最新の観てきた!クチコミ一覧

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K2

K2

滋企画

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/03/24 (金) ~ 2023/04/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/03/30 (木) 14:00

佐藤滋の個人ユニットの旗揚げ公演。(3分押し)104分。
 世界2位の山K2で遭難した男2人が何とかしようとするアレコレ。2010年のシス・カンパニー公演(演出:千葉哲也,出演:堤真一、草彅剛)を観ていて、物語は知っていたが、今回は期待した『K2』ではなかった。8000mを登頂した後で遭難しその高さで一夜を過ごした男が、あれほどの大声を上げるというのが驚きで、さらに狭い岩棚で普通に立ち上がるというのにもビックリした。エンディングは感動的なだけに、前半の演出に疑問を持った。

Blue Bird

Blue Bird

TKmeets

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2023/03/29 (水) ~ 2023/04/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2回目の福地教光さんプロデュース公演、今回もとても楽しい。
「太陽にホエール」にあったコント感が薄れ、演劇らしいと感じるのは登場人物達が演劇人だからだけではないはず。中身のしっかり詰まった会話劇なのだ。
登場人物が演劇人の設定だと身内ネタがあったりするのが小劇場あるある…と個人的に認識していたがこの「Blue Bird」にはそれが無い。固有の身内ネタは無いのに演劇人あるあるはあって面白く観られる。二朗松田さん、さすがの脚本。
上演時間は60分弱だが体感ではもっと短い気がする、あっという間。
おすすめ!

ネタバレBOX

あらすじを知った状態で冒頭のラジオを聞き、池田莉々依さんの長台詞でタイトルの意味とこれから起こることを予想する、見えないはずのビジュアルが頭に浮かぶ。そんな出だしの数分が秀逸。
ご出演の4方いずれも発語が良い、気持ちよく台詞を聞ける。4方とも素晴らしい俳優!
「太陽にホエール」のようにいつの間にか現実じゃない世界に連れて行かれます笑。しかしそれも楽しい。演劇だからできる表現が詰まっている。
ハンドルを持つ手はもうちょっと低いかなあとか、ブレーキとアクセル踏み分けてねとか、ちょっと細かいところが気になるものの総じて大満足。「観たい」に書いたとおりご出演4方の魅力がものすごいので、ファンのかたは万難を排してぜひご覧になってほしい。
愛さずにはいられない

愛さずにはいられない

むさしの芝居塾

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2023/03/28 (火) ~ 2023/03/30 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/03/30 (木) 18:30

奥多摩で描かれる人間模様を描いたコメディ系の作品。
パンフを見れば、沢山の後援企業が劇団を後押ししてくれています。
愛されている「地域密着型劇団」と言ったところでしょうか。

今回は初観劇でしたが、正団員と塾生さんが混ざっているのでしょう。
アマっぽさがふと見えてしまう事があり、ダンスも配役作りも正直半端な印象です。
舞台での動き方、観客への笑いの取り方、全体的にバタバタして狙いすぎな感じ。
例えばアットホームな劇団の特色を生かし、客席まで入り込むとか、奥多摩名物を会場で配るとか。
舞台設定をより奥多摩の環境設定にフォーカスしても面白いんじゃないかなって思いました。

最後は写真を録ってもOKと言うアナウンスでしたが、
シャッタータイムです!と設けていない為、いつ撮れば良いか分かりずらかった。
閉幕時に今から写真OKの合図が明確になっていないと、SNSでの拡散は難しいかな。
更に面白くなる改善点は沢山あるはず。今後に期待です。

七慟伽藍 其ノ二十九

七慟伽藍 其ノ二十九

THE REDFACE

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2023/03/29 (水) ~ 2023/03/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ありがとうございます。
『活読劇』はじめて観覧させていただきました。
織田信長はじめとする戦国武将七人が
ある存在に導かれ冥途で一堂に会することで
歴史の真実に迫っていくという
摩訶不思議なストーリー。
私、あまり歴史に詳しくないので
謎解きのような展開についていくのが
結構大変だったのですが、
出演者の皆さん、力(りき)入っていて
その迫力だけで十分圧倒されそうでした。
面白かったです。
またぜひ観に行きたいです。

「愛と極星」「シェイプレス」

「愛と極星」「シェイプレス」

青春の庭のうさぎたち

現代座会館(東京都)

