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播磨谷ムーンショット

播磨谷ムーンショット

ホチキス

あうるすぽっと(東京都)

2023/04/07 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

フライヤーの印象とは全く別物の、コメディ要素満載の舞台でした。
役者さん達のコミカルな動作や台詞、テンポの良さに、どんどん惹き込まれました。
笑いの中にも、なぜ、この老婆がターゲットなんだろう?という謎めいた部分もあり、とても面白かったです。
現実的には、人を殺めた罪を償う必要があるとは思いましたが、舞台上での話なので、これはこれでいいかなと思いました。
面白かったです!

こぼれるかけら

こぼれるかけら

UGM Kreis

Mixalive TOKYO・Hall Mixa(東京都)

2023/04/12 (水) ~ 2023/04/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

男・女ともに美形のキャストを多く揃え、人を思いやることの大切さを描いた青春群像劇。客席通路を使用し、身近で観せるといった親近感を演出する。
先に記すが、スタッフの対応が丁寧で 実に気持が良い。公演全体を通して、劇は勿論、終演後の写真撮影など、観客へのサービス精神〈思いやる〉に溢れている。

物語は、或る事情によって生まれ故郷を離れた男が主人公。彼は大学生になり、偶然 幼馴染に再会する。が、何となく違和感を抱く。心の奥底に眠っていた記憶が徐々に甦った時、もう1つ 桜咲く並木道、今は亡き愛しき人との思い出を馳せた時…この2つの出来事を交差させ展開していく。

事件や刺激的な出来事は起こらず 平凡な日々を坦々と紡ぐ。登場人物も どこにでも居そうな若者ばかり。舞台としては起伏に乏しいが、何となく心が温まり ホッとする内容である。
カーテンコールで、田中宏輝さんが「第四の壁を越え、観客と一体となった演劇を」といった主旨の挨拶をしていたが、まさに観(魅)せるを意識した公演のようだ。

同じような場面があり冗長に感じられること。登場人物が多く、ほんとうに必要な役柄なのか。簡素な舞台美術で情景変化が見られないこと などが残念なところ。一方、役者の熱量ある演技、その爽快感・躍動感が心地好い。テンポある展開が魅力なだけに、もう少しシャープな描きが出来ていれば…。
(上演時間2時間 途中休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は、中央に変形衝立というか張りぼて、その前に白い箱馬を横に並べているだけ。上手下手には生垣。キャストは、舞台中央や左右にある階段を上り下りし 客席通路を通り抜ける。

物語は、大学3年の日南田郁人(山中翔太サン)が主人公。或る日、大学構内で幼馴染の鈴原連(田中宏輝サン)を見かけるが、何故か双子の颯(染谷凌佑サン)の名を名乗っている。成り替わって生きている。もともと体の弱った颯が連を庇って交通事故に遭った。それが理由で 長兄の要(藤代海サン)が大事をとって 病院以外に外出させない。颯の存在(名前)を忘れさせないため、連は颯のフリをしている。そして日々の出来事を話して聞かせる。

一方、郁人は幼い頃に母・紫<ゆかり>(桜井しおりサン)を亡くし、遠縁(他人と言ってよいほど)の橋本美寿紀(小野沢智子サン)に育てられた。微かにある母の記憶、それが桜並木の風景と共にある。母子家庭、その母が自殺したとの噂もあり、郁人は気にかけている。幼い時に鈴原兄弟と図書館で一緒に読み聞かせしてもらった良き思い出が忘れられない。何年経っても楽しかった事は忘れない、ゆえに郁人が連に会った時の違和感、それは颯に成りすましていたこと。

おぼろげな記憶…2つの話を交差させ、人を思いやる気持や人との絆の大切さを描く。寄り添う人々が織りなす ちょっぴり切なく、そして優しさに彩られた青春群像劇。それは今の時期に相応しい爽風を感じさせる。ラスト、亡母が郁人を写した写真、そこにはしっかり桜並木が…。「桜は散るのではなく舞うのだ」という台詞、そこに人生の謳歌の意を込める。登場人物は皆 善人ばかり。相手のことを思う気持、それは忘れず ちゃんと覚えていること。

少し冗長と感じられたのが、例えば 要を慕う会社 後輩の愛嬌ある素振り等である。会社や鈴原家において 何度か同じような<愛情>シーンがあるが、あまり本筋に絡んでこない。コメディ要素を入れたかったのだろうか?

