最新の観てきた!クチコミ一覧

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十二人の怒れるひとびと

十二人の怒れるひとびと

OuBaiTo-Ri

目黒CLEOスタジオ(東京都)

2024/07/05 (金) ~ 2024/07/05 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/07/05 (金) 13:00

東中野で観た時と3号、12号、守衛の演者が異なる。
で、「蓮根3号」は、これまで観てきた蓮根さんの役柄のイメージがあったためか息子への強い想いが前面に出て「背中に哀愁」的な?(笑)
また、前回気付いていながら書き忘れたが、2~3人の会話がクローズアップされる時に他の人物がスローモーション(あるいはストップモーション)になるのが照明と相俟って効果的で巧い。

神[GOTT]

神[GOTT]

ワンツーワークス

駅前劇場(東京都)

2024/07/19 (金) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

医師による自死幇助をテーマとしたストイックな会話劇。
観客に自ら考えさせるための作品といった印象です。

暁光の魔女と明日の軌跡

暁光の魔女と明日の軌跡

少年ピカレスクロマン

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2024/07/19 (金) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初めて拝見しました。フライヤーにもありましたが なんやかんやゆーて コメディを中心に  で面白かったし楽しかったです。

百こ鬼び夜と行く・改

百こ鬼び夜と行く・改

仮想定規

中野スタジオあくとれ(東京都)

2024/07/18 (木) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

幻想的でスケールの大きな舞台でした。人間以外の視点を捉えると、こうなるのかもしれません。セリフ回しやダンスの取り込み方の技術に優れていて、引き込む力がある芝居でした。

すべての人に可能性があります!

すべての人に可能性があります!

TheNextOne企画

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2024/07/19 (金) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

満足度★★★★

探偵ものかと思いきや…
夢を諦めず、実行した座長の話でもある 旗揚げとしては満足

季節の変わり目に

季節の変わり目に

刹那のバカンス

STAGE+PLUS(大阪府)

2024/07/20 (土) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

満足度★★★

女性四名が浴衣👘でお出迎えまでは良かったが、内容は… ジャンルで言うなればファンタジー 注射💉で人間→AIになる等々40オーバーにはわからんコントも
はまらず、アフタートークも途中退場 次回に期待

暁光の魔女と明日の軌跡

暁光の魔女と明日の軌跡

少年ピカレスクロマン

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2024/07/19 (金) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

いっぱい笑って、めちゃくちゃ元気をもらいました!
すごく面白かったです❗️
15周年楽しみにしてます‼️

Deep in the woods

Deep in the woods

終のすみか

調布市せんがわ劇場(東京都)

2024/05/24 (金) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

東京を離れ、地方の林間部へと移住した旧友のもとを同級生の男女二人が訪ねる。祖父の別荘のあるこの森に一人で住んでいるのは、フリーランスのアニメーション作家と思しきシノダ(武田知久)だ。その幼稚園時代からの友人であるサトウ(高橋あずさ)とアオキ(串尾一輝)はともに既婚者で、アオキには2歳の子どもがいる。シノダの移住からは1年だが、3人が再会するのは4、5年ぶり。そのまま明け透けに懐かしい夜は明けてゆく。
(以下ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

異変は翌日の昼頃に起きる。あと数時間で二人が帰るとなった頃に、息も切れ切れ、会話の応答もままならないシノダの異変に二人は気づく。そこでシノダが心を病んでいることをようやく、はっきりと悟るのである。
心を病んだシノダに「大丈夫?」と数回尋ねた後にサトウが「何かできることある?」と質問を変えるシーンが印象的だった。そこには小さな変化の中に他者に寄り添う気持ちが忍ばされていた。そして、シノダは二人に「また来てくれる?」とたずね、二人は「もちろん」と応える。

人は他者の心の異変にどこまで気づくことができるのか。
本作を通じてそんな命題を問われたように感じた人は多かったかもしれない。
しかし私が本作で最も強く感じたのは、人一人の存在が与える影響の大きさであった。私たちは、あなたたちは、私も、あなたも、存在しているだけでいい。それだけで誰かの今を少し救っているのかもしれない。たとえばこんな風にふらっと久しぶりに旧友に会いに来ることなんかで。それを戸惑いながらも迎え入れることなんかで。この「会う」ということのエネルギーの大きさを、孤独の沈黙を一つ破るだけで変わる風景もまたあるのかもしれないということを感じることのできる演劇だった。「大丈夫?」を「何かできることある?」に変えることでようやく聞こえるSOSがあるのだということも。
心の声など聞こえるか

