燕のいる駅
ニッポン放送
紀伊國屋ホール(東京都)
2023/09/23 (土) ~ 2023/10/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
のどかな駅舎の風景、思わずこぼれる笑いに溢れているのだけれど描かれているのは世界の終わりの日
心地良い波長、豊かな人間描写、のどかなやり取りの中に忍び寄る異常と悲劇の匂い
とにかく観る側の想像力をかき立ててくれる演技・演出力が凄い
会話の端々から今何が起こっているのか、何故こんな事態になってしまったのか、そして今目の前にいない(舞台から捌けている)登場人物の姿など、余白の部分もイマジネーションで肉付けされていくのだから
かなり昔に同作品を観ており「おだやかなのにインパクトの凄い公演を観たぞ!」という記憶はしっかり刻まれていたのですが、今回の観劇で 間違いなく名作!と再認識
むしろ時代が作品世界に近づいてきている様で、当時以上に感慨深く観ることができたかもしれない
アナトミー・オブ・ア・スーサイド【9月11日~20日公演中止】
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2023/09/11 (月) ~ 2023/09/29 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
華やかな実験劇である。
三世代、三人の女性がそれぞれの人生まっただ中の三十歳代を生きる数年を並行してみせる。ノーセットの舞台にドアの枠が三つ。それぞれの室内でドラマは進行する。シネマスコープの三分割画面を一挙に見ている感じである。15分の休憩を挟んで一時間づつの二幕。各幕に前半4シーン後半は6シーンだったか。
三組のドラマは時に同じ台詞が重なったりして時代が変わっても変わらぬところもあると、暗示したり、、三つの枠で展開する一つ一つのプロットのスジは追い切れないが、起きている事件がほぼ人間の誕生に関することだったりして、現代の暮らしの中で男も女も生きづらい人生を送っていることはよく解る。二三十年前に日本の劇作家が、得意げに台詞を重ねて見せて新趣向と喧伝したのとはワケが違う。こちらは時代も重なっているし、休憩10分を挟んで2時間、全編、ドラマは並行している。三組の俳優はどうやら血縁関係もあるらしく、時に交錯することもあるが、ほぼ独立している。スジはほとんどつかめない。それでいて、スジのつかめないもどかしさはあまり感じない。
文学座の中堅の俳優が、役を生き生きと演じていて、みな適役にみえる。冒頭、一組の男女がチェルフィッチュ風の芝居をやって見せたり、結構賑やかにいろいろな趣向が取り込んでいる。それが、全体としては重苦しい話なのに、人生花盛りのお祭りのはなや傘につながっていく。人間捨てたモノではない。
しかし、ここまでやるなら、見る方にも、三回くらいは見るという前提で興行するという新手もあったのではないかと思う。もちろんコストもチケット代も上がるだろうが回を重ねるたびに面白さは大きくなると思う。(もちろん、そんな興行は出来ないという現状を踏まえた上での公演ではあるのだが、劇団ならやれるのではないか)
文学座は女性演出家の逸材が続々出てくる不思議な劇団だ。生田みゆきもまだ十本もやっていないと思うがもう4本見ている。これは「ガールズ・イン・クライシス」(20)のような前衛性の強い作品だが、昨年評価の高かったアラバールの「アッシリア皇帝」のような作品もスター性のある俳優をうまく使ってエンタメとして楽しめる作品も作る。った今年の小劇場作品の「海戦」も、この作品を仲間内の素人の俳優も混ぜながら芸大の同級生でやる、という趣向が面白かった。華やかで、手が多い。一つ世代を上げると、森新太郎が出てきたときのような感じである。どんどん活躍の場を拡げて欲しい。商業演劇だって軽ーく出来てしまうと思うが才女、才に溺れないよう
ホテル・イミグレーション
名取事務所
新宿シアタートップス(東京都)
2023/09/15 (金) ~ 2023/09/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
名取事務所としては珍しい系列として昨年、「カタブイ1972」(内藤裕子作)を観たが、この「書き下ろし」上演の路線を今年も、詩森ろば作品で試みた。
