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ドッペルゲンガーちゃん

ドッペルゲンガーちゃん

坊ちゃん嬢ちゃん

東中野バニラスタジオ(Vanilla Studio)(東京都)

2023/02/03 (金) ~ 2023/02/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

タイトル「ドッペルゲンガーちゃん」通り、自分に向き合った心象劇。自分の気持の在り様を語る内容であるが、1人2役ではなく、ハーフマスクを付けた別人物が自分に成り代わるという 演劇的な観せ方をしており分かり易い。同時に舞台美術を上手く使い、気持の整理を巧みに表現する。

物語は、パンフの記載にある章立てーー「ハムスターに呪われた女」「月の光に導かれ」「部屋を片付ける」のような内容を順々に展開していく。それは時の経過であり心の落ち着き、そんな一人の女性の心の変遷、成長譚である。

上演前から、舞台下手にいる じゃじゃんがサンの圧ある存在感。それは劇中での進行役であり俯瞰もしくは観察といった役割を担っている。そこに脚本・演出/加藤睦望さんの心象<劇>を ことさら抽象的にさせない工夫が読み取れる。
(上演時間1時間10分)

ネタバレBOX

舞台美術は中央にベット、上手に冷蔵庫や収納BOX、そして ごみ袋がいくつか。下手は姿見、敷物、衣類そしてペット<ハムスター>ケージが置かれている。因みにベットの下には からペットボトルが散乱している。部屋の散乱した光景は、そのまま 住人の心の乱れを表している。或る日、占い師に「死相がでている」と…そして飼い始めたハムスターが、冷徹に俯瞰するような。

部屋の主は満子<みちこ>(マタハル サン)、コンセプトバー「かぐや姫」で働いている。開店と同時に勤め5年が経つ。常連客・みかどくん と揉め、店長からはそれを契機に卒業(30歳代でもある)を言い渡される。以後就職もせず閉篭り生活、そんな彼女の部屋に闖入者 ドッペルゲンガーちゃん(ちこゆりえサン)が表れ…。表層的には みかどくんが姿かたちを変えてと思わせるが、心の深淵を覗き込むと、そこには自分の分身と対峙しているようにも思える。物語は三女優で紡いでいくが、満子役のマタハル サン以外は、複数の役を担っている。

ドッペルゲンガーちゃんが表れ、彼女を反面教師として心の平静さを取り戻す。いや自分の内面と向き 語り合うことによって成長を遂げていく。
<部屋>光景に心をよせる、言葉を紡ぐ、生き甲斐を見出すような。ハーフマスクをつけたドッペルゲンガーちゃんと満子、その2役1人の会話によって真の満子を立ち上げる。そのイメージの連鎖がぼんやりとした感覚・世界観を覚醒させる。冒頭の散乱した部屋が、場面転換ごとに段々と片付いていく。気が付けば、整理整頓された光景になっている。舞台美術を利用し、視覚的に心の変化を表す巧さ。

時期は 夏から冬(年越し)、それを衣裳の変化で表し、またコンセプトバーらしい可愛らしい服も観(魅)せる。音楽はクラッシックで印象付ける。
ラスト、ハムスターをケージから出すが、そこに心の解放を見るようだ。深読みすれば擬人化したハムスターの「心と体」が「自由と解放」に重なるようにも思えるのだが…そぅフライヤーの顔が…。
次回公演も楽しみにしております。
ウブスナvol.1

ウブスナvol.1

アメツチ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2023/02/01 (水) ~ 2023/02/05 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