当日パンフのUGM Kreis(緑川良介/子安由)さんの あいさつ「自分には些細な事でも、誰かにとっては心に響くこともある。ちっちゃな幸せ、少しの成長」とある。その思いは劇にしっかり込められていた。
次回公演も楽しみにしております。
クラブ

クラブ

ウォーキング・スタッフ

シアター711(東京都)

2023/04/13 (木) ~ 2023/04/20 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

オーストラリアの豪州ルールのサッカーチームの内部争いの話。こう言う競技があることも知らなかったが、これは外国人が日本の相撲部屋の相続問題を聞くようなものだ。細かいニュアンスはわからないが、世界中どこの会社でも家族でも地域サークルでもある話なのだろう。長い伝統のあるサッカーチームのクラブの元経営者、新しく金を背景に乗り込んだ現経営者、彼が連れてきた名選手、成果を出せていない監督、このもめ事の調停役の経営コンサルタント?の直面する内部抗争である。要するに誰が最終的な決定権が持てるかという話で、日本の時代劇と同じ構造である。
和田憲明はこう言う話は得意で、過去にはこの劇場で「三億円事件」を大きな演劇賞が取れるような形にして見せた。今回も、話の緩急の付け方も演技の急テンポの追い込みもベテランのうまさなのだが、肝心の脚本に抗争の紆余曲折以上のものがない。
キャストは小劇場のベテランばかりで2時間喋り続け、動き続きなのだがボロを出すこともなくまとまっている。何か、「三億円事件」のように日本人の琴線にふれるところがあれば良かったのに、とこれはない物ねだりだ。

白夜

白夜

劇団演奏舞台

演奏舞台アトリエ/九段下GEKIBA(東京都)

2023/04/14 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 今作は劇団創立50周年記念公演の第二弾であり、寺山没後40年公演でもある。寺山20代後半の作品だが、彼の後”虚人”と評されることもあった独特の歪みやその底の無い虚を何とか人間の持つ能力で描こうと苦闘する様も見えてグー。

ネタバレBOX

 今作は1962年に文学座アトリエで初演。戯曲は寺山修司が書いた。従って寺山27歳頃の作ということになる。演出は、演奏・美術も手掛ける浅井星太郎さん。舞台設定は北の地にある旅館の一室。正面中ほどにドア、その下手壁にはエゴン・シーレ風の絵画が飾られ上手壁には海の見える窓。旅館から海を渡ると人気のある島へ行くことができる。やって来たのは1人の若い男。既に5年、100か所以上の旅館を回って旅を続けている。目的は女性を探すことだ。然し目的を達するどころか、手掛かりさえ未だ見付けることができずにいた。
 男がお上に案内されて入室し勧められるままにテーブルに着くと、テーブルには埃が溜まっている。余り使われていないのか? その理由は何なのかと疑問を持つもののお上は明確には答えずメイドを直ぐ呼び掃除をさせますと言いおいて部屋を出てしまった。入って来たメイドは、脚が悪い。おまけに客を揶揄うような所のある一風変わった女。客は、探している女の名を告げ、その特徴もお上にもメイドにも告げて宿帳にその名が無かったか、そのような特徴の女が来なかったかを訊ねたが手掛かりは掴めなかった。メイドも出て行った後、女たちの手が空かないからと男からの電話に応じ部屋へ用向きを尋ねに来たのは宿の主人であった。
 ところで、男が電話を掛けたのは、メイドが掃除の合間に客の遺失物があることを教え、それらを取り出して見せた物の中に探している女の持ち物が入っていたからである。この手掛かりをもとに件の女を見付けることができるのではないかと考えた訳だ。主人と男は、あれやこれやの話をするが、男の語る話に深い事情を察した主人は、酒を持って来て肝胆を照らしつつ相手をする。宿の主人とお上、男と探している女の事情の位相差に今作の深刻なテーマが在る。その内実については観てのお楽しみだが、オープニングでお上が男を部屋に案内してきた時のファーストインプレッションは、カミユの「誤解」(原題Le Malentendu)をイメージした。旅館の主人とお上の関係は、般若心経の唱える所に近かろうが、男と探されている女の関係は、絶え間なく生成流転し変容してゆく宇宙の余りの巨きさの前で成す術もなく凍り付いている、我ら人間の誤魔化しようのない無意味だと言ったら言い過ぎだろうか?
白夜

