最新の観てきた!クチコミ一覧

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想い光芒、想われ曙光

想い光芒、想われ曙光

劇団25、6時間

萬劇場(東京都)

2023/09/06 (水) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

A班観劇。う~ん、泣かせる話ですね。結構シリアスなリアルの部分とファンタジーの部分がいい塩梅で、大いに楽しめました。

地上の骨

地上の骨

劇団アンパサンド

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2023/09/01 (金) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/09/06 (水) 14:00

80分。休憩なし。

想い光芒、想われ曙光

想い光芒、想われ曙光

劇団25、6時間

萬劇場(東京都)

2023/09/06 (水) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 Aチームを拝見。池袋演劇祭にも参加している作品。自分は審査員では無いからある程度のネタバレは許されようが取り敢えず楽迄はネタバレ内容は控えめにしておく。楽以降に追記。作品としてはファンタジックな要素も取り入れながら、極めて深刻な人間関係をドラマティックに描いた秀作である。

ネタバレBOX

 この地域では精霊を信仰する習わしがあり、年に一度ランタンを灯して空にあげるランタン祭りが開催されてきた。天と地に分かれて暮らす水の精霊姉妹は、このランタン祭りの日だけ逢うことができた。然し世の中が様変わりした現在ではその祭りの資金もままならず、精霊を祭る祠は残っているものの、殆ど打ち捨てられたようになっている。時折、僧侶が祈りを捧げることはあるものの、ランタン祭りが根付いていたことさえ人々の記憶から薄れつつあった。以下、ネタバレの代わりに重大なヒントを上げておく。
 ヒトという生き物は、愛されずに育つと、自分に子供が出来た時に愛し方を知らない為、子が親になり自分が孫を持つようになってさえ、子はその子(孫に当たる子)を愛する術を知らないという負のスパイラルを起しやすい。 
煙突もりの隠れ竜

煙突もりの隠れ竜

壱劇屋

ABCホール (大阪府)

2023/08/18 (金) ~ 2023/08/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最高でした✨
3匹めちゃくちゃかわいくて堪らなかった😭
人間はワードレス、なのも違和感なく観られて良かったです!
竹村さん天才なんだよ…
強いから優しいんじゃなくて、優しいから強いんだなと…良いキャラしかいない…!!
次回もどんな世界が観られるのか楽しみで仕方ありません!!

煙突もりの隠れ竜

煙突もりの隠れ竜

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

前に大阪支部の公演を観てまた東京も見たいと思いました!
笑うところがいくつもあり観ていてとても楽しかったです。もう一度観たいと思いました!

ネタバレBOX

ぬいぐるみの絶妙な震えがかわいくておもしろかったです。最初のシーンで誰がどの子か説明しながら戦闘するのが見ていてわかりやすかったです!個人的に最後犬の天使が吸い込まれるとき柱に必死に捕まってるのが可愛かったです。
眠らない街と愛していたが訳ありだった僕ら

眠らない街と愛していたが訳ありだった僕ら

運命論者

アトリエファンファーレ東池袋(東京都)

2023/09/01 (金) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

遅ればせながらコメントさせていただきます。
運命論者 旗揚げ公演ということをかんがえれば合格点ではないだろうか。
キャッチ―な「トー横キッズ」を取り上げた作品であり、映像を使って2人の主人公を軸に物語が進んでいく。
役者に物語を語らせ過ぎない点も好印象だった。

煙突もりの隠れ竜

煙突もりの隠れ竜

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

大阪公演につづいて東京でも観劇させていただきました。

大阪ABCホールと比べると小ぶりな劇場なのでスケール感など変わってしまう心配があったのですが、アクションの手数や動きの変化、情景演出の追加などもあり、密度を増したファンタジーを所狭しと存分に味わえました。
大阪で観ていたからこそはっとさせられるような場面や、東京へきてはじめて涙が止まらなくなるシーンもあって、両方で観に行くことができて良かったです。