心の声など聞こえるか

範宙遊泳

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/07/06 (土) ~ 2024/07/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

私には幼少期から夢にまで見る恐れてる事があって、私の身体はすっかりと、それ=世界の終わりとサジェストされている。それこそが心の声がきこえてしまうこと。だけど、私は今もしかしたら終わらないかも、愛によって終わらないかもと思っている。
『心の声など聞こえるか』という演劇に出会って。
(以下ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

サトラレという漫画・ドラマが流行ってた頃はとくに毎日怖かった。自分の心の声の全部がはずかしくておそろしくて、「思うことをやめたい」ということばかりを思って過ごしていた。絶対に嫌われるし、嫌いになっちゃう。それが世界規模で起きたらもうそこらじゅうが戦争で世界はじき終わっちゃう。そんなトラウマは尾鰭背鰭をつけて私の中を長く漂っていた。
だから、劇中で喧騒から逸れた妻たちが心の声を飛び越えて小さくも壮大な耳打ちをしていたとき、そのあと宴席に戻って心の声を介さなければ通じ合うはずない合図で交信をしたとき、次から次から涙が出てきた。その涙でやっとわかった。私がこわかったのは心の声がきこえることじゃない。それで世界が終わることじゃない。人を信じていないこと、信じられないことなんだと。30年以上かかってようやくわかった。浄化だった。範宙遊泳に、山本卓卓という劇作家に、この作品に出会えてなければこのままずっとわからなかったかもしれない。

目の前の人が言っていることを、隣の人が信じていることを自分はどれだけ剥き身で受け取れるだろう。心の片隅でどれだけ微細にも馬鹿にせず、呆れず、その声のままを受け取ることができるだろうか。それはとてもむずかしい。でも、信じたいし受け取りたい。そう思うことからでも何か変わるかな、そう思うことも愛ってよんでもいいのかな。

自分と圧倒的に違う他者やその声を異質と排することで守られる世界があるとしても、そんな世界に守れるものなんてたかがしれてるのだろう。
妄想とたたかうこと。他者が差し出す声を信じようとすること。隣人への愛を全うした妻が「しあわせ」と言ったことおめかしして選挙へ出かけたその夜に誓う様に飛び立ったこと。喜びも哀しみも抱えたいくつもの風景を多分この先もずっと思い出す。信じる力が小さくなるたびにこの演劇に、この演劇を心の底から信じた自分に、その心の声の在処に何度も触れるのだと思う。

「この演劇信じられる」と思うことも「この作家や俳優信じられる」と思うこともあるけれど、「この演劇に、作家に、俳優に、観客じゃなく人間としての自分が信じられている」と思う経験は多くない。そんな演劇だった。目の前の俳優が素晴らしすぎての落涙もあった。
逃奔政走

逃奔政走

フジテレビジョン

三越劇場(東京都)

2024/07/05 (金) ~ 2024/07/16 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

都知事選投開票前後のこの時期に政治家1年目の女性候補者の街宣から幕が上がる舞台がやっている。議員の汚職を取り上げた舞台がやっている。そのことももっと知られてほしい。当確が出てからの3年半、県知事の彼女が何から逃げて何に向かって走っていたか。清さも濁りも描かれてます。

エンタメにコメディにパッケージしながら県政や国政をしっかりと作品に持ち込み、そして観客を通じて作品の外、社会へと運び出していく。そのスタイルは劇団公演と何も変わらない。どの劇場だって、誰とだって、いつだって、アガリスクエンターテイメントはやっていることが変わらない。そのことにどれだけ痺れ、励まされたことか。そのことがどれだけ難しいかを知っているからなおのこと。(以下ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

主演の鈴木保奈美さんが家庭や仲間と政界での自分のギャップに誰より自身が戸惑う姿を等身大に演じられていて、公人も個人であるという当然を改めて痛感した。そこにメスを入れ、否、ラケットを切る寺西拓人さんの鋭い分だけ実は高温なポリシー。そのブレなさ、痛快さ。相島一之さんの配役がにくいことはもちろん、舞台上には描かれてはいない私生活やバックボーンに裏打ちされた人間の可笑しみや情けなさが背中や横顔に映し出されるようでした。表情や声色の緩急がシーンのうねりとなってより笑いましたし呆れました(そういう役柄なのです!笑)