2023/03/28 (火) ~ 2023/03/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

全身が痺れるほどに感動的な演劇でした。最高です。

たぶんこれ銀河鉄道の夜

たぶんこれ銀河鉄道の夜

ニッポン放送

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2023/03/17 (金) ~ 2023/04/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

新米美容師のナオ(久保田紗友)が、先輩にいじめられ、いつのまにか銀河鉄道に乗っていた。そこには先輩と、同じ美容院で働く高校以来の友達レナ(田村真佑=乃木坂46)もいっしょだった。しかも結構満席。

赤い制服の車掌がやってきて、停車場ごとに、ゲームで客をふるいにかけていく。他人を蹴落とそうとしたり、自分のことばかりすると、下界に落ちる。そして、節目節目ごとにナオたちの歌うコンサート。アイドルによるファンのためのエンタメ舞台だった。「オールナイトニッポン」55周年記念の、ニッポン放送政策の舞台というから、この軽~いツクリに納得した。客席は男性が7割というのもうなずけた。

美術は、ステージ中の箱の手前が開くと、なかは列車の客席である。周りの光景が流れていくことで、走行感を示す。三角柱が林立する銀河の映像は、ますむらさんの漫画と共通。舞台上の大道具も、下手から上手へと移動し、走っている感がよく出ている。

ネタバレBOX

途中、主人公のナオも脱落してしまい、車掌も脱落。乗客の一人が作者・宮沢賢治とわかり、ユーチューバーが、賢治も乗る銀河鉄道を実況中継する。かなり羽目を外した「たぶんこれも」という銀河鉄道。最後。はレナがコンサートの群衆事故で意識不明とわかる。そこは「やっぱり」銀河鉄道。
太平洋序曲

太平洋序曲

梅田芸術劇場

日生劇場(東京都)

2023/03/08 (水) ~ 2023/03/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

異色のブロードウエイミュージカル。第一に複雑で前衛的な音楽に驚いた。口ずさめるようなメロディーは(最後の「NEXT」以外)全くない。第二に、出てくるのは男ばかり(メインキャストの唯一の女優の朝海ひかるの役は将軍慶喜)、恋も愛もない。第三に、物語らしい物語もない。狂言回し(山本耕史)のナレーションでつなぐ、ペリー来航~明治天皇登場までの日本の幕末史のエピソード集である。
 
 古き良き日本の暮し、ペリー来航、ジョン万次郎(ウェンツ瑛士)と浦賀奉行(海宝直人)の俳句(ポエム)連歌、浜辺の小屋内での秘密外交交渉を覗き見た人々の「木の上で見た」などなど。攘夷派と幕府の剣劇シーンは見ごたえある。音楽が複雑で、最初はなじめないが、簡単に割り切れない分、見終わっても何となくあとをひく感じ。ソンドハイムの音楽は、他も意外と複雑なようだ。「リトル・ナイト・ミュージック」は大竹しのぶでさえ苦労したと聞いた。恐るべし。

バウムクーヘンとヒロシマ

バウムクーヘンとヒロシマ

ミュージカルカンパニー イッツフォーリーズ

俳優座劇場(東京都)

2023/03/26 (日) ~ 2023/03/30 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/03/29 (水)

バウムクーヘン大好きな少年颯太が、あのバウムクーヘンで有名なユーハイムの創業者カール・ユーハイムを似島で知ることによって戦争をも考えさる児童書をミュージカル化。
颯太の探求心の清々しさに一緒になって冒険しているように感じた作品でした。

豊後訛り節

豊後訛り節

劇団1980

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2023/03/25 (土) ~ 2023/03/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

状況証拠しかない中、世論も警察も、犯人と決めてかかる。その怖さがどれだけ伝わるか。保険金殺人の犯人とされた男の、ふてぶてしい反論が目立つ。そこに、犯人扱いされた反発はあっても、恐怖はない。真実はわからない。警察のハニートラップまがいの、拷問交じりの取り調べは面白い。しかし警察と男のどこまでも平行線の真向対決ぶりは、怒鳴り声の一本調子でどうも乗れなかった。

あでな//いある

あでな//いある

ほろびて/horobite

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/01/21 (土) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