白夜

劇団演奏舞台

演奏舞台アトリエ/九段下GEKIBA(東京都)

2023/04/14 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

セットもお芝居も、生演奏生歌も全てよかったです。ゆっくりと、でも、確実に進んでいく、濃厚な会話劇を楽しませていただいました。

舞台公演「混血脈 - MIXSEED 詠声 -」

舞台公演「混血脈 - MIXSEED 詠声 -」

WizArt

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2023/04/13 (木) ~ 2023/04/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

若い役者の皆さんの、映像も駆使しながらのお芝居。アニメから抜け出したような感じの内容で面白かったです。内容に少しついていくのが大変でしたが、ダンスも歌も良かったです

ブレイキング・ザ・コード

ブレイキング・ザ・コード

ゴーチ・ブラザーズ

シアタートラム(東京都)

2023/04/01 (土) ~ 2023/04/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

時間軸は適度にシャッフルされるが、意外としっかりしたリアリズムに立った、シンプルなつくりの舞台だった。そうなると、大事なのは役者。亀田佳明が不器用で裏表のないが少々付き合いにくい、無邪気で孤独な天才を丁寧に演じて説得力があった。とにかく出ずっぱりなので、亀田の存在で成立した舞台だった。

数学や暗号の説明も、なんかわかった気にさせられて、面白かった。チューリングが語る「論理的な数学でさえ、数学的問題の解決には新しいアイディアが必要なんです。ましてや他の問題ではどうでしょう」と語るセリフが光った。ウイトゲンシュタインがいったという「科学上のすべての問題に答えが出たとしても、人生の問題に答えはない」もかっこいい。
パットの岡本玲がりんとして美しい。保坂知寿は那須佐代子に似ていた。
休憩込2時間50分

ネタバレBOX

青酸毒物による41歳の死。自殺か事故か? 舞台は、「肉体がなくなったあとの心はどういうものか」を知るための実験をしたという解釈を示すが、これは解せない。いくら天才でも、死は死だとわかるはず。そんな実験をするはずがない。
「キムンウタリOKINAWA1945」「OKINAWA1972」【4月6日(木)19時の回の公演中止】

「キムンウタリOKINAWA1945」「OKINAWA1972」【4月6日(木)19時の回の公演中止】

流山児★事務所

ザ・スズナリ(東京都)

2023/04/06 (木) ~ 2023/04/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

沖縄戦の地獄の中で、人間の良心が目を覚ますような、命の尊さをうたう物語的な見せ場のシーンになると、とたんに調教師(山下直哉)が現れて、「このあとどうなったかというと、二人とも爆弾で死にました」と、非情な現実で美談に水を指して、観客に物語に酔うことを許さない。「戦死ガチャ」なるサバイバルごっこをして、無作為のように次々殺し、これが戦場ですよとつきつける。ブラックな虚無とアイロニーを徹底させた芝居だった。戦争のヒューマニズムやヒロイズムを拒否し、不条理劇とも見紛うニヒルでシニカル、非常にとんがった作品である。

ネタバレBOX

調教師が舞台回しになり、冒頭は「人類館」の見世物小屋ふうにはじまる。沖縄戦の地獄めぐりを経て、最後は二代目調教師(男、塩野谷正幸)が初代に取って代わり、再び差別を繰り返す。人間、過ちはなかなか改まらない。皮肉の効いた結末だった。

生き残ったアイヌ出身兵と沖縄出身兵が協力して南北の塔を建てた。これはいい話だが、その一方、沖縄県民が「なんでアイヌと一緒にされるんだ」といって、出身で犠牲者に差を設けたらしい。事実かどうかは要確認だが、ありそうなことである
クラブ

