最新の観てきた!クチコミ一覧

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INDESINENCE 

INDESINENCE 

LUCKUP

赤坂RED/THEATER(東京都)

2021/03/24 (水) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 良く練られた台本、ポテンシャルの高い役者陣、Covid-19の影響さえなければ立ち見が出てもおかしくない程(この劇場でそれが許されるか否かは兎も角)、極めつけの舞台。華5つ☆。若干噛む役者が居てもこの評価は下せる内容だ。 ベシミル(追記27日22時25分)

ネタバレBOX


 タイトルからして既に多くの日本人にとって謎解きだろう。従って解答は明かさない。このソフィスティケイトされた台本を極めて優れた読み込みで舞台化した演出、過不足なく演じた役者陣のレベルの高さ、可成り複雑な作品展開を邪魔しないように、而も品格を失わないように設えた舞台美術、筋を浮き上がらせるようにそれ自体は控えめな照明と音響の見事、裏方さん達の気の利いたそれでいて押しつけがましさ等一切ない感じの良い対応。総てが唯でさえ優れた舞台を更に完成度の高いものにしている。
 無論、様々な仕掛けがあり、作家の遊び心が染み込ませてある。例えば那綱の履いているズボンの柄だ(これも、遊び心の一つと自分はとった)。学生探偵という役どころなのだが、大学では伝承文学を専攻しており、この分野では伝承の検証の為に歴史の正史、稗史は当然のこととして秘史、考古学的知識、地政学、天文、文学、古語、郷土史等々様々なジャンルに跨る膨大で正確な知識が必要なことは無論だが、探偵としては同時に瞬時の観察力、洞察、事実を見極め、総てのデータを統合取捨して事実のみを選別し、選別されたデータのみを用いて判断する冷静な判断力が前提となる。さてその推理力をこの作品の舞台になる「緋桜館」に到着して直ぐに示す点等は、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズ第1作・「緋色の研究」冒頭でのワトソンとの出会いの場面でホームズがその推理力を示した部分に対応し、緋桜館に同じ緋の字が含まれている点でも今作の作家によるヒントと作中に仕込まれた遊び心を感じるのは自分だけではあるまい。(観客は無論、それに気付きにんまり微笑むという次第だ)また、那綱の親友・慶乃の特殊能力である情報を引き出す能力の高さは、探偵にとって最も大切な能力の一つだが、この点では情報を引き出す前に、先ず自分のありのままを曝け出すことのできる慶乃の力が那綱に勝っている点でホームズにとってのワトソン同様、欠くことの出来ない相棒・助手である点でも両作品が呼応しているということは、今作が「緋色の研究」及びコナン・ドイルへの佐藤信也氏からのオマージュ或は挑戦状ととることもできる。
 但し、今作はコナン・ドイルの亜流作家の作品ではない。というのも事件は日本に今も残る因習が色濃く描かれてもいる作品だからである。土地の旧家・名家の血を引く者達同士の確執が執拗な迄に描かれ、女系家族で当主を務めた実力者男性・金森重鐘の遺産分配を巡る遺書を巡って展開するからである。推理の定番、密室殺人も状況の変化の中で登場する。観ながら観客は自分自身で推理し楽しむことが出来るので、終始良い緊張感が保たれ最高のサスペンスをソフィスティケイトされた時空で楽しむことができる。
聖なる日

聖なる日

劇団俳小

d-倉庫(東京都)

2021/03/19 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/03/26 (金) 14:00

150分。10分の休憩含む。

アン

アン

やみ・あがりシアター

王子スタジオ1(東京都)

2021/03/26 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/03/26 (金) 19:00

65分。休憩なし。

座布団劇場  番外二人会~花散るやかがみのなかの障子口(万太郎)

座布団劇場  番外二人会~花散るやかがみのなかの障子口(万太郎)

占子の兎

阿佐谷ワークショップ(東京都)

2021/03/26 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

しみず由紀さんと、今井耕二さんの、三の酉は、とてよかった。
人間賛歌がつまった悲哀と優しさが、確かに滲む、素晴らしいはなしでした。
おふたりの、表情、仕草がなんとも素敵で、酔いしれてしまいました。
今井さんは、(猫の目)のときと、雰囲気が全く違い、うわー、こんな、優しい、いい表情!!!うっとりしました。

「-D-の軌跡」

「-D-の軌跡」

赤猫プロジェクト

道頓堀ZAZA HOUSE(大阪府)

