最新の観てきた!クチコミ一覧

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ガス灯は檸檬のにほひ

ガス灯は檸檬のにほひ

椿組

ザ・スズナリ(東京都)

2024/01/25 (木) ~ 2024/02/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

椿組夏の花園神社公演にも書き下ろした事のある(秀作だった)作家だけあって、祝祭性高く楽しい舞台であった。江戸から明治への変り目を舞台に、上京した元・お殿様とその娘とお付の者ら、お付に選ばれなかったが一行を追って上京した元足軽(主人公)、彼が住まう事となった長屋の奇妙な面々、彼が川に竿を垂らして釣り上げた幽霊の女、占い師、横浜の異人に嫁いだ未亡人、引き籠るその息子・・等が織り成す群像劇。オープニングや、繋ぎで用いられる楽曲+振付がツボに当てて来て楽しい。

劇作バトル!

劇作バトル!

日本劇作家協会関西支部

大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)パフォーマンススペース(大阪府)

2024/01/27 (土) ~ 2024/01/27 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初めて参加させて頂きました。

少し遅れましたが、とっても村角太洋さんな『Due deux zwei 2』の前半部のリーディングを拝見!
普段のROBと少し違った感じも楽しめた😆

バトルは重箱の隅からの…
エンタメvs不条理へ、面白っ😳

花魁道継続中

花魁道継続中

office Knight

扇町ミュージアムキューブ・CUBE03(大阪府)

2024/01/25 (木) ~ 2024/01/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

麗チーム観劇
#花魁ナイト
男色悪徳商人の吉原遊郭への野望が…
花魁の哀しい性が織り成す人間模様。

花魁姿の女優陣がとっても麗しく艶やかでした。
眼福🤩眼福😍
口数少ない高砂太夫が所作だけの演技だが、とっても乙女で凛とした感じ👍

艶チームも拝見したかった😢
(艶チーム拝見できず🙇🏻)

ナオミとカナコ

ナオミとカナコ

演劇研究会はちの巣座

シアターD300(神戸大学国際文化学部大講義室)(兵庫県)

2024/01/21 (日) ~ 2024/01/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

千秋楽観劇。
DV受けてる親友を助けたくて…
「いっそ二人で殺そうか、あんたの旦那」

イヤーッ、面白かった😆
(私は観てないが)傑作サスペンスドラマ全10話の美味しいトコ🤤を、ギュギュッと100分に凝縮😍

DV夫にスカッ✨と
義姉の追求にハラドキ💓で
ムッチャ面白っ😁

おしてるや ~君を想ふ~

おしてるや ~君を想ふ~

真紅組

道頓堀ZAZA HOUSE(大阪府)

2024/01/19 (金) ~ 2024/01/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

楽日観劇。
伯父の意思継ぐ甥っ子達が、歌舞伎役者や市井の人達と力合わせて堀を掘る!
只、それだけなのに…

前回(8年前?)も感動したが、その好印象の為か、出だしからウルウル🥺
後半は涙腺が緩んで涙が止まらなかった😭
無茶苦茶、良かった👍
感動、楽しかった😆

CROWDED CHAOS FANTASY TURBO

CROWDED CHAOS FANTASY TURBO

SPIRAL CHARIOTS

「劇」小劇場(東京都)

2024/02/01 (木) ~ 2024/02/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

AC公演観ました。意味は違うけど、ダブルキャストなんですね。なんのこっちゃ?とびっくり。確かにおじさんはツッコミとダメ出しと、大奮闘してました。何でもありのカオスな舞台、堪能しました。

斑鳩の王子 -戯史 聖徳太子伝-

斑鳩の王子 -戯史 聖徳太子伝-

梅田芸術劇場/読売テレビ/日本テレビ

IMM THEATER(東京都)

2024/01/10 (水) ~ 2024/01/31 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/12 (金) 19:00

休憩なしの3時間は大丈夫かなと思いながら上映が始まり不安はすっかり忘れ楽しく観劇。
途中アドリブかな?と思う所ありセリフ少し噛んだような?みたいな所もまたほんわかして良かったです。
でも3時間だと事前に食事するのもチョットなぁ〜かといって少ししか食べないとお腹空くし。
少し休憩時間があっても良かったかなと思いました。