日永麗さん演じる不死鳥も素敵なお芝居でした。
不死ゆえの貫禄や強さを見せつける一方で、恋に焦がれる可憐さやお茶目な可愛さもあって。
アクションモブの方々の操る翼(不死鳥ブレード)とともに舞うバトルシーンは抜群に格好良かった。
ラストシーン、それまでの想いが乗った叫びに心から揺さぶられました。

また夏が来るたびに思い出しそうな冒険がありました。
この世界がたまらなく大好きです。
いつか再び「煙突森」の住人たちと会える日がくることを願っています。

橋からの眺め

橋からの眺め

パルコ・プロデュース

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2023/09/02 (土) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

よかった。いろいろ考えさせられる。港の労働者のエディ(伊藤英明)が20歳そこそこの姪のキャサリン(ケイト=福地桃子)をあそこまで縛ろうとするのは、なぜなのか。性的欲望があるのかないのか、その微妙な線は微妙なままに、とにかく事態だけは破局へと突き進んでいく。そこが大変スリリングだった。何かにとりつかれた人間の愚かさ・怖さを伊藤がよく出していた。一方の、福地も無邪気さとコケティッシュさの両方をバランスよく出して、若い魅力を存分に発揮していた。

奥行きのないコンテナの中のような部屋。安っぽい蛍光灯が並ぶ天井が上下して、メリハリと心理状態と、場面転換(アパートと弁護士事務所)を示す。ジョー・ヒル=ギビンズの演出は、労働者仲間などわき役3,4人をカットし、戯曲の本筋だけをくっきりと示す。90分という短さにも、その凝縮ぶりが出ている。

作者はギリシア悲劇・喜劇を意識して本作を書いたという。エディの異様ともいえる偏執・偏向ぶりも、ギリシア悲劇の人物がもとになったと考えれば、うなずける。かつて鄭義信の「たとえば野に咲く花のように」も、「あの男を殺して」という妄執にとりつかれた女性エキセントリックだったが、これもギリシア悲劇「アンドロマケー」を下敷きにしたからだった。

もやしの唄

もやしの唄

劇団テアトル・エコー

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2023/09/06 (水) ~ 2023/09/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

経済成長でどんどん生活が便利になっていく60年代の日本。そこで6時間ごとに2時間の水やりをしなければならないという、超手間のかかるもやし栽培を家業とする泉家。長男の恵五郎(根本泰彦)はいつも眠い。長女の十子(吉川亜紀子)は結婚を控え、新しい家電製品に目移りするばかり。次男の一彦(松沢太陽)は6年行った大学もそろそろ卒業、しぶしぶ就活に回る…。やもめの恵五郎に見合いの話が起こり…

11年ぶりの2回目の観劇。懐かしいセットがまずいい。しっかり井戸の水が出て、家の縁の下や軒もリアルに再現。もやしが育つ室の中のシーンは圧巻だ。会社社長の父に反発して家出してきたという村松(川本克彦)、近所の中華料理店の娘なのに、やもめの恵五郎が気になっていつも手伝いに来る高野九理子(小泉聡美)。初老の大人なのに、なぜか子ども帰りをしている喜助(後藤敦)。それぞれのわき役もいい。特に自分の思いを打ち明けられない高野がいじらしい。

お尻にスイッチがあって、座ると眠ってしまう(息子のカンタ=小1の作文)という恵五郎のキャラが本当におかしい。そのうえギターがうまい。ギターがしたくてほんとは最初、もやしづくりが嫌だったというのもうなずける人物だ。

ネタバレBOX

室の中で、もやしづくりの喜びを語るクライマックスはさすがに印象的。それは覚えていたが、後はほとんど忘れてしまっていた。とくに家出人の村松が実は松〇電器の御曹司で、16年後のもやしづくりをたたむ場面まであったとは驚きだった。村松を「松村」といつまでも呼び間違えるギャグも笑えた。
煙突もりの隠れ竜

