僕を愛ちて。~燃える湿原と音楽~【沢山のご来場ありがとうございました!次回公演は7月青山円形劇場にて!】 公演情報 劇団鹿殺し「僕を愛ちて。~燃える湿原と音楽~【沢山のご来場ありがとうございました!次回公演は7月青山円形劇場にて!】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    大舞台に負けない作品
    「鹿殺し」という何やら恐ろしい雰囲気の劇団名のためか、いままで観る機会がなかったが、勧める人もあって今回思い切って観ることにした。
    本多劇場進出ということで晴れの大舞台。以前から観続けてきたファンは感慨もひとしおだったことだろう。
    若者向けの芝居かと思っていたが、自分でもついていける内容だったのでひと安心。昔の劇団☆新感線を彷彿とさせるはじけっぷりが楽しい。
    韓国のハンソリを思わせる打楽器に特徴がある楽隊の生演奏も見事にマッチし、個性的な楽しめるお芝居だった。
    この劇団はフライヤーがいつも出演者の集合写真なので、観なくても印象に残っていた。公演ごとにデザインを変えるのではなく、こういう劇団として統一的なフライヤーにするのもひとつのアイディアだなと思う。

    ネタバレBOX

    兄弟、親子の音楽の好みが出ているのが面白い。
    同じ歌を、兄(丸尾丸一郎)が尾崎豊風に、弟(オレノグラフィティ)がつんく♂風に歌う場面もなるほどなーと思って聴いていた。
    伊東役の廣川三憲、母親役の西田夏奈子は歌が巧い。西田は波紋のおばさんという不思議な役も演じるが、シンクロナイズドスイミングのように湖に沈んでいく演技の上手なこと。感心して見ていました。
    伝説の妖怪?イワエツゥンナイを演じる花組芝居の谷山知宏のアクロバティックな歌舞伎的演技も素晴らしく、往年の市川猿之助を思い出した。
    加藤裕は伝説のロック・スター、フレディ・マーキュリーを気取っている青年役だが、たしか、彼はフライングステージの「トップ・ボーイズ」でもフレディ・マーキュリーを演じたのでは?(この公演、私は観ていない)今回、アテ書きなのだろうか(笑)。確かにフレディに似ているが、彼の演技の質はやはりこういう芝居には合っていない気がする。
    父親役の粟根まことは若手を相手に圧倒的存在感をみせる。
    本家本元の劇団☆新感線の俳優だけに、胸を貸すほう、借りるほう、双方に感慨があろう。
    千鶴子(菜月チョビ)がどうしてあんなに献身的なのかと不思議だったが、千鶴子は実は兄弟に助けられた鶴の化身だったというオチ。実に話がよくできている。
    最後は、菜月は鶴となって舞い上がり、スーパー歌舞伎のヤマトタケルか義経千本桜の四の切か、という宙乗りまで披露する華やかな幕切れ。

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    2011/01/24 20:42

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