『願わずとも、愛。』

『願わずとも、愛。』

コルバタ

新宿スターフィールド(東京都)

2024/02/07 (水) ~ 2024/02/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日観劇出来て良かった、面白い舞台でした!
信じること、信じないこと…考えさせられました。
その人が信じてるのか、信じてないのかなんて見ても分からないし、思わずエビデンスは?って言ってしまいそうです(笑)

夜は昼の母

夜は昼の母

風姿花伝プロデュース

シアター風姿花伝(東京都)

2024/02/02 (金) ~ 2024/02/29 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

アル中の父親(山崎一)をもつ4人家族の話である。場所はデンマーク。最初は兄(樫山隼太)が弟ダヴィド(岡本健一)のセクシャリティ(女装、女性へのあこがれ?トランス?)を攻撃するところから始まり、朝、父、母(那須佐代子)も食堂におりてくる。母のしつこい咳や、食材費の工面の父の悩みと続く。父が酒で失敗したこと、施設に入っていたことが語られ、そして…父がついに隠れて酒を飲む。ここまでの過程が長い。ここから父のごまかしがおかしくて、家族同士の本気の肉弾戦になり、舞台が面白くなる。葛藤の原動力は父の酒への執着だけなのだが、その執着がとにかく半端ない。山崎一の独擅場だ。
3時間20分(15分休憩)

ネタバレBOX

後半の、父と他の三人とのくんずほぐれつの「闘争」は生々しい。現場を押さえられても、隠していた酒瓶をダヴィドに床下から掘り出されても、「俺は一滴も飲んでない」と白を切る父親が面白い。人間、あんな開き直って嘘がつけるのだ。妻に「また飲んだら別れる」と迫られ、「もう絶対飲まない。信じてくれ」と約束したのも、全部その場しのぎに過ぎなかった。しかし妻に縋り付いて約束するときは、本当に改心したとしか見えない真剣さなのである。こうした家族のせめぎあいが見どころである。ただし芝居を通して、さまざまな表情を見せるのは父親だけ。他は、16歳!の上目遣いの弟、なぜかいつもいら立っている兄、疲れ切った母親、という表情があまり変わらない。最後に父は酒に酔ってすべてを超越し、心も崩れてしまい、いつまでも不気味に笑い続ける。この山崎一の演技がすごい。

父親がなぜアルコールにおぼれたのかが描かれないので、家族の葛藤は肉体的衝突より深くならない。ユージン・オニールの「夜への長い旅路」は、母が麻薬におぼれたのは、かつて赤ん坊を死なせたからであり、父はその時浮気(か仕事か?)で家にいなかった負い目があるために強く出られない。今作は、家族のこれまでの歴史、状況の必然性が透けて見えないところが、決定的に違っている。父が「護送船団に乗っていた」というから、戦争のPTSDか?と思ったら(もしそうなら、芝居の見え方がだいぶん変わる)その話もでたらめらしい。

途中、母親が急にダヴィッドに船に乗れと言い出して衝突する。このように兄と弟、母と弟も互いにうまくいっていない。(兄は弟にサックスを「ちゃんと断れば貸してやる」と優しいところも見せるが)。でも、父親に対しては、3人が団結する。ただし父を見捨てて憎み切れないため、葛藤はずるずると続くのだ。

ダヴィドがナイフで母ののどをかき切る黙劇、父ののどを切る黙劇がインサートされる。ダヴィドの妄想と見える。これらのシーン、セリフはないが、戯曲にあるのだろうか? 
自転車の6日間レースとか、アメリカの死刑になりそうな作家についてのラジオニュースとか、あまり意味のない話があれこれある。作者の体験から取り込んだものだろうか?アメリカの処刑方法が青酸ガスというがカリフォルニア州でそんな方法をとっていたのか?ホロコーストのガス室を示唆しているのか?
泡沫の空に光を飛ばした

泡沫の空に光を飛ばした

SUPER NOVA

王子小劇場(東京都)

2024/02/07 (水) ~ 2024/02/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/02/08 (木) 19:00

