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七曲り喫茶紫苑

七曲り喫茶紫苑

劇団芝居屋

劇場MOMO(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

昭和の時代を思い出させるような街の喫茶店。小劇場の芝居でよくある、スナックや喫茶店で、様々な人間が織りなす日常の物語。決して新しさはないのですが、「芝居って良いなあ!」と感じさせます。大詰めの喫茶店のママ(増田恵美)の語りで、BGMを入れませんでした。安易にBGMで雰囲気作りをしなかったこと、私は好きです。

新・ワーグナー家の女

新・ワーグナー家の女

Brave Step 

アトリエ第Q藝術(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/08/31 (木) 14:00

価格5,000円

ジークフリート・ワーグナーの妻であるヴィ二フレッド・ワーグナー。
彼女の証言を聞くため、バイロイトで開かれた委員会。
そこには証言台に立つ娘のマウジ(フリーデリント・ワーグナー)と再会し、
当時ヒトラーのナチス政権、ユダヤ人迫害などの真実を独自の視点で物語る。
ピアノの生演奏とR.ワーグナーの楽曲が散りばめられた、クラシックファンにも嬉しい世界観が広がります。上演時間は休憩なしの2時間ちょい…少し長かったかな。

ネタバレBOX

今作品は自身もクラシック音楽をしている影響からか、
主演女優2人(ワーグナー家)の長ゼリフも心地良く感じました。
独白に関しては台詞の古典的な言いまわし。この台本が好きですね。
滑舌の良さもさることながら、テンポ感が良い。
観世さんの品のある低声域と新澤さんの少し鋭った強めの発語が舞台全体を引き締めます。

特に良かったのは、小劇場の狭さを感じさせない照明の使い方。
ピアノの音響効果とリンクして、非常に繊細な光の魅せ方なんです。
場転から最後のシーンまで、効果的にキャストの配置や当てるポイントを工夫されています。
細部にこだわった視点から、例えばトスカニーニとフルトヴェングラーの序盤の登場ですが、
照明時に指揮を振りながら登場するのであれば、ピアニストと呼吸を合わせて
アイコンタクトやテンポ感をもっと同調させるように演じるともっと良かったかな。
のちにフルトヴェングラーの指揮も相まって、
ライバル達の指揮とピアノから、周りのキャスト陣のパフォーマンスを更に広げて…と言うのも、
舞台に拡がりが出来てくるように思う。
親の顔が見たい

親の顔が見たい

劇団昴

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/08/31 (木) 19:00

価格5,500円

「いじめ」から考え得ることの大切さを痛感させられる秀作。
テーマは重いのですが、話の筋はとても分かりやすい。
自殺した中学生の残した手紙(遺書)には、当時の仲間達が名指して書いてある。
そこで学校側は事情を聞くために、急遽会議室へと集められた親たち。
それぞれが自分の子どもを擁護し、保身に走る余り様々な行動を見せ始める。
いじめ→自殺→そこから見えた親たちの本当の顔とは…まさに親の顔が見たいよ!

ネタバレBOX

東京芸術劇場で公演とは、観る側も演る側も気合が入りますよね。
そんなシアターウエスト公演ですが、舞台装置は学校を再現したパネルのみ。
今回の作品の規模を比較すると、必ずしも適切な会場だったかどうかは疑問です。
もう少し小さな舞台でも見応えがあって充分かなと思いました。

劇団昴の団員ですが、
ベテラン勢の自然な演技から思わず魅入ってしまう均整のとれた配役。
演技っぽくない演技。これがリアルで心情にスッと入って来るような品性を感じます。
台詞のテンポ感や相手との間も耳馴染みのする良い芝居なのですが、
やはり舞台の影響か、控えめな台詞の立ち合いでは聞き取りにくかったです。
そこは恐らくこう言ってるんだろうと想像の中で処理していましたが、
後ろの席からは少々ご不満の声が聞こえたり・聞こえなかったり。。

音響には信号機や車の音など、自然音を上手く使った表現も良かったと思います。
こういった社会的テーマを盛り込んだ舞台は、是非是非現役の中高生に観てもらいたい。
そんな風に思える作品でした。
親の顔が見たい

