最新の観てきた!クチコミ一覧

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其の女

其の女

Nana Produce

小劇場B1(東京都)

2023/05/24 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

一人芝居を淀みなく緊張感たっぷりに、時折笑い声が漏れる。80分間テンポよく緩急の効いた珠玉の舞台。渋谷はるかさんの一人芝居をライフワークとして今後もシリーズ化してほしい。

『クロノス・ビギンズ』『あしたあなたあいたい』

『クロノス・ビギンズ』『あしたあなたあいたい』

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2023/05/20 (土) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/05/27 (土) 13:00

「あしたあなたあいたい」を観劇。
クロノスを背景に、様々な人間模様を観ることが出来て楽しい。
特に三枚目のキャラクタが良かったです。

『メメントの森』

『メメントの森』

ウテン結構

六本木ストライプスペース(東京都)

2023/05/26 (金) ~ 2023/05/30 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/05/27 (土) 12:05

毎回楽しい時間が過ごせるので凄く期待して行くのですが、今回も期待を上回る面白さでアッ!という間でした。
テーマがシリアスなのに笑ってしまう場面が多く、その落差でシリアスな場面になるとゾッとしました。
演じている役者さんが上手過ぎて本当に自分の事として考えさせられてしまいました。

ネタバレBOX

前回が死の間際の選択だったのが、今回は紛争時に生きるための選択だったので自分に置き換えて考えてしまいゾッとしてしまいました。
天使(死神)とのシーンや強烈なキャラのお兄ちゃんのシーンが面白すぎる為にシリアスなシーンが余計に怖くてホワイトノイズがトラウマになりそうな感じでした。
緩やかな死と唐突な死、最後の瞬間に思い残すことが無いよう生きていきたいとおもいました。
ファミリーシアター『へんてこうじょう』

ファミリーシアター『へんてこうじょう』

新開地アートひろば

新開地アートひろば(兵庫県)

2023/05/27 (土) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

満足度★★★★

周りは小さな子供連ればかりで、不安感あったが、めちゃ楽しめました
小さな子供の為に良く作り込まれてました

原色★歌謡曲図鑑

原色★歌謡曲図鑑

株式会社ビーウィズミュージック

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2023/05/11 (木) ~ 2023/05/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

いろんな曲が聞けたわけではないですが、令和と昭和の対比が面白かったのと、コンプライアンスにがんじがらめな今より、昭和の自由さが良かったな~と、改めて思いました!

マミーブルー

マミーブルー

劇団Q+

萬劇場(東京都)

2023/05/24 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ファンタジーを突き抜ける<力>を持った作品。
表層的には、画のようなビジュアルとして観(魅)せるが、内容はエッ!そういうことを描いているの とシャレにもならない問題・課題を突き付ける。
チラシに「水には記憶が宿る」とあるが、人の記憶は曖昧で、時間とともに薄れ忘れ去られてしまうかも。その良し悪しはあろうが、物語から連想するのは 環境破壊、自然災害や紛争戦争といった忘れてはならない事だ。

物語(内容)としては面白いが、シーンの描き方にバラツキというか調和・統一性が感じられないのが憾み。(自分)感性の問題であろうが、抒情的なのか叙事的なのか といった劇風が迷走しているような気がする。冒頭の設定や背景を特定させないようなファンタジー色から、急に災害・廃村といったリアル世界へ。それが黒服集団の登場によって、今度は時代背景を特定するような。そのシーンを境として前半・後半とみれば、前半部分は冗長に感じられ 惜しい。描きたいコトが盛りだくさん、その溢れる思いに演出が追い付いていない といった感じだ。

観(魅)せるのは、独特なメイクや衣裳、その格好は異彩を放っている。物語の着想は鋭いだけに、非現実の世界観の中で どれだけ現実に引き付けて描き出せるか。今後が大いに楽しみ。
(上演時間1時間35分 途中休憩なし) 追記予定

もう二度と言えなくなるねおやすみと

もう二度と言えなくなるねおやすみと

なかないで、毒きのこちゃん

OFF OFFシアター(東京都)

2023/05/26 (金) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/05/26 (金) 14:00

100分。休憩なし。

3RDEYE〜自動運転車の中の死体〜

3RDEYE〜自動運転車の中の死体〜

劇団Lacrimosa

SPACE9(大阪府)

2023/05/26 (金) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

満足度★★★★

人口現象に伴い、アンドロイドが増えたり、人体はダメになるが脳だけは移植され…等々近未来を見据えた話法律も事細かに決められ、常に監視カメラで見張られていたりと落ち着くところは、心が休まる場所はと問いかけられている感じ 
逆に、人間一人では生きていけないとの矛盾との葛藤
アンドロイドと二人?で生きてみては…

