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令和5年の廃刀令

令和5年の廃刀令

Aga-risk Entertainment

としま区民センター・小ホール(東京都)

2023/05/01 (月) ~ 2023/05/02 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

どれだけ厳しめに見ようとしても、不足や過分を探ろうとしても、本にも演出にも俳優の演技にも余すことのない工夫が凝らされていて、絶妙なバランスが保たれていて、ただただ面白く、素晴らしい演劇として受け止める他なかった。エンタメでありながら社会劇でもあったこの演劇には、そう思わざるを得ない完成度の高さがありました。

ネタバレBOX

その最も大きな理由は客席の熱気、つまり群衆=観客を演劇の内側へと巻き込む力ではないかと思います。目の前の劇へのリアクションとして観客の笑いや唸りなどの反応が前のめりに起こること。そして、それを受けて劇がより一層にうねりを上げていくこと。このある種の共犯関係はそう簡単には築けるものではないと痛感しますが、終始その相互接続が崩れることなく、客席と舞台におけるコミュニケーションが類を見ない形で成立していたように感じます。
「廃刀令」という架空の法令を巡って、あらゆるセクションのパネラーが議論を交わし、それを聞いた観客が実際に「投票」という形で参加する、その投票結果によって結末が変わる、という劇構造もまたユニークであり、それを最も自然な形で行える場所として公共施設を劇場に選んでいたことにも「果たしてこの演劇はどう手渡されるべきか」というパッケージの追求を感じました。上演の間、私は単なるオーディエンスではなく、この劇における区民Aといった一人の役として存在していたような気がします。

さらに魅力を感じたのは俳優陣の表現力の高さです。9名の俳優からはいかにも「どこかにいそう」なリアリティと議会というかしこまった場でこそ点滅する人間の可笑しみや情けなさが滲んでいました。当日パンフレットには舞台上での役の立ち位置と俳優の名前が併せて明記されており、「いいな」と思った俳優の名前がすぐに分かるようになっていたこともとてもいいと思いました。これは観客にとっては勿論ですが、興行元が出演を担う俳優に対して示す一つの敬意でもあるとも感じます。

進行を務める司会の他、刀剣教会の支部長、日本史を研究する歴史小説家、インフルエンサーとしても活動する刀職人、刀による傷害事件の加害者、フェミニズム観点から護身としての刀剣所持を専門に研究するジャーナリスト、武器ではなくガジェットとしての機能を刀に見出そうとするものづくり系ベンチャー企業の経営者、古武術系YouTuber、元区議会議員の社会運動系NPOの理事など様々な識者がパネラーとして集い、あらゆる切り口から廃刀令に賛成すべきか、反対すべきかを語る本作。架空の「廃刀令」や、一般市民の帯刀を普通とする設定そのものには現実味を持てずとも、ディベートの様子にはまさに今あらゆる公共が声高に叫んでいる「ダイバーシティ」そのものの手触りがあり、舞台上の景色が自ずと今の世相にスライドすることで、頷いたり、首を傾げたりすることができるまでのリアリティが担保されていたように思います。

アガリスクエンターテイメントが目指すのは、「ポータブルで持続可能な演目づくり」。究極、机と椅子と俳優さえいれば上演ができる本作の開発は、“いつでも、どこでも上演できる新しいレパートリー作品”として大成功を収めたのではないでしょうか。今後も日本中の公共施設に持ち運び、繰り返し上演されてほしいと思います。
松竹亭一門会Ⅱ 春の祭典スペシャル

松竹亭一門会Ⅱ 春の祭典スペシャル

afterimage

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2023/03/17 (金) ~ 2023/03/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ダンス×落語。一見交わることのなさそうなこの二つの芸を融合させた本公演には、観る前からすごくワクワクさせられました。長く活動しているダンスカンパニーが新たなジャンルや体感を掘り起こそうとする、そのチャレンジングな姿勢にも感銘を受けました。ダンサーが高座に上がるという異例の公演ですが、どの方からも落語への愛や敬意をひしひしと伝わり、同時にそれぞれが個人の強みや個性を最大に活かした演出でここでしかできない「オリジナル」を届けようとする気概にも胸を打たれました。

