満足度★★★★★
不穏なユーモア
奇妙な物語と動きに引き込まれる不思議な作品でした。全体のトーンとしては暗く飄々とした感じで、性的なイメージを強く感じさせるものなのですが、結構笑えるシーンも多かったです。具体的な物語があるわけではないのですが、6人の登場人物の関係性の移り変わりが様々なエピソードを通じて描かれていて興味深かったです。
雪原や建物などの美術の作り込みが素晴らしく、劇場の中なのに屋外に居るかのような感じでした。
そして、なんといっても身体表現が凄かったです。ダンス的な動きも、小道具を用いたマイム的なテクニックもレベルが高く、実際には存在しない風や揺れがとてもリアルに感じられました。足を組んだままのダンスや、関節が外れたかのようなクネクネとした動きは人間離れしていて、見てはいけないものをものを見てしまったかのような気分になりました。
一瞬のうちに消えたり、衣装の早変わりなどの手品的な演出も良いスパイスになっていました。
今後も定期的に来日公演をして欲しいです。