クラブ

ウォーキング・スタッフ

シアター711(東京都)

2023/04/13 (木) ~ 2023/04/20 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

フットボールチームのクラブ会長室で展開する見応えのある会話劇。演出も、出演している俳優たちも渋い魅力。

GYPSY

GYPSY

TBS/サンライズプロモーション東京

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2023/04/09 (日) ~ 2023/04/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素直に楽しめるよい舞台でした。大竹しのぶ演じる、図々しくてバイタリティーあふれるステージママ・ローズ、ママへの愛憎半ばする娘たち(生田絵梨花、熊谷彩春)、ローズに惹かれてマネージャーとして支えるハービー(今井清隆)の芸能一家。日本で言えば、ドサ回りの大衆演劇の一家ということになろうか。脇役の子たちも最初は男の子4人、あとでは女の子4人が旅をともにする。アメリカ獣を旅するロードムービーでもある。

楽曲がメロディアスでわかりやすい。そして一曲一曲のテーマが鮮明でメリハリが付いている。ローズが平凡な生活には我慢できないと歌う「サム・ピープル」、出会った二人の似た者同士を歌う「不思議な出会い」、喧嘩しても心では結び合ってる「二人は離れない」、姉妹の母の呪縛からの解放を願う「ママが結婚したら」、ベテランストリッパーがステージの秘訣を歌う「大事なのはギミック」など。ただ「ウエスト・サイド物語」のようにマンボやストリートやラブソングと多様なわけではない。基本はバラードだけれど、変化が少ない分、安心して聞いてられる。

今井清隆のバリトンの魅力は聞き惚れた。生田絵梨花は、最後、シックなドレスに着替えると、見違えるように華やかでスターになったことが実感できる。そして、大女優の大竹しのぶはこの役にぴったし。一幕の終わり、全てを捧げてきた妹娘ジューンが駆け落ちし、他のみんながもう終わりだというのに、ひとり「まだ終わりじゃない。これが始まりよ」とうたう不屈ぶりが見事だった。

そしてラストの曲「ローズの出番」。この曲だけは、曲もソンドハイムが書いたと宮本亜門がプログラムで語っている。たしかに、この曲だけ超複雑。「太平洋序曲」のソンドハイムらしい、凝った楽曲で、異彩を放つ。姉娘のルイーズに邪険にされても、なお今度こそ自分の出番と歌うことで、3人3様の女のバイタリティー、生き様が最後まで貫かれる。

冒頭のルイーズとジューンの子供時代を演じた子役(チームブルー:酒井希愛、三浦あかり)もかわいかった。2時間50分(休憩20分込)

わたつうみ

わたつうみ

露と枕

「劇」小劇場(東京都)

2023/04/12 (水) ~ 2023/04/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

題材のせいかもしれませんが、私には虚構が虚構の顔をしてやってきたように見えてしまいました。

竜の蕾

竜の蕾

青沼&40

サブテレニアン(東京都)

2023/03/31 (金) ~ 2023/04/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「新しいビジネスを思いつきました!」のシーンが本当に怖かったです。彼女も天空へ昇ればいいのに、もしくは、彼女も深海に沈めばいいのにと思いました。彼女も誰かに見送られてほしい。去りゆく人への言葉、送られる人のためではなく送る人のためのものだよなぁと思ったりしました。劇場の狭さ、暗さも相まって、大声で叫ぶ彼女の声が体の中にどんどん入ってきて怖かったです。

ある日、ぼくらは夢の中で出会う

ある日、ぼくらは夢の中で出会う

劇団六風館

大阪大学(豊中キャンパス)(大阪府)

2023/04/13 (木) ~ 2023/04/15 (土)公演終了

満足度★★★★

この劇団は個人的に好き
ダンス💃?等はなく、内容も大学生らしくなく、安定感ある
今回も最初はうーん😔だったが中盤からはグイグイ引き込まれた
大学生が感じている大人社会の矛盾等が、上手く表現できていたと思う
次回も楽しみです

播磨谷ムーンショット

播磨谷ムーンショット

ホチキス

あうるすぽっと(東京都)

2023/04/07 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ドライブインに次々と殺し屋が送り込まれる、その理由は…。客入りは7割程度(?)だけど、それなりにうけていたので、こういうカンジが最大公約数向けのコメディなのかしら?

