最新の観てきた!クチコミ一覧

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とのまわり

とのまわり

山田ジャパン

シアター・アルファ東京(東京都)

2023/10/04 (水) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

芝居全体を通してみると、コメディ感がプンプンするくらい匂うのに終盤の肝心なシーンでは観客の心をグッとつかんでくる何とも不思議な魅力に満ちた舞台。もし、自分が余命わずかだったらどうするだろうかと考えさせられた。やっぱりこういうシンプルでストレートなメッセージが一番観るものに届くのかもしれない。

話は飛ぶが昨日、亡き奈良岡朋子さんのドキュメンタリー番組の録画を観ていたら、彼女の口から『芝居臭い』というワードが何回か出てきた。常々、芝居臭くならないように心掛けていたようだ。そういう意味では、役者が肩の力を抜いて芝居臭くない芝居を見せてくれたように思う。

或る夜の

或る夜の

劇団芝居屋かいとうらんま

OFF OFFシアター(東京都)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白かったです。
謎めいたストーリーに惹き込まれ…そしてラストも謎という印象でした。
役者さん達は熱演で、それぞれのキャラを好演していました。
不思議な時間を体験出来た舞台でした。

ゴスン

ゴスン

演劇組織KIMYO

ささしまスタジオ(愛知県)

2023/10/02 (月) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/10/08 (日) 13:00

ご組を観劇。
面白い演出で楽しんで観られました。
右手愛美さんがとても良い表情をしていて、綺麗でした。
あと、音を発する物の隣の席で迫力がありました。

OBACHAN

OBACHAN

NICO×frogs produce #関西の役者が踊ってみた

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ダンスよかったです。おばちゃんの範囲の広さには笑ってしまいましが服装や会話はあるあるとうなずいてました。楽しい時間を過ごせました。

ユータラスボンボン

ユータラスボンボン

学園座

関西大学千里山キャンパス凛風館4階小ホール(大阪府)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

満足度★★★

恋愛のゴタゴタが巻き起こす、人間とゴミ(使えない人間)を線引きする世界
発想としては面白が、内容は今までの作品と比べると…
隣のパジャマを来て来たようなハゲデブが最初から最後まで鬱陶しく、集中できなかったこともあるが…半分以上寝てて、たまに奇声をあげるなど何をしに来たのか…😩

カムパネルラとジョバンニ

カムパネルラとジョバンニ

劇団紐すとり

アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 旗揚げ公演とは思えない完成度。

ネタバレBOX

 おしゃれ且つ合理的な舞台美術だ。板中央左右に階段を設けた高い平台を置き、銀河鉄道の背凭れを真ん中にした座席が2つ真横から見た形で設えてある。座席奥には車両の窓。ホリゾント、両側壁、観客席に最も近い、板と客席の間に分度器を中心から間二つに割ったような小さなパネルを置き各パネルには諸星や宇宙の渦の一部分をあしらったような文様が描かれ極めて幻想的なイマージュを形作っている。出捌けは最も手前のパネルのある上手、下手の袖から各1か所。
 登場するのは、カムパネルラ、ジョバンニの2人だけである。然し原作の本質を見事に抽出しカムパネルラの与える人としての遠慮がちで思慮深い性格でありながら物事の本質を良く掴み弱者に手を差し伸べる賢者の優しさが見事に表れているのは、間の取り方の上手さをみても良く分かる。その掌(たなごころ)で傷つきつつ成長してゆくジョバンニの前進し成長してゆく様が痛々しくも哀しみを誘うが、逆境に置かれた者のこれが宿命というのが残念乍ら世の中の現実である。ジョバンニは、この宿命を背負い雄々しく逞しく生きる知恵をも得ると信じたい。
 感心したのは、原作は主人公や登場人物を子供中心に描きながら極めて哲学的な作品に仕上げているように思われ、子供向きというより寧ろ読者としては大人を対象としていると思えるほど哲学的な作品であるが、今作では子供たちがホントに面白がりそうなシーンを急勾配を銀河鉄道が下るシーンでカムパネルラもジョバンニも座席から転がり落ちそうになるほどつんのめったりするシーンを入れて真の子供らしさを作品に織り込んでいる点だ。見事である。役者2人の演技も各々の役回りを生きてグー。キャスティングも良く、先に挙げたように舞台美術もセンスの良さを感じさせるしスタッフの対応も良い。お勧めである。終演後には舞台美術の撮影もOKだ。尺は1時間弱。人間の本質が描かれた作品である。
煙突もりの隠れ竜

煙突もりの隠れ竜

壱劇屋

ABCホール (大阪府)

