AC アガリスクコント vol.1 公演情報 Aga-risk Entertainment「AC アガリスクコント vol.1」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    「笑い」への意欲は伝わった
    秋葉原DRESS AKIBA HALLでのコントライブ。アガリスクは4組の出演者の1組である。
    プロジェクターで投影する画像がPCの不具合で出てこないというハプニングがあり、画像なし見切り発車で始まったコント7本約30分。
    私はそもそも長時間の芝居とコントを区別しない見方をしているのだけれど、演劇人のコントというのは、ある程度の期待をもって見るのも事実。
    「今回は"笑わせ方"をテーマに色々試行錯誤してみようと思います。」とのことですが、出演者が段取りにバタバタしているように見え、5本くらいに絞ったほうがよかったのでは、と個人的には思いました。
    また、長時間ではないコントライブの場合、画像に頼らないでシンプルに作ったほうがよいと思う。
    「冠婚葬祭」「差別」「自宅がメッカ」がやはり演劇的で面白かった。最近は大学生でもウーンと唸るような面白いコントを作るものだから、今回の小ネタについては、さほど面白くは感じなかった(スミマセン)。詳細はネタバレで。

    ネタバレBOX

    「冠婚葬祭」は、結婚式と葬式のことをそれぞれ話す2人が共通の内容に勘違いしながら会話を続け、キーとなる単語の紙を帽子の上に差していく。この紙の束が手元で文字を手前にバラバラはためくので次の展開がよめてしまうのが惜しかった。完全裏向きにしておけばまだしもと思ったが。また、同趣旨のコントや漫才を得意とする既成お笑い芸人がいて、それを見ているせいか、新鮮さを感じない。シチュコメの骨組を見せたかったなら、既成のお笑いにはない、もうひとひねりのアイディアがほしいところ。

    「差別」
    黒人の赤ん坊が生まれ、「明らかに自分の子ではない」という夫の「妻の不実」の主張と「外見や人種で差別するあなたがおかしい」と問題をすりかえて「愛」を強要する妻とのすれ違い。単純に笑えないブラックな要素もあるが、着眼点が面白い。実際、これと同じ事件が起こって離婚した夫婦の話を知っているだけに考えさせられた。

    「自宅がメッカ」
    ラストの作品で、このとき、ようやく画像が出た。これは画像フォローがないと成立しにくい性格のものなので、安堵した。
    ある朝目覚めたら、男の自宅がメッカになっていて、周囲に騒動が巻き起こる。芝居になりそうな題材だ。「北朝鮮がミサイルを発射」「ロシアが北海道を領土と主張」「中国が中国地方を領土と主張」などのニュースが読み上げられると、これも現状では案外起こりうる笑えない話かも(笑)。この作品も役者が段取りに追われるのが見てとれた。これが消えないと客はハラハラしてしまう。

    演じた 淺越岳人、塩原俊之のお二人。淺越はシチュコメにはもってこいの俳優で、彼の芸風には若いときの小倉久寛(SET)と車だん吉を足して2で割ったような面白さを感じる。塩原は常に真面目に芝居をする人。その真面目さが「ワハハと笑えばいい」単なる「コント」に落とさない「間」を生む。これは貴重な長所である。

    このコントライブはコメディー作家の「笑いを生む現場」の一端を知る良い体験にもなった。観終わって「冨阪友の才能ははかり知れないものがある」と期待している自分がいる。

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    2010/11/26 10:52

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