『442』 公演情報 SPPTテエイパーズハウス「『442』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    素晴らしい舞台を有難う。
    舞台は、2000年から。クリントン大統領は442部隊に対して「間違った政策」と謝罪、英雄たちに勲章が贈られる祝賀パーティの席に訪れる英霊達のシーンから。これらの情景は開演前から舞台上で華やかに演出される為、観客はどっぷりとそのパーティーの様子を目の前にして、気持ちも高ぶる。

    以下はネタばれBOXにて。

    ネタバレBOX

    戦死してしまった英霊の一人は、彼が昔愛した女性に似たローラを時間の捻れに巻き込んでしまう。そしてローラは祖母のフラウとして、その時代の成り行きを見る事になるのだった。


    時は真珠湾から始まった日米太平洋戦争。アメリカでは、日系人へのバッシングが最高点に達し、日系アメリカ人は、1世2世・日本国籍アメリカ国籍にかかわらず、人里離れた強制収容所に送られてしまう。

    しかし、従順で士気に燃える若き2世たちは、その身をヨーロッパ戦線でドイツとの戦いに身を投じることとなる。それに至ったのにはどのような理由があったのか?
    そして、彼らは、ドイツ軍との血で血を洗う壮絶な戦いに遭遇する。

    彼らは戦場でも忠誠心を誓いながらも、差別を受けて、より過酷な戦場に追いやられ多くの犠牲を強いられたのだった。

    やがて戦争は終わったものの、生き残った彼らの部隊442は当初の半分しかいなかったという。「本土アメリカ」で「祖国とは何か」「愛国心とは何か」という、2つの国の狭間で揺れながらも、「アメリカ人」として、戦いに身を捧げた442連隊。

    市民権を持ちながらも「敵性民族」として迫害された日系二世の男達は、自らの忠誠心の証明に、そして自分達の家族と子孫の未来の為に戦場に向かう。そして「Go for broke!」の言葉と共に死を恐れない活躍を見せたのだった。

    これらの筋を丁寧に演出し、音楽と照明の技も加味され美しい舞台だった。スーが軍曹に犯されて失語症になった光景は涙が出て止まらず、そこを沸点として次から次へと溢れる涙を堰き止める術はなかったが、しかし、その感動の涙は終演後、素晴らしい舞台を観た満足感でじわじわと満たされたのだった。

    アメリカ陸軍442連隊。442連隊は、すべて日系アメリカ人のみで構成された、アメリカ軍で最も多くの犠牲を出し、最も多くの勲章を受章した部隊でもある。

    キャストらの演技力、ダンス、歌、コミカルさ、演出、照明・・・全てを総合して崇高な舞台を観ました。

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    2010/11/28 12:59

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