ロクな死にかた 公演情報 アマヤドリ「ロクな死にかた」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    両方から広がる
    死について逝くものと残されたもの双方の感覚が
    クリアに溢れるように満ちていく。

    その表現の洗練をたっぷりと味わうことができました。

    ネタバレBOX

    開演前、
    舞台上に登場人物が現れ
    やがてダンスに至り
    日常の時間がぞくっとくるほど鮮やかに
    切り取られていきます。

    その中で多重構造で語られていく
    死の姿。
    一人の男の死について
    観る側にとっての客観性が維持されながら
    語られていく。

    物語の構造が
    舞台の出来事と観る側にある種の距離をつくってくれるので
    逝くものと残されるもののそれぞれの想いが
    混じり合うことなく舞台上に重なっていく。
    死という事実に双方の想いが
    それぞれに満ちて
    ゆっくりと受け入れられて、
    次第に引いていく・・・。

    冒頭の日常が
    再び終盤に現れて、
    深く、満ちた、死への想いも
    日常の時間に埋もれていくのです。

    観終わって、
    何かが失われることへの
    不思議な透明さを持った感覚が残る。

    公演期間の前半ではありましたが
    高い完成度を持った作品で、
    しかもさらに想いの奥行きが
    生まれていくであろう感じもあって。

    ダンスなどに圧倒されながらも
    観終わって、
    しばらくそのまま浸っていたくなるような
    秀逸さを持った作品でありました。




    0

    2011/02/07 07:00

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大