文句無しに満点を付ける。「期待しなかった分、予想を上回った」、といったような事ではない、と思う。
移民問題、入管問題。作者が当日パンフで、題材は主催者側から提示され、そこから事実を知って行った、全てが初めて耳にした事だった、と述べている。自分の足下で、こんなに近くで、、その衝撃と思いは理解できる。知らなかった事の負い目がよぎる。そこから出発し、作品がそれに見合うものになる事をひたすら目指し、問題の単純化には流れず、あらゆる問題群を一つのドラマと人物に落とし込み、特別な事としてでなく私たちの生と地続きにあるものと見えて来るよう、真摯に取り組んだ痕跡だけが見えた。(降って来た作品?と見える事がままあるが、今作もそう見えつつ、作家の不断の探求の上にしか訪れない部類である。)
感動のポイントは幾つもあるが、詳述は控える。
名取事務所公演はキャスティングにも一目置くところがある。ユニークな取り合わせでもあり、堅実でもあり。この俳優だからこそ、と見える場面に出会える事も、演劇の贅沢な瞬間であり、深い人間理解にもいざなう。
ブルーストッキングの女たち
近畿大学文芸学部芸術学科 舞台芸術専攻32期
八尾市文化会館プリズムホール 小ホール(大阪府)
2023/09/29 (金) ~ 2023/10/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
ランタイム三時間と聞いて、週末の疲れきったサラリーマンには…😞と思いましたが、良かった‼️中休み10分あったけど最後まで集中できた‼️内容も演技も良かったこの演劇が無料というのは、物価高の今とってもありがたい❗ 大満足です❕
A.R.P festival ~2023~
A.R.P
小劇場B1(東京都)
2023/09/29 (金) ~ 2023/10/02 (月)公演終了
【香梅】Braggart cards 〜乱れ咲き誇る〜
天華楽喜
新宿スターフィールド(東京都)
2023/09/27 (水) ~ 2023/10/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
紫香チームを観劇しました。
シリアスかと思いきや、コメディー部分も多く、ミステリー要素もあり楽しめる作品でした。
華やかな衣裳や女性の所作で、妖しく美しい世界を演出していて、とても良かったです。
犯人や人間関係の意外さ、隠された秘密等、ストーリーも面白かったです。
女性陣が綺麗で、気付くと目が釘付けになって観ていました。
素敵な舞台で満足でした!
燕のいる駅
ニッポン放送
紀伊國屋ホール(東京都)
2023/09/23 (土) ~ 2023/10/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
世界の終わりが近づいている。原因は分からない。人々の日常はいつもと同じようだが淡々と破局に向けて進んで行く。+いくつかの愛の形。
そんな風な雰囲気だけのお話である。何が起きているのかも分からない、思わせぶりな「日本村4番駅」の意味は何なのといったことは最後まで回収されない。一部は小出しにされるのだが自分で考えろということらしい。作者の勝手な考えを観客に想像しろとはなんと傲慢な。作者って土田英生さんだけどMONOのものは良いんだけどね。それを期待したら外れたってこと。
イケメン俳優さんを起用して若い女の子を呼ぼうという舞台のように感じた。…などと書くと何を今更と言われそう。いやまあその通り。
追記:しかしいくら何でも観客に知らされる情報が少なすぎる。これは観客にも「何が起きているのか分からない不安」を体験してもらおうということなのだ(分からない範囲は異なるが)。そこから先はお話を想像して感動するのも自由、作者の手抜きだと文句を言うのも自由ということだろう。私の場合は自分の中に無いものを求めて演劇に通っているのでこの舞台は完全な外れということになる。
デイジー
SHEDDING
王子小劇場(東京都)
2023/09/27 (水) ~ 2023/10/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/09/29 (金) 14:00
旗揚げだと言う若いユニットのパフォーマンス芝居。若さを感じるし、楽しく観ることはできる。110分。