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気候危機プロジェクト 川村美喜×上田うた

Soco Kyoto(京都府)

2023/04/15 (土) ~ 2023/04/16 (日)公演終了

満足度

地球温暖化、海面上昇、ゴミ問題や異常気象を煽っている感じ
確かにゴミゼロは理想だが、過去の歴史を考えるとゴミゼロは不可能
雪が降らなくなって、喜んでいる地域もある
スーパーの過剰包装はやめるべきだが、注射器を使い回しされたら企画者は賛同する?
極めつけは電力自由化で電力会社を変えなさいときた
確かに5分で変更はできるが、その変えた電力会社が潰れた時のめんどくささは知ってる?
入店対応、エコを主張するわりにはビンで飲み物提供するなど、違和感を感じるのは…

こぼれるかけら

こぼれるかけら

UGM Kreis

Mixalive TOKYO・Hall Mixa(東京都)

2023/04/12 (水) ~ 2023/04/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

#西村美咲 #木下綾菜
#宮本愛 #木所真帆
#小野沢智子 #緑川良介
#西川俊介 他(敬称略)
初見の団体さんにご招待いただき拝見した。キャストも皆さん初見で新しい出会いの予感を感じながら劇場へ。
すると、ひときわ目を引く美しさとハートを鷲掴みする振り切ったキャラを見事に立ち上げたキャスト。直ぐに気づいた、『新編ロミオとジュリエット-薔薇の名は-』で抜群の存在感を放って魅了した西村美咲さん。最高だった。登場する度にキュートで可笑しくて笑った。こんなにも『早く出てきて、もっと出てきて』と思いながら観ることはない。それほどに群を抜いて素敵だった。
脚本もなかなか興味深いモノだった。美術は経費の問題があるのだろうけれど、もう少し工夫が欲しかった気がする。客席通路を使う演出は、出捌けの多様化と共にキャストと近くて楽しめるだろうという狙いもあるのだろうけれど、多過ぎはしないだろうか。やや鬱陶しさも感じてしまった。

好きだったのは、小野沢智子さんがお茶しながら語るシーン。優しさが滲む良いシーンだし、温もりを感じる自然な語りが素敵だった。
ノビノビしたキャラを楽しげに見せてくれた木所真帆さんも良かった。
木下綾菜さんのスタイルの良さにはビックリだし、宮本愛さんの可愛らしさはもちろん、後ろ姿に惚れ惚れした。
男性キャストは、人を繋ぐ西川俊介さん、賑やかしの緑川良介さんが観ていて気持ちよかった。

作品の印象は、イケメンと美女がたくさんいらっしゃって、地下アイドルたちのカーニバルかと思うほど。ちょっと場違いな公演に来てしまったかと思った気持ちを、上記のキャストさんたちが救ってくれた。キャストというか、登場人物がやや余剰な気がした。キャスティングとの兼ね合いとかもあるのかもしれないけれど、もう少し整理すると作品のクオリティは上がるような気がした。

Cartoonist【終演しました】

Cartoonist【終演しました】

Cheeky☆Queens

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2023/04/14 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

めちゃめちゃ面白かった☆お芝居なんだけどミュージカルデビューを目指すサクセスストーリーを追いかけるドキュメント番組を見てるかのようなドキドキとワクワク感に満ち溢れた作品でした☆アメリカの青春ドラマに見る総体的に明るい世界観も観る者に元気を与えくれます♪ミュージカルを目指すとはいえ単なるスポ根ドラマにならないプロットとストーリー展開がとにかく秀逸!畠山薫さんは演者としてだけでなく作家、演出としての才能も素晴らしいものがありますね♪出演者の皆さんの表現も素晴らしかったです\(^o^)/

白夜

白夜

劇団演奏舞台

演奏舞台アトリエ/九段下GEKIBA(東京都)

