行間に愛を
劇団ちゃうかちゃわん32期
大坂大学豊中キャンパス学生会館2階大集会室(大阪府)
2021/03/05 (金) ~ 2021/03/06 (土)公演終了
満足度★★★★
ちゃうかちゃわんらしさが表現されていました。笑い、パフォーマンスも健在で、一回生が短期間であそこまで表現できることに驚きすら感じました。
誤解 Le Malentendu
コズミックシアター
未来ワークスタジオ(大阪府)
2021/03/03 (水) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
海外(西洋)独特の台詞で、聴くことにゲシュタルト崩壊するが、
限られた登場人物 演技力、演技の圧力で引き込まれ、絵を見るような感覚になる、
渇望 恐怖 孤独の感覚で全身を掴まれる様に感じた。
この戯曲は、圧倒的な演技力がないと駄作になる、芝居にするには、とても難しいと思うが、素晴らしい演技力で、渇望 恐怖 孤独が、「愛」と「死」が作る強い「不安」を表現した芝居になっていた。
強い演技力で、名作になっていた芝居
リビング
Nana Produce
テアトルBONBON(東京都)
2021/03/03 (水) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
ドレッサー【2月26日(金)は公演中止/兵庫公演中止】
加藤健一事務所
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2021/02/26 (金) ~ 2021/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★
芸劇プレイハウスとは言え僅か3日の公演が1日減り、さらに時短に対応できなかったとかで2ステージのみの公演となる。しかも間引き客席。旅一座の座長の狼狽と最早一枚岩でない一座の苦悩が、現実の演劇界にシンクロする。カーテンコールに並んだ姿は役人物とは違う人格ながら等身大にも見え、上演をやり切った事に祝福を送る拍手が鳴り響く会場に同期して、痛くなる程手を叩いた。
台詞に込められた洞察の含蓄、演劇人の盛衰のリアルな残酷さを通して人生の儚さと尊さを滲ませる。
無表情な日常、感情的な毎秒
エンニュイ
CHARA DE新宿御苑(東京都)
2021/02/25 (木) ~ 2021/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2021/02/28 (日) 13:00
価格2,800円
ワークショップ公演ということもあってか出演者の自己紹介に始まり、中の1人の話を掘り下げてそこで出た状況を再現することになるが……という出だしから思わぬ発展をしたり急にSF的状況が挟まれたりで、その跳びかたは夢の中のよう。
同時に今まで観たエンニュイ作品の中で一番「意味が通る会話(笑)」が継続して饒舌・雄弁な感じ。
ではありながら、その「意味が通る会話」も聞いているうちに噛み合っているようないないような浮遊した感覚に変貌……従来は「言葉のゲシュタルト崩壊」だったが、今回は「会話のゲシュタルト崩壊」とでも言うべきか?