ネタバレBOX

個人的に引き込まれたのは、松竹亭撃鉄こと堀江善弘さんの「映画」を題材にした落語「まんじゅうこわいfrom Hollywood」。「まんじゅうこわい」という超定番的噺をPOPかつユニークにコーティングした切り口は、落語を知らない若い世代や観客にもその可能性や面白さを手渡せるような展開で、身体を駆使したエンドロールの演出に至るまでとことんエンタメ性に富んでいて、一発目の演目としてしっかりと心を掴まれました。
ゲストである登龍亭福三さんによる高座は、さすがプロの芸といった見応えがあり、名古屋という街の成り立ちを抑揚あるリズム感で伝える力量にその土地で今しか観られないステージを観ているという贅沢感がありました。落語へのチャレンジに関しては、楽しみ、楽しませるということに全力で舵を切っている点が清々しく、その人間力が時にクオリティ云々を凌駕していくような面もあり、「祭典」と銘打つに相応しいステージの数々であったと思います。

落語へのアグレッシブな挑戦心の一方で、やはり老舗のダンスカンパニーによるダンスとの融合やダンスカンパニーとしての強みをもっと見たかったという体感も残りました。「オープニング」や「ダンスで分かる三方一両損」などの演目でその片鱗は感じられたのですが、期待値から鑑みると少し物足りなさを感じてしまう点が否めず、もっとこの人たちの真骨頂を見たいという思いに駆られてしまいました。ただ、身体芸である「ダンス」と話芸である「落語」の融合の配分やプランニングには相当な難しさがあること、同時に場数を踏む毎に新たに拓ける可能性も伺えたので、今後もこの「祭典」シリーズが都度アップデートされながら続けられていくことに期待を寄せています。近年ないほどに、手放しで楽しめる瞬間が多かったので、「面白さそうな舞台があるよ」と友人や知人を誘っていくにはぴったりの公演だと思いました。

エンディングで椎名林檎×トータス松本の「目抜き通り」で皆さんが踊られている時、その歌詞がみなさんの表情とあまりにぴったりで気を許すと落涙もやむをえないほどに感激してしまいました。あれは、みなさんの身体から漲るエネルギーそのものが私の身体に心に伝播して起こった反応だと思います。考えるのではなく、感じること。ダンスがまさにそうであるように、言葉よりも先に身体が動き出すときの生命の力と輝き、理屈ではないものをしっかりとこの手に握らされたような気がしています。
少女仮面

少女仮面

ゲッコーパレード

OFF OFFシアター(東京都)

2023/03/16 (木) ~ 2023/03/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

まず、驚いたのは劇場の使い方、俳優の居方でした。

ネタバレBOX

空間を客席と舞台で単に二分するのではなく、舞台を半円形に囲むような形で客席が配置されており、通常舞台と設定されがちな場所に設けられた客席に座る、ということ自体がまず新鮮な体験でした。少なくとも私がOFF・OFFシアターで観劇してきた中でこの空間設計は観たことがなかったので、せっかくならばとその席を選びました。
俳優達も客入れ時から舞台や扉の入り口、エレベーター付近などに点在しており、そこを通って客席に着くという流れには、衣装とメイクを施した俳優に点呼され、席に案内され、休憩時にも俳優とすれ違う「紅テント」での演劇との距離感に通じるものを感じました。同時に紅テントでは俳優が点呼や客入れの際に俳優でもある個人としてそこにいるのに対し、ゲッコーパレードでは俳優が常に役として存在しており、そこには違いも感じました。唐十郎の『少女仮面』を選んだ背景や決め手、それを上演するにあたってのプランなど試行錯誤の欠片をあれこれと想像しながら、開演に臨むことができました。従来のステレオタイプを切り捨て、劇場そのものを再構築するというカンパニーの試みは見慣れた劇空間を全く新しいものにしていたと思います。
同時にこの空間で一体『少女仮面』という演劇をどう成立させるのか、ということにも興味を惹かれました。物語への没入感を手伝う大仰な美術などは設けられておらず、ほとんど俳優の身体がその役割をも背負うような形で進行していたことも新鮮でした。『少女仮面』という伝説的な作品を俳優の身体に丸々託すといった斬新なアプローチで劇場に落とし込もうとした点にカンパニーの意欲と個性、今後への期待を感じる作品でした。そこには、「目的ではなく人の集まりこそがパレードのように活動や表現を形成していく」というカンパニーの信条が煌々と光っていたように思います。

