口笛を吹けば嵐 公演情報 ピーチャム・カンパニー「口笛を吹けば嵐」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    これぞエンゲキ!
    レトロな映画館で映画が始るようにジリリリリーーーと鳴るベルの音。舞台と客席の合間のカーテン。エンゲキが始るよ~♪エンゲキが始まるよ~~♪と歌うキャストら。これらの演出はお見事!という以外の言葉を思いつかないほどの絶好の始まり。舞台の合間に歌を交えて暗転させるのも◎

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    まず、普段のイワトでの客席を全て取っ払って観客は道路を向くような格好で座る。この効果は後にシャッターを開放することで、外の道行く人々と雑踏を飲み込んで今回の舞台と合致させてしまうところは流石!だから見知らぬ人々が立ち止まり、あるいは自転車をこぎながら流れる風景は臨場感があって実に見事なのだった。

    リーダーのケンが逮捕されてからの、窃盗グループの成り行きや、ケンの旧友である手配師のもとで演劇研究所などと詐欺られ、人材派遣され労働を課される新川など、若者を軸に底辺で渦巻く人間模様を描写する。

    労働、暴力、脱走、様々な思いを胸に秘めた若者たちは、ある日刑務所から出てきたケンに希望を託する。しかしそんなケンもちょっとした争いからナイフで刺されてしまう。

    労働者らが集る飲み屋でのカラオケのさまも披露しながら、「乾杯」は人生を祝福する最大の賛辞の歌だと思う。そんな歌をバックにケンは自由を求めてボヘミアンのような世界を目指し、獄中で出会ったイグナシオの言葉、「口笛を吹く兄弟」を求めて世界中を口笛吹いて兄弟を捜し歩くことを決意するも死んでしまう。

    それでも残った残党は「OSARAGIカンパニー」を掲げ、劇団を作ってブラジルに巡業すると言う終わり方。最後はこんな楽しい演劇を世界中の人に観て貰わなきゃ!という夢と希望で締めくくる。3時間と言う公演で観てる観客も体力勝負だったが、それに見合ったノスタルジックでレトロな芝居だったと思う。「蒲田行進曲」を思わせるような世界感!

    面白いと思う。

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    2010/10/17 21:59

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