やはり「日本語という言語」のゲシュタルト崩壊がエンニュイ作品の狙いではないか?(真顔)
なお、この脚本をこれから12ヶ月の間、毎月変化させて(加除したり人数を変えたり、とのこと)上演する試みとのこと。
できる限りその変化を追ってゆきたいと思った。
オパンポン★ナイト〜ほほえむうれひ〜
オパンポン創造社
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/03/05 (金) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
いつも野村さんの書く脚本は、自分の心にグサグサささってくるんだけど、今回の作品に関しては、今までフォークで刺されてたくらいだったのに、今回はガチのナイフで追いかけ回されてる気分になりました。
多分初めてオパンポン創造社を観た人の中には、あの格好に対する拒否感とかあると思うし、笑える面白さだけを求めて来た人もいたと思うんだけど、私は笑いが起きるだけではない面白さを感じました。
サラッと言ってるセリフの一つ一つが本当にグサグサと、全ての作品においてそれは変わらず。
あとはネタバレにしかならないので、感想はここまでにします。
ほほえみの空
劇団ごもじ
アカルスタジオ(大阪府)
2021/03/05 (金) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
満足度★★★★
花金(古い。死語)でヘロヘロだったけど、拝見させて頂きました。生きていく力をもらえました。学生演劇とは思えないクオリティーで、大変な中、頑張って生きている人がいて私なんか未々と勇気を頂けた気がしました。コロナの今にはピッタリかも。
若手演出家コンクール2020最終審査会
一般社団法人 日本演出者協会
「劇」小劇場(東京都)
2021/03/02 (火) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
「見てないで降りてこいよ」配信で見ました。
本当は劇場に行きたいのですが、なかなか全部は見られそうに無いので 4団体×2公演 全公演見放題 ¥2,000 (しかもアーカイブ有り)というのはありがたいです。
劇場ではどうなのか分かりませんが、配信では声の大きさが違うと小さい声は聞き取り難かったり慌てて音量を下げたりと、なかなか全体像が掴めなかったりします。
心のかけら買います
〇〇Pソファ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2021/03/03 (水) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
花樟の女
Pカンパニー
座・高円寺1(東京都)
2021/03/03 (水) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
上演時間は2時間30分(10分休憩含)。
当日パンフに入っている『花樟の女』関連
台湾の歴史解説の資料は、前もって目を通しておくと
台湾の歴史をあまり知らない者にも観劇中の助けに
なるよう、よくまとめられている。ただ、細かいことだが、
資料は事件等が西暦で表記され、舞台では各場の時代が
元号(年号)で映されるので、その対応付けが少し面倒かも。
『灰色のカケラたち』
演劇集団SINK
シアターシャイン(東京都)
2021/03/04 (木) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
Aチームを観劇。
初見の劇団ですが、良い芝居だなぁと素直に思いました。
役者さんは熱の入った好演でテーマも1本筋が通った印象。
アユタヤ
MONO
あうるすぽっと(東京都)
2021/03/02 (火) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
満足度★★
独特の物言いが、はじめから終わりまでずっと慣れなくて、全然言葉が入ってこなかった。残念。。。
MONOのそういう作りは嫌いじゃないのだが、何故だろう??
登場人物の関係性も、物語の起伏も、メッセージ性も、なんだか薄く感じてしまって、ちょっと期待はずれ。
万万枚
三輪舎
d-倉庫(東京都)
2021/03/05 (金) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
舞台の色使いが面白かったです
モヒカンの人が盛り上げてくれたり、お父さん役の人のダンスが好きでした
とてもいい香りのする舞台 ありがとうございました
#12『ピーチオンザビーチノーエスケープ』/#14『PINKの川でぬるい息』
オフィス上の空
シアターサンモール(東京都)
2021/02/07 (日) ~ 2021/02/14 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2021/02/12 (金) 14:00
座席K列13番
価格6,500円
【ピーチオンザビーチノーエスケープ】
事前情報もあり何人もの女性が1室に監禁(軟禁?)され1人の男の性の対象とされている状況に新藤兼人脚本・和田勉監督「完全なる飼育」(1999年)を思い出す。、
が、こちらは「何人もの女性」であるのが大きな違いで、彼女たちの記憶に同じ友人がいて、それが「幻の女」的存在として登場するのがミソ。(以下ネタバレBOXに続く)
コロナ禍により上演の順は違ってしまったが、本作の次がど真ん中の剛速球的恋愛譚(とはいえ一癖二癖はある(笑))「脳ミソぐちゃぐちゃの……(後略)」だったというのが興味深い。
片や共感し辛い、片や恋愛経験があれば程度の差こそあれ共感必至と対照的なのは「反動」?(笑)
性と愛という密接であるが同時に相反する(?)ものがテーマとも言えるのではないか?