そういった構造面が全く新たなものであったことに対し、戯曲そのものに現代を鑑みたアレンジなどはほとんどされていないように記憶しており、その良さも勿論あったのですが、空間の特異さ故に観客に情報がリーチしづらい部分も散見されたように思います。ただでさえ物語そのものが複雑な戯曲なので、観たことのある観客は記憶や経験で補填することで新しく豊かな劇体験になり得るのですが、初見の観客には物語やその機微が果たしてどこまで伝わったのだろうという疑問は残ってしまいました。

これは制作面に関してなのですが、私が観劇した回には写真撮影が入っており、そのアナウンス自体はされていたのですが、印などもとくにされていない客席の一つから撮影が行われたことにはやや戸惑いを覚えました。また席によって見える景色が変わることはいいのですが、多少の見切れが生じてしまうシーンもありました。カンパニーの信条やこれまでの公演スタイル、今作の空間のコンセプトなどを鑑みるに、これらはともすればこだわりの一つと想像することもできたのですが、やはり均一の席代が発生している劇場公演においては客席ガチャになりかねず、特定の席に座った観客のみが多少なりとも観劇しづらい、没入の妨げになるという状態は避けた方が良いのではないかと思いました。観客だけでなく、撮影するスタッフさんにとっても少なからず物理的にも精神的なやりづらさが生じる可能性もあるため、ゲネ時に撮影するか、あるいは観客が入った状態の本番の撮影に意義があるのだとすれば、撮影席に印をつけたり隣席の観客に予め了承をとるなどの策を練った上で敢行するのがベターかもしれません。

しかしながら、これまで住宅を本拠点に活動をしていたゲッコーパレードによる「劇場」の再構築、演劇や俳優の従来の在り方への疑いの視点には大いに刺激を受けました。「演劇は劇場で成されるものである」という考えが一般的な中、わざわざ「劇場シリーズ」と銘打って公演を打つこと。そういったフィロソフィーそのものにも面白みを感じます。その独自のスタイルを活かしたまま、快適とまでいかなくてはいいので、観客が等しく劇に没頭できるような環境を考えていただけるとうれしいです。
DADA

DADA

幻灯劇場

AI・HALL(兵庫県)

2023/03/03 (金) ~ 2023/03/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

閉鎖されゆく地下鉄の駅を舞台に死者と生者の魂が時にすれ違い、時にその裾を触れ合わせ、各々の思いが交錯していくという構造は詩的でありながらも、「こういう場所がどこかにあるかも」とふと実感させるだけの世界観が確立していました。

ネタバレBOX

彼岸と此岸の狭間の曖昧さを彷彿させるようなシースルー素材を多用した衣装、一方で階層や隔たりを確かに想起させるような美術。そういった細部にわたる視覚的な追求や仕掛けもこの魔法の所以ではないかと思います。
人間と幽霊の差を「目に見える」と「目には見えない」とした時に、その境目をできるだけで馴染ませたい、なるだけシームレスにしたいという思いを劇中の随所で個人的には感じたのですが、とりわけ歌唱シーンでその展望は顕著に表れていたように思います。
物語の進行にパッチワークするように音楽を重ねる、そうして物語と歌が、セリフと歌詞が混じった一瞬にこそ見えるものがあるのでないか、というような。そんな細やかなチューニングが、本作が楽曲の数やバリエーションとして「ミュージカル」と銘打っても違和がないところをあえて「音楽劇」としたところではないかと感じました。
周波数や電波の状態によってくぐもったり、はたまた鮮明に聞こえたりする「声」というものが次元と次元を往来する。物語において重要な意味を持つ「ラジオ」がそうであったように、「ここは言葉ではなく、音楽でなければならない」といったある種の必要性にも説得力がありました。歌唱クオリティも高く、俳優らの声にはそれぞれ役割があって、音楽を目的に足を運ぶ観客を満足させるものであったと感じます。上演後に公演の様子や楽曲の歌詞がweb上に公開されていることも有り難く、観客の余韻を手伝う役割としては元より、観られなかった人がどんな公演だったかを知ることもでき、とてもいいアウトプットだと感じました。