#ナラティブアプローチ を映像で観劇。前評判通りバンタムクラスステージの細川さんの作風を思い起こさせるテイストながらそれほどこじれてなく正直長編なら「こっちの方が好みな方も多いのでは?」と感じた。(役者さんの力によるものも多いとは思うが)個人的には場面ごとの切り替えが(映像で見る限り)シームレスに繋がる感じでなく細切れになっているようになっているように感じたがごく短いやつであればありだと思うけどもちょっと疲れるというか好きでない。ストーリーは「これが正義だ」といった主張もなくわりと淡々と進んでおり非常に観やすいと感じたし趣味に合う感じ。渋めのおっさん祭りなのも100点です。車を車名でなくメーカー名で言うところ何気に好き
良い演者さんがそろっているので当然台詞が聞こえるだ聞こえないだの基本的な部分は全く不安はなく。不安要素は作演というやる側見る側共に贅沢な企画。これだけ良い作品がやれたのだから是非続けてほしいし。劇場で見たいんだよ(結局これ)

No Robot

No Robot

One Bill Bandit

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2023/02/04 (土) ~ 2023/02/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 極めて面白い。追記2023.2.7午前1時。

ネタバレBOX

 板上は、ホリゾントの手前に白っぽい長方形の箱を下手壁から上手中ほど迄伸ばし、箱の下面に階段になる程度の高さの平台を置き、ホリゾント側が袖となって基本的な出刷けはこの1か所、1回だけ客席通路が出捌けに用いられるもののメインはあくまで板上である。場面設定によってパソコンが対面で載った小さな机や付随する椅子等が配置される。
 脚本レヴェルで個々の登場人物のキャラが立ち、社会的諸関係の距離が適正である為、様々な擽りや歌舞く台詞・演技が醸し出す動態自体がモビールの動きのようなある種の必然性を持っている上、微妙な距離感を正確に表現させた演出、それに応えた演技もグー。
 ひとまず粗筋を記しておこう。工業用ロボット製造企業・月島ロボティクス企画室の高見は近く開催される業界のイベント、ジャパンロボットウィークの企画書を提出するよう命じられた。偶々真摯に考察した企画書に空きがあったので埋めるために冗談半分に出した企画が取締役に絶賛された。然しこの企画は、工業用ロボットの企画としては余りに斬新、広報するにも提案者である高見の意見は必要欠くべからざるものとされ、サポートを余儀なくされた。然し問題が2つ在った。1つは企画ロボットのユニークさ、作業する際に歩行すること。この歩行に関しては極めて精度の高い而も安定した歩行が求められる。人間がそのような歩行をするケースを考えてみるとそれは能の演者の歩行にあるのではないか? との結論に達した。そこで能の宗家(柊木家)を訪ね、その要諦を教示願うこととなった。ところで、人の動きはそれで教わることができるにせよ、ロボットの動作にそれを落とし込むことは機械工学との関係になるから、別問題だ。工業用ロボットが作業をする際に安定は絶対必要である。その安定を得る為には、生き物の骨格や筋肉、神経系の構造と相互関連、更に脳とどのように連動し、その結果どのように動くのかが解明されねばならない。それが解明された上で機械としてどのようにその自然の複雑な動きをバランスよく安定的に再現できるかが実現されねばならない。メインストリームは、このような技術的難題にチャレンジする月島ロボティクス社員と開発に協力する人々とのあれやこれやが描かれる。