ジレンマジレンマ
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2021/03/04 (木) ~ 2021/03/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
初めて満足度5を付けた(確か..と思う)。原発事故後の福島の三つの「真相追求」の場で構成され、今や殆ど語られる事のないこの公共的な(であるべき)問題に触れられている。本作は現実のほんの断片だが、背後に横たわる福島のリアルへの推察へと導く契機となるのに十分な言及があった(これしきで言い尽くせたとは到底思えないがそれでも)。
2ステージ目だが白チームは初日(と書いたが1ステージ目だった。両チーム共通の役者も初日)。多分その事もあり最前列で感知する俳優の熱は届きすぎる程の量であったが暑苦しさがなく、これまで観ていたこの劇団の「作為と自然さ」の塩梅とはやや違った塩梅を感じたのも新鮮であった。(うまく説明できないが..芝居にとってナイスな事である)
ジレンマジレンマ
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2021/03/04 (木) ~ 2021/03/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
白チーム初日を観劇。
3組の事情聴取状況を巧みに組み合わせた独特の緊迫感が漂う会話劇。
再演とは知らずに観に行きましたが、これはたくさんの人に見てもらいたい芝居だと思いました。
罠
俳優座劇場
俳優座劇場(東京都)
2021/03/04 (木) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
何度も上演されている舞台ミステリの傑作である。私もいつどこで観たのか、はたまた読んだのか定かではないが話が進むにつれ段々と思い出してきた。しかし先がある程度分かっていても面白さにはいささかも欠けるところはなかった。どなたも最後の最後まで楽しむことができるだろう。
昨年の公演が中止になった悔しさを吹き飛ばすような力のこもった快演であった。一度は観ておくべき古典…と煽っておいて言いにくいがチケットは完売している。
花樟の女
Pカンパニー
座・高円寺1(東京都)
2021/03/03 (水) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2021/03/04 (木) 14:00
台湾出身の女性作家・真杉静枝の物語。戦前から戦後にかけて、生まれ育ちや性別で差別され、貶められてきた真杉静枝の人生を描く。
冒頭。あることないこと織り交ぜて静枝をひぼうするような小説を書いた作家の元に、静枝の妹とその娘が抗議に乗り込んでくる。舞台は、妹がナビゲーターとなって静枝の半生を振り返りながら進んでいく。
女性が社会で働いてそれなりの地位を占めるようなことが当たり前になりつつある日本だが、森元総理の女性蔑視発言に象徴されるように、日本の男尊女卑のDNAはそう簡単になくならない。日本が台湾を占領していた当時は「女が男を支える」のは当然であり美徳であった。石原慎太郎元都知事の「第三国人」発言にこれもDNAとして引き継がれているように思うのだが、外国人や少数民族、アジア諸国の人たちを「劣等民族」と言わんばかりにさげすむ差別感情も当時は、当たり前のようにあった。こういう時代にあらがって、「書くべきことを書く。言いたいことを言う」という女性が生きるためにはどんなことでもやらなければならなかったのだろう。それが、時には体を預けてまで力のある男性に取り入ったりすることがあったのかもしれない。それが「恋多き女」と評された静枝の一面であった。
でも、「恋多き男」とは表現しないから、文芸作品やジャーナリズムの世界でも、男尊女卑も相当根深く残っている。休憩をはさんで3時間弱の舞台を見ながら、「女は男よりも劣っている」「日本人は優秀民族である」というDNAをどう、拭い去っていくのかを考えていた。舞台を見ながらこういう思考回路になったのは、Pカンパニーの「罪と罰」シリーズの力点であるからなのだろう。
この舞台が、森発言があったからタイムリーだとは思わない。むしろ、森発言のあるなしにかかわらず僕たちが考えなければならない「罪と罰」なのだ。