一方で物語がやや駆け足になったり、展開が予定調和的に見えてしまう部分、言葉があとひと匙程足りない部分や一歩過ぎてしまった部分も見受けられました。あらすじや物語の源流に文学性が香り立っていただけに、この辺りにもう少し工夫が練られているとさらに満足感が得られたのではないかと思います。また、物語の主旋律がロッカーに遺棄された子どもとその母親にあるので、そういった社会問題をこの演劇がどう回収するのか、というところも一つの見どころになりえたと感じます。あくまで私感ですが、本作ではともすれば遺棄した母親がややヒロイックに見え、肯定的に映りかねない不安が残ってしまったので、もう一歩深く描かれてほしいという願いもありました。
しかしながら、全ての答えを明確に出さないところに本カンパニーのカラーはあるのかも知れず、私自身が未だ咀嚼中でもあるため、今後の作品を観劇して理解を深められたらと思います。幻に灯る、幻が灯ると書いて幻灯劇場。そのカンパニー名に相応しい題材と物語であると思うので、代表作の一つとしてブラッシュアップされ、再演されることを期待しています。
橋の上で

橋の上で

タテヨコ企画

小劇場B1(東京都)

2023/03/08 (水) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

一人のジャーナリストが20年前に事故として処理された少女の死亡事件の再検証に踏み込むというストーリー。
単なる「事故死」として片付けられたかつての事件を現在の角度から紐解く記者側のパートと、追憶のような手触りで当時の様子を再現する当事者側のパートを行き来する形で次第に真相が詳らかになっていきます。俳優は複数の役を演じ、時系列は交錯するも整理され、導線が敷かれた演出や俳優の技量、照明や美術の効果も手伝って、混乱することなく観ることができました。

ネタバレBOX

実際に起きてしまった事件を題材に、児童虐待や家庭内暴力やいじめ、シングルマザーの貧困や孤立といった緊喫に取り上げるべき現代の社会問題を個人のみのストーリーに終始させないところに本作の覚悟と意義、社会に対する姿勢を感じました。(暴力的描写があるということに関しては、世相を鑑みて事前にアナウンスがあった方がいいとは思いつつ…)

権力からの圧力や揺れるジャーナリズム、社会の仕組みそのものの歪みを知らしめるような物語展開や演出が印象的だったことの一方で、主人公のこれまでの歩みに関するシーンがやや駆け足のダイジェスト風に見えた節や、記者たちがなぜその事件にこだわるのか、という部分がもう一歩深く描かれてほしいという気持ちもありました。そのことによって、事件やその背景にある社会がより鮮明に再検証されるのではないかとも思います。
当日パンフレットに作家の青木柳葉魚さんのこんな言葉がありました。
「当たり前のように一人一人に名前がある。誰かが何らかの思いを胸に名前をつけた。今、隣に座っている誰かにも名前があって、その名前をつけた人がいる。そう考えると隣の誰もが少しだけ特別な存在に感じる。誰もが名前のある人間だ。一人一人が」
劇中でもこういった「個人の姿を見落とさず描きたい」という思いそのものには触れることができたのですが、それだけにもう少し景色として登場人物の表情を見てみたかったと思います。例えば、主人公・藤井あかりの一番好きな食べ物や好きな色を知りたい、記者の能瀬の記者ではない横顔を見てみたい、とそんなことを思いました。「社会問題を個人的問題に回収しないこと」と「個人が背負う日々や思いを描くこと」の両立は劇作の上で非常に難しいことだとは思いつつ、作家の思いの丈と力量に期待を込めて記させていただいた次第です。