30年前に作られたパフォーマンスシティ「六六(ろくろく)」では、町のいたるところで歌・ダンス・アクション等のパフォーマンスが行なわれているが、ある日歌い終わった歌手が刺される事件が起こり、アクション集団の「デイジー」が犯人ではないかと疑われ…、の物語。展開はややありふれたモノだが、時折入るパフォーマンスは楽しく、最後まで観ていられる。セリフが残念な役者が何人かと、冒頭のダンスが残念な人が数名いて、ちょっと気が削がれる印象はある。客入れ段階からパフォーマンスをするのは、物語の世界観を作ろうということだと思うが、効果的かどうかはやや疑問。
ヒトラーを画家にする話
タカハ劇団
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/09/28 (木) 18:00
昨年に上演する予定が、コロナで延期され1年越しで上演。シリアスとコメディのバランスがとれていて、とても楽しく、しかも考えさせられる舞台だった。(3分押し)68分(10分休み)88分。
美大4年の3人が、教授が作ったタイムマシーンで1908年のウィーンにタイムトリップする。そこで美術アカデミーへの入学を希望する19歳のヒトラーに会い、虐殺をさせないためにヒトラーをアカデミーに合格させようとするが…、の物語。ありえない設定だが、そこの説得力を一定程度持たせる筋を考えるあたりが流石のタカハだと、まず思った。実はテーマは重いのだが、それを若干の笑いとともに展開させる巧さもしっかりある。エンディングは特に良い。
「HATTORI半蔵‐零‐」
SPIRAL CHARIOTS
シアターサンモール(東京都)
2023/09/27 (水) ~ 2023/10/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
殺陣が半端なく素晴らしい。
おへそを出した男性の忍者役の役者さんの、
宙返りがスゴくでビックリです。
階段の上からの宙返りもあり、怪我をしないか心配になりました。
ラストのクライマックスは、最高でした。
目がクギズケになるくらい、見事な殺陣で、これを観るだけでも価値がありました。
最後のシーンは、感動的で胸が苦しくなりました。
うずうず / ぐるぐる
team UZU.UZU
シアター711(東京都)
2023/09/27 (水) ~ 2023/10/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
「うずうず」
キャプテン森ようこさんの脳内を彷徨い歩くような体験。少女漫画の散文詩のようなものから、フェリーニの見る異形の夢まで。ガイドラインとして、副キャプテン佐藤梟(ふくろう)さんがコロナ後遺症で屁の臭いが分からなくなり、ぎたろー氏の医師にかかるストーリーが綴られる。『ドグラ・マグラ』と共に胎児の夢を見て、J・A・シーザーの楽曲で踊るアングラ新興宗教。手動の吊りワイヤーで上手から下手に流れていく小道具。謎の行進。それは幻燈に映し出された影絵のよう。
田中りかさんのヤギ?が美しい。小林桂太氏は地面と平行に壁に立つ。山高帽とステッキの発起人・本多一夫氏(89歳!)は小演劇界のゴッドファーザーのように佇む。まるで『時空のおっさん』みたいな存在。ちなみにシアター711は氏の誕生日から名前を取っている。
何と言っても大図愛さんが最高。彼女のファンは必見。アングラでおなじみの面々が妙なことをやっていても既視感がありもう見慣れちゃっているのだが、そういうイメージのない人が演ると異化効果が凄い。四角錐と立方体が組み合った謎のバイタルセンサーを抱えて「すーっ」と呼吸する登場から良かった。
舞台上はまるで前田日明のようなインテリトンパチ振り。無駄に学がある気違いの演説のよう。クリシュナムルティの講話を延々聴かされてラリっていく感じ。
右脳と左脳の話は面白かった。
直感的思考の右脳は「うずうず」と「りんりん」、論理的思考の左脳は「ぱきぱき」と「もやもや」。同じものを違う回路で味わうシステム。
森ようこさんはいい女。
名前を呼んで、もう一度
ブルー・ビー
銀座タクト(東京都)
2023/09/12 (火) ~ 2023/09/13 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
登場人物の素性が分からずに進む展開、興味をひいて良かったです!
ただ、全容が見えてからは、色々考えてしまいました。
それぞれのキャラ付けもよく面白かったです!