そして、なんといってもアガリスクメンバー(常連客演含む)が本当に魅力的。まじの一人残らず全員がバチっと役にハマりつつも想定以上の魅力を見せつけるようでもあり、かっこよくて、なんというかすごく清々しかった。いわゆる小劇場でやってきたこと、やっていることをある意味でリサイズせず、それでいて三越劇場を全く持て余すことなく、むしろ可能性を拡張すらする様に走り抜いていることが。
私は熊谷有芳さん(今作で久々の舞台復帰)演じるアクティビストに共感したけど観る人によって様々な人にシンパシーあるいはエンパシーを抱けるような、全員にきちんとドラマがあること、それらが手をつなぎ合って作品そのものの源流となっていること。人間の悲喜交々が出発点になった冨坂さんの劇作に私はやはりとても惹かれます。
この公演を面白いと思って、ホームであるアガリスクエンターテイメントの作品を観たことない人は是非劇団公演も観てみてほしいなあ、なんて思いました。きっと楽しんでもらえると思います(違いではないけど、劇団公演の方がやや屁理屈濃いめ背脂ありって感じ!笑)
あばれヤーコン

あばれヤーコン

ゴキブリコンビナート

北千住BUoY(東京都)

2024/07/19 (金) ~ 2024/07/22 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

今回で7回目のゴキコンさん
昨年の本公演、暑さで意識朦朧死にかけたので迷ったがやっぱり見に行きました。
この値段でこれだけの設備をされる劇団に感謝しかないです。
途中花やしき的な怖さの乗り物あり
良く言えばアングラのディズニーランドとも思えるかもしれませんw
レインコート着用しましたが、半ズボンはうんこだらけです。
内容に関係ありませんが
これだけの設備をし、危険な様でしっかりと演者が誘導しておられるところ
先日見た万有引力の方が危険でケガさせられそうな怖さありました。
また来年も行きたいので元気に頑張れそう!
個人的には100点が満点としても100点以上の出来栄えと思います。
楽しい時間をありがとう

木のこと The TREE

木のこと The TREE

東京文化会館

東京文化会館 小ホール(東京都)

2024/07/12 (金) ~ 2024/07/13 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

南果歩さんの少女の瞳が物語る痛ましさと切実。古澤裕介さんや金子清文さんの個性が手渡す生命の存在感。ピアノ、ギター、コントラバス、チェロが奏でる豊かで、あたたかく、しかし、それだけではない、時におどろおどろしい音楽。
時代を横断してもなお変わらないもの、それらを込めた祈りのような言葉の数々。そして、音楽と言葉に呼応する我妻恵美子さんの生命の躍動と枯渇を体現する踊りは木々の悠然、力強さ、戸惑い、憂い、そのものだった。
その全てにぎゅっと縁取られるような70分。
木を抱きしめ、抱きしめられる時の様な静寂なのに濃密な、時や世界の果てしなさを五感で感じる時間でした。

私は子どもたちの名前は木からとっている。
一人はある神話で人類の始まりに深く関わりのある、葉っぱが四方八方に広がっているのが特徴の木で、小さな手の平からまさに葉っぱが広がるように生まれてきた命を見た瞬間にその名は決まった。もう一人は夏に花をつけ、秋に実を落とす木で多くの生き物のみならず、防風林になるなど人間の暮らしをも守っている。
そんな風に子どもに木の名を命名した私は、人よりも木々の名前を口にすることが多いはずなのだ。だけど、知っていたつもりになっていた。木の記憶の本当の果てしなさ、痛ましさを。そんなことを思いながら劇場からの帰路につき、その道中でまたいくつもの木々に迎え、見送られ、そして今日も今日とて木の名前を呼び続けている。

流れんな

流れんな

iaku

ザ・スズナリ(東京都)