即ち600年以上の伝統継承の重さを背負い実際に生活する伝統芸能の能楽師(シテ)宗家の者らがロボット開発に絡んで生きることが、あらゆる生活空間に科学技術の影が宿る現代先進国の生業に力を注ぐこととどのように両立し得るのか? が、伝統継承順位1位の宗家長男・武義、工学や情報機器にも才と指向を持つ次男・文義、そして伝統的には能楽師になれない妹・千景のジェンダー問題迄孕んだ生活の算段にどう影響するかへの不安がある。第2にロボットの動きが自然で而も安定し作業に安全が保障できる所迄追求できればというロボティック社員の希を掛けて協力を乞うた生物の身体の専門家・犬神博士は、{文Ⅰ卒キャリア組の基礎研視の齎す壊滅的結果(毎年3万人以上の自殺者があった当時のポスドクの異常な迄の自殺率を参考までに上げると、ポスドクに限ってみれば日本の自殺率が最も高かった時期平均の十数倍であった。)無論、グローバリゼーションと軌を一にした基礎研究軽視によって日本の科学的知性の総力はガタ落ちし、頭脳流出も酷かったこと。そしてそれが現在も続いていることが一般の人々にも漸く見えてきたことであろう。}を正確に予知していたのは当然だ。多少本当のことを言うならば、時代の底で何がどのように起こってきたかを注視している者から見れば余りにもあからさまな政治屋や官僚の無定見は明らかだから、この辺りの事情が博士の台詞にアイロニーとして盛り込まれていると取れる。
 優れた喜劇は、一皮剥くと極めておどろおどろしい社会の欺瞞を暴くものだが、今作はこの「国」の内実を、その喜劇的本質に於いて鋭く批判していると観て良かろう。その手法が、サブストリームとして広報室のメンバーたちのキャラや演技に現れていると解した。例えば高見の同僚・奥寺に秋波を送り続ける広報室華岡の演技は単に恋愛行動というよりも歌舞く所作そのものである。このことが原因でべたべたした演技にならずドライなのに冷たさが無い。剰えその場の空気を換えるインパクトも持つのだ。更に沖縄出身の知念が天才的な洞察力を以てシチュエイションの細部を解き明かしたり、優しく人々をフォローするのも、ヤマトンチュー一般が沖縄に負わせ知らんぷりを決め込んでいることに対する正当な抗議と見做す方が良いかも知れぬ。犬神博士の教え子であった大河内も狂言回しとして上手く機能しているし、大学院修士課程の学生としては優秀だが、全く体力の無い大河内が憧れる元プロレスラー仲道との掛け合いは、もっと単純な笑いを誘うあっけらかんとした喜劇性を持ち、歌舞く台詞・演技とは異質な笑いや感興を齎し芝居に厚みを加えている。更に室長・宇田川のトンデモキャラは、この「国」の矛盾だらけで無責任極まる為政者及び支配層の象徴的カリカチュアとして観ることができる。と同時にこれだけの脚本を書き、演出もしている人物に対し、実際に演劇を上演する側の現実に有効で合理的な配慮である。観客にこのように見せることでこの国の「保守」を標榜する為政者の余りの愚かさとかつて河原者と蔑まれた演劇人の知恵や経験、思慮の深さ、真っ当な人間らしさを突き付け対比させ正面から見せた点も評価したい。
 全体の展開としては、中盤迄歌舞くシーンを多用して笑わせると同時にアップテンポで進められた舞台が、プロジェクトを中止せねばならぬかも知れないという状況になる辺りから深い人生哲学に裏打ちされたような場面に変わり一挙に収束してゆく。背景に流れるラップや音響と進展する物語の相性も素晴らしい。名場面も数多く楽しみつつ、心に残る作品に仕上がっている。
ドッペルゲンガーちゃん

