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ウエストサイドのオペラ座の殺人          

ウエストサイドのオペラ座の殺人          

カスタムプロジェクト

調布市せんがわ劇場(東京都)

2024/11/29 (金) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

練りに練られた設定、進むにつれて面白さも2倍、3倍になっていき、長丁場の舞台も全く飽きずに最後までとても楽しめました。
配られたパンフレット類もとても綺麗で読み応えがあったし、激ムズの推理問題や観客参加型推理劇という独自のパート構成は普通の舞台よりも満足度が高く、役者さんの色んな一面が垣間見えるのもとても良かった。
大ファンになったので来年夏もぜひ観に行きます!

レットイットビーム

レットイットビーム

コメディアス

OFF OFFシアター(東京都)

2024/11/27 (水) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

日常の誰もが知っていることや学生時代学んだことだけど、誰もそこまで突き詰めないことをテーマにする独自の世界観は素晴らしい。
文字通り光と戦っていく訳だが、謎を解くにつれ生まれていく観客との一体感は爽快でした。
舞台を観るのはほぼ初めてでしたが、初心者にもわかりやすく十分楽しめました。
役者さんの舞台に対する情熱やお客さんを全力で楽しませてくれる姿勢は素晴らしいですね。

ロケット・マン

ロケット・マン

劇団鋼鉄村松

劇場MOMO(東京都)

2024/11/28 (木) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです!登場人物が多いし(出演者はそうでもない)、目まぐるしい展開で途中からついて行くのがちょっと大変でした(私はですが・・・)が、着地点ではうるっとしてしまいました。
そうだ、鋼鉄村松さんてこう言うのもあったんだわ。原作はだいぶ違うようですが読んでみようと思います。
ヘアスタイルって外見にすごい影響を与えるのだと実感しました。
ボス村松の命名サインがなくなっていて寂しいです。再開をお願いします。

SEXY女優事変ー絶頂作戦篇ー

SEXY女優事変ー絶頂作戦篇ー

劇団ドガドガプラス

浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)

2024/11/24 (日) ~ 2024/11/30 (土)公演終了

実演鑑賞

SEXY女優事変シリーズ第4弾、見応えあり。やはり楽曲(歌)+踊りが良い。AV業界に生きる女の事を言っているが、その詳細への無粋な言及をうまくかわしながら「性を売るエンタメ」業界に生きる者の「矜持」を潤滑油に多様な人物らのドラマを縦横に描く。望月氏も得意なテーマなのだろう、俳優らを萌えさせる役人物の設定、軽重様々な場面と風景、敵味方もないまぜの群像劇に才気を見せる。
広がり過ぎの感のあるアレコレを回収するに終盤中々ざっくりと捌いてさっさとエンディング、というのは毎度の傾向のようで。腕に覚えのある劇作家ならこうは書かないだろう感じはあるのだが、これはこれで良い気もする。

ネタバレBOX

映画の場面が浮かびそうな特徴的なエピソードは物語の軸をなす。風俗の界隈に迷い込んだやさぐれ男(現新興宗教の教祖=牧師の過去シーンだと判って来るがぶっ飛んでる)、一人の女を当てがわれ恋人を演じる事で「食って行く」家業に身を落す。世話をした男が時々、友達を装いつつ監視にやって来る。この場面のBGMというのが、前に深夜放映していたアニメ「アカギ」のようなフォーク風(楽器はエレキだがギター一本)でドガドガでは中々耳にしないジャンルだがこれも効いていた。女が男を慕えば慕う程男はやるせなくなる。そして絶望的な場面を迎える。
アンダーカバー

アンダーカバー

演劇の青山

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2024/11/28 (木) ~ 2024/11/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