泡チーム観劇。観るのは2度目のユニット。悪くないけど何か残念な芝居だった。(2分押し)前説1分+112分。
 児童養護施設で虐待と性的暴行を繰り返すハヤシ先生をサトルが殺してしまう。原因となってしまったユイが、小説家の端くれとなって、その顛末を出版しようとするイントロから、一緒にいたチカ,ミズキ,ユズルらと彼らを取り巻く人々のいろいろの回想。既視感の否めない展開だが、役者陣の力量と熱量がしっかりあって、最後まで観ていられる。ただし、6列の客席の段差が小さく、指定で最後列に座ると、前に背が高い人が座ると(実際座ったのだが)視野が半分になり、重要ないくつかの場面が全く見えなくなるのはいかがなものか(いわゆる「メタ農現象」)。タイトルも活きていない。終盤の演出は、必然性があるのだと思いたいけど、やはり親切ではない。暗転が多いのも気になる。

兵卒タナカ

兵卒タナカ

オフィスコットーネ

吉祥寺シアター(東京都)

2024/02/03 (土) ~ 2024/02/14 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

3部構成で1部が少し長いかなぁと感じていたのですがその後は全く違う場面になるので楽しめました。
外国人から見た日本なので少し違和感があったけど、妓楼でのダンスや裁判のギター演奏等面白い工夫がされていて良かったです。

斑鳩の王子 -戯史 聖徳太子伝-

斑鳩の王子 -戯史 聖徳太子伝-

梅田芸術劇場/読売テレビ/日本テレビ

IMM THEATER(東京都)

2024/01/10 (水) ~ 2024/01/31 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

物語とコントの融合だがコント時間がすごく長かった。

西遊記

西遊記

日本テレビ

明治座(東京都)

2024/01/06 (土) ~ 2024/01/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

西遊記はテレビドラマでしか観たことがないので、愛之助さんの孫悟空がとてもやさしくてよかった。

シラの恋文

シラの恋文

シス・カンパニー

日本青年館ホール(東京都)

2024/01/07 (日) ~ 2024/01/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

歌唱が少なくもっとあっても楽しめる。優しいセリフが心に響いた。

OUT OF ORDER

OUT OF ORDER

シーエイティプロデュース

世田谷パブリックシアター(東京都)

2023/12/07 (木) ~ 2023/12/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

テレビドラマでは味わえないタイミングいいコミカルさが舞台で楽しめた。

兵卒タナカ

兵卒タナカ

オフィスコットーネ

吉祥寺シアター(東京都)

2024/02/03 (土) ~ 2024/02/14 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

笑いとシリアスが程良く混ざった感じの
戦争悲劇かなぁ・・・
基本は台形状の舞台で
小道具等を持ってきたり配したりしての舞台美術は
なかなか面白かった~舞台上部には直径2m以上の銀の玉が吊るされてました
全席指定にして休憩二回の全三幕です

ネタバレBOX

一幕目 貧しい農家の出身である兵卒タナカが休暇をとり、
戦友ワダとともに実家を訪れる。
ワダはタナカから始終聞かされていた妹のヨシコに惚れて
嫁としてもらいたいと言いたくて同行したのであった。
軍人となった息子が帰ってくることをタナカ家は喜び、
タナカラらは雑嚢に少ない配給のなか掻き集めた食料を持ってきていたが
故郷の家はそのなものを必要としないほど贅の限りを尽くして迎え入れ、
村は不作が続き大飢饉のまっただ中であるも、
村人を呼び寄せての大盤振る舞いで食事をさせるタナカ家。
肝心の妹ヨシコは山向こうの大百姓のトコに出してるとの話でワダは消沈する。
二幕目 午前の射撃競争にて大隊内で五点満点を出したタナカの班は
褒美として午後には外出許可をもらい妓楼(ぎろう)に行きます
割と場末の女郎屋であり囲いの女たちは6人しかおらず
屋の女将は寝ている女たちを順次起こして相手をさせるようにします
タナカらは二階に上がる順番を硬貨の裏表で決めていき
最後にタナカが会った女郎は妹のヨシコでした
ヨシコから飢饉で両親に売られたこと
兄が故郷でふるまわれた食料は妹の売られた金が出所だった事を知ります
自身の軍人という身分が
もっとも身近な存在の犠牲により成り立っている現実を突き付けられ
タナカが信じて疑わなかった世界が音を立てて崩れていき
そこへ軍の士官が女を買いに来て
一兵卒でしかないタナカは立場を譲らなければならず
迷った挙句に妹をこれ以上こんなことをさせたくないと
銃剣で刺し殺し
士官もまた刺し殺してしまうのでした・・・・
三幕 タナカの軍法会議
裁判長が軽くユニ~クな口調と動きで
かたくなに口を閉ざしていたタナカの殺人動機と
その背景が少しづつ明らかにされていき
不明であった女郎の氏名とタナカとの関係も知られ
裁判長は先の女の殺害は不問とし
後者の士官殺害を罪に問い死刑を言い渡すのですが
タナカに温情を与え
天皇陛下に恩赦を願えというのですが・・・タナカは
「陛下があやまるべきであります」――と訴え
求刑通りに裁判後すぐに銃殺されるのでした・・・・・・
ラストは観客席に向いたタナカ後方に銃隊が構えて
頭上の玉が弾丸を象徴して暗転=終演です