煙突もりの隠れ竜

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/09/02 (土) 18:00

 幻獣と人間、幻獣と幻獣、人間と人間。それぞれの思いと欲とが絡み合い、時にはせつなく,時には暴力的に,時には自己中に、でもその根底には相手を思いやる優しさが見え隠れしている。いつもながらにハラハラわくわくさせてくれる作品。でも最後にはすごく温かい気持ちにさせてくれる作品。何回見ても飽きるどころか,違う視点や思いに気づかせてくれる作品でした。子供たちが見ても十分楽しめるファンタジー世界でもありました。

ネタバレBOX

ドンへのキマイラの台詞、九尾へのイモムシ花の言葉、そしてもちろんポンスケ氏演じるたぬき守くんの随所にばらまかれた温かい言葉と頑張り。一つ一つ捉えていくと「深いなぁ」と思ってみたり。もちろん単純に殺陣とアクションモブの人間CGの美しさを堪能してもよいかと。
 そして、これらのほのぼのとした世界の余韻を一瞬で跡形もなく粉砕するタイツもりの隠れタイツの破壊力。次回公演でも是非1度は入れていただきたい。余韻は次の日にまた観に来ますから。
煙突もりの隠れ竜

煙突もりの隠れ竜

壱劇屋

ABCホール (大阪府)

2023/08/18 (金) ~ 2023/08/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

映像化していないので劇場で観るしかないのが本当に惜しいと思う反面、劇場で観る以上の贅沢はないなとも実感しました。アクションモブや音響、照明、他の観客の反応さえもその効果で舞台を彩っていてとても素敵な作品でした。

煙突もりの隠れ竜

煙突もりの隠れ竜

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

いつもの事ながら,アトラクションのような演出、あっという間の150分でした。複数のお話が並行して展開しながら絡まり合ったり離れたり・・・最後はキレイに全ての伏線を回収していく見事さ。暖かかったりせつなかったり黒く渦巻いていたり、色々な感情が表れたり隠れたり。もちろん殺陣も満載。アクションモブの人間CGの美しさと運動量に圧倒されっぱなしでした。「楽しかった~」と味わい反芻しながら帰路につける作品です。

『会議』『街角の事件』交互公演

『会議』『街角の事件』交互公演

Pカンパニー

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2023/09/06 (水) ~ 2023/09/12 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/09/06 (水) 19:00

座席1階

「会議」をまず、拝見。Pカンパニーの「べつやくづくし」の中でも、上位に入る面白さだ。

まず、開幕前の舞台に納得。定番の電柱に裸電球。これは自分的に言うと好みなので「そう来なくっちゃ」という感じである。冒頭、アルバイトと思われる数人が木製テーブルといすを運んでくる。まず、偉そうに振る舞っているのがこのバイトたちを束ねる担当者のおじさんだが、やがて入ってくるこの仕事を発注したと思われる紳士に会話の主導権が移る。この紳士によると、人間の会議志向を証明するのが目的なのだという。電柱がある屋外に机といすを持ち込んで「会議」だというのだから相当おかしいが、不思議なことに客席はこのシチュエーションをすんなりと受け入れてしまう。
別役戯曲の面白さの一つは、会話の主導権が次々に別の人に移り目くらましをされていくところだ。なるほど、相当な不条理だ。今作でも、バイトが「壊れているいすがあった」というのだが、バイトの担当者のおじさんは「そんなはずはない。壊れていたとしたらお前たちが壊したんだ」と毒づくがそれはその場面だけですっかり忘れてしまう。だが、こうしてすんなりと受け入れられるシチュエーションの中に、重大なカギが潜んでいる。
会話の主役は続いて、たまたま通りかかった風情の「会議参加者」に移る。これも別役戯曲ではよく見られるが、その一人ひとりが勝手な会話を繰り広げる。てんでバラバラに交わされている会話のようだが、実は巧妙に織り込まれていて、やがてキーパーソンである男が登場する。劇はこの男を中心に急展開し、客席は路上という公共空間で行われる殺人事件を目撃することになる。

こうした見どころが1時間20分の舞台に凝縮されているのだから、面白くないわけがない。
2本だてにしなくて、これ1本で締めたのは正解だ。帰りの電車で「あの場面の会話は、ここを解く鍵だったのか」などと反すうして楽しむことができる。 