脚本のどくさいスイッチ企画さんは芸人さんなんでコント演劇かな?と予想してたら三谷幸喜作品を観てるかのような極上の喜劇演劇やった☆なのでドッカンドカンと爆笑の連続というよりずっとニヤニヤしながら笑える作品でとても心地良い空気感でした🎵でも怒涛のラストは爆笑の連続やったよ♪
ストーリーがとにかく良く出来てるんでもぅ単純に物語に惹き込まれます🎵途中ミステリーチックな展開になるのも緊張と緩和がより際立って後半の笑いに見事に反映されてました🤣そして出演者の表現が素晴らしかったのは言わずもがな♪長橋秀仁さん是常祐美さんの前半と後半の振り幅の見事さ☆
福田恵さん桐山泰典さんの全編通してのコメディアンぷり🎵マナカさんの「熱い男やけど何か頼りない感」♪皆さんお見事でした☆
特に福田恵さんの産業スパイを見張りながら始業前の日常雑務をこなすシーンはもぅ台詞ないのにずっとオモロイ神表現やったよ🤣
次はどくさいスイッチ企画さんも出演する作品が観たいなーなんて思いました☆

冥王星の使者

冥王星の使者

流山児★事務所

新宿スターフィールド(東京都)

2024/11/21 (木) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

久々に旧タイニィアリス(現新宿スターフィールド)へ、天野天街演出(今回は演出協力とあり、演出クレジットは流山児だったが、天野氏が加わって天野色にならない舞台は考えられない)による、高取英戯曲の上演を観に行った。
流山児事務所は主宰の意向で色々試みをやるが、今回は演出の名前に加えて、最近流山児やPSYCOSISを通じて高取英世界に関心がもたげており、当日思い立って予約無しに訪れた。・・のだが、我らが天才演出家・天野氏は今年夏に亡くなっていたと終演後の挨拶で知る。少なからず衝撃を受ける。(7月に少年王者舘公演を目にした時は既に他界されていた事になる。初日のコール後流山児氏がこれを告げるのを聞きながら顔が歪むのを隠せない俳優に共鳴しつつ胸に刻んだものである。)
今回の舞台は天野演出の王道(?)である繋ぎ(しりとり)台詞、映像・音響等、実は少年王者錧メンバーの協力もあって実現したとの事。また旧月蝕歌劇団メンバーの参加もあり、高取そして天野という両鬼才へのトリビュートの趣きであった。
当劇場の狭い客席に、隙間が出来る程の平日昼の入りであったが舞台はひたすら熱く、(過剰な声量と演技が入って来ない瞬間も正直あったが)天野天街スピリッツに最後にまみえる機会を得、幸運であった。
高取作品は今回で確か3~4作目の観劇になるが、歴史的事件を国、時代を超えて交錯させ、ファンタジックな構成の中で時代精神の共通項を抽出するといったものが多い。今作は3つの相が入り乱れ、中々込み入った筋をかなりバッサリとやって見せていた(と見えた)が、力技でラストへ押し込んだ感である。
高取テキスト的にはもう少し歴史事件の意味を吟味したくはなるのだが、天野氏に掛かると、過剰と欠落の大波のようなうねりの後、ほっと凪いだ波間にたゆたう言葉の破片だけが、恐らく観客の脳裏に残るという案配式(否、言葉さえも、さぁっと舞台袖へと吸い込まれ、何も残らない)。
出来事の嵐の中に生きる人間の手に握りしめるものは小さく、いつしか手元から消え去っている。それでも何かは残るのであり(その次元では人は魂というものをおそらく信じている)、己の生が儚く消えようとする時にそれを存在の証として抱きつつ眠りにつく。「意味」を超越した天野的世界であるが、ご本人はどんな世界を見ながら旅立ったのだろう。

少年王者錧という集団はその創造精神を継いで何らかの活動をして行くのだろうか・・。今後を見守りたいが今は故人の冥福を祈り、かのめくるめく時間を反芻する事にする。

サド侯爵夫人

サド侯爵夫人

プロジェクト榮

銕仙会能楽研修所(東京都)

2024/11/30 (土) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/30 (土) 14:00

言葉の迫力を感じる舞台です。セリフの量に驚きます!