二幕の障子を使ったコミカルな逃避シーンから
いきなり障子の影絵で妹の刺殺を見せての
急展開は落差が凄くて目が離せなかったデス
前半での障子から次々と出てくる女郎さんが
同じ人で突っ込み入るのもコミカルでよろしかった
(男性まで御面付けて女郎役で出すし~)

三幕の妙に腰が軽く軽妙に動き回る裁判長は
裁く犯罪が二件の殺人事件なのに
コミカルでした=受けたけどねー

兵装が普通にらしい感じでまとめてるのに
妙に腰に吊るした銃剣がリアルで
一幕から多少の違和感を覚えていたら・・・・
二幕のラストで
あーゆー風に使われるからなんだなぁと納得
三幕での歩兵銃が記号論的に木で造られた模型風なのも
緩急のつけ方としてアリだよなぁと思えたデス
ジャンヌ・ダルク

ジャンヌ・ダルク

キョードー東京/TBS/イープラス

東京建物 Brillia HALL(東京都)

2023/11/28 (火) ~ 2023/12/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ステージにセットはほとんどないが戦いのシーンが素晴らしい。

最高の家出

最高の家出

パルコ・プロデュース

紀伊國屋ホール(東京都)

2024/02/04 (日) ~ 2024/02/24 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度

反面教師の舞台である。大きくは三つ。
まず、本がだらしがない。この作家はメタシアター作りが得意の様だが、外枠もできていなければ、内枠もできていない。結婚生活に飽き足らない若い女性が、家出をして人里離れた山中の劇場(演劇)と出会う物語だが、ファンタジーなのか、青春後期モノなのか、色々取り揃えてやっているが、結局何をやっているのかさっぱりわからない。かつて新興都市の読書クラブという面白い設定の同じつくりの作品(ロマンチック・コメディ)があったから手慣れているのかもしれないが、これではメタにする意味も分からなければ、その効果もわけがわからい。同じ構造の」KERAの再演(スラップスチックス)もやっているが、こうしてみると、KERAの劇的構成力との間には天地ほどの違いが分かる。
二つ目。キャスティング。際立つ軸がない場合に、軸を作る努力がスタッフ全体にかけている。物語が頼りないうえに、観客がついていける主人公に魅力がない。周囲も一部の若者の人気だけでそろえているから、脇でまとめられる役者がいない。これでは2.5ディメンションと同じで、それならそうと、もっと腹をくくって、ロビーをグッズ専門売り場とサイン会場にするくらいの覚悟がなければ、これでは関係者すべてに不満が残ってしまうだろう。
三つ。パルコ劇場は、都市演劇の新しいジャンルを開拓してきた実績もあり、制作部もある劇場である。劇場改築のころから、梅コマのように複数のプロデュースも行ってきているが、制作の方向が見えていない。2.5は本腰を入れれば、独自の領域が開けるかもしれないのに、制作部に方向性と情熱が見えない。これで、9千円で三週間打って客が来ると思っているなら、本や役者を読める人がいないということである。まだ始まったばかりなのに、半分がやっとでは先が思いやられる。
興行には失敗はつきものであるが、ほかにも、パルコ主催でまず、初歩の基本的取り組みでちょっとどうかと思う舞台が続いたので憎まれ口。