親の顔が見たい

劇団昴

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

本当にその場で起きているかのような舞台でした。
目を離せないリアルな演技を目の当たりにしました。
こういう演技は個人的に憧れてます。
自分もこういう演技をしてみたいと。
最初に出てくる役者さんの第一歩目から目を皿のようにして勉強させていただきました。
社会的なテーマにしろ何にしろ役者には知識というものが必要なんだと改めて考えさせられました。
だから常にニュースやドキュメンタリーなどで今起こっていること、問題になっていることにアンテナを張っていかないと演技の深淵には辿りつかないなと思いました。

ロリコンとうさん

ロリコンとうさん

NICE STALKER

ザ・スズナリ(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

座席G列1番

2時間10分、長いかな?と思ったが、いろいろ仕掛けがあって長さを感じさせず楽しめた
最後に仕掛けがハッキリして納得
桑田佳澄の台詞が似合っていて良かった
イクロヒデアキは相変わらずクセが強い
セリフにさり気なく被ってくる音響も良かった
やり方によっては際どいテーマをサラリと面白く見せてくれた

引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2023/08/23 (水) ~ 2023/08/27 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

それなのに楽しいと言う

それなのに楽しいと言う

The Stone Age ヘンドリックス

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

観た!
大満足

妄想ホテル 508・509号室「ねじれた数え歌」

妄想ホテル 508・509号室「ねじれた数え歌」

アートプロジェクト集団「鞦韆舘」

藝術工場◉カナリヤ条約(大阪府)

2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

今回はあの名作 そして誰もいなくなった をダンスパフォーマンスを交えながら、とても上手く表現していました‼️
ダンス💃の切れもさることながら、内容も楽しめた(ミステリーファンには物足りないかも)
回を重ねる毎に、上手くなってル
今後も期待できる劇場です!

現象グラデーション

現象グラデーション

Oi-SCALE

サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)

2023/08/28 (月) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 林さん、健康に気をつけて。函館山で夜を明かし、明け方山を下っていたら、チロンヌップを見た経験があります。
 By the way,別項でも書いた通り、解釈/・評価は観た者次第。知見やその人の持つイマジネーションや世界観の差で全く異なる評価になる。

ネタバレBOX

 加担とは広辞苑電子版を引くと力を添え助けること、味方になること。というのが出てきた。まあ、一緒になって一つ或いは幾つかの障害に対して力を貸して目的を達する為の心的合意の実践ということになろうか。つまり、今作はOi-SCALE主催自身の窮地を物語っている。Covid-19に端を発した社会の迷走とこれらの迷走が増大させた迷妄はいまだに後を引いている。タダでさえこのようなしっちゃかめっちゃかの中で己が生死を彷徨うほどの大病をしたら? ヒトはその時、何をなし得、何をなし得ないであろうか? 主人公はOi-SCALE主催者自身である。登場人物はその姉(役)、少女の3名。メインは劇団を主宰している表現者である。表現する者が、殊に演劇というジャンルで表現する者が死線を彷徨うような体験を通して何を掴み、何を削ぐか? この問いは厳しいが断行せねばならぬ。下手をすれば時間は残り僅か、かも知れぬ。それが自分の生活空間そのものの中で起こったことか、歌舞く技術によって企まれたものであるかは観た者の判断である。何れを採るかは、己の知見と徹底的に正直に観たことを検証することからしか生まれまい。今作は作家と観客のこのような真剣勝負をその射程に収めている。この精神、描かれた世界が真であれ偽であれ天晴ではないか!
現象グラデーション

現象グラデーション

Oi-SCALE

サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)

2023/08/28 (月) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 板は打ちっぱなしのコンクリートのような長方形のスペースだが客席は入口のある短辺を除く三方を高くしてコの字型に囲い椅子を配置。従って出捌けは劇場入口1か所が併用される構造だ。板上は基本フラットであるが薄緑色に発光するコーンが板周縁を取り巻くように配置されているのはいずれの作品も共通。
 ところで、作品が観客に届き、それを観客が受け取った時から作品は観客の解釈そのものである。先鋭的解釈をする者にとっては面白い作品群だ。