2023/08/18 (金) ~ 2023/08/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

楽しかった!ファンタジー好きにはたまらない、親子でも観たい作品。台詞の有無が設定と仕掛けにうまく組み込まれていて好き。
熱量が高くて、表現のアイデアが豊かで、いつもわくわくさせてくれる。

ネタバレBOX

ABCホールで呼吸する黒竜がたまらなく好き。すごい!
ヒモのはなし

ヒモのはなし

ヒモのはなし製作委員会

シアター711(東京都)

2023/10/04 (水) ~ 2023/10/09 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

東京組、東名組、それぞれの良さが出てる作品。
同じ台詞なのに全く様相の違うキャラクターも。
一貫してるのは、熱い切ない愛のお話。

ネタバレBOX

東京組の明美とシゲさんはそれぞれ自分の煙草に火をつける。
東名組のシゲさんは明美の煙草に火をつけてあげてから、自分のシケモクに火をつける。

それだけでもずいぶん違うよね
或る夜の

或る夜の

劇団芝居屋かいとうらんま

OFF OFFシアター(東京都)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

SFな話でした(少し不思議ーという奴デス)

80分弱とチョイ短めながら
何というか面白い舞台の提供が成されていたなぁと
小劇場らしさを満喫できましたわ
全席自由席

ただー後ろの方が
時々足を椅子にぶつけてくる衝撃が
観劇の妨げになって残念でした・・・・・

ネタバレBOX

地下鉄ホームの端の方を舞台に再現
奥に人が隠れるくらいの丸い柱が二本立ててあって
客席側が線路になってるという作りです
幕とかは無くて右手方向がもう一方のホームの端でーという設定
もう白線ではないですねー今はー
視覚障害者用のイエロー点字ブロックが綺麗に並べられてました

一人の駅員と
閉じ込められた客の群像劇ですけど
ストーリーテラーに白髪の男が絡んで
モノローグとか状況説明とかをして
物語を引っ張ってゆくという話の作りです

各登場人物の背景を語る上で
その人物に深く関わりのある人物にと
対象者には見えてしまうという設定は
かつて『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で連載された
『魔界学園』の主人公=転校生=の登場みたくて
懐かしく思えたなぁ~まぁ漫画の方は身体と魂が合体して完成するんだが~
今作では魂のみの感じで
見る人によって異なって見えるというのは面白いよなぁ~と

いろいろと抱えてた心のオリが
男によって溶かされて
明るくなる早朝に閉鎖状態は解かれて
皆駅から出てゆくところで終演デス

オープニングの暗転からの
スマートフォンを用いての明かりの使い方は面白かった~♪
不思議男さん
長大な台詞量で一部噛んだりしたけどー
岐阜からの来訪と舞台がとても楽しめたーとの合わせ技で
星数はオマケします(^-^)
とのまわり

とのまわり

山田ジャパン

シアター・アルファ東京(東京都)

2023/10/04 (水) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初めての劇場でした
面白い高低差のある客席配置でしたなぁ と感想
さて 舞台は綺麗な白を基調した作りになっていて
なんとなく手塚治虫アニメのような感じを受けました

お話は説明通りですけどー
従兄弟さんの扱いがとても楽しめて
話も深い家族とかの関係を見せてくれて
とっても楽しめた2時間の作品
全席指定です

ネタバレBOX

いろいろとぶっちゃけますとー
まぁ
髪結いの亭主~みたいな~デス
はい
映画を観て無い方は ここから先は読まない様にー


つまるところ
繋がりが強過ぎて
失うのがとても怖くなって逃げ出した手段が=
いままでの人生を否定するような行動になったという事です
今舞台は無事に和解をして家族に看取られて・・となるのですけど
映画の方はーですのよ
女性が主役で行動原理が同じでと
重なる話でありましたわ

ところで
なんというか従兄弟いじりというか
配置が面白くて
暗い感じのストーリー進行に笑いを添えてくれて
役者さんも皆上手で
台詞のリズムとか強弱が
ほんに楽しい舞台となっておりました

頭の切れる主人公の新彼氏さんのDrいじりが
なんともホスピスに向かう前の
終末医療患者らしくて巧みでした
とても納得ですわ
病室の設定の解説とかウマイっす

また主人公の同室となった
身寄りの無いエロ小説好きの方は
なんとも言えない味があって
ラストの主人公の心理を読み明かすの処は
推理劇の真骨頂みたいでした=レトロな感じの=ですね

とても良い舞台でありました(^-^)
柔らかく搖れる

柔らかく搖れる

ぱぷりか

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/09/20 (水) ~ 2023/10/04 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