BAUMバウム

BAUMバウム

Oi-SCALE

サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)

2024/01/24 (水) ~ 2024/01/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/01/28 (日) 14:30

片田舎のサナトリウム(?)での人間模様。
冒頭の再現か?と思わせて人物が異なるエンディングや時制を明示しない場面提示、見舞客と入院患者のどちらが思い違いをしているのか?(「胡蝶之夢」を想起)などトリッキーで観客の解釈に委ねるところなどいかにもOi-SCALEらしい。
その一方、普段は「真冬のよく晴れた夜明け前の青白さ」のようなどちらかと言えば寒色系単色な印象なのにカラフルに感じられたのはいつもとひと味違うキャスティングによるものか?
そして終盤いきなり「バウム」の意味を思い出したのは痛恨。予め気付いていればもっと別な読取り方ができたのではないか?おも思った。
なお、終演後に灰二さんからタイトルの意味を伺ってある意味納得。(再演であることもその時知った)

オセロー

オセロー

滋企画

こまばアゴラ劇場(東京都)

2024/01/31 (水) ~ 2024/02/07 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしい。とは書いたものの言い得ていない。これを受け止める感覚の深層にぐっと迫るものがある。「オセロ」を普通に作るとは思っていなかったが全くの未知数。白紙。何も描いてないカンバスに、一体何が描かれて行くのかが開演した後も先が読めない(ストーリーは知っていても)。無論時系列はそのままながら構成は大胆に設え直しており、一つ一つページをめくるようにして結末へと進んで行く。
SPACの「授業」でしか知らない演出であったが、人間感情の普遍とそれに自ら翻弄されて生きる人生の普遍を、共に味わい直す舞台として「オセロ」を構成した。
オセロとデズデモーナの決定的瞬間を迎えるまでの最も凝縮した最終盤、音楽に載せたオートマチックな動きの繰り返しとした。ここが凄い。
ちなみにその直前、冒頭から日常的な会話で観客との間を取り持つ三人は、物語の進行に従って忠実なコロスと化すが、この最終場に移る前に再びチラっと素のモードを見せ、「次行くか」「行くのか」「仕方ない」と言いながらセッティングをする。重苦しい結末しか残されていない段階での小さな呟きに、これほど救われるとは。
夜、変わらず明るいデズデモーナは夫の異状に気づいて問い質し、オセロは積り積った疑惑を告げる。これ以後、オセロに毒を流し込んだイアーゴーは登場しない。妻は夫に自分を殺すのかと問い、疑われたまま死にたくないとこぼすが、夫の意志に変りない事を知る。ついにオセロが妻にアクションした瞬間、華麗な音楽が流れ、「その瞬間」(オセロが妻を絞め殺す)までの椅子一脚を間に挟んでの定型の動きが始まる。ここに様々な要素が詰め込まれている。ユニークに立ち回る赤い体操着の若手女優三人は為すすべなく二人の成行きを見るが、この定型な動きに、一人ずつ絡み、去って行く。次、そして次、その瞬間よまだ訪れないでくれ(訪れるのは分ってるけど)・・との願いもむなしく最後を迎える。描かれるのは二人が出会った(愛を確認した)瞬間のままの感情を今も持ち続けている事。それがその対面し見つめ合う時間の長さによっても示され、それでもなお男は、その感情は報われないのだと「確信」してしまったがゆえに、決まった事のように迷いなく殺しに行く。妻は相手から逃げる事なく最後まで愛を諦めず求め続ける。愛が消えた故でなく愛ゆえの破滅が、耽美的に描かれている。古今東西ありふれた物語設定だが、恋愛が二人の間でしか成立しない何か(他者あるいは他者の作った基準の承認など必要としない)である事が恐らく、ここでは執拗に描かれており、その強固な前提ゆえに悲劇であり美しく描かれるものである。
演出では音楽の優れた用い方も本舞台の特徴。長く心に残り続ける(だろう)時間となった。

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