注目のほろびてだが、漸く二度目になる今作は映像で鑑賞した。現代社会の矛盾が無言の内に噴き出す様を情景化した舞台。コンクリの床と正面奥の瓦解したコンクリ壁の残骸は物理的な破壊を表し、人物によって描かれる諸相はその背後の、荒涼たる人間の心の風景。両者の関係への考察が本作の原点である事が想像される。演劇が、芸術が掬い取る使命の核心を扱っている、というのが私の感想。

ネタバレBOX

随分日が経ったが追記を。

二度ほど観てフィットしなかったスペースノットブランクの演出(男の方)が出演していたが必要十分にキャラを演じていた。またモダンスイマーズの紅一点(若一点とも)も力演(どこかで見てる顔と声と思いつつ見ていたが、年末スズナリで間近で観てたじゃん。と自分に呆れ)。
芝居の中でこの二人は外国由来の人。日本社会で何とか生きて行くため疑似家族をもう一人(中年男)と作っている。中年男は過去に傷を持つ男で、二人から誕生日を祝われた時の異常に戸惑った反応を伏線として、彼が傷つけたかつての妻(婚姻関係ではなかったかも知れぬ)との場面が回想される。彼女も日本由来の人でないらしく、彼とは彼の凝り固まった体をほぐすマッサージ役を入口に、ピュアな交際関係にある様子である。仕事がない彼は、もう別の若者と二人で報酬も良い「人に奉仕する仕事」にありつく。ところが宣伝文句はまやかしで、裏世界の仕事。いきなり現場で指示され、人に手を出す(殴る蹴るの暴行を加える)初仕事を遂げてしまう。いやいやながらも仕事を続けるが、コンビの若者は音を上げ始める。ここで作者の洞察は、彼を「人を殴る体になった」人間と見る(軍隊が人を殺せる体を作る、というのに似ている)。
身体や精神に重圧をかける仕事は、その代償としての多少の傍若無人が許される、という感覚をその人に与える。また「汚い」現実を知った者はそのストレスが未消化な内は「綺麗ごと」が許せなくなる。
彼は自分自身も限界を感じる中、その若者に勇気を出して逃げろ、後の事は俺に任せて・・と言う。だが、変貌した彼は帰宅後ついに、それまでと同じように彼との小さな共感を育もうと彼に話しかけながらマッサージをしようと近づいた彼女を、殴り倒す。
再び誕生会の場面。彼は自分が祝福に値する人間ではないことを、祝福された事により痛感し、二人にうまく対処できず、ケーキは二人に食べてと渡して<這う這うの体>で自室に消える。
この三人は時々「話」をし合う時間を持つ、というのが疑似家族のルールらしい。ただし芝居では男女二人が話す場面。持ちネタを言い合う時間が二度展開する。男は今の仕事が長く続いており、順調である事を他の二人も喜んでいる。その時の女の話のネタも、同じく「良い話」だ。少し歳は離れているが恋人が出来た、という。結婚の話も出て、色んな物を買い与えてくれる(がそれは断っている)。仕事関係で知り合った。「やるじゃん。」「よかった。」 常に慎重に、相手を慮りながら話をする男は、言葉を選びつつも、祝福の言葉を伝える。
次の時、男は会社でいじめを受け始め、痣を作っている。ネガティブな事でもこれを話そうと意を決したが、別の事で遮断される。そして二度目の話の時、男は体じゅうに痣が出来ており、女が彼の腕か胸に触れた時、激痛を訴える。そして控え目な表現ながら、殴って来る職場の連中のことを話し、もう仕事は続けられそうにない、ここの生活も困ることにはなるけど、でも・・うん・・と(俯き加減だが相手を見て)言う。
今度は女が話をする番。実は妊娠をしたという。男は少し考えてから、心底「すごい。」と告げる。女は、実は男が忽然と消え、住わせられていたマンションががらんどうだった事を話す。男は、女の代わりに目の前にいない「そいつ」をエアで罵倒するが、力萎えてかがみ込む。無力感をかみしめる。