なるほど。青年団から生まれた現代口語演劇、という補助線を引いて観ると(実際そのアンテナをビンビンに立てて観てしまってたが)、家族(及び親族)の群像が平田オリザ舞台ほど淡白でなくリアリズムに寄って描かれ、しかし全体的には抑制が効いていて(「現在」の場面で特にそれが効いている)、人物への感情移入は強くは起きない。
もっとも俯瞰を促す過剰な配慮(平田舞台のような?)はなく、従って淡白さの中では必須な(砂漠で水を求むる如く)笑いを欲する事なく、十分に感情の通う湿度の中で呼吸ができた。
回想場面への唐突な移行、にも関わらずガッツリ長いエピソード叙述により、現在の空白(淡白に表出せる荒んだ生活風景の背景)が埋められるあたりに作家の個性を見た気がしており、他の作品も観たく思った次第。
母が体現する地方の家族の息苦しさも、否応無く浸潤する現代の重苦しさの前ではほろ苦さとなり、群像が人生のほろ苦さへと集約される。

おかえり

おかえり

さんらん

市田邸(東京都)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/09 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

かわいらしい小品。
休憩を挟んで観る大作を物するかと思えば、こういう小さな作品も一つならず書く(中編も書く)。作者の創作の泉のありかを覗いてみたい、そんな風に思う事は他の劇作家にはあまりない(大概の劇作家は傾向、作風が固まっているものだし)。
勿論尾崎氏の作風というのもなくはない(今作にてそれを認識)が、振り幅は中々である。

ネタバレBOX

幽霊が出てくる芝居は前作もそうであった。以前ある戯曲賞の選考の講評にて審査員が「半数以上が幽霊物だっだ」と辟易していたが(映画「ゴースト」なる名品は幽霊物のモデルと言える)、幽霊やエスパーや超常に通じた存在はドラマを面白くする。その審査員はこのアイテムに頼った駄作が多かったから酸っぱい事を言ったのだろう。尾崎氏のは幽霊である事の必然性を納得させ、面白く見せる。
今作は50分という古民家で観るに程よい長さ。夫婦のやり取りを間近に見る芝居だが、片方は死者である。部屋のあちこちに茄子と胡瓜の精霊馬が置かれ、お盆だと分かる。男が焦って家中を動き回っている。と、女性が庭に現れ、スタスタという感じで入って来る。「いつもより遅い!」が男の開口一番である。最初の年は早朝だった、年々登場が遅くなってる・・でも自分で選べないから、と妻。
幽霊だが「実体」があるという設定である。一年に四日間だけの夫婦の営み。これを男が如何に待ち詫びていた事か。
ところがそこへ他者(妻の弟)が訪ねて来て、夫婦水入らずの時間を邪魔する(弟には姉は見えない)。弟が持ち込んできた話=立ち退きの件に、妻も「なになに」と関心を持つ。一人やきもきする夫。
徐々に家を取り巻く状況が見えてくる。この場所がさいたま市の誕生する前の与野市であり、再開発の話の中で立ち退きの対象となっており、彼一人が拒んでいる事など・・。

さて、終わりの日がやって来る事は既に知れた所で、そこにどのような意味が込められるか。言わずもがななメッセージに一石投じる捻りはあるか。
物語自体には、夫が望んでいる「繰り返される」時間を生きるあり方に、「変化」を促す必然性を私は感じないのだが、戯曲は「変化」を必然として書かれていると見えた。
現実の「時と場所」を作者が設定した意図も、そこにあったのだろう。
私が持つその前提(時間の捉え方、前進していく時間=近代の時間は絶対ではない)から見ると、テキストの中の台詞に説明足らずを覚える(芝居は自然に流れて行くのですっきり見終えるが、解消し切れてないものが残り、その理由を突き止めるとそのあたりであった)。
芝居は観客の想像による補完によって成立する所が大であるが(難易度は様々だが)、とくに短編はその領域が広い。今作で、「タケちゃんたちとも仲良くして」と一度ならず妻が言うその背景を、想像に委ね、詳細は省略されている。「今の状態が不自然だ」、と妻が夫にやんわりと知らせているのである。ところが私ときたら「いいじゃんこのままで」と思っていて、一人立ち退き拒否を続けるという男の選択を否定される必然性がない。だから「もう少し喋って頂戴」・・と内心欲していたのであった。

いずれにせいても、何か驚かせてくれそうな質感があり、あるいはこれが「さんらん」らしさ、かも? 次作は本格作品のようで愉しみ。
My Boy Jack

My Boy Jack

サンライズプロモーション東京

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2023/10/07 (土) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

