Better Days 公演情報 “STRAYDOG”「Better Days」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    希望や苦悩を抱え、今を生きる等身大の若者を描いた青春群像劇。舞台は沖縄県伊平屋島という離島。そこで ひと夏(3日間)、島の同世代と過ごすことによって 少し成長していく少女たちの姿を清々しく描く。
    東京と伊平屋島での暮らしの違い、例えば買い物や遊ぶ場所など その社会・文化などの違いを通して思考と志向の形成も描く。説明にある解答用紙を白紙で出す女子生徒の苦悩と島で暮らしている少女の希望が交差して生まれる友情。同時に、都会では味わえない雄大な自然や生命の(神秘的な)誕生を目の当たりにして、自分の悩みなど…。教師が教えられることは、授業での知識ぐらい。毎年島を訪れている理由は、学校だけでは教えられない大切なこと。

    この公演は、「レモンズカンパニー」の復活を確認するかのようだ。子供たちに合った等身大の脚本(物語)で分かり易く、演出は、大人の役者が見守り支えるといった感じだ。稽古では色々な事があったと推察、それが物語の女子学生の成長に重なるよう。そして大人の役者は、引率の教師のような存在。劇中で奇妙なミュージシャンとしても登場し、子供たちの歌やダンスを客席袖から応援する姿が微笑ましい。少しネタバレするが、舞台美術は、夏らしく 左右に簾と中央奥に黒板。その黒板に日直:あかば│しげまつ と書かれている。勿論 演出の赤羽一馬さん と引率教諭の先輩役の重松隆志さんのこと。学校での教育を次世代を担う役者達の育成に重ね合わせる。その 初々しく元気溌剌とした演技/パフォーマンス、ぜひ劇場で。
    (上演時間1時間25分 休憩なし) 【スカイ】

    ネタバレBOX

    公演は、夏季合宿を通して少女たちの心の成長、同時に「レモンズカンパニー」としての演技(力)成長、その2つを巧みに観(魅)せている。舞台美術や衣裳は、夏の雰囲気を漂わせている。

    日常の暮らしを通して、東京と伊平屋島の違いを分かり易く描く。例えば、都会におけるボーリングやカラオケ、一方 離島における遊び場所は大自然(景色)。そして買い物にしてもコンビニが当たり前な都会、そん店はなく、たぶん萬屋(よろずや=ゼネラル・ストア)が島の唯一の店。都邑における利便性や環境の違いをさり気なく説明し、その中で、東京から来た少女の苦悩へ。

    解答用紙を白紙で出す女子生徒、彼女は小学校の頃は学業優秀で母の期待も大きかった。しかし、母は家を出て行方知れず。今の状況を知ったら戻って叱責してくれるのではないか。一方、島で親しくなった少女の両親はスキンダイビングインストラクターだったが、今は亡い。そして卒業したら大阪の親戚の家から学校へ。広い世界を見てみたい、そんな希望を抱いている。2人の会話を通して、家庭や地域環境の重要さが浮き彫りになる。

    2人の会話の最中にウミガメの産卵光景。スマホで撮影しようとするが、その光によって進む道を間違えてしまう。カメは、命(孵化)の誕生を見ることなく、生まれた子カメは自力で生きていく といった諭しに繋げる。
    物語を楽しませる、それがダンスでありマイクでの歌唱。また漫才的な面白ネタや方言を挿入し笑わせる。その一生懸命な姿が、物語における少女の姿に重なる。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2025/03/29 01:04

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