もう一つの場面は、伊東沙保が演じる理容師の所に来た若い男が、中々髪を切ってもらえず、話を聞かされてばかりいる、という場面。上記の疑似家族の場面とは、人で繋がっている事が後で判るが、それぞれ別個のエピソードである。
青年はずっと店にいる。女が話題を色々と変えたりして中々突っ込めない、という事もあるが、青年の方もある程度「話を聞いてしまう」人(強がっていても心根は弱い)である設定らしい様子もある。
彼は実は元引き籠りで(そして今何らかの取っ掛かりを得て・・それはどうやら右翼的な思想であるらしいのだが・・社会に出ようとして)長く伸びた髪を切りに来た、というタイミングである。
話がひと段落して、理容師はマッサージが巧いという部下を紹介する。だがここで、青年には彼女が見えない、という事が起きる。この「不思議」の要素は、何らかの暗喩であるらしいがよくは判らない。青年には理容師が自分をおちょくっている、と解釈する理由となる。後半、理容師が町で出会ったという彼女(上記エピソードでの若い女)が、訪ねてくるが、その彼女の姿も彼には見えない。

彼女が「喋る」話の内容はつぶさに紹介できないが、青年の「髪切り」を先延ばしにしようとしているかに見える。「あなたは今の髪型が似合っている」。青年は自分は兵役に志願するため、髪を切りに来たと言う。作者は、青年の「見ている先」が何であるか、という事と、ある対象が「見えていない」事とを関連づけているらしいが、もう一つ別の「見えない」現象がラスト近くに起きる。
理容師の助手(洗髪と特にマッサージ担当)の女性を以前殴った、例の中年男が理容室を訪れる。先日訪れた女が紹介したのだ。髪を切ることにした。ここで、青年には見えなかった助手の存在が、中年男には(まじまじと見た訳でないので彼女が誰かは分かっていないが)認知できている。ところが、助手には男が見えない。
二つの「見えない」が何を暗喩しているかは観客の判断に委ねられている。
だが「見えない」状態とは不全であり、「見える」ことが目指される。第一エピソードでは青年が業を煮やして理容師にキレるが、理容師の言葉に従って髪を切る要求を中断し、「今そこにいる二人と一緒にメロンパンを食べる」ことを行なう。そしてパンを口にした瞬間、そこに人がいた事に気づく。
また男の事が見えなかった助手の女性は、「どう、やめとく?」と心配する理容師に「否」を告げ、不安ながらも「よおし」と男の肩を揉もうと手を伸ばす。

社会が作った分断を人がつなごうとする作業と、自ら分断を作った者が再びつながれる運命の計らい。力技ではあるが、今の状況に対する疑問視とそれを変えたいと願う心を、懸命に是認しようとする、私の勝手な解釈だがそういう願いに満ちた芝居である。
伊東演じる理容師の「怒り」は、その盾となっていた。
グッドラック、ハリウッド

グッドラック、ハリウッド

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2023/03/29 (水) ~ 2023/04/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

アメリカのよくあるウエルメイド・コメディ。
すっかり売れなくなった脚本・監督(加藤謙一)が、会社の事務室で首をくくろうとしていると、そこへ、向かいの部屋を割り当てられた新人の契約脚本家(関口アナン)が部屋を間違えてやってくる。昔は少しは名作もある監督だが、頑固でうるさ型、時代からも取り残されてしまっているのだが、映画への情熱は消えない。助手(加藤忍)に慰められ、若者の提案に乗って、自分は陰に回って、自分の脚本を若者を表に出して実現させようと仕組む。なんだか、こんな話、マキノノゾミにあったなぁ(漫画家の話)と思いながら見た。
いろいろあって映画はできあがるのだが、老若二人は仲違い。しかし老監督は仕事をしたことで元気を取り戻しす、といういかにもカトケン好みのアメリカ的なコメディである。
加藤謙一はほとんど2時間台詞だらけなのに初日から全く噛むこともなくうまいものだ。
しかし相手役がいかにも非力で、安心して笑っていられない。加藤に対しきっちり若さで対峙しなければ面白くない若者新人の役は関口には荷が重すぎるし、加藤忍はこの事務所が生んだ良い女優だが、ベテラン中年女性を演じるには年齢が半端になってしまった。そういえば、加藤謙一も、つかこうへいの後、「審判」や「寿歌」をやった頃のちょっと不気味な迫力がなくなって、うまいだけの中年の俳優になってしまった(戯曲によってはどんな役も出来ると若い頃を知っているものは期待する。しかし、事務所を背負っていると、それは出来ない)。それはそれでいいのだが、芝居で生き抜くのはなかなか難しいとも思った。いずれは「バリモア」なんか、うまくやってのけるのかなぁ。演出・チョコレートケーキの日澤雄介というのも期待してみたが、格別どうというところもなかった。アメリカのウエルメイドというのはなかなか手強い「橋田壽賀子的なもの」を持っているのかもしれない。初日で六割強の入り。やはり中年女性が主。