前半は、自己満足のために息子を戦場に行かせる真島秀和のひどい父親ぶりに、いろいろ考えさせられた。前半最後の、突撃前のジャック(前田旺志郎)の孤独と緊張も引き込まれた。息を詰めるようにしてみた。後半は一転、倉科カナの息子の死を嘆き悲しみ、夫を責める、まさに迫真の演技に圧倒された。本当に涙と鼻水でぐちょぐちょになっていた。ジャックの戦死の様子を証言する、戦争神経症の兵士ボウを演じた文学座の佐川和正も、恐怖と悔恨と、使命感のいりまじった大変な迫力で、素晴らしかった。15分休憩含む2時間55分だが、長さを感じさせない。一幕の最後の塹壕の場面があるのが、室内劇が続く中でのいい気分転換になった。

ラドヤード・キプリングのように、国の戦争に協力して(嫌がる)息子を軍隊に行かせて、戦死させた知識人は日本にもいるだろう。ただ、具体的におもいつかない。無学な父親は、周囲に従うだけで、本心は嫌かもしれないが、自覚的に息子を死に追いやった知識人は、それをどう考えるか。恋人としてなら岡部伊都子がいたわけだが、親としてとはまた違う。教師だと、「教え子を少年航空兵に推薦した」などあるが、それも具体的にだれ、とは言えない。日本の戦争の記憶の空白部分になっている気がする。インテリ嫌いの劇友は「知識人は、金を出して子供を危険なところにやらないようにするんじゃない?ずるいから」と言っていた。そういう例もあっただろうが、それだけではあるまい。

個人の責任があいまいな日本では、徴兵制でいやおうなしだったと「仕方がない」と考えがちなのだろう。そうした反省を発言した例が残ってない、あるいは、埋もれてしまう。戦場での残虐行為と同様に。

ネタバレBOX

死を徹底的に恐怖と醜悪と痛みで描く。美化を許さない。それは戦争詩人たちのイギリスの遺産を生かしたものなのだろうか。

キプリング(父親)が「俺のせいだと考えない日が、一日でもあると思うか。毎日考える。一日何度も考える」と泣き崩れる。一方で「大きすぎる犠牲ということはない」「ジャックは立派に死んだんだ」と、自分のやったことを合理化する。その矛盾は矛盾のままとして我々に提示される。実際のキプリングはどうだったか、わからないが。

息子が負傷して行方不明の知らせが来た最初に「(18歳の)短い人生だったが、死は生涯最高の瞬間だったろう。おめおめ生き延びて、最高の瞬間を逃さなくてよかった」と、ひどい事を云う。2年後、妻にその言葉を指摘されても、キプリングは覚えてないし、そんな事を云ったことに愕然とする。この皮肉はうまい。
盈恋虧恋(えいれんきれん)

盈恋虧恋(えいれんきれん)

ワイルドバンチ演劇団

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2023/10/05 (木) ~ 2023/10/09 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

短編2本、面白かったです。
1本目の「累の恋路」は、笑えて、ほっこり温かい気持ちになりました。
2本目の「稲穂の揺れる辻」は、切なくて涙腺が緩みました。
どちらも、ストーリーも良いし、殺陣に観応えがありました。
特に2本目の古田さん殺陣は、キレキレで美しく、ずっと見ていたいと思いました。
素敵な舞台で満足でした。                                   

セルフカバーvol.1

セルフカバーvol.1

♯Q

新宿眼科画廊(東京都)

2023/10/07 (土) ~ 2023/10/10 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/10/07 (土) 19:30

作・演出の久保磨介が他団体に書いた作品を上演。巧妙な作品が並び、力量ある役者陣がしっかりと上演した。(1分押し)イントロ4分、31分、18分、28分。
『high-end soda』は人魚に異常な興味を見せるカレシを持つアリエルというキラキラネームの女子が怪我した人魚を助ける…、な話。ありえない設定だが、そこから発生する様々な細かい展開が面白い。
『superman』は小学校から友達である、ある意味正反対の行き方の男2人の物語。なんか良く分からないが、感触が残る。
『dog tag』は、猫を飼っているのかいないのか、よく分かっていない女子と周囲の男女。なんか定義に拘っているのが非常に面白いが、物語はいいハナシとして展開されて、いい気分になる。
役者陣は皆見事だが、沈ゆう子が特に素晴らしい。

ヒトラーを画家にする話

ヒトラーを画家にする話

タカハ劇団

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

飽きずに見れるが、タイトルから感じた強さや衝撃がもっと欲しかった

ミュージカル『スクールオブロック』

ミュージカル『スクールオブロック』

ホリプロ

東京建物 Brillia HALL(東京都)