ドッペルゲンガーちゃん

坊ちゃん嬢ちゃん

東中野バニラスタジオ(Vanilla Studio)(東京都)

2023/02/03 (金) ~ 2023/02/05 (日)公演終了

実演鑑賞

良い舞台だったと思います。

ウブスナvol.1

ウブスナvol.1

アメツチ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2023/02/01 (水) ~ 2023/02/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ナラティブ・アプローチを観劇。ストーリーが今ひとつの感。少々ウザくイライラさせられる場面もある。パブリックスクールのナイーブな生徒のような少年時代のアレンや、現在のアレンのクラッシュジーンズ姿に違和感。

スター誕生2 2023

スター誕生2 2023

ミュージカル座

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2023/02/01 (水) ~ 2023/02/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/02/04 (土)

中目黒キンケロ・シアターにてミュージカル座『スター誕生2(2023)』を観劇。
2018年に観て大変感銘を受けた『スター誕生』の続編。前作を拝見してから5年の歳月が経っているものの、個人的な感覚としては未だに衝撃が残っている作品の一つで、今作に対する期待値も自然と高まっていました。
結論から言えば、今回も期待値をはるかに上回る内容であったと感じました。星5つでは足りません。とにかく最初から最後まで全てが素晴らしいのです。
前作の『スター誕生』と同じ1970年代の芸能界という設定はそのままに、新たなエピソードを詰め込んだ内容は、どの役にも感情移入してしまいそうなくらいのリアリティー溢れるストーリーばかり。表舞台に立つ人、それを裏で支える人、或いは生み出す人。芸能界という華やかなイメージだけでなく、それぞれが抱える悩みや葛藤などが上手く描かれており、とても奥が深く、見応えがありました。今の時代も知られざる芸能の世界というのは存在すると思いますが、インターネットなどはなく、画面を通してしか知ることが出来なかったこの時代の芸能界というのは、尚更ベールに包まれていたと思います。その昭和の芸能界が実に上手く描かれている内容であると感じました。皆が試行錯誤しながらクオリティーを追求していた時代。今とは違う価値や重みがあるように感じましたし、これはこれで良い時代だったのだろうな、と回顧しながら楽しませていただきました。
決して大掛かりな舞台セットが組まれている訳ではなく、ステージ上に並べられたパイプ椅子に、キャストの多くが常に着席しているという個性的なスタイルはこれはこれでインパクトがあります。さらに、単に着席しているのでなく、札を立てる芸能関係者、ペンライトを振る観客などきちんと役目を果たしているのが面白いと思いました。大掛かりなセットがなくても、賑やかで華やかなステージに見えました。
また、24曲にも及ぶミュージカルナンバーはどれもこだわりが感じられ、それを歌うキャストの皆さんの歌唱力が半端なく高く、お見事としか言いようがありません。前作同様、特定の誰か一人にスポットライトが当たる訳でもなく、登場人物それぞれに見せ場があるうえ、長尺で歌を披露するという見所満載の内容は、何ともまぁ贅沢な内容なのでしょう。終始感動、興奮の連続でした。物語の最後に披露される“その後”のエピソードも微笑ましく、「その後どうなったのだろう」というモヤモヤを吹き飛ばす、すっきりとした終わり方であったように感じました。人生良いときもあればそうでないときもあるのは当然な訳で、この作品はその辺りを上手く描き、決して悲観的にならずに前向きに生きていけばきっと良い方向に事が運ぶというメッセージ性もあるように思いました。そして歌が重要な役割を果たしているということも。サブタイトルにある「歌こそわが命」はまさにここにあるのではないかと感じました。
今回で通算9作目となったミュージカル座さんの観劇作品の中でも、この『スター誕生』のシリーズは特に好みの作品です。昭和歌謡をリアルに楽しんでいた世代ではありませんが、どこか懐かしく、細かな感情表現、演出なども秀逸で大満足の演目。拝見出来て良かったです。

武士とジェントルマン

武士とジェントルマン

朗読劇『武士とジェントルマン』製作委員会

サンシャイン劇場(東京都)

2023/02/01 (水) ~ 2023/02/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

役者(声優)さんが変わると登場人物の性格も変わる感じがします。しかしお願い。声優さん(一部だと思いますが)プロフィール写真は更新して、現状に近いものにしていただきたいです。HPで見て行ったのに、誰だかわかりませんでした。
演出する方は会場の真ん中にお座りなんでしょうか。最初の方で、車窓から見えている2人みたいなシーンがありますが、下手席からだとその枠に阻まれてアンソニーがよく見えないのですよ。

おやすみ、お母さん

おやすみ、お母さん

風姿花伝プロデュース

シアター風姿花伝(東京都)

2023/01/18 (水) ~ 2023/02/06 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

2回目。
凄く合点がいった。作家の表現したいことがやっと理解出来た。
自死遺族の物語は家族や友人恋人にある日突然、死を選ばれたことへのショック、遺された者の心の傷を語るものが殆ど。
「何故相談してくれなかったのか?」
「自分に何かしてやれることはなかったのか?」
永遠の自問自答が続く。