ラフタリ―の丘で

ラフタリ―の丘で

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2023/08/29 (火) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

アイルランドの演劇では最近はマクドナーの暗い土着リアリズムの作品がよく上演されてきたが、この作品もこの系列のようで、下層階級の農民の家父長の圧制下に生きる一族の暗黒の物語である。物語の軸はこの家の子供たちで18才の娘、その姉四十才、その間に知能障碍の男の子。母親は下の娘が生まれるときになくなり、同居の祖母は認知症。父はもっぱら同年の友と荒野での兎撃ち、自宅の牧草地は荒れ放題。男の子は動物同然に牛小屋で糞まみれで生活し娘たちは父親の性奴隷になっている。その下の娘に縁談が起きるのが物語のスジだが、全編、内容は今は御法度の家庭内パワハラ、セクハラのオンパレードである。もちろん、舞台で見せたりはしないが、それではこの作品を上演する意味が伝わらない。
なぜ、上品という点では他劇団を引き離して独走の俳優座がこの戯曲をやる気になったのか解らないが、これはミスキャストならぬミス劇団である。文学座が上村聡でやっても、阿佐スパが長塚圭史でやっても、若いところでは温泉ドラゴンがシライケイタでやってもこうはならない。アイルランドの僻村の農家の食堂のセットは軽井沢のコテッジのようだし、衣装化粧は男の子の汚し方は極端だが、娘の方は良家女子校の生徒の普段着の感じ。台詞も上品な訳で、俳優座の俳優だから、台詞はきれいに通す(これは唯一の見所と言って良い)がそれが一層空々しくなるという悪循環である。
俳優座は、劇場も閉めると言うし、この先のレパートリーも発表発しているが、どういうことをやりたいのか解らない。文学座や青年座は時代の難局を切り抜けて新劇ファンの期待に応えている。劇界首位にあった劇団の充実した芝居を見せてほしいものだ。かつては日生劇場で公演が打てた劇団ではないか。百人足らずの客席八分の入り。老人多くエレベーター混雑。


SHINE SHOW!

SHINE SHOW!

東宝

シアタークリエ(東京都)

2023/08/18 (金) ~ 2023/09/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ずっと笑いながら観てました。「ロマンスの神様」の歌唱が上手かった…。

ネタバレBOX

・鐘巻と琴浦が社員証をかざす仕草が、タイトルとかかっていることに後から気付いた。
・和歌山の「楓」の歌唱で、眞嶋と山田のコーラスが入るところが良かった。立場がバラバラな3人の文脈が、歌唱にのっかって重なる見せ方が良いと思った。
ワーニャ伯父さん

ワーニャ伯父さん

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2023/09/05 (火) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

コンパクトな舞台で繰り広げられる濃厚な会話劇。この演目2度目の観劇なので、今回はセリフをじっくり楽しむことができた。100年以上前の戯曲なのだが、人間模様は今と全然変わってない。自虐的昼メロの世界ですな。

ワーニャ伯父さん

ワーニャ伯父さん

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2023/09/05 (火) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 初日を拝見。流石、ハツビロコウ。