2021/03/26 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

満足度★★★★

ダンス💃も良かったが、内容も良かった。いじめ、差別等の問題もかぶって考えると、人間の自分勝手さを改めて感じました。生きていくことのつらさ、大切さを噛みしめました。

生きてる風/ ブタに真珠の首飾り

生きてる風/ ブタに真珠の首飾り

アマヤドリ

シアター風姿花伝(東京都)

2021/03/18 (木) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#アマヤドリ
#生きてる風
現代社会が抱える闇…病み。海底生物のごとく閉ざした世界にひっそりと生きる。かつての世でも俗世との交流を断ち、山奥で暮らしたりする歌人や詩人などもいた。ここにいるのは、その世界から抜け出そうとする者、抜け出す手助けをしようとする者、抜け出さずにいる者。解決するきっかけとなる事件……なんて起きない。特効薬もない。その心理…真理について抉る……ことはできなくても、一歩踏み込む。
主宰の広田淳一さんの新作はいつでも刺激的だ。その言葉が観客の心を絡め取って行く。
今回、劇団を離れていた #松下仁 さんの出演を知り、リアルに叫び声を上げ、泣いた。アマヤドリらしさというものがあるとすれば、間違いなく彼の中にそれはあった。そして彼の妹役の台詞の向こう側に、劇団を離れた女優の姿…言葉があった。彼女は彼女であると同時にアマヤドリそのものだったと、改めて知る。わかっていたけれど、わかっていなくて……凄い発見だった。
同時に、初見の #宮川飛鳥 さんと #徳倉マドカ さんという若い二人の力強さに惚れ惚れもしている。魅力的な若い俳優さんとの出会いは、なんとも幸せだ。
そして、開場から客出しまで130分リアルに引きこもる、ほぼオブジェの #大塚由祈子 さんに敬意を。

聖なる日

聖なる日

劇団俳小

d-倉庫(東京都)

2021/03/19 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

生きてる風/ ブタに真珠の首飾り

生きてる風/ ブタに真珠の首飾り

アマヤドリ

シアター風姿花伝(東京都)

2021/03/18 (木) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

『生きてる風』

昨年から延期になった公演。

「ひきこもり」の意味合いが微妙に異なってきた時代の「社会的ひきこもり」。
なのだが、ひきこもりの人たちについて語っているようで、どうやらそれだけではなさそうだ。

ネタバレBOX

<似合う服理論>

「ひきこもり」の意味合いが微妙に異なってきた時代の「社会的ひきこもり」。
なのだが、ひきこもりの人たちについて語っているようで、どうやらそれだけではなさそうだ。

すなわち、「人のアイデンティティー」はどこから生まれ、それを変えることはできるのか? ということではないか。

作中で「似合う服を選ぶ」というワードが示すように、それを「自分でできる人」もいれば「他人してもらうことでしかできない人」がいる。
「自分に似合う服」を選べた人は、「(社会での)居場所」が確保できる。

それが「ひきこもり」という「服」の人もいる。
その服を着替えたいと願っている人もいる。
それの手助けが「支援事業」ではないだろうか。

どんな服を着るかは自由だし、それが似合う似合わないを決めるのは、本当は自分なのだが、社会がそれをすべて許すわけではなく、社会、あるいはもっと狭い学校のような生活圏や、さらに狭い「家族」から「その服は着替えたほうがいいよ」というような、圧力(同調圧力の場合もある)が、常にかかってくる。

その圧力がまるで「正しい」ようにかけられている人たちが、いわゆる「ひきこもり」の人たちであり、その圧力があるから逆に「着替えることが困難」になっている場合もあろう。

そうした葛藤と、諦念とがいり混じった人々が、深夜から未明、そして夜明けの短い時間に混ざり合う。

当然「答えはない」。
それは「似合う似合わない」は、結局のところ自分次第であるということだからだろう。

人々は、それを確認し、その場を去って行く。
ある人は「着替えよう」と考え、ある人は「今のままでいい」と考えて。

「ひきこもり」を描いているが、「似合う服理論」とでもいう考え方は、実のところすべての人に当てはまるのではないかと思った。

自分が着ている服(貼られた「レッテル」)は本当に自分に合っているのか、今着ている服は自分で選んだものではないが、自分の意思で着替えることはできるのか(一度貼られてしまった「レッテル」を張り換えることは可能か)などなど。

高校デビュー、大学デビューという言葉があるように、人生のタイミングに合わせてなんとか着替えたいと思う人もあれば、今のままの服でいい人もいるわけで、舞台の上の「ひきこもり」の人と同じかもしれない。