今作は自殺する娘が丁寧に母親に説明してくれる。泣き叫び怒り狂い喚き散らす母親。だが娘の決心は揺るがない。「やっぱり私がやることは思ったようにいかない。」と、さらに自己嫌悪の念が広がるのみ。
自殺を決めた者の、この感覚の表現。
「これ以上、自分のことを嫌いになりたくない。」
「誤った選択を選ぶ位なら、もう何も選びたくはない。」

そんな娘に何を言える?
死を選んだ側の気持ちを的確に表現してみせた。

ネタバレBOX

セルマ(那須佐代子さん)とジェシー(那須凛さん)についても理解出来た。

セルマは15の時に嫁ぐ。旦那のことは愛していなかった。旦那は多分癲癇持ち。発作が起きるとソファーでじっと収まるのを待つ。ジェシーは5歳の時、初めての発作を起こす。それから何回もあったが、セルマはそれをジェシーには秘密にしていた。
内向的で口下手なジェシーに大工職人のセシルを引き合わせ、結婚へと導く。息子の誕生。ジェシーはセシルに誘われて乗馬に付き合った際に転倒、癲癇の発作を起こす。(彼女はそれが初めての発作だと思っていた)。ジェシーとセシルは離婚。(セシルはセルマの友達の娘、カーリーンと浮気をしていたが、ジェシーは知らない)。実家に帰るジェシー。父親は亡くなっており、兄のドーソンはロレッタと結婚して家を出ている。セシルに引き取られた息子はぐれて、ジェシーのネックレスを二つ盗んで家出。
母との実家暮らしも十年経ち、ジェシーは父の遺品の拳銃で自殺することを決める。新しい薬が効いて、ここ一年発作は出ていなかった。兄夫妻がパジャマに着替える前の午後10時までに終わらせること。セルマからの電話で起こされ、また着替えさせるのは可哀想だから。午後8時10分頃に舞台は始まり、午後9時52分頃に銃声が轟いた。

セルマ側の視点で観客は事態の推移を見守る。ジェシー側の視点で物語を見直すと、全く違う光景が広がる。本多勝一の『殺す側の論理』と『殺される側の論理』を思い出す。

前回も那須佐代子さんが右膝か腿の付け根を痛めているような歩き方をしていた。だがカーテンコール時にはスタスタ歩いてくる。まさかこれも役作りだったのか!?
おしまいのつづきのつづき【札幌公演中止】

おしまいのつづきのつづき【札幌公演中止】

イチニノ

シアター711(東京都)

2023/02/04 (土) ~ 2023/02/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

詩的な台詞と絵本の物語のような話でしたが、私には少しわかりにくかったです。
個性的な人物達が魅力的でした。

桜姫東文章

桜姫東文章

木ノ下歌舞伎

あうるすぽっと(東京都)

2023/02/02 (木) ~ 2023/02/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

木ノ下歌舞伎の『桜姫東文章』を観劇。

解説:
私にとっての最高な劇団と苦手な劇団が組んでしまうというのが今作の難問だ。
木ノ下歌舞伎は、歌舞伎の長い演目でも決して端折らず、4時間超えの長いものは長いままで上演するが、音楽、衣装、演出などは毎回様々に変えていきながら、歌舞伎特有の退屈さを払拭するかのように傑作率90%の出来高だ。そこに参戦してくるのが『チェルフィッチュ』である。
『マームとジプシー』『ままごと』と同世代で、岸田戯曲賞を取り、海外では人気の劇団で、寺山修司や唐十郎などを簡単に超えてしまっている前衛劇団だ。ただ何度も観ても全く受け付けず、観るのを止めてしまったのだ。
監修・補綴:木ノ下祐一
脚本・演出:岡田利規

あらすじ:
高僧・清玄は稚児・白菊丸と心中を試みるが失敗。17年後、出家を望む桜姫が現れ、彼女こそ白菊丸の生まれ変わりだと確信するが、彼女は清玄には興味すら覚えず殺してしまう。
変転の末、女郎になった桜姫に清玄の幽霊が現れてくるのであった…。