サド侯爵夫人

サド侯爵夫人

プロジェクト榮

銕仙会能楽研修所(東京都)

2024/11/30 (土) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最高でした。度肝抜かれました。原作の三島由紀夫の戯曲を知っているだけに、会話劇の完成度の高さに打ちのめされました。久しぶりにプロの犯行レベルのステージを観させてもらいました。ルネ役が能面をかぶり、しかも役者が男性で、おまけに男性の声でそのまま演ずるからこそ、ルネの素顔というかキャラが引き立ったのかな…とも思いました。なにはともあれ、規格外の会話劇でめちゃくちゃ感動しました。それにしても、役者のみなさん、よくあれだけのセリフ覚えましたね… 頭の中がハードディスクになっているとか…

絆されて

絆されて

東京タンバリン

STスポット(神奈川県)

2024/11/29 (金) ~ 2024/12/03 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/30 (土) 14:00

2022年の再演だが、自分としては初めて拝見。「笑えるサスペンス」と銘打っているのだが、むしろリアリティーがありすぎて笑えなかった。テーマは中年男女の友人グループの複雑な人間関係と心模様。とても怖い物語だった。

30人くらいしか入らない、横浜駅近くの小劇場が会場だ。冒頭、結婚前と思われる男女のマンションの部屋に、友人の男と女がやってくる。来たばかりなのに「外に食べに行こうか」「早く行こうよ」とせかすように繰り返す2人。なぜ、2人がそういう行動を取ったかは、ラストシーンになると分かる。
部屋の奥には段ボールが積み上げてある。引っ越し前後だからそうなのだろうと思ったが、これが予想外の理由だった。
ちなみに、タイトルにある「絆」という文字は元々「ほだし」と読み、家畜をつなぎ留めておく綱という意味だそうだ。きずな、心と心の結びつきというとらえ方が一般的だが、家畜の綱なので束縛、呪縛という意味で使われていたそうだ。これを知っていると、物語の意図するところが見えてくる。

舞台は60分の長さでテキパキと進行する。東京タンバリンではかつて別の舞台で見たことがあるが、役者にダンスのような同じ動作をさせて舞台転換を図ったり、今作ではせりふの流れの中で登場人物が歌をうたっている間に転換をするとか、こんなところがとてもおもしろい。
また、2面の白い壁にはランダムと思われる数字のボードが貼ってあったのだが、これは舞台転換の際に役者が数字ボードを張り替えることでその場面の日付を表すという小道具だった。場面は日付的にジグザクに前後するので、このような表示が必要になったと思うのだが、それに加え、登場人物の一人が数学を教える教職についているという設定。数字がせりふ的にも小道具のように使われているのが秀逸なアイデアだ。たとえば「あなたは素数のような人だ、と言われた」などというせりふが多く登場する。数学が苦手な私にはとっさに意味がつかめないのだが、しかし何となく素数というイメージでその人の雰囲気が伝わってくる。

また、背景の白壁にせりふの英訳が映し出されるというのはおもしろかった。外国人が見ても分かる、という工夫なのか。それとも単なる舞台美術の一環なのか。
小劇場の中でも極めて小さい部類に入るスペースで、さまざまな工夫が凝らされた舞台が展開されていた。物語の展開も予想外の連続でとても秀逸なサスペンスであり、舞台美術もおおいに楽しめる。

ロケット・マン

ロケット・マン

劇団鋼鉄村松

劇場MOMO(東京都)

2024/11/28 (木) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

宇宙開発モノ大好きな自分には感情移入するところが多くて、ドツボにハマる話でした。年末まで後1か月あるけど、今年の私的No.1ですね。

ゴーギャンおやじ2

ゴーギャンおやじ2

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2024/11/27 (水) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

11/30観劇

青春にはまだはやい

青春にはまだはやい

プテラノドン

「劇」小劇場(東京都)