実際に起きた事件を下敷きにしていることもあり、血肉の通ったセリフやそれを腹の底に落とした上で絞り出すように体現する俳優陣の姿に心を揺すぶられる瞬間があっただけに、笑いを誘うシーンや歌詞の世界観の強い劇伴の多用はやや蛇足に感じる面もあったのですが、それも裏を返せば、俳優の技量含めエンタメに振らずとも十分成立しうる作品であった、という演劇そのものの強度の一つの証のようにも思います。

制作面においてすごく有難いと感じたのは、安価での託児サービスデーがあったこと。「この題材だからこそ託児は手の届くものでなくてはならない」といった本作におけるカンパニーの一貫した哲学や思いに触れたような気がしました。子育て中の観客にとって、観劇はハードルが高く、社会や他者へ繋がる一つの窓口でもあるはずの劇場はまだまだ気軽に訪れられる場所ではありません。そんな中で、観劇アクセシビリティ向上の取り組みが作品そのものとしっかりと手を繋いでいたことは舞台芸術全体にとっても大きな意義を持っていると感じましたし、そのことによって、演劇が世の中へと発信するものは舞台上にのみあるものではない、ということを改めて知らされたような思いです。
アビリティイレブン

アビリティイレブン

Monkey Works

シアターサンモール(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

疲れるなー。しょーもない、ぐだぐだとしたお話がだらだらと続いて泣きそうになりました。ストーリーの骨格としてはクロノス・ジョウンター的で好きなタイプなのですが。

引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

テアトルBONBON(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

元気をもらいました。

ネタバレBOX

命と命のつながり、現世に生まれてこなかった命、過去に囚われてしまった命、未来に向かっている命、すべてが繋がっていくことで、命の重みを感じずにはいられませんでした。人の温かさがこみあげてくる展開に胸が熱くなりました。
フィクション・モテギモテオ 2023

フィクション・モテギモテオ 2023

ライオン・パーマ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とにかく最高に面白かったです。終演後,興奮が冷めやらず思わず過去公演のDVD(「歌姫…」)を買ってしまったほど^^。キレ味は前回よりも鋭いです。初演も観ているのに,最後は見事に落とされました。観劇の醍醐味だよなぁ。千秋楽でしたけど,とにかくこの劇団さん,この公演はおススメでした。

フィクション・モテギモテオ 2023

フィクション・モテギモテオ 2023

ライオン・パーマ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面子が変わるとこんなにも変わるのか・・・♪
まぁ本が良いから面白いのだけど・・・♪

お待たせしました

お待たせしました

吉祥寺GORILLA

吉祥寺シアター(東京都)

2023/06/02 (金) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/06/04 (日) 16:00

ゲストに星秀美さん、森崎真帆さん出演回を観劇。
ストーリーを知っていたので、オープニングのシーンからそれぞれの想いが感じられて良かった。
終演後、少しの間、客席で舞台の上の美術を眺め思いを馳せていた。

THE BEE

THE BEE

劇団ケッペキ

THEATRE E9 KYOTO(京都府)

2023/06/03 (土) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

満足度★★★

負(悪)のスパイラルがエンドレスで続く…この題目を新歓に持ってくる意図がわからないが、食べ物を粗末に扱うのは…
けっこう派手に小道具が飛び交い、迫力はあったが、過去のケッペキと比べると…

風景

風景

劇団普通

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2023/06/02 (金) ~ 2023/06/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

なんだろ?そうでしょうよ。いいでしょうよ。

悔しくなる程の才能。演劇好きは早目にチェックしておいた方がいい。(まあ皆観てるだろう)。小説を書いても映画を撮っても賞は貰える筈。系譜としては小津安二郎なんだろうけれど、描き方が韓国映画っぽい。『ペパーミント・キャンディー』をホン・サンスが撮ったような。抑制の美学。暗転ごとに時間がかなり飛ぶ。これをやり切る力。