感想:
歌舞伎は時代の世相を反映させながら、因果応報という決して逃れられない人間の性を描くことで観客を魅了し、息を呑むのだ。
清玄と桜姫の恋愛感情が巻き起こすドラマが始まる序盤から一気にトーンダウンしていく。えげつない人間模様に観客には感情すら持たせない、起こっている変化をただ見つめるだけになっているが、鶴屋南北の戯曲を過剰に解釈せず、そのまま読み解くとそのような作りになるのかもしれないが、チェルフィッチュの作品作りは何時もこうなのだ。だからか批評をしようなんて無理なのである。
木ノ下歌舞伎を初見の方には不安、ファンには衝撃的であった。
私と役との出会い『ガラスの動物園』

私と役との出会い『ガラスの動物園』

スタジオ共作所

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2023/02/03 (金) ~ 2023/02/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

Unicornチームを観劇しました。
とても良かったです。
ガラスの動物園は有名な戯曲ですが、恥ずかしながら私は内容を知りませんでした。
それ故に、新鮮な気持ちで舞台を観劇し、役者さん達の熱演に目が離せませんでした。
終演後は、ディスカッションがあり、それも興味深かったです。
拘りを持って作られた舞台を観る事が出来て良かったです。

No Robot

No Robot

One Bill Bandit

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2023/02/04 (土) ~ 2023/02/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

終演後にアンケートと引き換えにもらった「裏」パンフレットを読むと、どうしてこういう話になったのかよく分かった。あのチケ代じゃ赤字だろうから申し訳ない気もするけど、観ている間は素直に楽しませてもらいました。

ウブスナvol.1

ウブスナvol.1

アメツチ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2023/02/01 (水) ~ 2023/02/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

バンタムクラスステージ細川博司さんが近年目をかけている若手作家の作品を手練れ俳優に演じさせる企画の1回目。
モンコックハウス主宰鈴木佑輔さん作「ナラティブ・アプローチ」、劇団中馬式主宰中馬真弥さん作「ミッドナイト・ホットスナック」いずれも自団体で上演済みの作品だがわたし自身は未見の状態で観劇。

「ナラティブ・アプローチ」
静かに淡々と物語が流れていく。起承転結を追ってみるとたしかに起承転結があるのだけど、悪く言うなら"メリハリが無い"。そして場面転換や暗転が多く、さらに暗転明けが電話の着信音ということが多い印象で、これは今後技術的に洗練できるものと断言する。
個人的には淡々とした作品は好きで今作も好感。しかし中だるみを感じた観客はいたと思う。
不要なんじゃないかというエピソードもあるし、電話で済ませられる内容で直接会いに行ったり、いくら40年経っているとはいえそんなにうまく行くかなという感覚もあり。
とまあ、悪いことを書いてしまったが。
手練れの俳優陣は全員が素晴らしかった。
小沢和之さん演じる52歳のアレンには塀の中にいた時間を感じさせてもらったし、中川むっくさんのハリー・佐藤圭右さんのブレイク・土矢兼久さんのビリーも繊細かつ納得のいく演技で実在感があった。ストーリーテラーでもあった弁護士ジェームズ役の土田卓さん、アレンを厄介に感じる冒頭からお人好しの本領発揮で見事な準主役。ジェームズの家にしょっちゅうやってくる殺し屋にして組織からの連絡役なリアム役福地教光さん、ジェームズの"兄"としてたくさんかわいい表情を見せてくれた。冷徹なようでいて弟には甘く、弟同様のお人好しであることが分かる物語の流れが心地よかった。作中で異質な存在である少年アレン役佐藤智広さん、要所で良い芝居。
良いお話だし、演出も好きです。伸びしろがまだまだある。まずは「アナザーエンディング」がんばってください!