2024/11/26 (火) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

参った。今年はこの作家(笠浦静花さん)の年なのか。凄い脚本をごく当たり前のように仕上げてみせる。これが才能という奴か。多分このまま天下を取るだろうけれど、実はそんなもの何の興味も持たず更なる高みへと突き抜けそう。まだ誰も想像も及ばない新しい価値観の創造まで。ひれ伏す。
当日券もありそうなので行ける人は何とか行った方がいい。前売り4800円、高えなと思っていたが観終わると全然安い。アガリスクエンターテイメント系が好きな人には御馳走。とにかく脚本の組み立て方に感心、物語の構想に打ちのめされた。

大林宣彦 meets デスゲーム。過去のやり直しに取り憑かれた時間旅行SFの数々の名作を想起。藤子・F・不二雄風味でもある。キャスティングだけで既に勝利は決まっている。まさにタイトル通りの作品、ズバリと決めた。

NHK杯全国高校放送コンテスト、通称Nコン。1954年(昭和29年)にスタートしたものでアナウンサーを夢見る全国の放送部高校生達の甲子園的存在。2020年の第67回大会だけがコロナで中止になった。今作の主人公(桜木紗瑛さん)はまさにその夢を破られたコロナ直撃世代。謳歌する筈だった青春時代をずっと引きずって生きてきた。鬱屈し高校を中退して引きこもりニート。かつて民宿をやっていた田舎の婆ちゃん家に転がり込んだものの二十歳になって頼りの婆ちゃんも亡くなってしまう。誰もいないガランとした古い建物で自殺を思い詰める主人公。そこに天井から落ちてきた一冊の古ぼけたノート。表紙に「願いが叶うノート」と記されている。かつてこの民宿で定期的に行われていた全国の放送部合宿のものらしい。歴代それぞれの彼等の夢。希望に満ち溢れ夢を真っ直ぐに見つめる彼等の澄んだ言葉に憎悪をたぎらせた主人公は最後のページに呪詛を書き殴る。すると・・・!?

ネタバレBOX

冒頭、キャスティング頼みのネタにも思えたが全然違っていた。所謂『バトル・ロワイアル』『人狼ゲーム』のデスゲーム系のオープニングで全く別の着地点へと観客をいざなう。

作家は告げる。「“青春”とはその時感じる充実感などではなく、ずっと後になって振り返った時に沁みる感慨のことだ」と。

菅沼岳氏の小島よしおは面白い。確かにキチガイにしか見えない。
加納遥陽(はるひ)さんは平体まひろさん似。
志賀耕太郎氏は肺気胸の為、初日から3日4公演を宮地洸成(みやちひろなり)氏が代役。4日目から復帰。自分は復帰して2公演目を観劇したのだがメチャクチャ面白かった。笑い上戸でずっと妙にイヒイヒ笑いをこらえている。
渡邊りょう氏も最高。癖で髪の毛をすぐ弄る。
柿丸美智恵さん、瓜生和成氏の高校生は卑怯にも程がある。そりゃ笑うだろ。
水野小論さんのキャラもずば抜けている。一番観客の爆笑をかっさらった。もう何をすれば面白いのかDNAレヴェルで感知しているのだろう。全ての計算が正解。

自分の好み的には全共闘世代とかガチガチのアカとか政治ネタのキャラも欲しかった。(違う方向性の笑いだが)。

そして大内彩加(さいか)さん、ずっと気になっていたがこういう女優だったのか。性格女優でキツ目のキャラが行けそう。放送部滑舌ネタはキャラ的に噛む訳にいかないシーンなので見事だった。
2024年11月27日、谷賢一を訴えた裁判が裁定和解として終結。性犯罪の被害者として「勝利的和解」だと受け止めるとコメント。ただ「和解は仲直りではありません」。ハラスメントカウンセラーの資格を取った彼女は、演劇界に泣き寝入りの被害者を今後出さないよう発信していく、と。興味ある方は「大内彩加の雑記置き場」を検索して頂きたい。
モグラの雨やどり

モグラの雨やどり

アヤ‐ナ・シ🍐

表現者工房(大阪府)

