満足度★★★★
「ピアノ」が見つめる流転輪廻。
作者は映画の好きな方なのでしょうね。ピアニストを巡る映画に駄作なしと思います。この作品は「ピアニスト」ではなく「ピアノ」が中心だけれど、モチーフ的には
海の上のピアニスト」や「戦場のピアニスト」を彷彿とさせるものがありました。
ピアノという楽器自体の、「そこにある≒動けない」という特性をうまくいかした、美しい物語でした。
またチャップリンのモチーフなど、作者の方の好きな映画が伺われるものでした。
ダンスも交えているというので、感情移入できるか心配でしたが、若々しさを感じさせるダイナミックな舞台では、違和感を感じさせませんでした。
ただ、個人的にはいささかtoo muchな印象かな。
欲を言えば、もっとピアノに絡んでほしかったです。
とはいうものの、これほど緻密で斬新なのにわかりやすい、というのは、素晴らしい!
今後が楽しみです。