ネタバレBOX


 上演順に①「童話が生まれた」②「マテリアルガールと黒猫」③「君の頷く作文」の3編。
① はこれらの中で1番観たい作品だったのだが、事情があって遅れラスト数分しか観ることができなかったので評価はできない。悪しからず。
② はマテリアルガールという言葉に着目した。女優の衣装もそれとなくこのヒット曲を歌ったマドンナの着る衣装のように豪華であり、この曲(Material Girl)の歌詞を分析するまでもなくプラグマティスム礼賛の世の中そのものへの軽妙で痛烈なワンパンチ。そしてそのベースにはモンローの主演映画「Gentlemen Prefer Blondes」の中で歌われた曲(Diamonds are A Girl’s Best Friend)があるとされているから、これらも総て含めて時代の遷移の中に通底する選ばれるという意味で受け身な存在論的弱者から見られたプラグマティックな社会の不条理や、陽明学の『知行合一』などとは真反対の倫理的無価値、思想的死すらを意味して居よう。今作が一見無意味な作品として形作られているのはその為である。
③ 主人公の少女の台詞がポエティックな作品であり、花びらから「induced pluripotent stem cell」即ち「iPS細胞」をとってリプログラミングするならまだしも全くこのように最新の技術的成果を用いず新たな種子を生み育てることが可能であると信じているこの少女の夢と、この少女の幻想の基を作った話をし少女の面倒をみている姉(両親は交通事故で死亡、姉妹2人だけが助かったが妹は車椅子暮らし)などの状況説明を含めつつ、少女がいつも来ている小さな漁港へ釣り竿を持ち毎日のように通う釣る意思など全くない釣り人(釣り針も餌も付けず唯釣り糸を竿の先に付けて波間を漂わせているだけの「釣り人」)のロリコン的片思いや、この釣り人の顔が愛犬だったが既に他界したブルドッグに似ていると、少女の体を這い上がった蟻を取り除いてやろうとした「釣り人」の動作を少女の体に触れようとする行為だと取り少女の体に手が掛けられようとしたその刹那ブルドッグの首輪を掛けた女、その瞬間を逮捕されたと表現する「釣り人」は自ら内面でそのような衝動もあったと認めてブルドッグを演じる男となり果てる等、各々がそれぞれどこかオカシイ人々の間に、少女の集め毎日干していつか種がそこから生まれ育って大きくなりたくさんの葉をつけ、花開くことさえ夢見ている少女に僥倖を齎した。渡り鳥が落としていった糞の中に願っていた種が在りそれが芽吹いて若芽を出して伸びているのである。この様子を少女がたくさんの葉を養生していた入れ物の中に入った女優が演じてゆく。詩的で少し狂った人々が圧倒的に多く登場する中で唯一、姉と育ってゆく植物だけが正常を保っている。然し正常とは何か? を問う作品でもあろう。
七曲り喫茶紫苑

七曲り喫茶紫苑

劇団芝居屋

劇場MOMO(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

芝居屋の芝居はいつも温かい
ベテランたちが演じる市井の人々のてんやわんや
皆表情が良い
昭和ノスタルジーの世界が展開される
「挽歌」という言葉が浮かんだ
外部の状況を表現する音響がピタリとはまる
まあ観る人の世代によって思いは異なるだろう
「横丁」ってなくなっていくんだろうなぁ
しょんべん横丁、思い出横丁・・・
久しぶりに新橋烏森にでも飲みに行こうかな
ゲイバーのマスター役の吉田祐健が良かった

フローズン・ビーチ

フローズン・ビーチ

あるいはエナメルの目をもつ乙女

APOCシアター(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/05 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/08/30 (水) 19:00

【BLUE】を観劇。ケラの代表作を丁寧かつ大胆に演じて面白い。(5分押し)67分(13分休み)33分,29分。
 石澤希代子が立ち上げたユニットの旗揚げは、ケラの代表作。いろいろな団体でしばしば上演され、私もナイロンの再演から観てて、何回か観てもいるが、出色の出来だった。毒のある物語と、ちょっと壊れた人物達が登場するのだが、その毒と壊れ加減が半端なく描かれて、面白いと思いつつゾクゾクしながら観てた。4人の女優陣の熱演が光る。初日ということもあって、レコードに針が乗ってないのに音が出るとか、死体がある部屋でカーテンが動くとか、若干の不手際はあるものの、とにかく圧倒された。