ARTE Y SOLERA CONCIERTO Vol.27

ARTE Y SOLERA CONCIERTO Vol.27

ARTE Y SOLERA 鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団

めぐろパーシモンホール(東京都)

2023/05/21 (日) ~ 2023/05/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

何度か拝見していますが、素晴らしかったです。フラメンコは皆さんの上演ではじめて拝見しました。今回も演奏も歌もフラメンコも迫力があって見ごたえありました。また機会があれば拝見したいと思います。

龍と虎狼-新撰組 Beginning-

龍と虎狼-新撰組 Beginning-

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2023/05/23 (火) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても良くできたストーリーでとても面白かったです。以前拝見したときには近未来的なお話でしたが、今回は幕末を題材に殺陣もあって見ごたえありました。このあとも見たくなりました。

マミーブルー

マミーブルー

劇団Q+

萬劇場(東京都)

2023/05/24 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても素敵でした。衣装とメイクに目を奪われ、物語へ引き込まれていきます。会場の通路を使った演出が海の彼方への広がりを感じとてもよかった。そしてなによりも、役者さんの迫力の演技に大ファンになりました。是非見てほしいです。

星の果てまで7人で

星の果てまで7人で

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2023/05/24 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

トツゲキ倶楽部版「2023年宇宙の旅」…不思議な感覚を抱かせつつ、国・過去・想いを乗せ(背負っ)て飛行を続けている。宇宙の物語だが、そこに独特の人間模様を紡ぐ。が、未来とか希望が紡げるのか?可笑しくも切ないクルーたちの旅物語。ぜひ劇場で…。

タイトルは<7人>で とあるが、登場人物は8人、そこに未知との遭遇(未確認生物体?)を想起させる面白さ。
(上演時間1時間40分)【チームハイパー H】

ネタバレBOX

舞台美術は暗幕だけの素舞台。
地球を発って4年、クルーは一人ひとり箱を持ち、下手から上手に一列に進むように登場する。暗転すると暗幕にある電飾が光り宇宙空間が出現する。その幻想的な雰囲気の中で、クルーの一人・マリナ(田中ひとみ サン)の「地球へ帰りたい」という禁句。理由は単純...地球にいる彼氏に逢いたいという。忘れていないか心配だという。この思いが公演の機微に触れる重要なところ。ラストの感動シーンに繋がる伏線になっており見事な演出である。宇宙というSFをイメージさせるタイトルであるが、根幹は人間ドラマである。

クルーと地球(基地)との交信は「新年」と「誕生日」の年2回のみ。そこへ不思議な交信が...それを契機に東西南北の各国からの代表という自国(民族)意識が目覚める。地球を俯瞰しながらも、国の代表という自覚に捉われるところが人間くさい。祖国に何かあったのでは、という疑心暗鬼がホームシックに結びつき、会議で帰還するか探索続行か決めることに。決議は全会一致というルールであるが、会議の都度、賛否票が分かれる。この混迷を通して、過去から現在まで、世界のいずれかで起こっている紛争を考えさせ、その愚かしさを警鐘する。まさに宇宙的規模の考え方に収斂していく。

冒頭の箱は衛星機(基)という設定であり、クルーは意識人格(AI)という非実在性、地球には実在する本人がいる、という奇知。地球に帰還すれば心身一体になるのだろうか?クルーの一人・さくら(前田綾香サン)は地球を発つ時には末期癌に侵され余命わずか。今はもう亡くなっており、帰る場所(体)がない。それでも残された家族は彼女のことを忘れず、いつも想っているだろうと...。結局、7機(基)の衛星基は永久の宇宙探索を続けることになるのだが、8人目は時折意識下に入ってくる”おばちゃん”、その正体は如何に(エイリアンか?)

この宇宙における人間ドラマ、キャラクターをしっかり立ち上げ観せる公演になっている。劇中の台詞「重力」、その言の意味合いを借りれば、公演は「温かで大きな心に抱かれているような気がした」である。ただ一つ、自分的には大きな盛り上がり、インパクトという印象付けが弱かったような気がしたのが残念であるが。
次回公演を楽しみにしております。
進

演劇制作体V-NET

TACCS1179(東京都)

2023/05/24 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

▼猿組「猿組式 雪女」
私が知っている「雪女」の後日談。雪女は子どもがいたので約束を破った巳之吉を殺さずに去って行ったのでしたが、やはり子どもには会いたかったのでした。そこに思いもよらない者たちが登場して・・・。

▼大和企画「実家で不幸がありまして」
と、思わずついた嘘のおかげで猶予が与えられましたが・・・

どちらも初めて見る劇団さん(?)でしたが面白かったです。

ネタバレBOX

「猿組式 雪女」それは妖怪たちと妖怪退治屋たち。親分はぬらりひょんで、だいだらぼっちと鵺がお供です。雪女が人間と接すると妖気が乱れるとかで彼女を探しに来るのですが、佐吉(雪女の子ども)のところには座敷童子がいて、ぬらりひょんをやっつける勢いなのが笑えました。妖怪退治屋と妖怪たちの戦いの殺陣も良かったです。
親離れ、子離れの卒業なのかなと思いました。