ネタバレBOX

脚本家はアメリカのテレビドラマ作家。この作品は十五年ほど前にサザンで、杉浦直樹、久世星佳、筒井道隆。演出山田和也で上演しようとしたことがある。杉浦が病で降板、長塚京三(圭史の父親)が代役を務めた。

上のあらすじの最後に、もう一つエピソードがある終幕があるが、そこは加藤忍では苦しかった。誰が悪いわけでもないが、うまくいかなかったウエルメイドプレイである。
K2

K2

滋企画

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/03/24 (金) ~ 2023/04/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#太田宏 #佐藤滋 #伊藤毅
(敬称略)
とっても楽しみにしていた。アフタートークで知ったが、日本での上演は4つめのカンパニーになるらしい。日本初演が菅原文太と木之元亮だというのだから驚き。それ観たかったなぁ。前回の上演がパブリックシアターの堤真一と草彅剛でチケット争奪戦で大変だった。
その作品を、アゴラ劇場の狭いスペースでやるのだからたまらない。臨場感を想像するだけでゾクゾクした。
結論から言うと、良いとか悪いとかではなく、冷静に落ち着いて観終えた。きっとそれは内容も結末も知っていたことが多分に影響している気がする。そしてやはり、舞台の余白が物理的に少ないことで標高8000mの絶壁における畳二畳に満たないスペースの孤独を、美術セットのコントラストから感じることは出来なかったことが大きい。加えて、陽気さ(恐怖心や葛藤からの裏返しであったとしても)やハイテンションに葛藤を受け止め難かったように思う。冒頭に孤独を感じさせる時間を長く入れたら違うモノを感じたかもしれない。
剥き出しの鉄パイプで組まれた舞台セットは、見えている時の活用法よりも、暗転時に響く音の利用に高山の孤独や恐怖を感じさせる効果があったように思う。
あのサイズの劇場で上演したことに価値があったし、二人の俳優さんも好演していた。空間とどう融合させるか、演出のアイデアが光った。
今作の内容を知らずに観る人を羨ましく思う。

ヨツバリベンジ

ヨツバリベンジ

E-Stage Topia

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2023/03/28 (火) ~ 2023/03/31 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

登場人物一人一人キャラがぶっ飛んでいるところがあって最初から最後まで飽きずに観られる作品だと思います。観るか迷ってるなら絶対観て損は無いと思います。本当に楽しいです。ツボ浅い方は笑い泣き用のハンカチ必須かもしれません。

ラストアンコール ~死者の夜明け~

ラストアンコール ~死者の夜明け~

劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)

博品館劇場(東京都)

2023/03/23 (木) ~ 2023/04/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

2.5次元の舞台ですが、原作を知らなくてもすごく入り込める作品だと思います。死生観についてすごく考えさせられる物語だなと観劇して感じました。

日本の大人【追劇グループ Something+】

日本の大人【追劇グループ Something+】

追劇グループ Something+

布施PEベース(大阪府)

2023/02/11 (土) ~ 2023/02/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

高校演劇の演目で「日本の大人」を観ることが多く、今回高校生が演じるのと社会人が演じる「日本の大人」に良い意味で違いがあり観ててすごく面白かったです。舞台美術が素敵で開演前からドキドキしてしまいました。

セチュアンの善人

セチュアンの善人

清流劇場

一心寺シアター倶楽(大阪府)

2023/03/09 (木) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

心の中で抱えている善と悪の気持ち、人間それぞれにあるものだと思うけど、一方的に振れ幅が向かってしまうと自分への害を与えてしまう。そんなことを色々考えながら作品に見入ってしまいました。神様は中和のキッカケを与えようとしたのかな。2時間半という長編でしたが、時間を感じさせないくらい素敵な作品でした。

R/J 〜 42時間のイノセンス

R/J 〜 42時間のイノセンス

アートプロジェクト集団「鞦韆舘」

藝術工場◉カナリヤ条約(大阪府)

2023/03/18 (土) ~ 2023/03/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

知り合いが出演しているcastBを観劇してきました。シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をヘビメタ系の歌とダンスを交えて、作品としての軸をしっかりさせながら演じている役者さん達に見入ってしまいました。作品として恋愛悲劇で有名なだけでなく、現代につながるメッセージ性があるということも作中で表現されており、全体を通して素敵な舞台でした。

てんしごと

てんしごと

劇団WAO!