2024/11/28 (木) ~ 2024/12/02 (月)公演終了

満足度★★★★★

演劇の中で映像を使うことのタブーを崩してくれた一作
映像30分後の演劇90分の作品 最初の映像を観て??となったが、後で考えるととても良い伏線 夫のDVで子供を殺されそうになった配偶者が、夫を殺してしまった女性と娘と喧嘩して、家を飛び出した娘ががけ崩れに遭遇し子供を無くした女性(旦那は病気?事故?で…)の奇妙な出会い 映像も手伝ってか脳裏にも映像が… 良かったです❕

『晴耕雨読』

『晴耕雨読』

ウテン結構

六本木ストライプスペース(東京都)

2024/11/26 (火) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2024/11/26 (火) 19:05

価格3,500円

初日を観劇。終わって外は小雨。もっと降ってればいいのにと思う
どこかおかしくて哀しみをまとった人物たちと、それを見守るしかない作家の物語

できないなんていわないで。

できないなんていわないで。

TOKYOハンバーグ

サンモールスタジオ(東京都)

2024/11/15 (金) ~ 2024/11/24 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2024/11/23 (土) 19:00

価格4,500円

実力ある役者さんが揃っているので安心して観ていられる。
失ったものを嘆いても仕方が無いのだ

ネタバレBOX

冒頭の漬物(?)か何かをポリポリ食べていたのは、どんな意味だったのだろう
パルス・オブ・イヴ

パルス・オブ・イヴ

立教大学演劇研究会

立教大学 池袋キャンパス・ウィリアムズホール(東京都)

2024/11/02 (土) ~ 2024/11/05 (火)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2024/11/04 (月) 14:00

スケールの大きな話で尺も長く、頑張って作っている。カレン役の西嶋楓さんが良かった

ウエストサイドのオペラ座の殺人          

ウエストサイドのオペラ座の殺人          

カスタムプロジェクト

調布市せんがわ劇場(東京都)

2024/11/29 (金) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 ジェット団とシャーク団の登場は無論だが、これにオペラ座の怪人が絡む。正答率数パーセントの謎解きに何処まで迫れるか? これが問題だ! 楽しめる。

ロケット・マン

ロケット・マン

劇団鋼鉄村松

劇場MOMO(東京都)

2024/11/28 (木) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 30周年おめでとうございます。こういう作品を劇団初期に初演していたとは。凄い!
今回が3回目の公演、自分は初見で自分の考えていることと重なる部分もあり大変驚くと同時に楽しめました。残席の或る回もあるとか、ベシミル!

ネタバレBOX

 劇団初期に書かれたということは30年近く前に、国家間の紛争や戦争を回避する手法として世界統一政府を樹立して国家VS国家の戦争を失くすことに成功。プロメテウス計画を立ち上げ推進して光速を越えようと実証・実験を繰り返してゆく。この実証・実験に欠かすことのできない証人が、今作の主人公である宇宙飛行士即ちロケット・マンである。今作の凄い処は、これだけ宇宙に関する科学的知識を持ち仮説を含め光速を越える為の論理を構築検証してゆく中で現代物理学で質量を持つ物は光速を越えられないという原理(これは相対性理論で最も有名な公式E=MC²を紐解いてみれば容易に分かる。今更だが一応説明する。因みにEはエネルギー、Mは質量、Cは光速である。要は質量とエネルギーは同質であり条件次第で物質にもなればエネルギーにもなる。光は電磁波の一種の波エネルギー。ところで質量とエネルギーは同質であるが物質が光速に近付けばその形態はエネルギーにより近づくから物質としては存在し得なくなる。これが質量を持つ物は光速を越えられない理由だ)をプロメテウス計画遂行の為に莫大な予算を注ぎ込み世界人口の半分以上は今や食うや食わずの極貧、教育も市民権等ヒトとしての諸権利もあったものではない。この貧民層から偶々エリートコースに掬い取られその内部でそれなりの地位を築いた者たちの中から中央エリートに敵対する勢力も育ってきていた。人類の半分以上を占める下層民が氾濫を起した時彼ら貧民をサポートし反乱の主導権を握り上層部の企てを破壊しようと蜂起した民心の念の深さとプロメテウス計画で探求される宇宙の奥深さのうち、どちらが勝るかについての答えも出して物理学から人間と科学の問題に巧みにすり替え、以て先に説明した物理学的正解ではなく、質量でない概念で光速を越えようとする論理を用いて形式論理として矛盾の無い形でとても観客に分かり易く軟着陸させてみせたシナリオの見事なこと。演出も切れのあり、役者陣の演技も良い。
 浦島太郎が抱えていたであろう果ての無い寂寥にも、より受け入れやすい答えが出せているのではないか。この点も見事である。
『晴耕雨読』