「実家で不幸がありまして」好きなことがある人は続けてほしい。でも、それで食っていけないこともあるのが辛いところです。
劇団の内幕ものという感じですが、見ている方も気を使いました。え?そこで噛んじゃう?とハラハラしたら、それがちゃんとした演技(演出)だったんですね。
しかし最後のオチ(?)地球と書いてテラと読むのが、観客にすぐわかってもらえるのかな。
Spring Grieving

Spring Grieving

PLAY/GROUND Creation

サンモールスタジオ(東京都)

2023/05/19 (金) ~ 2023/05/31 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

この須貝英という劇作家は、もう忘れられている昔のミステリを脚色してみたり、新国立で新作をいじられてみたり、大胆に活動しているので、今回はいかがと観にいった。
大学内のパワハラの犠牲になって自殺した優等生を持った家族の物語である。
優等生(武田光稀)には普通の兄(三津谷亮)が居て、父(辻親八)はパワハラの教授(出てこない)の科は違うが同僚で助教授、母とは離婚している。優等生と同年のいとこ(伊藤白馬)も居る。この人間関係の中で、優等生がパワハラに耐えられず自殺するのだが、その前、葬儀の後、一年後、二年後、の命日の前後が演じられる。
桜の枝が舞台の枠に大きく飾ってあって、時はいずれも春。父と兄が主な登場人物になる静かな会話劇である。パワハラ事件の方はよくある展開で、あまり工夫もないが、家族の自殺で家族や周囲が少しづつ変わっていくところは意外によく出来ている。ほとんどが登場人物の板付きの会話ですすむのだが、家族がお互いに思いやる感じなど人間関係を人間関係をよく表していて面白く見た。
社会問題劇的な発想とテーマにはなっているのだが、そこを、家族に反映させて家族劇にしてしまおうと努力したところが良い。少し昔のイギリスのテレンス・ラティガンや、アメリカのリリアン・ヘルマンのようなタッチで、こう言う声の低い作風はこれからの時代のものだろう。最後の方でセクハラを問題化する声高な女子学生(内田靖子)などは、事件の方も解決しなければと入れたのだろうが、浮いていて面白くもない。今時の兄を演じる三津谷亮は煮えきらない普通人をうまく演じている。父はもう少し振幅が欲しい。
新国の「私の12月」では各シーンが揃っていたのに、今回はバラバラでそこで余計な雑音が入る。そこが課題だろう。でも「静かな演劇」というなら、よく見ると騒々しく品のない平田オリザよりも、それは時間の経過もあるだろうが、それは時間の経過もあるだろうが、

死んだら流石に愛しく思え

死んだら流石に愛しく思え

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2023/05/26 (金) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

俳優自身の名前がそのまま登場人物名なんですね。ストーリーや登場人物の心の動きにもう少しまとまりやわかりやすさがあるともっと面白かったと思うが、役者たちの熱演は楽しめる。グレープフルーツの香りが漂うのもうれしい(食べ物を粗末にするなとか細かいことを言わなければ)。

コスモポリタン

コスモポリタン

U-33project

王子小劇場(東京都)

2023/05/24 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

独特の世界観というか、不思議な舞台でした。
ストーリーは分かるような分からないような・・。
私に分からないだけで、将来の夢を持った若い世代、何になりたいのか悩んでいる世代には響くのかなと思いました。
役者さんは皆可愛くて、一生懸命さも伝わり、好印象でした。

龍と虎狼-新撰組 Beginning-

龍と虎狼-新撰組 Beginning-

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2023/05/23 (火) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