いつぞやは【8月27日公演中止】

いつぞやは【8月27日公演中止】

シス・カンパニー

シアタートラム(東京都)

2023/08/26 (土) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

新しい演劇がくっきりと姿を見せた。
これまでさまざまな形で、書かれ上演されてきた加藤拓也の現代劇の今の時点での集大成のような作品である。今の時代を表現しようとするに演劇が、さまざまな面で自在に具体化されて、舞台に上がっている。うまい。面白い。涙を流さないで感動できる。
描かれるのは「今の」社会の中軸であるべきアラサーの人々の「今の」心情や生活などであるが、そこから今を生きるすべての人々の心情に広がっていくところがすごい。
主人公は小さな劇団の主宰者らしき作家(橋本淳)で、ふらりと訪ねてきた昔の仲間(平原テツ)から、自分のことを芝居に書いてくれとせがまれる。実は彼は大腸がんのステージ4で、余命宣言を受けている。
以後芝居のスジは、この仲間の青森への帰郷とそこでの生活が点綴されていくわけだが、同世代の仲間たちが男女関係や家族をつくり、仕事を進めていく中で、それとさりげなく(と見えるように)関わりながら生涯を終えるまで、なのであるが、そこが、今までの難病ものと全く違う。平原テツの快演もあるが、そこには、すべて命ある人間が必ず通っていく道、そこに人間の喜怒哀楽すべてある、とクールに(しかし冷笑的ではなく)提示されている。野田の本には必ず最後に大逆転があり、ケラには必ずフィナーレで芝居の中の人生を納得させられるが、この舞台は現代の小さな世界を素材にして、現代の姿を、ジェンダー問題から老親問題、就職問題まで幅広く自然なカタチで取り込みながらくっきりと描ききっている。
日本の現代劇のレベルを示す作品である。
数年前からこの作者と付き合ってきたシスカンパニーの見識もたいしたモノだ。パンフレットが500円だが、内容充実。これだけでもシスを評価できる。こちらも十分面白い。
1時間45分。満席。半立ち見席も混んでいるが、チケット代の安さも魅力である。

ヨーコさん

ヨーコさん

演劇集団円

吉祥寺シアター(東京都)

2023/08/26 (土) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

佐野洋子さんのことは名前を聞いたことがあるくらいで、この劇を観に行ったのは演劇集団「円」の作品だからである。皆さんが書かれているように完成度は高い。主演の谷川清美さん(現在の演劇集団円の代表取締役)はさすがの圧倒的演技で会場を制圧していた。休憩なしの1時間50分

しかしながら佐野さんのことをほとんど知らない私は最後までとうとう入り込めなかった。何も書けないので佐野さんのことを調べていて気が付いた不思議なループを書いておく。

佐野洋子はジュリー(=沢田研二)のファン(とこの劇の冒頭で言っていた)
ジュリーのファンと言えば悠木千帆(後の樹木希林)
悠木千帆の夫は岸田森(その後離婚、岸田森さん懐かしい!)
岸田森の父の兄は岸田國士
岸田國士の娘は岸田衿子(と岸田今日子)
岸田衿子の夫は谷川俊太郎(その後離婚)
谷川俊太郎の妻は佐野洋子(その後離婚)

ヨーコさん

ヨーコさん

演劇集団円

吉祥寺シアター(東京都)

2023/08/26 (土) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

『100万回生きたねこ』も作者の佐野洋子さんも全く知らずに観劇。役者も全く分からない。お父さん役が『ペリクリーズ』の主演・石原由宇氏だったのは判った。
主演の「ヨーコさん」役の谷川清美さんは圧倒的。桃井かおりみたいな感じで好き放題ステージに君臨する。ガチガチに構築された空間を縦横無尽に泳ぎ回る魚。参った。
もう一人の「ヨーコさん」、6歳の自分であり同じ名前の猫役の大橋繭子さん。いや凄え女優がいるなあと驚いたが、『ペリクリーズ』で一番気になったヴァンプだった。うわマジか?同一人物か?この劇団に恐れをなす。
「ヨーコさん」が憎んで憎んでどうしようもなく憎んだ母親役は清水透湖(とうこ)さん。堪らなく胸が痛む。例えそれが母親ではなかったとしても、観客一人ひとりがそれぞれの痛みの記憶を喚び起こす。
早逝した天才の兄役は岩崎正寛(まさのり)氏。「蛙を窓から飛ばせ!」「時間の尻尾を捕まえろ!」、名言多数。
中野風音(ふうね)さん演ずる岸田今日子がドッカンドッカン受けた。
音楽の西井夕紀子さん作曲の名曲揃い。歌と踊りは最高。ジョリー!