主演の安川まりさんが圧倒的。こんな女優がいたんだ!と驚いたが、結構『た組。』とかで観ていたようだ。彼女と母親(坂倉奈津子さん)、父親(用松〈もちまつ〉亮氏)のシーンが絶品。この遣り取りは永遠に観ていられる。
一歩間違えれば只々退屈の境界線上、断崖絶壁のギリギリの攻防を乗り切るのは役者陣の才覚のみ。
モルタル塗りされた灰色の壁が背後に無言で突っ立っている。

ある家族達が老いていく。子供を作るように親は諭す。

ネタバレBOX

祖父 亡くなる

長男 引きこもり
長女 離婚して不在
長女の元旦那 浅井浩介氏
次男 用松亮氏
次男の妻 坂倉奈津子さん
次女 不在

長女の息子 岡部ひろき氏
次男の息子 岩瀬亮氏
次男の息子の妻 鄭亜美(チョン・アミ)さん
次男の娘 安川まりさん
次女の娘・姉 鄭亜美(チョン・アミ)さん 二役
その旦那 早坂柊人氏
次女の娘・妹 青柳美希さん
その旦那 泉拓磨氏

多分こうじゃないか?との推測なので間違っているかも。

岡部ひろき氏の父親に対する丁寧な相槌が良かった。
鄭亜美さんは二役を区別させる為、次女の娘の時には胸元を開いた大胆な衣装のアイディア。

冒頭、兄のハンカチを意味有りげに見つめている安川まりさん。義兄への恋心なのか?と思ったがそういうわけでもなく、しかも実の兄。何だか気になる描写。

子供の頃、祖父に車に乗せられ祖父の兄の家へ一人連れて行かれたことを思い出す安川まりさん。養女にしたかったのか?とも思った。
舞台「HELI-X ~スパイラル・ラビリンス~」【大阪公演中止】

舞台「HELI-X ~スパイラル・ラビリンス~」【大阪公演中止】

High-position

サンシャイン劇場(東京都)

2023/06/02 (金) ~ 2023/06/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/02 (金) 18:30

大阪公演が中止になってたなんて知りませんでした。東京、サンシャインではいつもの通り、迫力のステージが展開。前回を踏襲した筋。

ネタバレBOX

螺旋機関が前回の終盤で解散になったので、話が組織vs.組織というよりは個人vs.個人にシフト。次回にはまた、この期間が復活し、スケールの大きな戦いになりそう。
フィクション・モテギモテオ 2023

フィクション・モテギモテオ 2023

ライオン・パーマ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

疑似と現実が最初は明確だったけど、徐々に境界線が曖昧になり、これは最後どうなっちゃうのかなーと考えながら観てましたところ、鮮やかな収束、みたいな感じで、なるほどーと。鮮やかすぎて、その後は呆然としたまま終演に至る。やられた!

ネタバレBOX

第二部のタイトルは、「モテギモテオよ永遠に」でしたっけ?永遠にと聞いて、ということはモテギモテオは死んでしまうの? と考えながら観てましたところ、結局死にはしなかったけど、死んだも同然な感じ。ガンダーラは実は恐ろしい場所だったんですね。近づくことなかれ。
成城試着室

成城試着室

WATARoom

アトリエ第Q藝術(東京都)

2023/06/02 (金) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

え~っ成城にはこんなブティックないでしょ、成城マダムもひっくり返りますよ(笑)有り得ない 可笑し過ぎる!
可愛いアルバイト店員さんのやる気満々で前のめりな気持ち、よく分かるけれどその接客一番ダメなやつ(笑)
その後にも来店客や接客指導員など、人が訪ねてくる度に新たな笑いが生まれて
何より舞台との一体感が心地良い、この一体感から生まれる笑いはプライスレス
舞台と客席との間に垣根が一切無い感じが最高です

お笑い界からお二人出演されていますが、このお二人の前説がめっちゃ面白い
「ルミネtheよしもと」の前説とも似たやり取りなのですが、ルミネは若手芸人のところこちらは元ピスタチオとBOOMERのコンビ、やっぱり年季が全然違います
前説段階で完全な笑いモードに突入してから本編へ というのはかなり大きい

