第46回関東高等学校演劇研究大会 公演情報 関東高等学校演劇協議会「第46回関東高等学校演劇研究大会」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    松戸馬橋高等学校「山姥」
    昨年、 神隠し「八十八ものがたり」を観てすっかり荻野綾のファンになったワタクシは今日も彼女の演技を観ることができて嬉しかった。現在、2年生らしいから、来年も頑張って勝ち抜いて来て欲しいと切に願う。毎回の大会の常連校らしい骨太さ。


    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    山の神によって子供を授かった山姥は当初、子供なんかめんどくせぇ。と思っていたが、育てているうちに情が移ってしまう。しかし、山の掟は「子供を春に生んで冬に死す」という1年も生きられない運命だった。そこで村に捨てれば子供は生きられる、という特例を利用して山姥は自分の子供を泣く泣く山に捨てに行くのだった。

    拾ったムラオサは子供を大切に育て自分の仕事である水の門番の跡を継がせることにする。その間、山姥は夜な夜な息子・ヤマトの寝顔を見るために、毎日せっせと山から降ってきては登っていくのだった。そんなヤマトも成長するに従って人間特有のずるさを身につけていく。自分に不利なことが起こるたび、山姥を悪玉にすることで自分を有利にしていくヤマトに次第に失望してしまった山姥は、ついに郷に降りなくなってしまった。

    しかし、ある日、ヤマトの都合で水門を開けるのを怠ったことにより、水門は決壊し村に大きな被害をもたらしてしまったのだった。

    ヤマト一家を救うために自分の命を犠牲にした山姥の愛の物語。

    荻野の歌、ゴリラのようなダンス、赤子と子供の二重描写、太鼓を軸にした楽隊、それらはこの童話に相応しい彩だった。山姥の死の瞬間に叫ぶいたちの絶叫は物悲しい絶望の雄叫びだった。ワタクシは思わず泣いて、その美しい世界感にどっぷりと浸ったのだった。

    母親の犠牲愛を描いた物語。



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    2011/01/09 20:12

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