「ミッドナイト・ホットスナック」
なかなかに解釈を観る者に委ねる作品。とてもアリです。
しかし観ながらしんどかった苦笑。
生身で演じられる舞台ですから、登場人物がしんどい思いをしてると観てるほうもしんどくなってしまう。「ナラティブ・アプローチ」が米国の話で外側から見る安心感ある話なのに対し、こちらは自分がまるで物語の内側に入りこんでしまうような感じ。
それだけリアルな感じがしたということだし、特に森岡悠さんの咲良ちゃん、良かったです。時間をかけてコミュ障を脱する姿は正直言ってまぶしい。なかなか変われないものなのに。
馬渡直子さんと緒方ちかさんの、味方なのか敵なのか、良いひとなのか悪いひとなのかを読ませないお芝居さすがでした。そういうところに深みを感じるんですよね。
難しいのは鶴田葵さん。ゆきちゃんはしたたかで、強い。それをあの透明感が覆って隠していた印象。面白く観させていただきました。
最後をどう解釈するかは本当にひとそれぞれで、Twitterの感想には自分の中にはまったく浮かばなかったものもあり興味深かった。正解の無いえがきかたは細川さん好みですよね笑。

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作品とは別のところで。
パンフレット、もうちょっと良い紙を使ってください……ペラペラが過ぎます。。。
それから、対談ページのデザインがひどすぎます。
収益を出すことは大事なことと理解してますが、せめて、対談のタイトルとか、参加メンバーの一覧とか、写真とかを入れて見やすくして、ページ数を4ページ増やしてもよかったんではないでしょうか。。ビジュアル写真の画質(解像度)も、もっとちゃんとしていたはずなのでは。

美術もね、そろそろ見飽きてきましたね……素舞台でも、いいんですよ?

シアターKASSAIの下手4席を着席不可にするの、やめていただきたかった。あそこが好きなひとたくさんいますよ。後から来たひとはその外側でもじゅうぶん観られます。

十二人の怒れる男

十二人の怒れる男

劇団東京乾電池

ザ・スズナリ(東京都)

2023/01/05 (木) ~ 2023/01/09 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/01/07 (土) 14:00

同一演目としては二桁回数観ており熟知しているだけに特に支障なく感じたが、言われてみれば確かに「深剃り」的に削り過ぎた部分があった感は免れ得ない。特にラストのあの印象的な台詞を削ったのは承服し難い。
その一方、いかにも「あの頃のアメリカ人」っぽさ(偏見含む)を感じさせた衣装と役者の立ち居振る舞いは見事。
あと、作品初見のお客さんが多かったのか期せずして笑いが起こる場面が時々あったのは興味深い。

南四局は終わらない

南四局は終わらない

マグマ∞(フォーエヴァー)

浅草九劇(東京都)

2023/02/01 (水) ~ 2023/02/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#津嘉山正種 #片岡富枝
#吉本選江 #高橋ひろ子
#嶋崎伸夫 #手塚秀彰
#松乃薫 #井上智之
#松熊つる松 #ひがし由貴
#尾身美詞 演出 #田村孝裕
#麻雀🀄️のプロリーグ
#Mリーグ の存在を知ったのはいつだったろうか。確か、共通の俳優さんを応援している福島のお仲間さんを通じてだったはず。雀荘を舞台に昭和の遊び……ディープな空気が漂うけれど、人は誰かと関わって、思いやりを持って、支え合ってバランスを保ちながら生きているというヒューマンドラマ。年齢の高い作品に尾身美詞さんがネジを巻く。人間の機微を描き続けるONEOR8の田村孝裕さんが素敵な脚本を書き上げた。
さまざまなハラハラを味わいながら堪能できる作品。

FAKE BLUE

FAKE BLUE

NEW FACE

ウイングフィールド(大阪府)

2023/02/04 (土) ~ 2023/02/05 (日)公演終了

満足度★★★★

母子家庭で、母親が宗教に…😓何かに頼りタイ気持ちはわかるけど😅
子役の女優は初演とは思えない演技
関西演劇界を盛り上げて行ってほしい
次回も期待しています❗

ドッペルゲンガーちゃん

ドッペルゲンガーちゃん

坊ちゃん嬢ちゃん

東中野バニラスタジオ(Vanilla Studio)(東京都)