それともう一つ。冒頭に出てくる作家先生は、書かれる者の痛みを全く理解していない。面白ければ何を書いてもいいのだ、多少誇張や嘘が入っていて何が悪いのだ、という人だ。悪い奴だと思うから悪く書かれて当たり前だ、というバッシングは、現代日本に、特にSNSに巣食い続けている。自分としては、こちらの「罪と罰」の方に思いを寄せる。
「差別」は、される側でないと痛みは分からない。差別がはびこる嫌な社会から一歩でも抜け出すためには、相手の痛みを想像する力を養うことが必要だ。Pカンパニーの舞台は、そういうことに気づくヒントを与えてくれる。
リビング
Nana Produce
テアトルBONBON(東京都)
2021/03/03 (水) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2021/03/04 (木) 14:00
価格5,500円
寺十さん目当てで観劇。
家族とは何か。親が子どもに望む姿とは何か。
親の期待に子どもはどうすれば良いのか。正しい夫婦の形、家族の形とは何なのか。
この物語ほどではなくとも、どの家庭にも多かれ少なかれある問題を重く、時に軽やかに描いた物語だと思った。
今藤洋子さんの硬質的な佇まいが美しい。
そして、やっぱり寺十さんはすごい。
断片/ペール・ギュント
劇場創造アカデミー
座・高円寺1(東京都)
2021/02/21 (日) ~ 2021/02/23 (火)公演終了
満足度★★★★
演劇人育成プログラム「劇場創造アカデミー」の修了公演というと随分前、『大いなる平和』三部作(の第3部)を観て以来のことで、二作目。アカデミーの中身も内情も全く知らないので、演目に惹かれて観るには観るが、新たな門出をする俳優たちの晴れ姿にも幾分惹かれている。もっとも「劇場創造・・」なる存在の正体もよく判らない。パンフに紹介された講師陣は所謂「演劇」での第一線の面々多数で、けっこう厚い(新国立劇場研修所には及ばないが)。座・高円寺の態様もそうだが「劇場創造」という名称からして一捻りだ。座・高円寺の指定管理者がNPO法人「劇場創造ネットワーク」と言い、ここの初代理事長、及び劇場の館長を斎藤憐がやった(この劇作家は経営手腕も秀でていたらしい)。斎藤憐亡き今は館長に広告・コンサル畑の人、NPO法人代表はマキノノゾミ。「芸術監督」の方は当初より佐藤信で、館長が変ってから氏の方が劇場の顔的存在になっている。(斎藤憐もメンバーだった)出身である所の劇団黒テントてぇのがテントや独自な地方オルグで「劇場を作る」存在であったというので、演劇=思想の実践、ようは晦渋な印象である(私が観た佐藤信作品:近年の黒テント「絶対飛行機」「亡国のダンサー」、演出舞台は座高円寺プログラムで幾つか)。
という事を踏まえつつ、また一応「俳優養成所」(的な場)の成果発表である事も踏まえつつ作品を鑑賞。演出は独特でも内容は『ペール・ギュント』であった。『断片/・・』等と命名し直さなくても『ペール・ギュント』で良いじゃん。と。(「断片」化する主体、つまり研修生の個的な何かが反映されているだろうと勝手に予想したのだが割と普通(物語叙述)であった。)そもそもこの作品がペールギュントという超変わった人の「生涯」ではあっても各エピソードは断片と言えそうであるし。
まあそれはともかく・・舞台を観ながら思いを強くしたのは、コロナ禍という現状では、舞台上のどんな営為も現実との対比が意識されてしまう事である。優れた舞台と思える舞台には実世界との接触点がある。しかしコロナ禍下においては演劇をやってる事自体が「現状へのアゲンストな接触」を含む。
「ペールギュント」という一人の人間の人生(濃密で波乱万丈なそれとして描写された)を俯瞰する物語には、人間がどんな人生もその人独自の、交換不能(従って価値換算不能)なものであるメッセージ、究極人の運命は人自身で引き受けるしかないものであるメッセージがそこはかと漂う。「自由」という語に集約されるその「人生」のありようが、現在の息苦しさとの対照として意識された。
舞台の方は数少ない俳優(4人の研修生の内俳優3人と、卒業生が加わって10名程で役をこなし、なおかつペールギュントは場面ごとに俳優が入れ替わる。若い俳優ら(年齢幅はややある模様)は動きの負荷の中で、自然らしい躍動をもって物語を支えていた。