2023/08/17 (木) ~ 2023/09/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ブロードウェイ版に準じつつも、予算に伴う小規模化があった。しかしとてもよい舞台だった。大人の役者を混ぜず、魅力的な子役達で小学校が構成されていた。

必ずしも全員演技が上手くはないが、回し役や決め所、複雑な動きをさせずとも固定された体の角度のみで最低限の心情を伝えるなど、芝居を付けきった演出の手腕がある。一方で演出を務めた鴻上尚史さんの第三舞台などに多く見られる、体を思いっきり使わないもったいなさは感じた。
セットの松井さんは、予算のなかで最大限の効果を発揮していた。

残念な点として、ラストのライブシーンはブロードウェイ版ほどの没入感がなかったこと。小規模にしたセットのため押す人が見えてしまったのは最後の最後、集中を削がれてしまった。しかしながら、子供達がライブのPAや映像投影を行っているという映画の設定に準じた独自の演出が行われていたのに好感を持った。

歌うことの喜びに溢れた今作。舞台版でしか見られないOnly you would listen(聞いてくれたら という訳も見事)という子供達の歌が特に素晴らしい。おすすめ

濫吹

濫吹

やみ・あがりシアター

新宿シアタートップス(東京都)

2023/09/07 (木) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

デフォルメされた人物達だが、ギリギリいそうという絶妙な塩梅で、面白い。笑いつつも、続きが気になるセリフや仕草が多くあっという間だった。

ネタバレBOX

ラストが惜しく感じた。濫吹と一人しゃべりが大きく接合し、「現代では一人でしゃべれない」という言葉がハナの問題を解決に導く。上手いが、この飛躍を埋める組立が構成のみならず、演技、スタッフワーク含めて作りこまれていないのがもったいない。言葉のレベル以上の説得力がほしかった。
或る夜の

或る夜の

劇団芝居屋かいとうらんま

OFF OFFシアター(東京都)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

原因不明のトラブルで地下鉄のホームに閉じ込められた人々。よくある“実は事故で既に亡くなっている人達で…”ってパターンの奴かと思ったら、ぼんやりとした結末に。予想は裏切られたけど、うーん。

オムニバス・ストーリーズ・プロジェクト(カタログ版)

オムニバス・ストーリーズ・プロジェクト(カタログ版)

ロロ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2023/10/07 (土) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/10/07 (土) 18:00

三浦直之が生み出した50名以上の人物の、プロフィールそして短いエピソードをもとに俳優たちが立ち上げ演じ分けるオムニバス・ストーリー。長くて5分、短くて1分少しの“超短編”の連なりが織り成す群像劇は、笑えたりちょっと面食らわされたり。重なりかけて重ならない、彼らの生活を形つくっている網目を俯瞰して思う。世界には何と多くの人間たちが暮らし、ひとりひとりに物語が影のように伸びていることだろう。すべてのシーン、すべての人物に慈しみとユーモアを持って接するロロメンバー、出演者たちの愛のみずみずしさが清らかだった。置かれた無数の点を結んで、作る人々が線を引き、これからも星座のように次々物語が生まれる、新しいフォーマットがここに誕生した。見えないものを見せ、瞬間より長く永遠よりは少し短い時間を感じさせるロロ・マジックはどこまでも進化する。

点の連なりから物語を立体化した俳優たちが素晴らしい。田中美希恵、端田新菜はとびきりの幸福感を漂わせる存在でありながら素っ頓狂な一面も見せ、ギャップで切なさまで振り切っていくし、大場みなみは強い推進力でオープニングからラストのエピソードまでぐいぐい客席を引っ張る。北尾亘は強い芯と軸があって、走ったり這ったりストレッチをするだけで、躍動感という言葉からはみ出すくらいの振動を舞台上に出現させていた。松本亮は他者を限りなく許容し受け入れる器があって、存在そのものが、人間同士関わって生きる群像劇の本質に一番近かった。福原冠は自分から切り込む芝居も、相手の勢いを受けて流れを作る芝居もどちらもきめ細やかで、振る舞いの太刀筋が美しい。

YouTuberのクイズノックが昔、『架空の友達(虚友達)のプロフィールを100人記憶する』という企画をやっていて、動画を見ているだけでこっちもかなり虚友達に親しみがわいてエピソードを覚えたり気になったりしたものなんだけど、それを思い出した。超短編のスピード感、読後感はリディア・デイヴィス『ほとんど記憶のない女』が私は大好きで憧れてもいるから、重ねて観ていた。三浦直之さんの本棚にもきっと絶対あると思うな。

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