2023/02/03 (金) ~ 2023/02/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

客は関係者(?)を入れて十人、不安になる程。だが始まれば観に行って正解だったと誰もが思う筈。女優三人でこれだけの世界を演れるのか。脚本はまさに才能次第。一人の女性の実存に斬り込んでいる。
流される曲はクラシックのスタンダード、余りにも正攻法。メルヘンチックな描写は大林宣彦調、『ふたり』なんかを想い出す。少女の一人遊びのような心象風景。

上半分だけ二次元美少女キャラのお面を付けて(偽った自分を演じるメタファー)、コンセプトバーで働く主人公(マタハルさん)。コンセプトはかぐや姫。いつか月に帰る日まで皆を接客し楽しませる設定。ある夜、占い師に「あんたは死相が出ている。生き物を飼いなさい。」と勧められ、ハムスター(じゃじゃんがさん)を買ってくる。そんなある日、ガチ恋の常連客(じゃじゃんがさん)とのトラブルを理由に30代にして5年勤めた店を卒業させられる。気力を無くし、部屋に引きこもる主人公のもとに、昔の自分によく似た女(ちこゆりえさん)が現れる。

マタハルさんに透明感があって魅力的。
ちこゆりえさんの演技力のポテンシャルはヤバい。
じゃじゃんがさんのドスの効いたキャラ。
作・演出の加藤睦望さんの世界、妙に記憶に残る話。

ネタバレBOX

Oasisの代表曲、『Wonderwall』。

「誰もいやしないんだ
 俺くらいお前の事を想っている奴はね」
「だって多分
 俺を救ってくれるのはお前だけ」
「俺は多分前にも言った
 俺を救えるのはお前しかいない」

窮地に陥った自分を励まし力になってくれるもう一人の自分の歌。どうしようもない状況で自問自答している。

主人公にガチ恋していた常連客に捨てられた恋人が、復讐の為に顔をそっくりに整形して近付いてきたというもの。他人に恋愛感情を持てずにいた主人公は、”もう一人の自分“となら上手くやっていけそうな気がする。この心底落ち込んでどうでもよくなった自分が、再生していく過程が丹念に描き込まれる。ラストの「さびし〜〜〜!!」が効いた。
so bad year

so bad year

後にも先にも

天満天六・音太小屋(大阪府)

2023/01/21 (土) ~ 2023/01/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

千秋楽観劇。
女と、女の姉と結婚した男が、南の町から逃れ住む所に、男の妹が…

姉妹·兄妹·男女の関係が巧く表され、女心の奥深さと浅はかさの二面性が絶妙なさじ加減で、空気感を醸し出してた。
最後のダスビダーニャの余韻も良い。
戯曲賞受賞作を見事に演じられてて、とても良かった。
良い脚本を、しっかり余すことなく表現されてて、良いものを見せてもらった。
大満足!
これでカンパ制は超お得。

短編集 君と僕の間にあるケモノ

短編集 君と僕の間にあるケモノ

カラ/フル

STAGE+PLUS(大阪府)

2023/01/20 (金) ~ 2023/01/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

3編の短編集。
とてもテンボも良く、楽しく拝見。
面白かったーーーー。

■燻る:
ご近所の火事が…怖っ

■おっぱい/おしり:
2話で1編。
おっぱい星人の最後はズルいよね。
おしりがすーーーって…それで忌憚ない話が!

■行きずりの傘:
いきなり来られたら、普通邪険にするよね!
それで怒られてもと思うのは私だけ?
でも、とても優しいお話でした。

ハッピー・エンディング

ハッピー・エンディング

dracom

ウイングフィールド(大阪府)

2023/01/20 (金) ~ 2023/01/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ほぼ終始薄暗い舞台、
曖昧な記憶の断片の様に、
施術師、元バイト仲間、インフルエンサー、父、発明家との会話?
一方的な、これは会話なのか?
ボンヤリとした夢の様に繰り返す…繰り返す…

少し下ネタ有の不思議な空間、未体験ゾーンの2時間10分、味わわせて頂きました。

この年での未体験ゾーン、貴重な体験でした。

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