雨の終わりかけに怒鳴りたて
劇団東京座
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
中々念の入った舞台美術である。しっかり作り込まれ、色彩的にも美しい。照明はほぼ総てのシーンで昏め。注意しておきたいのは上手箪笥の上方に小さいが神棚が在ることである。また、尺が2時間32分と長いので気を付けること。途中休憩は無い。初日を拝見したが、もぎりも暗い。内容に合わせて気の利いたセッティングだ。総てが物語の内容にマッチするように組み立てられているわけだ。華4つ☆(追記2023.10.1)
MARIONNETTE(東京公演)
劇団The Timeless Letter
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
殺陣がとても見ごたえのある見事な舞台でした。
個人的には登場人物の多さも含め設定が少しボリューミな感じもしましたが、
前半で?となっていた部分が解き明かされていく後半は圧巻で納得のいく
とても素敵な作品だと思いました。
「HATTORI半蔵‐零‐」
SPIRAL CHARIOTS
シアターサンモール(東京都)
2023/09/27 (水) ~ 2023/10/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
上演時間2時間20分と書いてあり長いなと思っていたら2時間45分ですって・・・♪
やりたい事はいっぱいあるのだろうが、無駄に長い・・・♪
休憩はみんなトイレへ一目散(笑)♪
話しは面白かったので、良しとするか・・・♪
シンドバッドの渚
オリゴ党
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2022/09/24 (土) ~ 2022/09/25 (日)公演終了
満足度★★★
演劇は役者とのディスタンスが好きで、直観にこだわっていたが、ミニシアターで観賞
迫力はなく、内容も苦手なSFファンタジーのファクターがあり、よくわからん😵🌀
やはり劇場で
AIRSWIMMING -エアスイミング-
WItching Banquet
アトリエ第Q藝術(東京都)
2023/09/26 (火) ~ 2023/09/27 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
板上は下手客席寄りに斜めに置かれた椅子Ⅰ脚、板中央に円周上を囲むように置かれた椅子5脚、下手の椅子とシンメトリックに置かれた椅子1脚。上手ホリゾントと側壁に面してスタンドピアノと椅子。
「HATTORI半蔵‐零‐」
SPIRAL CHARIOTS
シアターサンモール(東京都)
2023/09/27 (水) ~ 2023/10/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
チケプレで見せていただきました。初日ということで受付に手間取り開演が遅れたのは仕方ないこととして、開演に際しての心の準備をさせて欲しかったです。並んだ人はみんな入れたかなとか思っていたらいきなり暗くなって始まって、慌ててしまいました。はっきりとした開演のお知らせが欲しかったです。
本編は面白かったです。史実を裏切るような登場人物や武器、私にはついていけないようなギャグとアドリブ(としか思えなかったんですが)服部ワールドが炸裂していました。役者さんたちの殺陣もすごくて心配になるくらいでした。
零はそう来たか!!半蔵の半纏はあそこから受け継がれていくんですね。
最初からそこは考えられていたのでしょうか?服部さんにお会いする機会があったら聞いてみたいです。
劇友さんが「ほら!彼の役が南翔太さんのやった役に繋がっていくのよ」と教えてくれましたが、全然覚えていませんでした。南さん、服部さん、ごめんなさい。
の、つづくとこ
空晴
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2023/09/28 (木) ~ 2023/10/02 (月)公演終了
満足度★★★★
今回で看板女優が退団してしまうのがショック😨だが、とってもハートウォーミングで大満足 満席で一番後だったけど、左側がアクター占有率が高く、全体が観れて以外にも良かった‼️
53歳で若年性アルツハイマーにかかってしまう、長男(父がわりでもある)の話
コロナが一段落しても、人生には色々な苦難が待ち受けている 君たちはどう生きるか?を問い掛けていたのかな〰️それをどうのりきるのか
繋がりなんだろうかな〰️
MARIONNETTE(東京公演)
劇団The Timeless Letter
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/09/28 (木) 19:00
座席C列7番
価格6,000円
FAKEチーム初日を観てきました。
大阪公演も良かったですが、更にブラッシュアップされていて、より感情豊かに、魅せる、伝える舞台になってました。
前回好きになった作品ですが、本当に良かったです。まだ伸びしろがあったなんて。
今回は都合上FAKEチームだけの観劇となってしまいましたが、進化したTRUTHも見たくなりました。