第46回関東高等学校演劇研究大会 公演情報 関東高等学校演劇協議会「第46回関東高等学校演劇研究大会」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    神奈川県立大船高等学校・音楽劇「銀河鉄道幻想」
    大会出場常連校。部員52名、顧問6名の演劇部。これだけで他校の弱小部と比較したら随分、有利に思えるが、それを払拭させるような演技だった。つまり他校をうんと引き離した完成度。レベルの高さだった。キャストら全員が揃いもそろって発声が完璧。欠点がない舞台だった。強いていうなら折角の生の音楽隊の演奏なのだから、BGMの導入はせず、生で完結して欲しかったのだが・・。無理か?


    以下はネタばれBOXにて。

    ネタバレBOX

    物語は宮澤賢治が過ごした幼少からの数年間の家族との関わりあいや、学校でのいじめを通して「銀河鉄道」のカンパネルラに自分に投影して描写した劇中劇。これらの情景を舞台を二つに分けて同時進行させる。舞台右側は「銀河鉄道」、左は宮沢賢治の妹・トシの病床場面だった。

    この演出の見事さったらない。右は童話の世界で左は現実の世界を同時に観られるのだから。

    更に目を見張るのが舞台セットだ。両サイドに設置した回転舞台は暗転の度にぐるぐる回って観客を楽しませ、更にトシが死ぬシーンでは大きなホウズキの提灯が橙色の灯火のようにぼんやりと灯がともるのだ。その光景はまるで今から死者を誘導しながらあの世へ向かっていくかのようだった。

    前半では笑い、後半では号泣した舞台だったが、これらを観客に説明するかのようなナビ役が大人になった宮澤賢治だ。
    かつての彼が家族の集合写真に入らなかった家族の肖像、賢治の居ない肖像を悔やみ、やり直し写真に納まった賢治の追憶の物語。

    確実にレベルアップした完璧な舞台だった。歌も素晴らしい!!


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    2011/01/10 20:17

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