2024/07/11 (木) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

過疎化、海洋汚染、出生前診断や移植における倫理的問題、不同意性交、そして、母の不在によって家事、家業、妹の育児を一手に担い、進学を諦めた姉の姿にはヤングケアラー問題の側面も色濃く映写されていた。初期作品とあり、調べたら初演は10年以上前。その段階でこんなにも多くの喫緊の題材が扱われていたことに驚くとともに、自分の鈍さを痛感もした。そして、未だそれらほとんどに解決や正解が見当たらないことを改めて目の当たりにするようで目眩を覚える。あらゆる考えが乱立する社会で一つのことを定義する難しさよ。  

そして、iakuの作品を観るといつもその前提に必ず人間の野性があることを思い知らされる。本能というよりも野性。涼しい顔をしたり、知らないふりをしたり、いろんな理性でふたをして生きている人間の中にされども絶えずある野性。ひとたび流れ出したら途轍もなく早く、止まらぬ激しい野性。

必要以上の負担と責任を負わざるをえない状況にある姉と否応なくその恩恵を受けるしかない状況にあった妹。いずれものどこにも流せぬ思いが濁流の如く押し寄せて決壊を迎えるシーンでは、その水圧に流されぬようにと流木を掴むような思いだった。もちろん掴む木などはないので掌を握る他なかった。痛くなるほど握っていた。田舎で生まれ育ち、姉と妹をもつ。そんな自分としては、知っている景色やいつか知る景色を見せられている様でもあり、耐えきれないほど解像度の高い衝突だった。

そして、本作なんといっても俳優・異儀田夏葉さん が凄まじい。どのシーンをとっても圧巻だった。(以下ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

田舎の漁港町で自分を犠牲にして生きてきた、生きてきてしまった、生きてこさせられてしまった女性の叫び、えもいわれぬ孤立や喪失感。それらが笑顔の時にこそドバドバと滴り溢れ落ちてくるようだった。そこに流れないもの、流せぬものを見た。見えた。だからこそ、これは本当に思うのだけど、懸命に生きる女性が消費され消耗されて終わるだけの物語じゃ辛すぎるから、劇中のセリフを借りれば、"そういう物語の主人公になって生きるしかなかった人生"なんて居た堪れなさすぎるから、投げつけるものは投げつけて欲しいしそのシーンがあったことが救いだった。一緒に叫び出しそうな気持ちをギリギリ保てた感じがあった。お願いだからあの後絶対幸せになってほしい。むっちゃんと私、2歳しか変わらない。同世代なんだ。だからって訳じゃないけど誰にどんなもの投げつけても、どこにどんなもの吐き出してもいいからってトイレに駆け込むラストシーン見て強く思った。あのシーンも必要だった。
百こ鬼び夜と行く・改

百こ鬼び夜と行く・改

仮想定規

中野スタジオあくとれ(東京都)

2024/07/18 (木) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

妖怪達が歌を歌い踊る姿がかっこ良かったです。
この内容だと箱が小さすぎて勿体なかった。

ナイトーシンジュク・トラップホール

ナイトーシンジュク・トラップホール

ムシラセ

新宿シアタートップス(東京都)

2024/07/16 (火) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

よく歴史を研究されていて、そこに実在する人物たちと、あり得ない設定、これが、などマルチバースということなのか、達者な役者人に、新鮮な若手が加わりいつもの安定したムシラセに新鮮味が加わり、楽しめました

戦い

戦い

サルメカンパニー

アトリエファンファーレ東池袋(東京都)

2018/09/01 (土) ~ 2018/09/02 (日)公演終了

実演鑑賞

観たい!を書いておいて観てきた!を書けなかったのは池袋演劇祭の参加作品だったからでした。演劇祭が終わってから改めて観てきた!を書くつもりがすっかり忘れてしまったようです。今回『猿女版 火の鳥~鳳凰篇~』(2024/7/19)を観て、あれもしかして・・・と検索したらやはりそうでした。ちゃんと覚えておいて「旗揚げ公演見ましたよ!」と伝えたかったです。細かいことは覚えていないのですが(ごめんなさい)みなさんお若いのに年長者の役を無理なくできていたと感じたことでした。

ラフヘスト~残されたもの

ラフヘスト~残されたもの

ミュージカル『ミュージカル~残されたもの』製作委員会

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/07/18 (木) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

