満足度★★★★
ハンドルさばきが見事
着想とテンポの良さ、それに傍系の挿話とどう繋がるのか?という謎で惹きつけるユーモラスな前半からスリルとサスペンスが加わる後半を経て、任侠系の「散りの美学」かと思わせて最終的にはハッピーエンドに導くハンドルさばきが見事。
多少強引な部分もあるが、その後の展開やテンポの良さで「逃げ切って」しまう(爆)ところも巧み。
また、舞台後方下手の黒い壁の一部に張った紗幕で別の場所を見せる手法はよくあるが、終盤でそれを映画のスクリーンとして使う(もちろん劇中映画のシーンは映像でなく生の演技)のも上手い。
さらに過去の2作ほどあからさまではないものの「山や電柱を「動かせ!」と言ったベテラン」など、知っていればピンとくるオマージュ系のネタをひそませているのも○。
いずれにしても、ここまでの3本すべて出来が良く、次回にも十分期待。