を過ごさせてもらった。感謝!
『ダークダンス』
尾米タケル之一座
ウッディシアター中目黒(東京都)
2022/12/07 (水) ~ 2022/12/14 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「そして時を経ること二十数年。」なんて説明にあったもので、ついつい素直にそう見てしまったのでこんがらかる。主役以外の方(いや、主役と言える方も)いろんな役をこなすので、え、この人ってあの人じゃないよね、いや、歳を食ったのか?という感じにもなりました。
おかげで「あ、二十数年経たらこれはこうなって、あれはああなってたのね・・・」と気づくのに時間がかかってしまいました。そのあたりは不親切というか、もっとやり方があったのでは?
悪(ダークダンス)は自然発生的?に出現したとして、初代ボディネーションはどこから来たの?と思ってしまいました。
ヒーローと怪人が入れ替わる。その後の二人の変化。面白いと思いますので、再演の際にはもっと面白く作ってください。
開演前に「面白かったら声を出して笑ってください」というアナウンスがありましたが、本当に面白かったらついつい声も出ます。役者さんじゃないので、意識して声を出して笑うのは難しいです。
KARASAWAGI-2022
山の羊舍
小劇場 楽園(東京都)
2022/12/09 (金) ~ 2022/12/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/12/09 (金) 14:00
座席1階
シェイクスピアがこのように今風によみがえるとは驚きだ。登場人物がスマホを手に検索したり、写真を見せ合う。不貞の「証拠」は、原作のように込み入った演技をしてふしだらであるといううわさを立てるのではなく、ベッドインの写真を画像で流す(もちろん、これは画像合成であったというオチだが)。そのほかにも動画を小道具に使い、下北沢の「楽園」という客席数わずかな小劇場で上演するためかぎゅっと圧縮して1幕もの2時間にまとめ上げるところなど、斬新だった。
圧縮したと言っても、原作のせりふはしっかりと生かされている。速射砲のように会話をぶつけ合う出演者たちの練度も高かった。イケメン・美女の配役は見事だと思う。ビアトリスを演じた演劇集団円の大橋繭子、ヒアローを演じた兒林美沙紀はどきっとするほどきれいだった。
とにかくシェイクスピアをこのように楽しませてくれる舞台はそうないだろう。わずか 三日間の上演。見逃すと損した気分になるかも。
映画の都
ミュージカル座
博品館劇場(東京都)
2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了
『ダークダンス』
尾米タケル之一座
ウッディシアター中目黒(東京都)
2022/12/07 (水) ~ 2022/12/14 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
発想的には面白かったんですが・・・芝居の硬さが取れていないというか、セリフが会話に感じられず。舞台の上に登場人物たちの同化しない空間が多すぎたように感じました。実力差があるために起きたことかもしれませんが。舞台の上に熱量がなかなか溜まっていかないかのように思えました。ラスト近くになって、ようやく本領発揮するキャストが出始め、“あぁ最初からこうだったら”ともったいなく。パワーのある方たちが多いようなので、今後の若い皆さんの成長に期待したいと思います。
超科学戦闘機スーパーホーク1号の着陸(再演)
劇団鋼鉄村松
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2022/12/08 (木) ~ 2022/12/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とても良かったです。
おもしろかった。
一緒に行った、私よりかなり年上の人が感激していました。
昔懐かしい感じで、こういう作品を待っていた、と、とても嬉しそうでした。
当時観た、ウルトラセブン、ミラーマン、シルバー仮面をホウフツさせる、とはしゃいでいた。
自分がスーパーヒーローになった感じの105分間。
変身シーンをマジメにやっているのは、笑え、とても良かった。
ファミレスの店長とヒーローの切り替えが素早く、ムダなく演じていた。
題名は、[正義のヒーロー] のほうがいいかな、なんて思いましたが、[スーパーホーク...] としたのには、なにか思い入れがあったのかもしれませんね。
Xmas fool
ROUND TREE プロデュース
千本桜ホール(東京都)
2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い。
劇中の台詞「人生は死ぬまでの暇つぶし」、この公演は暇つぶしではないが、観て心が温まるような面白可笑しさがある。勿論 コメディだからそう思えるのだが、やはり この時季にピッタリの演出が良かった。タイトル「Xmas fool」の通り、余命100日と嘘をつくことで、逆に追い詰められていく主人公の悲哀と周りの人々の思惑、その虚々実々のドタバタが聖夜に奇跡となる物語。
舞台となる喫茶パーフェクトに集う癖ある人々、その人生模様を通して、一人寂しく過ごす人、大勢でパーティを催す人、勿論 恋人と過ごす人 もチラッと覗けるような気がする。人と人との触れ合いがあってこそ、劇中でインターネットの情報は玉石混淆、その夢なき世界〈虚構〉を皮肉るシーンも観どころ。
謳い文句「聖夜に送るノンストップシチュエーションコメディ!」は誇張〈噓〉ではなく、怒濤の展開に自ずと前のめりになる。
(上演時間1時間20分)追記予定
美女と野獣【2024年9月4日夜公演中止】
劇団四季
舞浜アンフィシアター(千葉県)
2022/10/23 (日) ~ 2025/04/30 (水)上演中