『晴耕雨読』

ウテン結構

六本木ストライプスペース(東京都)

2024/11/26 (火) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 今作、既にSpiral Moonが上演しているが、こんなに印象が違うとは!

ネタバレBOX

 音響の使い方(終盤の照明も)が極めてソフィストケイトされており上手い。脚本はSpiral Moonのものと男女の入れ替え等多少書き換えはあるが大きな相違は無い。但し演出、舞台美術は可成り異なり役者も無論異なるので脚本が同質であっても、演出、舞台美術、役者の違いがこんなにも大きな印象の差を生み出すのか! と驚きを禁じ得なかった。既にSpiral Moon版を観た方々も十二分に楽しめよう。
 基本的に出捌けは観客席後方の溜まりから役者陣が客席間の通路を通って入退場するが、演技空間の中央に置かれたテーブルと椅子の下手のベンチ、上手の椅子2脚に一旦演技を終えた役者が座れるようになっている。他下手やや奥に衝立が置かれここが袖としても機能する。また上手側壁の手前には白い布が天井付近から下がっているが、壁を意味して居ると考えられる。この演技空間から見た客席側が部屋の窓という設定である。
 物語は幾つかの挿話をオムニバス形式で紡ぎ展開するが、きりの良い箇所で断絶させ、終盤「竹取物語」のかぐや姫の失踪をモチーフに現実に存在し続ける人間たちとファントーム的傾向を漂わせる或いは本質とするかぐや姫を対置していわば条理と不条理の世界を同時に強調、表現して見せる点が秀逸。尚登場人物たちは履物を履いている者、履いていない者の二通りに別れるが、屋内、屋外でということはあるものの、終始履物を用いる者達は実際に存在し続ける通常の人間を、裸足の者達はファントームを意味していることも見逃すべきではあるまい。
ロケット・マン

ロケット・マン

劇団鋼鉄村松

劇場MOMO(東京都)

2024/11/28 (木) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

㊗30周年記念公演…面白い、お薦め。
宇宙という悠久のロマン、そこに関わる人々の思いを人間的そして国家的といった観点で描き出す壮大な物語。人間にとっては長い時間軸、しかし宇宙的な感覚からすれば瞬く間、それを硬軟ある観せ方で飽きさせない。まさに観劇はアッという間の感覚だ。

説明にある「人類は光速到達実験『プロメテウス計画』を開始」…科学的な専門用語(台詞)もあるが 物語の中で不思議と解っていく。小難しいことは抜きにして楽しめる。そして1人何役も担うが時間の経過とともに現れる(人物が違う)ため、混乱することはない。ただ 1人の宇宙船乗組員 カーフ(通称 ロケット・マン)の宇宙への思いと彼を地上から見守る人々の思いは なかなか重ならない。ロマンとリアルの思いの鬩ぎ合いのような…。

少しネタバレするが、冒頭に出てくる 世界最初の宇宙船乗組員である一匹の犬 ライカ、それがラスト、カーフと邂逅する。始めの台詞「スプートニク(ロシア語)」こそ、この物語そのものを言い表している。それは観客を<(宇宙)旅の同行者>として誘っている。勿論 某国の人工衛星打ち上げ計画に因んでいるが。
(上演時間2時間 休憩なし) 追記予定

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