1973年の初演に見た人たちは
(その後改稿されているとはいえ)、その時代にどんな興奮を胸にこの芝居を観たのだろうかと、羨ましく思ってしまう。しかし、残念ながら、機動隊と学生の衝突も今では遠い昔のことで、その影さえ消えてしまいそうだ。そんなリアリティーのない現代だからなのか、わからないのだけれど(他の再演も観ていないし)、この内容で2時間半は正直辛かった。終盤の一時間はダレてしまい、ステージ上の熱演が空回りして観えるばかり。つかこうへんさん追悼気分で、心に何か持ち帰りたかったのだが……。私が見たのはゲネプロなので、本番が「飛龍」となることを祈るばかりだ。