2023/04/14 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。ー劇団創立50周年記念公演Ⅱ・寺山修司没後40年記念認定事業ー
久し振りの劇団演奏舞台…変わらずアトリエでの公演だが、満席いや増席するほどの人気に驚いた。以前 観た公演は、板敷座布団が中心だったが、本作は全て椅子である。音響エリアだけは変わらず下手に設えてある。

濃密な会話の一幕劇…寺山修司 26歳の戯曲、初演は1962年というから約60年前の作品。テーマは「恐怖」ということらしいが、同時に、台詞にある「希望という名の重い病気」、そして希望を追い求め<続け>ることが どれほど残酷であるか。

釧路の北海岸にある安宿の一室が舞台。男は失踪した女を探す旅を続けており、宿の女主人、老人、女中に女の行方を尋ねる。溢れる男の想い、そして衝撃の事実が…。
演出は、作り上げた舞台美術(室内)、情況の変化と時間の経過を表す照明の諧調、心情表現を効果的に表す音響 音楽が実に印象的だ。演技も静かな中に 力 のこもった熱演で観応え十分。
抒情的な印象が強く残るが、大いに満足した公演だ。
(上演時間1時間20分) 

ネタバレBOX

舞台美術は、中央奥に部屋ドア、手前にテーブルと椅子、上手にベットと窓。他に黒電話や裸婦の絵画、天井には傘電灯がある。全体的に薄暗く、陰鬱な雰囲気が漂い 心(うら)ぶれた宿屋の一室を表している。上演前から静かな波の音が聞こえる。
なお、当日パンフに 寺山修司は「O.ヘンリーの短篇『家具つきの貸間』から発想を得た」とある。

梗概…一人の男が宿屋の女主人に案内されて部屋に入ってくる。男の名は猛夫、くたびれた様子で椅子に腰かける。テーブルの埃を見て、あまり利用されていない部屋では と訝しがる。男は弓子という女を探しており、投宿したことがないか尋ねる。まもなく女中が来て部屋の掃除をし始める。そして同じように女のことを尋ねる。掃除の途中で先客の忘れ物が散らばり、その中に見覚えのある品を見つけるが…。そして老人が入ってきて、自分の(恋愛)体験談を話し出す。

老人は戦時中に憧れていた女性がいたこと、そして人生長いようで短く、時の流れは残酷でもある。猛夫が弓子を捜し始めて5年が経ち、空しい時を過ごしている。老人は言う…いつか見つかるかも知れないという希望に憑りつかれてしまった と。時間を無駄にしてはいけないとの忠告をするが、猛夫は聞き入れない。一方、猛夫は言う。実は自分が先に散歩といって家を出たまま1カ月帰らなかった。その間に彼女が居なくなった。実は、彼女も猛夫を捜して旅している、その二人の行き違いの旅路でもある。猛夫の疲れ果てた姿が彼女に重なり、それが客商売に影響して…。ここで、冒頭のあまり使用されていない理由、女主人のガスコンロ云々といった台詞の意味が解ってくる。

いつしか日が暮れ 窓から月(星)明かりが差し込み、電気を付ける。が 停電によって暗闇へ。老人が蝋燭に火を灯し幻想的な光景が浮かび上がる。そこに捜し求めている女の幻影を重ね合わせているかのよう。音響・生演奏 音楽は海辺の近くということもあり、波の音、毎夜決まった時間に歌う 女中の子守唄、そして心情表現としての歌など、照明・音響等の舞台技術<効果>が素晴らしい。

演技は、猛夫(森田隆義サン)の疲れているが 希望を捨てない気丈さ、老人(鈴木浩二サン)の訥々とした話し方に滋味が溢れ、女主人(原律多サン)の素っ気ない素振りと訳あり態度が意味深で、女中(池田純美サン)の少しコミカルで愛嬌ある振る舞い、一人一人の情況がしっかり表現できている。その演技には、舞台で大切な観せ 感じさせるといった 力と 艶があった。演出・音楽・美術は浅井星太郎さん、その演出…基本は、猛夫と他の人物の対話であり、そこで交わされる台詞一言一言に深い意味が込められている。舞台全体に漂う抒情的な雰囲気が衝撃のラストシーンに余韻を残す。
次回公演も楽しみにしております。
「キムンウタリOKINAWA1945」「OKINAWA1972」【4月6日(木)19時の回の公演中止】