人は去っても芸術は残る
Les gens partent mais l’art reste

日本の植民地時代に生まれた韓国の中原中也的な詩人、イ・サン。韓国語で「異常」とも「理想」とも音読み出来る為、このペンネームにしたらしい。1934年、彼が韓国の新聞に連載した『烏瞰図』は難解でシュールレアリスム的で抗議が殺到し打ち切りとなった。ただ横光利一や安部公房っぽく暗号めいていて強烈な印象が残る。ピョン・トンリムと4ヶ月だけの結婚生活。東京に一人旅立ったイ・サンは7ヶ月後、1937年肺結核で逝去、享年26歳。
数年前観た、彼を主人公にした韓国ミュージカル『SMOKE』で興味を持った。韓国人は詩への評価が高く、日本でいう文学の位置を占めているそうだ。当時気になって『空と風と星の詩人~尹東柱(ユン・ドンジュ)の生涯~』までチェックした。

2004年2月29日、キム・ヒャンアン(ソニンさん)88歳は生涯を終えようとしている。手帳をめくって自分の人生を思い返す。

二十歳の時(1936年)、詩人イ・サン(相葉裕樹氏)と楽浪(らくろう)パーラーで出逢ったピョン・トンリム(山口乃々華さん)。防風林を歩きながら詩について語り合う毎日。理解されない天才詩人を励ます。
「凡人の言う事なんか相手にしないで」
まるで三点リーダーのような気持ち。
「一緒に死んでくれませんか」

2つの時系列が交差する物語の面白さ。イ・サンとピョン・トンリムは戦前から順行。キム・ファンギとキム・ヒャンアンは現代から逆行。戦前と戦後、この2組のカップルが重なる時間軸。ソニンさんは最高。理想的ミュージカル女優。
生演奏のピアノ(落合崇史氏)とヴァイオリン(廣田碧さんと森麻祐子さん)も素晴らしい。

貴方の感嘆符を信じて!

ネタバレBOX

1943年、随筆家になっていたピョン・トンリム(ソニンさん)はキム・ファンギ(古屋敬多氏)と出逢う。キム・ファンギは後に韓国を代表する抽象画家の先駆者となる天才。手紙の遣り取りで惹かれ合った二人は結婚する。トンリムはファンギの雅号「ヒャンアン」を貰う。ファンギは雅号を「スファ」に変える。
「貴方の名前を私に下さい」

1956年、当時の最先端の芸術の中心地はパリ。美術評論家で名声を得たキム・ヒャンアン(ソニンさん)は先にパリで暮らし、ファンギが活動する為の全てを整えた。ファンギは現代美術の国際展覧会で韓国代表に選ばれ受賞するまでになる。

1974年、ファンギが亡くなるとヒャンアンは絵を描き始め、画家としても成功を収めた。

明洞にあった三越百貨店京城支店(現在は5階を増築して新世界百貨店に)。「三越の屋上」という台詞はここのこと。

予算の問題なのだろうが舞台美術がしょぼい。韓国版のそれとは雲泥の差。こういう話だからこそ、背景には凝りまくって欲しかった。ソニンさんや山口乃々華さんがイントネーションを韓国人っぽく喋る箇所に違和感。歌詞が難解ですぐ頭に入って来ないので、字幕を投影して欲しい。詩人だけあって表現が独特。曲は良い。『いいのかな』なんか頭に残るメロディー。韓国ミュージカルは題材が面白いのだが、日本人には取っ付きにくい印象。もっと面白く感じる観せ方があるのでは。
流れんな

流れんな

iaku

ザ・スズナリ(東京都)

2024/07/11 (木) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

20日観劇

空腹

空腹

かわいいコンビニ店員 飯田さん

OFF OFFシアター(東京都)

2024/07/11 (木) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/07/20 (土) 14:00

135分。休憩なし。

七夕喜劇まつり

七夕喜劇まつり

松竹

新橋演舞場(東京都)

2024/07/05 (金) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

演目は和老亭当郎(曾我廼家十郎)作『唐木の看板』が45分。一堺漁人(曾我廼家五郎)作『はなのお六』が95分。『はなのお六』は、藤山寛美の当たり役の一つだった『はなの六兵衛』の六兵衛を、女性のお六として藤山直美が演じたが、この人が登場しただけで舞台の空気が変わる。流石に達者でたっぷりと笑わせてくれた。

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