個人的には、アマヤドリなので、もう一歩踏み込んだテーゼとか問いかけが欲しかった。

「着替えたい人」竹前総次郎は、不器用(わざと?)ながら人との接触を試みようとしていたのが印象的。

総次郎の妹・瀬奈は、正論で攻めてきていい感じに恐かった。
一史の少し達観した感じ。
一史の兄・譲は、弟がそんな感じなのに、やっぱりありがちな正論で、やんわり弟を責めているようだった。
そんなわけで、はばゆりなさんと、河原翔太さん、沼田星麻さんが印象に残った。

ラストにかかる曲は、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド 「サンデー・モーニング」。
個人的には「月曜日の朝」のほうがしっくりくるのだが、歌詞的にはそんな感じだろう。

アマヤドリは、セットがカッコいい。今回もシンプルだけとカッコ良い。
そして、未明からの照明の具合もよかった。

ちょっと気になったのが、「ゲームをする女」。
舞台を観ていたときには「ゲーム」をしているようには見えなかった。
ヘッドホンをして画面を見ていることはわかったのだが、それがゲームだったとは。
相関図を見て「ゲームをしている」とわかったのだが、それでいいのだろうか、演劇的には。
白昼夢

白昼夢

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2021/03/20 (土) ~ 2021/04/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/03/23 (火)

赤堀雅秋さんの描く人間臭が最初はわからず徐々に漂いだしラストには鼻に付き帰り道には拭っても拭いきれないほど胸やけしている。
でもそれが心地よくも悪くもあり、だから好きなのかな。
劇場で観劇できて良かった。

聖なる日

聖なる日

劇団俳小

d-倉庫(東京都)

2021/03/19 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

骨太なテーマに正面から挑んだ力作。2時間40分という時間を長く感じなかったのは役者の熱演と演出の巧みさか。人種、性、宗教、様々な違いが差別を生んでいる今、この演劇は私たちに問い詰める。
正義とは何か、生きていく本能には逆らえないのか、いろいろ考えさせられるが、答えは簡単には出ない。。。実際にあった事件はリアルであるがゆえに生々しい。否定しなければいけないのに、どう否定していいのかわからない。人が持つ原罪なのか、そもそも人は不条理に存在しているのか。そんなことを考えながら帰途に就いた。
オーストラリアという国を、その成り立ちを考えながら。。。

D.C. -コドモと家族の物語-

D.C. -コドモと家族の物語-

劇団YAKAN

池袋GEKIBA(東京都)

2021/03/24 (水) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

脚本が、素晴らしかった。
単なる、家族のお茶の間、ホームドラマか、と思っていたが、全然違った。それでは、つまらない。意外性があり、おもしろい。
死後の暗く、気が滅入る話と違い、明るくおもしろい。私的には、すごーくよかった。
犬役の役者さん、やーさん役の役者さん、インパクトがあり、よかった。
やーさん役、俳優の伊原剛志さんにちょっぴり似てるような?カッコいい。また、観たい。
これはもう、もうひとつのほうの作品も、ぜーったい観たい。
お気に入りの劇団さんが、ひとつ、増えた。

D.C. -コドモと家族の物語-

D.C. -コドモと家族の物語-

劇団YAKAN

池袋GEKIBA(東京都)

2021/03/24 (水) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

吉祥寺ダンスリライト vol.2

吉祥寺ダンスリライト vol.2

公益財団法人武蔵野文化事業団 吉祥寺シアター

吉祥寺シアター(東京都)

2021/03/20 (土) ~ 2021/03/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

横文字の耳慣れない企画であるが参加グループの名前に食指が動き、特に観たかった妖精大図鑑の出るAプログラムを観劇。
トークによれば吉祥寺シアターが主催する「リライト」の狙いは若者の作品披露機会の提供、さらに第2弾となる今回は総合プロデューサー北尾亘の振付作品を公募の若手ダンサーが踊る演目を加え、振付師との作品製作の機会(ダンスカンパニー所属しない/できないダンサーには貴重)も提供の由。A・B各プログラム3演目の一つとしてA・B2チームが踊った。この作品が最も舞踊らしい舞踊作品。数名の若者が溌剌と登場、動体の緩急と姿態の毅然とした美しさ、アンサンブルの充実、コミカルさシュールさが止まらないという感じで。幾つかの相(場面)の移り変りもダイナミックで質の高い舞台であった。
続く2演目は、企画側がオファーした若手、浜田純平と妖精大図鑑。
前者は舞踊の既成概念(自体も更新されてるが)拡張を担う部類、意表をつく展開のある変ダンス、というか出し物。一人で作るためか主観の強さが良くも悪くも横溢、妙に長い場面(ここそんな長くなくてよくね?みたいな)があったりだがそれも含めて予測を裏切り続けたパフォーマンス。
休憩を挟んだ後者はより演劇的で、ストーリーがあり、その「語り」に身体表現、踊りが組み込まれる。ノリよくギャグありコメディ色強めだが、出演者(女4人男1人)個々の、またグループでの舞踊力がストーリー叙述の中に実に効果的なだけでなく、「<ダンス>を探す旅」がのっけに迷い込んだスーパーという世界が具象世界から迷走の中で抽象世界へ、シュールから芸術に昇華する瞬間を垣間見せる(計算による主産物でなく「面白い」を追求した結果の副産物に見える)。