作品の完成度が物凄い。西原理恵子✕80年代小劇場。作家や『100万回生きたねこ』を知っていればもっと楽しめた筈。やはり帰りに絵本を買ってしまった。
母親との関係にトラウマ(のようなもの)を抱えている女性は絶対観た方が良い。この圧倒的な演劇空間は体験して全く損はない。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

80年代の演劇っぽい感じ。もう既に古典芸能の感すらある。演劇定型文のような展開。「ここテストに出るぞ」みたいな。
『100万回生きたねこ』の内容を作品内でだぶらせて、カタルシスに持って行くべきか。猫の存在が母親と同等ぐらいに重要。
ロリコンとうさん

ロリコンとうさん

NICE STALKER

ザ・スズナリ(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

スズナリで観る事の多い(というか殆ど)NICE STALKERの最初の記憶は同じくロリコンをタイトルに付した作。作中おじさんが「ロリコン魂」に開眼する(自認する)その対象となる役であった白勢女史が、今回も出演というのが楽しみの一つ。同じネタを(非難の目も顧みず)またやるからには余程のこだわりが?というのも一つ。その期待と予測はある意味で裏切られつつも最終的に納得な内容である。

ネタバレBOX

プロトタイプとは未完成の意との事。
初日の客の感想・意見を踏まえて翌日からの本チャンに移行するとの由である。
同じ料金を払った客に「同じものを見せるべきだ」という面を強調する演出家と「芝居は日々進化する、千秋楽まで挑戦し続ける」面を強調するタイプといる。後者ならプロトタイプと敢えて銘打つ必要はないだろう。初日をゲネの回とし、料金設定を変えるパターンは割と一般的だが、今回は呼称をこう変えるだけで概念が変わる。
この「変化の余地」のある回、という観念は役者の「構え」にも影響し「探り」の余地を与えたかむ?と思わなくない。噛みが4箇所ほどあった(別々の俳優の台詞)のはそれかな、等と窺いながら割と冷静に観ていた。
芝居のテンポ自体は序盤から緩め、というかリアリズム演劇のそれになっていたので、噛みが仇してテンポに影響した訳ではないが、もっと折り重なるようなテンポ感が欲しい、という欲求が沸いたのは事実で、2日目以降どうなったかなと、細かい所に意識が行く自分である。