大人向けエンタメの秀作! 面白い。べし観る。

ネタバレBOX

 芹沢鴨の描き方は、通常の新撰組ものでは碌でもない人物として描かれることが多いが、今作では往時(1863)の世界情勢、殊に欧米諸列強の政策の本質を弁え行動する政治的知性と剣術に長けた人物として描かれている点が興味深い。また、今作の設定が竜馬と土方が兄弟であったという、非歴史的解釈が不自然に映らぬよう人間の行動原理の本質的一部を為すトラウマを竜馬の行動原理として描いている点で戯曲家の眼目の鋭さが窺える。
 背景にあった世界情勢判断と日本の近代化を巡る動乱の世をどの方向にどのように導くか? を巡って壬生浪士組の2人の局長、芹沢鴨、近藤勇が浪士組勢力を二分していたが、格上であったのは同じ浪人であっても水戸藩出身の鴨。一方の近藤は元々農民出身ということもあってか、宴席で披露したとされる彼の芸(げんこつを口に入れる)を繰り返す、腕は立つが“みむめも” (間の抜けた)存在として描き出している。だが現実は鴨が捉えていた通り、勤王か佐幕かで割れる勢力の隙を突かれては唯でさえ列強に後れをとる日本は植民地にされる他なかった。その日本の近代化を巡って長州と薩摩が、物語の3年後の1866年に竜馬を仲立ちに薩長同盟が結んだことは、日本近代史の常識。今作の面白さは、その3年前に壬生浪士組が新撰組と名を改めるに至った背景にあった謀略を練ったのは桂と推察されることを示唆しつつ、桂が送り込んだと思われる長州側密偵と鴨の繋がり、鴨と竜馬、竜馬と新撰組との関係を上手に絡ませながら恰も運命の糸が竜馬の負ったトラウマの恨みを弟の土方歳三に負わせ解消するように働く筋書きに巧みにすり替え、熱い熱を伴った人間物語に仕上げた点にある。役者陣の演技・演出も良い。大人向けエンターテインメントの秀作である。
龍と虎狼-新撰組 Beginning-

龍と虎狼-新撰組 Beginning-

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2023/05/23 (火) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

久しぶりの殺陣!そして新撰組を初めて観る方は「そうだったんだ」と思わせるような自然な展開で、どなたが観ても楽しめる作品に仕上がっていました。

ものもの

ものもの

劇団☆kocho

吹田市文化会館 メイシアター・小ホール(大阪府)

2023/05/26 (金) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/05/26 (金)

姥捨て山をモチーフにした神々と人間と物の怪が時代を超えて織りなす物語です。こんなに沢山の要素が盛り込まれたお芝居がつまらないわけがない。お勧めです。

ネタバレBOX

役者さんの技量に差があるため星1つ減らしていますが、それ以外は満点です。
コスモポリタン

コスモポリタン

U-33project

王子小劇場(東京都)

2023/05/24 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

 ヒロイン・ソラは、

ネタバレBOX

宇宙の涯へ行ってみたいという漠然とした想念を抱えている女子高生だが、それを具体化する為に何か宇宙に関する情報を得るとか、宇宙の生成や構造、そこで働く様々な力、そしてそれらを理解し具体化してきた研究の基礎となっている物理的諸理論等は一切知らないという設定になっており、ソラ同様宇宙の涯へ行くことを夢見る転校生で優秀なあかりも、卒なく諸疑問に応答するも一切具体的な科学的理論は開陳しないという書き方をすることによって、ひとまず演劇的破綻を回避すると共に、作品としての具体的リアリティーを成立させることができない。一見したたかな戯曲作成法だが、勉強不足が明らかである。
 面白いのは発想で、惑星をゲットしその惑星に住んで宇宙航行をしようという、重力も航行に必要なエネルギーや航法も無視した子供っぽい着想である。同時にその惑星ゲットは缶コーヒーに付いている応募券を集めて応募し当選すれば惑星が貰えるという奇天烈なモノ。とは言え学校生活に於ける締め付けや有象無象の反駁を恐れる余り押し付けられる諸規制の耐え難さから逃れたいという強烈な欲求が見て取れ、その辺りの耐え難さや理不尽、バカバカしさを日々経験させられている我々日本人には納得のいく背景がある。自分の高校時代のように激動がスパークに結びつき大切な友人が自殺するようなことが多発し、自分たち自身も数々の運動に関わって傷ついたり大怪我を負ったりしつつも何か生きているヴィヴィッドな実感とニヒリズムや、自ら抱え込んでいた二律背反と格闘する時代ではなく、時代の革新的な変革とそれが社会や人間そのもの、環境に与えるものを情報の捉え方や節理を考えもしない人々は正確に捉えにくくなり、己の主体自体が雲散霧消してゆくかの如き時代にあって、厳密で正確な認識を目指すこと自体が困難なのであろうことは容易に想像できる。そういった世相感覚は可成り反映しているとは観た。一方、惑星に乗って宇宙の涯を目指す住人たちは、世代を重ねて航行してゆくのだが、男性は殆ど居ない。当然遺伝的な問題が出来する筈なのだが。まあ、IPS細胞を用いてコピーを作るなど観客の知識に頼って丸投げしていることは予想されるものの作品としての自立性は弱い。演劇という表現手法が、登場人物に代表される多くの人々を代替するのは常識であることは承知しているが、今作の設定では代替されるべき諸個人と実際に登場している人物たちが必然的に繋がる要素が一切ないから以下のようなことも書きたくなる。一般に絶滅を危惧される生物が遺伝的悪影響を被ることなく後代に生き残る為に最低必要とされる個体数は80であるから、こういった点の問題性に一切触れていない点も余りに非科学的でリアリティーに欠け観客に納得感を持たせることが出来ない原因となっている。

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