国民傘 公演情報 森崎事務所M&Oplays「国民傘」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    戦争の“気配”を描く
    単細胞の私にとって非常に難解なお芝居でした。
    プログラムを買って、岩松さんのインタビューも読んだけれど、それでもよく理解できなかった。
    戦争が終わっても、次の始まりの気配はある、一見戦争と関係ないと思われる事象が実は戦争と結びついている、ということらしいが、その“気配”というのが観ていてあまり私には伝わってこなかった。「俺、こんなにわかんなくしてんだ、お前らもわかんないだろう」という岩松さんの言葉を読んで、そう言われてもなぁ(笑)と困惑した。
    身近なことが戦争につながらないためには「日常生活でも程度をわきまえること」というアドバイスは大変勉強になりました。
    チェロの生演奏(荒井結子)が効果的に使われ、難解ながらもひきこまれてゆく魅力的な作品ではありましたが・・・。

    ネタバレBOX

    戦争が終わった後、国民を「死の雨」から守るため国家が考えたという「国民傘」。その傘立ての場所をほんの少し、移動したという罪で、母娘が捕らえられ牢に入れられてしまう。
    そこの看守が読んでいる本の内容が母娘の肉親の青年のことを書いているらしく、一方で本に登場する工場の経営者と弟の会話には、「傘立てを移動した母娘の物語」が出てくる。
    その間に、上官を探して森をさ迷う兵士たちのエピソードがあり、この兵士たちに遭遇する散歩者が看守であるという「入れ子」のような芝居である。
    工場で働くシンの病気の妻が実は白骨化しているというホラー仕立ての場面が印象に残ったが、そのことが物語全体の中でどういう意味を持つのかがよくわからなかった。工場の使用人シンの愛人ナジャを演じる片山瞳が、アングラ女優のような強烈な個性で、舞台出身かと思ったらモデル出身だそうで驚いた。

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    2011/02/14 17:15

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  • KAE様

    コメントありがとうございました。
    KAEさんのように、戯曲を解釈する力があるかたにそうおっしゃっていただくと安心しますね(笑)。
    「羊と兵隊」を酷評する人もいましたが、あれは何とか理解できましたが、(ただし、終盤、主人公の入れ替わりのポイントがわからなくなり混乱・・・)これは手ごわかったですね。徳永京子さんの「国民傘をわからないの一言で片付けず、インタビューを読んでください」というメッセージをネットで読み、プログラムのインタビュー読んだけど、私のようなバカにはついにわかりかね・・・(苦笑)。

    2011/02/15 16:26

    きゃる様

    岩松さんの作品は、過去に3度ぐらい観たことがありますが、どれも、全く理解できたためしがなく、また、わかったような気にもなりさえしなかったので、挑む気持ちも萎えて、最近は、まるで、興味もないのですが、それでも、好きな役者さんが出演されると、僅かですが、やはり、どんな芝居だったのか、気にはなります。

    ですから、このきゃるさんの詳細な、わからなさ具合までわかるレポート、大変興味深く拝読して、笑ってしまいそうになりました。

    これは、自分も、同じように、わからなかっただろうなって。(笑い)

    何だか、スッキリしました。ありがとうございました。

    2011/02/14 21:55

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