いつか床が見える伝説 公演情報 早稲田大学演劇倶楽部「いつか床が見える伝説」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ゴミ部屋ファンタジー
    芝居の質の高さはエンクラの伝統を守り、表現スタイルは独自のものを生み出した。とても新鮮だった。なにより作演、萩野あやこは自分の世界を持っている。また自分の描きたいものを持っている。これが強みだ。

    汚い部屋、腐っていく食べ物、飲み物、しかし、それら全てに愛情を感じながら、生きていくのが下手な少女の苦悩と葛藤を、明るく時に切なく描いている。ゴミ屋敷を舞台にした妄想少女の不思議なファンタジーだ。新感覚でとても面白かった。

    主役を演じた栗原香が内向的で自滅型の少女をチャーミングに演じてこれまた素敵だった。

    ネタバレBOX

    冷蔵庫から腐った大根が飛び出すところは、衝撃的な名シーン。いやびっくりした。そのグロテスクな大根が動き出し、腐った牛乳と友だちになる。ここら辺の発想がすごい。そしてこの二人がとても素敵なのだ。腐った大根と腐った牛乳の淡い恋物語、こんな発想があるだろうか?すごい。

    また落とし穴に落ち込んでそのままそこで暮らしているお母さんも素敵。そこに暗示しているものも深いと思った。

    舞台全体がゴミだらけ。それにも関わらず、しっかりとメルヘンを感じさせた作家の演出力に脱帽だ。

    0

    2010/10/18 22:12

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大