やむを得ず1名女優さんが抜けてしまった穴を柏進さんが代役されていたようですが凄く良かった(可笑しかった)
転んでもただでは起きない精神が凄く良い

引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

テアトルBONBON(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

紬チームを観劇しました。面白かったです。
親子、姉弟、友人等、様々な人との繋がりを描いた、優しさを感じる舞台でした。
雪江は何者なのか?主人公との関係は?と、どんどん惹き込まれました。
役者さん達の熱演、とても良かったです。声の出し方のせいか煩く感じる場面もありましたが、一生懸命さが伝わってきました。
ラストは涙腺が緩みました。良い舞台でした。

​田園に死す

​田園に死す

劇団☆A・P・B-Tokyo

あうるすぽっと(東京都)

2023/06/01 (木) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

勿論、全く分からない。
主演の松本旭平氏は『ほおずきの家』で知ったが、かなり彼のファンが詰め掛けたようだ。
寺山修司は母親、寺山ハツとの母子関係をライフワークのように描き続けた。共依存と支配、“母地獄”とさえ称された歪な関係性。母殺し、駆け落ち、家出・・・、実際は47歳で死ぬ迄同居した。母親=自分自身、憎んで憎んでぶっ殺してやろうとしてもどうしても果たせない。自分との関係性。

話は自分の少年時代を美化して舞台化、その上演の途中で本人(浅野伸幸氏)がストップを掛ける。
「こんなのは本当じゃない。皆嘘だ。」
本当の少年時代を語る為に過去に遡行し、少年時代の自分(松本旭平氏)と向き合う。母殺しを果たして未来を変えることが出来るのか?

犬神サーカス団。空気女の元ネタは何なのか?寺山修司のオリジナルなのか?

ネタバレBOX

ラスト、全員が私服に着替えて池袋の街並みを再現する場面が良い。見世物小屋の休演日みたいな感じ。ろう者のMiCHiさんが手話で口上を述べるシーンがカッコ良かった。
引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

テアトルBONBON(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/06/03 (土) 13:00

いくつもの伏線が、終盤に見事に紬ぎ結ばれ、目頭が熱くなりました。
今、自分が生きてここにいることは、奇跡。このことに改めて感謝したいと思いました。素敵な公演、ありがとうございます。これからも、益々のご活躍をお祈りいたします。

アビリティイレブン

アビリティイレブン

Monkey Works

シアターサンモール(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/03 (土) 18:00

ここまでくだらないステージは久しぶり(←悪口じゃなくて褒め言葉!)。限界を超える絶叫に圧倒されて、無理矢理、楽しまされた感がパない。

引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

テアトルBONBON(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/03 (土) 19:00

悪天候の後、交通機関の遅延などが心配されましたが
無事に上演時間に間に合いました。今回は「引き結び」の紬チームを観劇。
紬ぎ結ぶは命の糸…自分たちが今この場に居られるのは、遠い遠い血縁者のおかげ。
人間に生まれる確率が1400兆分の1から辿り辿って…と、コンセプトは壮大です。
開場から暖かい雰囲気で、前説あり物販ありの盛り上がりが熱いです!

以下、公演について

ネタバレBOX

主人公の一輝が、初めて出来た彼女(香澄)を妊娠させてしまう。
出産を覚悟した2人が互いの家族、友達、同居人の幽霊もろもろの絡みが
笑い・涙を織り成すコミカル作品。

そもそも少年漫画のような設定で、キャストの関係性と筋道を
ハッキリと認識出来る感覚になるまで時間がかかった。
個性派役者たちの、よく分からない新喜劇を見せられているような状態。
台本に統一感がなく、シンプルな物語に色んなネタを肉付けしている印象でした。
大衆的なエンターテインメントに近いかな。

役者陣は、総じて声を前に張ろうとする意識が強いです。
大きな小屋ではないのですが、音響は結構大きめ。そのせいもあるかもしれませんが
連日キャストの役者は喉を傷めやすいだろうと心配になりました。
若さ溢れるパワーに押されたせいか、終幕では生まれてきたかった命や
幽霊の正体とお別れのシーンに、切なく涙をさそわれました。癖強めの劇団です。

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