国立文楽劇場(大阪府)

2023/03/18 (土) ~ 2023/03/18 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ノンフィクションの物語がミュージカルとなっていて、役者さん一人一人の表現にパワーや熱量を感じすごく感動しました。
劇場内の大きな空間だからこそ出来る舞台だと思いましたし、舞台セットの工夫もされていてすごく満足でした。

グッドラック、ハリウッド

グッドラック、ハリウッド

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2023/03/29 (水) ~ 2023/04/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/03/29 (水) 14:00

座席1階

初日の舞台を拝見。
いろいろなことを考えさせられる、見事な作品だった。この戯曲を選んだ段階で、半分成功していたのではないか。もちろん、残りの半分は加藤健一ら3人の登場俳優が思う存分その力を発揮したことだろう。

加藤忍は今回はいつもにまして、情感がこもった演技だった。過去の栄光が大きすぎて次のステップに踏み出せない老映画作家の背中をそっと押す優しさ、包容力が演技から十分に伝わってきた。主役の加藤健一をしのぐ出来栄えだったと思う。
もう一人、若手で勢いのある新人作家を演じた竹下景子の息子・関口アナンもよかった。ちょっと雑なところもあったが、まさに勢いだけで突っ走る若者をうまく演じた。世代交代というか、時代の波に乗る感じをとても長い手足を存分に使って全身で表現していた。

冒頭から少し驚かされる。天井の梁からぶら下がったロープで老作家が首をつろうとしているのだ。そこにたまたま若手作家が「部屋を間違えた」と入ってくるのだが、この若手作家がプロデュース会社と作品を世に出す契約を取っていることを知った老作家は、作品のクレジットから撮影監督まで自分はすべて黒子でいいので自作を使うようにこの若者を説得する。
斜陽と日出る勢い。そんな対比だけでなく、引き際の難しさや、いい作品と世の中に受ける作品が異なるという、映画演劇の芸術性と大衆性のせめぎ合いみたいなところも存分に演じられる。

今回は爆笑場面はないのだが、カーテンコールの時に起きる拍手はいつもより力強かった。

橋の上で

橋の上で

タテヨコ企画

小劇場B1(東京都)

2023/03/08 (水) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

タテヨコ企画の演目は去年から注目し始めていて、『家族のカタチ』、『ゾウとパンダと見えない虹のはなし』とシンプルなセットながらも役者たちの卓越した表現力で今もなお心に残っている傑作ばかりだけど、本作も当然と言おうかやはり超絶傑作だった!
上記二作では割と日常の何気ない光景にフォーカスしたものだったが、本作では【精神疾患の母による児童殺人事件】というヘヴィなテーマながらも不思議と「日常からの逸脱感」はなくてやはり日常のリアリティを突き詰めつつもそこに止まらぬ「光」を根底に感じられるのはこのタテヨコ企画 ならではだと思った。

ネタバレBOX

また、本劇団の看板若手役者であるミレナ氏は過去2作における「聞き分けのいい真面目な若者」という役柄を超えて、今回史上最高にブチ切れてたのは個人的に痛快かつ新鮮だったのも見どころだった。しかも友人役と小学生役と二役こなしていたのも驚いた。
しかしつくづく思うが、特殊なギミックを用いずにここまでシンプルな机と椅子だけのセットで20年前の事件現場だったり、学校だったり、パチンコ屋だったりと様々に移り変わりゆくシーンを役者の表現力と演技力だけで写像してくれるのはもはや驚愕しかない。そしてエンディングのなんともいえない余韻を残す感じもタテヨコ企画 ならではだと思う。今後も本劇団には大注目していきたい。
あと、最後にかかった女性ボーカルの音楽が印象に残ったんだけどあれは一体誰の曲なんだろう。

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