「キムンウタリOKINAWA1945」「OKINAWA1972」【4月6日(木)19時の回の公演中止】

流山児★事務所

ザ・スズナリ(東京都)

2023/04/06 (木) ~ 2023/04/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「キムンウタリOKINAWA1945」

1978年、The Crassは「Punk Is Dead 」と歌い、1981年、The Exploitedは「Punks Not Dead」と返した。
今作はまさに「Punks Not Dead」。もう演劇である必要もない。アイヌと琉球の被差別の歴史から日本を語る。
『ドラゴン怒りの鉄拳』というブルース・リーの名作がある。日本映画にある、耐えに耐えて到頭堪忍袋の緒が切れて・・・の段取りを全部カット。開幕そのままブルース・リーはブチ切れている。Aメロ、Bメロ省略、サビだけというハードコア・パンク。スターリンの『虫』みたいな感じ。今作もそんな荒々しさで叫びまくる。言いたいことが客に伝わらなくちゃ意味ねえんだよ!どんな形になろうが伝えてやる!凄く良い。

『怒りの鉄拳』の「東亜病夫」のように、「琉球、朝鮮、アイヌはお断り」がキャッチーに歌われる。作曲演奏の鈴木光介氏の才能が今作を彩る。
知念正真の戯曲『人類館』をモチーフに物語は綴られる。1903年大阪で起きた「人類館事件」。人間動物園として、各地の土人の暮らしぶりを観客に提供。アイヌ、琉球、台湾生蕃、朝鮮・・・。今作では沖縄戦に投入されたアイヌ人兵士と現地のウチナンチュー(沖縄人)のエピソードを芝居形式で送る見世物。シルクハットにタキシードとマント、鞭を片手に持つサーカス団の団長風の調教師(山下直哉氏)、横に立つアシスタント的な女(伊藤弘子さん)。鞭を鳴らしながら観客に口上をふるい、絶望と地獄の沖縄戦で楽しませてくれる。属国とされた弱い民族は理不尽に支配され服従するしか道はない。しかもアイヌは琉球人にさえ差別された。実話のエピソードが並べられ皆当たり前のように死んでいく。後に残るのは「キムンウタリ(山の同胞)」と刻まれた石碑、南北之塔。

安全圏から高みの見物を決め込む観客に拳銃を向ける調教師・山下直哉氏がMVP。このメフィストフェレスは誰も彼もに銃を突き付ける。どうやったらこの話を観客が自分自身の話だと受け止められるようにすることが出来るのか?
ウチナンチューの兵士役、五島三四郎氏は林泰文や若き日の本田博太郎っぽくて愛嬌がある。
ウチナンチューの妊婦役、竹本優希さんも印象的。

是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

ひめゆり部隊の看護兵役の福井夏さんが記憶に残る。米軍に投降して生き延び、戦後はパンパンになった。

死んだ先でも差別が待っている。しかももう死ねない。祀られるのは英霊だけで、殆どのウチナンチューは犬死にだ。

この世は差別で作られている。差別こそが人間の本質である。差別を克服する為ありとあらゆる取り組みを試してみたが、新しい差別が増えていくだけ。今作に「絶望すらも抱き締めろ」という台詞がある。「それだって唯一無二の自分自身」。世の中の矛盾、自分の中にある矛盾を肯定して生きていくことか。

長渕剛『ひとつ』

悲しみは何処からやって来て
悲しみは何処へ行くんだろう?
幾ら考えても解らないから
僕は悲しみを抱き締めようと決めた
星レト短編集 『plumaje』

星レト短編集 『plumaje』

縁劇ユニット 流星レトリック

サンモールスタジオ(東京都)

2023/04/14 (金) ~ 2023/04/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 舞チームを拝見。場転・換気休憩5分を挟み100分で4本を演じる。各作品趣もテーマも異なるが中々良い脚本である。華4つ☆追記後送

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