ネタバレBOX

 物語は部屋数だけで26もある屋敷の皆が集まる部屋で展開する。劇場の板部分を嵩上げして平台を置き平台の各頂点を延長した先に一か所ずつ出捌けが設けられている。うち一カ所は、劇場入口も兼ねる。上手ホリゾント側の出捌けには側壁から迫り出した壁があり、出捌けの際の目隠しも兼ねているが、この壁にはマジックミラーのような反射率の鏡が掛かっている。その反対側ホリゾント側下手出捌けの先には窓があり、下手手前の出捌けの先にはワーニャの部屋がある。尚、皆が集まる部屋は、現在の日本のマンションで言えばリビングに当たるのか? 嵩上げした平台の丁度中ほどに大きなテーブルが置かれ、場面、場面で椅子の数を調整、テーブル上に置かれる物もサモワールとカップ、ウォッカの瓶とショットグラス、ちょっとしたつまみ類等を盛った皿など必要に応じた物が置かれる。
 有名な作品だから物語の筋は書かない。ただ、これだけは言っておきたいのが、これまで他劇団の演じた「ワーニャ伯父さん」を数本観てきたが今回の舞台が最も気に入った、ということである。何故なのか? 自問してみた。するとチェーホフが描かんとした意図を最も正確に捉え分かり易く的確に表現して観せた舞台だからではないかと思い至ったのである。他の作品にも表れているチェーホフの自然に対する卓越した見解と、その正鵠性故に理解されぬもどかしさや絶望、孤独感や侘しさが医師・アーストロフの台詞、態度に実に良くあらわされ、退任した大学教授が屋敷へ来る迄は、この地域でたった2人しか居なかった知識人として同じくチェーホフの分身であるワーニャを通してアーストロフの描写では抑えられていた、圧倒的少数のインテリが社会に対して感じていた苛立ちや侮蔑感、理解されぬことから来る焦燥感等が極めて明快に刻印されている。その一方、乳母・マリーナは民衆の代表として描かれていると考えられるが、チェーホフの彼女に対する視線は暖かく、真の民衆の持つ知恵の深さ、適格を随所に鏤めた台詞で顕彰されている。密やかにアーストロフへの身を焦がす恋をするソーニャの純愛も哀しいが美しい。一方ブルジョア階級に属すエレーナについては、恋愛の仕方についても利害得失が矢張りちらつくことは、彼女の態度と台詞の落差によって否定し難い。退任教授・セレブリャーコフについてはその極楽蜻蛉ぶりが遺憾なく表現されている点もグー。また、居候のテレーギンに対する侮蔑的態度は、ワーニャがこの屋敷購入時に不足分を支払ったこと、この土地・屋敷の管理をソーニャと共に必死に担ってきたことから来る自然な苛立ちとして表現することによって、チェーホフのもう1人の分身、アーストロフに精神の上澄みを担わせることに成功しているという、今作の作品としての深み迄解釈させてくれた。上演台本・演出を担った松本さん、その要請に応えた役者陣に深く感謝! 無論、このような舞台を支えて下さった他の総てのスタッフにもお礼申し上げる。
煙突もりの隠れ竜

煙突もりの隠れ竜

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とにかく演出がすごくて、毎度圧倒されます。人間CG等、「役者」の力を存分に活かしたものが多くまずそこに感動します。
それぞれのキャラクター達がしっかりとした信念、考え方を持っていて魅力的です。彼らの言葉や行動を聞いて、見て、自分の考え方や行動を改めて考えました。
そして、一目で考え抜かれていると分かる衣装デザインがとても素敵です!様々な布を使って作られた衣装に毎度心が踊ります。

煙突もりの隠れ竜

煙突もりの隠れ竜

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

大阪公演に引き続き東京でも観劇させていただきました。
大阪でも既に完成されていた作品を東京の舞台の大きさに合わせて調整するだけでなく、実際に大阪で公演した上での修正点を洗い出しブラッシュアップする微細な改変が多く観られました。そのより良き作品へというこだわりに脱帽でした。
公演を重ねる毎にどんどん洗練され最後は客席と一体となって空間の雰囲気ができていく、舞台でしかありえないとても素敵な公演でした。

作品の内容も大阪公演の方でも書きましたが大変に素晴らしい極上のエンターテインメントでした。
是非いつかまた観たい作品もう観ることができないのは非常に寂しいです、再演もしくは続編を熱く希望します。

ワーニャ伯父さん

ワーニャ伯父さん

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2023/09/05 (火) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

俳優たちの演技に加え、演出がすばらしい。いつもの暗い照明、田舎の夜の虫の鳴き声、静かなギター音楽が静謐な雰囲気を醸す。ろうそくの火の前に座ったソーニャの姿はマグダラのマリアの絵を思わせる。最後の場面はひときわ美しく感動的。あらためてチェーホフが残したこの作品の良さを認識させられた。ワーニャの母親役は省略されている。

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