満足度★★
実験公演なら・・・。
「台本が無い」事でリアルなヤリトリを見せたい、という趣旨もそれが劇団というものを15年続けてきた彼らだからこそできるワザであることもわかるのです。ただしこの企画をやる時に当然観客から「台本があろうが無かろうが面白い方が良い」と言われる事は予想できたはずで。今回「台本が無いことで面白かった」部分は決して多くはなく、「台本があって稽古を積み重ねて面白い作品を作れる」劇団をずっと見てきた者にとって、とてもつまらない作品であった。馬鹿にされた、とすら思った。これからも劇団を続けていく上で劇団の役者の力を鍛えたいとか、試したいとか、マンネリを脱したいとか、15周年だから変わった事がしたいとか、色々な思惑があったのかもしれないがあくまで「実験」であるならばそれにふさわしい宣伝であるとか値段設定にするべきだったと思う。そうでなければつまらない作品を見せられた観客の劇団に対する信頼度を踏みにじる行為にもないかねないと思う。もし万が一この公演で出来上がったものが彼らの「新しいスタイル」であり「画期的な作劇方法」でありこの試みが大成功の手ごたえのあるものであったとするならば、悲しいことだなぁと思うのです。