劇中でロリ、を口にするだけで芝居はイロモノチックになるのだが、語られている話は切実で、特殊であるよりむしろ普遍的で、私の中では早々に「ロリ」に限らず、勿論LGBTもだが性愛に限らず、レッテルやカテゴライズといった人がやりたがる知的遊び(シナプス結合)が持つ暴力性という事を思い始めていて、従って終盤で白勢演じる女房(ロリ父の冒頭の述懐によれば「こんな俺を全て受け入れ程よく距離も保ってあげるから結婚してくれと言ってくれたので同居してる妻がいる」という、ドラマのぐるりを構成する(都合の良い)人物と見えなくも無いが白勢氏だけに曰くありげには見えている存在)が、本人がひた隠していた「ロリである事実」をデリカシーなく暴露かつ侮蔑して恥じぬ義兄(持ち前の軽いノリでロリ界隈に顔も出していた本人でもある)に対し、張り手をかます瞬間が、私には頂点だったりした訳であった。
「無理解」「勘違い」の象徴でもある義兄は、金に明かして孤独を埋めがちな妻の気持ちも顧みず、好き放題風俗に通いづめという憎めないキャラながら、結局三下り半を渡される事で「裁き」は一応為される格好である。
「小さき存在を愛でる」気持ちと、小児を対象とする性的関心との間はグラデーションに思える。軍隊等の閉じた世界で同性同士の性的関係が多いのは「たまたま性的志向を同じくする人が集まった」のでない事は自明で、統計的事実、とすれば、何らかの「制約」が小児への性目線を育てる、あるいは早熟な小児との出会いで目覚める(今作で取り上げられていた)、等による変化が起きたと考えられ、その観点はLGBT(性的マイノリティ)を忌避する人たちが法的サポートや平等化を拒む論拠にもなっていそうだ。
だが、環境や体験によって不可逆に変化する、という事はあり得る、と考える。そして人間が子孫を残すためだけに存在する、との思想でも持たぬ限り「子を産めるカップル」である事だけが市民権の条件だなどと言えないだけでなく、ある形態のカップル(あるいはまたはグループ、共同体だったり)が、下等だとする認識にも瑕疵がある(矯正する必要もない)のであり、「人に迷惑を掛けること」以外全て自由との基本倫理が参照される。
(もっとも日本では、よくドラマにも出て来るが間違った事はしていないが世の趨勢が許さない場合にその態度が家族、とりわけ将来のある子供に〈迷惑をかけてしまう〉事で伴侶に泣きつかれ正義を諦めるというパターン、これは日本社会の断面そのものであり、あろう事か正義を貫こうとする父が無知、独善的と描かれる事が多いのである。敗北の美学を描くなら「負け」の自覚があるからまだしもだが、結局日本のドラマでこの局面を打開するのは当事者本人の意志ではなく外的な変化だったりする。こうして「抗う」美学は衰退の一途という訳である。)
この芝居では大きな葛藤と小さな抗いが描かれている。話が大仰になるが、ナチスドイツでは皆がさして問題ない、または不要につき排除も致し方なしと思われがちな存在の抹殺を許し、以後は抗う理由を失くした。日本は「汚染水」と呼んではならぬ、なんてどこかの独裁国家と見誤る言論統制がいとも簡単に成立してしまう国柄。国情が変化するスピードはドイツどころでないかもしれぬ。
ロリコンとうさん

ロリコンとうさん

NICE STALKER

ザ・スズナリ(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

プロトタイプ版を観劇。
客層の男女比率は半々くらいでした。

個人的に変わった事や挑戦的な舞台が好きなので
★5を付けました。序盤からあれ?これって、どういうこと?って感じで進行していき、最後に謎が解けるのが心地よく、素敵でした。

ダンスシーンや飽きさせない仕掛けが満載なのも良かった。

ロリコンという難しいテーマを取り扱いながら
笑いあり、感動させるものがあった。
観劇しながら自分自身の考えがロリコン側、ロリコン否定側になったりと色々考えさせられる内容でした。


あと、個人的に野口さんの美声が良かった。

ネタバレBOX

野口さんの旅行写真で宇宙や絶対行けない場所も入れて欲しかったな。

ヒデオさんのキャラが強烈でおもしろすぎて
ロリコンが少しかすむ?
神と凡人は紙一重

神と凡人は紙一重

名城大学劇団「獅子」

ナンジャーレ(愛知県)

2023/08/25 (金) ~ 2023/08/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

オムニバス形式の3つの短編作品集。
今どきの悩みだったり、恋愛事情、将来にかける夢、希望・・・
70分くらいのお芝居でしたが、テンポもよくオチもあって
結構練られた作品だと感じました。
それぞれ学生さんらしい視点で描かれ面白かったです。
『神』と『紙』を引っ掛けているのも洒落てました。

BALLO~ロミオとジュリエット~

BALLO~ロミオとジュリエット~

CHAiroiPLIN

LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/08/30 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/08/30 (水)

観てきました☆ 良かったんだけど、なんかロミオとジュリエットのからみがアッサリし過ぎてたり、イマイチ見せ場が少なかったかな。。よし乃さんはコミカルでとっても良かった☆ なんで温水さん使ったのかわからない。 必要なかったと思う。。

ロリコンとうさん

ロリコンとうさん

NICE STALKER

ザ・スズナリ(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

未完成(プロトタイプ)公演と銘打った回。他の回のチケットも確保済みなので、どういう変化があるのかを楽しみにして、とりあえず今日のところは☆を付けずにおきます。

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