休暇込みで各演目30~40分のそこそこ長い充実した公演。ゲスト岩淵貞太と大図鑑3名とのトークにて、ショーケースとしては持ち時間が長いのは劇場的に今後単独公演を見据えた企画だという。

日本人のへそ

日本人のへそ

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2021/03/06 (土) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

楽しい芝居でした。

D.C. -コドモと家族の物語-

D.C. -コドモと家族の物語-

劇団YAKAN

池袋GEKIBA(東京都)

2021/03/24 (水) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「全、大人に告ぐ」を拝見。若い人達の直球勝負に好感を持った。今後もこのように、自分に嘘を吐かない作品作りをして欲しい。華5つ☆。(追記愉しみにすべし)

ネタバレBOX

 この国では大人がダメになってしまったことを機に完璧な子供を育てようということになった。こんなことを考えたのは大人達だ。駄目な大人が考えたものなんかが良い訳が無いことは、まともな子供には分かり切ったことだったが、駄目な大人達には分からなかった。結果、まともな子供達は施設に送られてくる。施設では思想矯正が行われる訳だ。因みにイマジネーションも柔軟性も思考も錆びつき硬直した思考と奴隷思考しかできなくなった塵そのものの大人達は、その反対の豊かなイマジネーションを持ち、柔軟に思考し、ユニークで建設的なパースペクティブを提起でき、オープンマインドで子供達の声に耳を傾け、庇うことのできるまともな大人は憂き目を見ていた。偶々今作に描かれた施設に入れられたマサシ、キキ、ケン、タロウ達を遇する施設長はリュウという左遷組、即ちマトモな大人であったから縛りが緩い。然しこれが中央省庁で問題化されており、アベという官僚がチョッカイを掛けてくる。リュウは有能で暖かい。然しその為にこそ、左遷の憂き目をみている。出世等という下らない茶番にも興味が無い。だが施設も役所、官僚が出張ってくれば・・・・
つかの門

つかの門

kondaba

生野地方卸売市場跡地3F(大阪府)

2021/03/25 (木) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

町中にズンと建つ三階建てコンクリの卸売市場の三階での上演。場所に行き着くだけでもちょっとした冒険みたいで楽しかった!
夕方6時30分はまだ少し明るくて、外の光が窓から入ってくるのだけど、それがふと気がつくと外が真っ暗になってて、少し雰囲気が変わるのも面白い。
役者さん達は「なんとなくズレたひと」のような演じ方をしていて、相対的に全体的のバランスがずれていく感じが不思議な雰囲気を醸している。役者の身体性の特徴が際立つ場面がぶつ切りで入ってくる時のカオス感が楽しい。
戯曲と上演は全然違うだろうなという作品。
メビウスの輪の中に迷い込んだ人達みたいな印象を受ける内容で、『ゴドーを待ちながら』的な感触もある。
もっともっと、観客に忍耐を強いる内容にしても面白いとおもう。まだまだ練り上げられる。
期待を込めて、星4です。

雪の中の三人

雪の中の三人

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2021/03/16 (火) ~ 2021/03/30 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

他の方が言われてますが、上品なコメディという言葉がぴったりくる作品でした。

品のない笑いではなく、また登場人物皆が幸せになれるような佳作です。

聖なる日

聖なる日

劇団俳小

d-倉庫(東京都)

