満足度★★★★
死を受け入れること
家族や恋人、あるいは自分自身が死んだことを受け入れるまでの過程を多様なシチュエーションにおける会話やダンスで表現した、爽やかな作品でした。
死んだ人のブログが更新され続けているというミステリー的な話から始まり、次第にそれぞれの登場人物たちの死についての思いが見えてきて、重みのある話になっていました。
スピード感のある現代の若者の言葉使いで次々に場面が展開して行き、観ていて気持良かったです。時折、お笑い的だったり、様式的だったりする台詞回しが挿入されるのも効果的でした。
演劇で用いるダンスは、上半身の動きがメインのパラパラ風のものが多く、個人的には嫌いなのですが、この劇団はステップを重視したアイリッシュダンス的な振付で、迫力があって楽しめました。作品のテーマにも合っていたと思います。
衣装は日常的な格好なのですが、ブラウン系を基調にしていてるのが新鮮でした。
作品の構造も、入れ子的になっていたり、不思議な寂寥感を漂わせる終わり方など凝っていて面白かったです。
全般的に良かったのですが、出演者が多過ぎて、それに合わせてエピソードも少し盛り込み過ぎなように感じました。もう少しコンパクトにまとめるとより一層良くなると思いました