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ハッピーケーキ・イン・ザ・スカイ
観てきた!クチコミ一覧
クチコミとコメント
公演情報
あまい洋々「
ハッピーケーキ・イン・ザ・スカイ
」の観てきた!クチコミとコメント
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曽根千智(1)
実演鑑賞
満足度
★★★★
「不在=そこにないもの」への眼差しは外から見えるのか
ネタバレBOX
本作を観て、当事者演劇はやはり鑑賞者に安定したポジションを渡してはくれないのだと思い知った。本作には、それぞれに「ちぃちゃん」と異なる関係性を結び、それぞれ独自の当事者性を持つ登場人物が描かれているが、そのどの役柄も自分と同じ立場から「ちぃちゃん」の死を眺めてはくれない。観客は不在の「ちぃちゃん」を想像し、そこに自身の当事者性を投影する。それは中学校時代に途中で突然学校に来なくなったあの子かもしれないし、学校帰りに声をかけてくれたあの子かもしれない。それは決して誰にも見えない架空の関係性であり、本作はそういった記憶への意図しない漂流を押し進めてくる上演のパワーがあった。
「ちぃちゃん」を演じる結城真央さんの演技が印象的。所作や発言が唐突だったり、人との身体距離が妙に近かったり、プリーツを気にせず座ったり、その振る舞いが虐待サバイバーだからという説得力を持ってしても意識化されていないと演じられない小さな動作のひとつひとつが、たしかに記憶に「ちぃちゃん」がいたという実体を描き出している。不在への眼差しを観客と同一にするために、キーとなる演技を冗長な部分なくクリアに表現されており好感を持った。
全編通して小気味のいいギャグや歌のシーンが、本作の緩急をつけ、群像劇の終局に向けて集中線を引いている。それゆえに、俳優の演技の中での発話の滑舌と集中の持続力が気になった。この人数が出てくる劇構造上仕方ない部分ではあるが力みすぎた説明台詞が多い点と合わせて、今後の作品創作に期待したい。
(以下、ゆるいつぶやき)
ちょうど同時期に藤野知明監督のドキュンメンター長編『どうすればよかったか?』を鑑賞し、当事者が記憶を記述し表出することの圧倒的な力強さと、例えばこれをもって「やはり当事者に勝る表現はないのだ」と主張する根拠に使われてしまうと嫌だなという気持ちが交錯しました。当事者にしかできないことがあるのと同様、当事者以外だからこそできることもあるからです。本作の乙倉は映画監督を目指していますが、まさに当事者とは遠いところから「ちぃちゃん」を追いかけようとしており、劇中では何度も拒否されます。もし私が乙倉の友人だったら「そのへんで一旦やめといたら。それはあなたもつらいでしょ」と声を掛けるかもしれない。乙倉の理解されなさに気付いてケアしてくれる人が登場人物にいてくれたらな、とぼんやり考えたりしました。
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2025/03/28 17:44
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