2021/03/19 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

一昨年、小劇場翻訳劇「殺し屋ジョー」でクリーンヒットを飛ばした俳小の新作翻訳劇公演。開拓時代の原住民と侵略者の対立はいままでも様々なケースで舞台化されてきたが、これは19世紀半ば、入植時代のオーストラリアの先住民アポロジニと白人開拓者の対立である。
白人側にも、その地がイギリスからの犯罪人流刑地であった背景や、自国移民層のアイルランドとスコットランドの対立、老朽化しているキリスト教会の宣憮然活動システムなど複雑な事情がある。
舞台は、奥地の砂漠地帯で中年女のノーラ(月船さらら)が営んでいる売春宿を兼ねた貧しい木賃宿。彼女はアボリジニ(オーストラリア先住民)との混血の少女・オビーディエンス(小池のぞみ)を従順な使用人として使っている。そこへ荒くれ者、ガウンドリー(いわいのふ健)が僻地で仕事を求める三人の白人流浪者達(遊佐明史・北郷良)を率いて現れる。彼らはオビーディエンスを一晩の慰み者にしようとするが、ノーラは激しく拒否する。彼らの滞在中に白人の宣教師と赤ん坊が行方不明になり、教会も焼け落ちるという事件が起こり、既に開拓者として地域で生きている白人農民(斎藤真)を巻き込んで、先住民と移民白人の戦いが始まる……。
戯曲は、それぞれの人物の立場、生きるこだわりやキャラクターについても細かく触れる。それは確かにオーストラリアのなじみのない辺境を知らせてはくれるが、舞台の上の人間像やエピソードは暴力的で荒々しいばかりで観客に身近になっていかない。
それは俳優の演技にも及んでいて、客演のいわいのふ健も月船さららも柄はいいのだが、演技がパターン化している。たとえば、いわいのふと、彼が連れ歩いている舌を切られた少年との関係、月船と宣教師の妻(新井晃恵)と生き方をめぐって対峙するシーン、いずれも類型的な演技に逃げ込んで独自の真実が見えてこない。ベテランの斎藤真以外の劇団員も、それに引きずられている。一面に水面のような青く反射するガラス面を張り巡らしそこに枯れ木を数本立てた舞台ですべてのシーンが展開する。この美術は美しいし、照明もよく舞台を追っている。この新大陸の民族音楽らしい管楽器を軸にした音響も効果的だが、この舞台の抽象性が戯曲の生々しい現実感とそぐわない。
演出の真鍋卓嗣は、昨年、僻地を舞台にした人間崩壊劇「心の嘘」を既に本拠の俳優座で演出している。西部の荒廃した辺境社会の人間模様が、現代人の心にも響くいい舞台だった。一昨年の「殺し屋ジョー」も観客の生活体験と重ならないトレーラーハウスの殺伐な殺し合いの世界だったが、共感できた。だが、この一種混沌とした舞台からは、舞台の全ての人が願ったようなであろう「聖なるもの」は出現していなかった。
俳優座の衛星劇団から出発した俳優小劇場は、かつては、新劇の範疇に収まらない都会的な洒落た作品を個性的な俳優でつぎつぎにみせてくれた懐かしい劇団だが、これからも自劇団に閉じこもらず、作品を軸に新しい世界を見せてくれることを期待している。

ネタバレBOX

ラストを、舌を切られた若い男女二人で閉めるが、これで「聖なるもの」へ近づこうというのは観念的すぎると思う。ストーリーが非常に具体的なことも影響している。
INDESINENCE 

INDESINENCE 

LUCKUP

赤坂RED/THEATER(東京都)

2021/03/24 (水) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

#INDESINENCE
#藍澤慶子 さんを観る。単純に言ってしまえばそれ以外の目的はない。綺麗な方がたくさん出演される公演ならではの雰囲気が客席にも舞台にも満ちていた。キャストを目当てに足を運ぶ人にとっては、それぞれに見所が用意された作品であり、満足のいく構成ではなかろうか。こうしたキャスティングの作品で多く見られる常套手段と言える。
ミステリーとしては甘さがあるけれど、後半の展開はなかなか興味深い。ただ、少々説明し過ぎな感も否めない。特にラストで幾つかメッセージが語られてしまって……やや興が醒める。
藍澤慶子さんは、かなりの演技派だと思っている。しかし、その麗しさが重宝されて、演技のポテンシャルを発揮するポジションを与えられていない気がして…焦れる。語弊を恐れず言えば宝の持ち腐れな気がする。誰か、少人数の会話劇にキャスティングしてくれないかな。
【追記】
藍澤慶子さんの衣装はオシャレで奇抜だった。
でも、あれはアリなのだろうか⁉️

つかの門

つかの門

kondaba

生野地方卸売市場跡地3F(大阪府)

2021/03/25 (木) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

テンポが悪い。
全く何をやってるのかわからなかった。

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